MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

嘘つきが強要する道徳について

2017-05-13 20:53:03 | Weblog


(2017年5月13日 毎日新聞)

 「『そもそも』の意味を辞書で調べると『基本的に』という意味もある」と国会で述べた安倍晋三首相のその後の経緯が書かれていたので、岩佐義樹記者の記事を引用しておきたい。

「その後、民進党議員から同趣旨の質問主意書が出て、政府が12日に答えた。大辞林によると『そもそも』に『どだい』という意味があり、『どだい』に『基本』という意味がある - というのだ。
 大辞林が『どだい』の意味があるとする『そもそも』は名詞用法だ(そもそもは僕が始めたものなど)。『どだい』も、その意味として挙げる『基本』も名詞だが、首相の言う『基本的に』は名詞ではない。ちなみに、『どだい』に副詞用法もあるが、否定的文脈で使われる。
 大辞林を刊行する三省堂辞書出版部の山本康一さんは『確かに『そもそも』の説明に『どだい』を入れ、『どだい』の説明に『基本』を入れている。だがそうは言っても『そもそも』がすぐに『基本』と結びつくとは言いにくい』と話す。
 『そもそも』=『どだい』=『基本的に』は、どだい無理な解釈なのだ。
 答弁書を読む限り首相が引いたとする辞書はなかったのだろう。それを強引に取り繕うのはおよそ教育的とは言えず、国語への悪影響が懸念される。」

 恐ろしい結末だ。つまり現在日本のトップに立つ男は平気な顔をして嘘がつける人間なのである。そしてそんな男が小学生に道徳を強要しているのである。これを悪夢と言わずに何を悪夢というのか?

 

「政府は26日の閣議で、『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の国会答弁で安倍晋三首相が引用した『そもそも』の語意について『首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない』とする答弁書を決定した。首相が『辞書で調べたら『基本的に』という意味もある』と答弁して反論した経緯がある。民進党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。」という「『そもそも』語意 首相辞書引かず」というタイトルの記事が2017年5月27日の毎日新聞に掲載されていた。これで密かに済ませる気なのか。


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