原題:『Haunted Mansion』
監督:ジャスティン・シミエン
脚本:ケイティ・ディボルト
撮影:ジェフリー・ウォルドロン
出演:ロザリオ・ドーソン/ラキース・スタンフィールド/オーウェン・ウィルソン/ティファニー・ハディッシュ/ダニー・デビート
2023年/アメリカ
大人の観賞に耐えられる子供用映画について
本作はアメリカでは興行的にも失敗して批評家からも不評を買ってしまっているのだが、個人的にはなかなかよくできた作品だと思った。わかりやすく一言で言えば子供用に制作されたはずだが、大人の観賞にも耐えられるといったところだろうか。つまり主人公で天文物理学者であるベン・マサイアスが既に大人であり、亡くなった妻のアリッサに対する傷心がハットボックスゴーストにつけ込まれるのであるが、それは屋敷の前の所有者であるウィリアム・グレイシーが流行り病で亡くなった妻のエレノアに対する傷心がつけ込まれたことと対をなし、霊媒師のハリエットと降霊術師のマダム・レオタが対をなし、神父と称している詐欺師のケントと病弱な歴史学者のブルースが「父親」の代わりを務め、母子で屋敷に引っ越してきたトラヴィスと、父親に勘当されたアリステア・クランプの存在は対照をなしており、2人に対するベンの言動がストーリーに深みを与えているように思うのである(クランプは明らかにトランプのもじりであろう)。
ハリエットの霊術で自分の体から抜けたベンが館の中をさまようイメージがエッシャーの絵のようで素晴らしく、映像も良いと思うんだけれども。
ロイ・オービソンが1963年にリリースした「ハウス・ウィズアウト・ウインドウズ」を和訳しておく。
「House Without Windows」 Roy Orbison 日本語訳
僕は窓の無い家に移るつもりだ
だから僕は訪ねてくる君に会うことはないよ
君の新しい恋人を連れてやって来る君に
僕の窓の無い家の暗闇の中で
僕が輝く星々を見ることはあり得ない
君と君の新しい恋人を照らす星々を
僕は新たな孤独な日を迎えるよりも
終わりなき夜に惑っていた方がいい
君はもういなくて
再び腕を交わし合うことはないことが分かっているのだから
僕は失意を引き受け
破れた夢も全て引き受ける
今後君が目撃するのは
そこで泣きながら忘れようと努力している僕の姿だ
僕の窓の無い家で
僕の窓の無い家で
恋人のいない僕の家で
僕の窓の無い家で
僕の窓と恋人の無い家で
Teaser Trailer | Haunted Mansion | Disney UK
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