Kim Carnes - Bette Davis Eyes
最初にキム・カーンズの「ベティ・デイビスの瞳」を和訳してみる。
「Bette Davis Eyes」 Kim Carnes 日本語訳
彼女の髪はジーン・ハーロウのような金色
彼女の唇の魅惑はいままで見たことがない
彼女の両手はいつも温かい
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女はあなたのために音楽をかけるから
あなたは深く考える必要はない
彼女はニューヨークに降る雪のようにピュアだから
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女はあなたをじらして悩ませ
あなたを不安にさせるだろう
ただあなたをもっと喜ばせるために
彼女は早熟で
彼女には自分がプロ並みの化粧の仕方をする
素質を持っていることが分かっている
彼女はグレタ・ガルボのような不愛想なため息をつく
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女はあなたを彼女の家に迎える
それが彼女の本能を刺激する
恭しくもてなすだろう
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女はあなたを混乱させて
あなたが青ざめるまで
サイコロのようにあなたを転がすだろう
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女があなたに投げる小銭で
あなたを完全にたらし込む時
彼女はあなたの正体を晒す
彼女は残忍で
彼女には自分がプロ並みの化粧の仕方をする
素質を持っていることが分かっている
男の子なら誰でも彼女はスパイだと思うはず
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女はあなたをじらして悩ませ
あなたを不安にさせるだろう
ただあなたをもっと喜ばせるために
彼女は早熟で
彼女には自分がプロ並みの化粧の仕方をする
素質を持っていることが分かっている
男の子なら誰でも彼女はスパイだと思うはず
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女はあなたをじらして悩ませ
あなたを不安にさせるだろう
ただあなたを喜ばせるために
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
彼女があなたをたらし込む時
彼女はあなたの正体を晒す
彼女にはあなたのことが分かっている
彼女の瞳はベティ・デイヴィスのよう
この曲で指摘されている「ベティ・デイビスの瞳」がいつの頃の瞳を指しているのか
定かではないが、おそらく23歳頃のデビュー時の瞳だと思う。
しかしこの曲で興味深いのはベティ・デイヴィスよりもジーン・ハーロウの方である。ジーン・ハーロウ(Jean Harlow)はシャーリーン(Charlene)が歌った「愛はかげろうのように(I've Never Been to Me)」でも登場しているだけでなく、両曲ともに70年代に別のミュージシャンによって発表されたもののヒットしなかったカヴァーで、さらに「ベティ・デイビスの瞳」は1981年、「愛はかげろうのように」は1982年にヒットしているのである。80年代になって女性の社会的立場が確実に変わっていると思われる所以である。
それにしてもヒット曲を越えてスタンダードと化した2つの名曲にその名を刻んだジーン・ハーロウは1911年生まれで1937年に26歳の若さで病死しているのであるにも関わらず、1970年代になって歌詞に名前を使われるのだからなかなかの知名度である。日本で言うならば夏目雅子といったところだろうか。