原題:『The Killer』
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
撮影:エリック・メッサ―シュミット
出演:マイケル・ファスベンダー/チャールズ・パーネル/アーリス・ハワード/モニーク・ガンダートン/ティルダ・スウィントン
2023年/アメリカ
暗殺者としての高い「倫理観」について
主人公のヒットマンは異常なほど自身に厳しいルールを課しており、冒頭においてもパリの空き部屋で向かい側のホテルの部屋に泊まるはずのターゲットを待っているのだが、なかなかターゲットが現れず、ホッジと呼ばれる代理人に確認の電話をしている。
ようやくヘッジファンドの経営者で大富豪のクレイボーンが現れるのだが、ヒットマンが撃った瞬間に一緒にいた「女王様」に命中し、暗殺は失敗する。
ヒットマンはすぐに邸宅のあるドミニカ共和国に戻ったのだが、一緒に住んでいたマグダラが彼の代わりに襲われて重傷を負って病院に入院していた。この時、ヒットマンはマグダラの暴行に関わった人物を探し出していつものように殺していくことにする。
最初にルイジアナ州のニューオリンズにあるホッジの事務所に向かいホッジを殺し、依頼人の情報を得た後に彼の秘書のドロレスも殺す。そのままフロリダ州に向かいマグダラに手を出した暗殺者の一人を殺し、もう一人の女性の暗殺者をニューヨークへ行って殺してしまう。
最後にシカゴに向かうとクレイボーンの部屋に侵入するものの、警告だけしてクレイボーンを殺すことなく立ち去って行く。
ラストはドミニカ共和国に戻ってマグダラと暮すことになるのだが、ヒットマンは引退することにする。つまり本作はヒットマンとして仕事をしくじった男が引退しようと思っていた矢先にガールフレンドが襲われたために、引退する前に復讐をするという話なのである。暗殺者としての高い「倫理観」に感動してしまうのであるが、感動してしまっていいものやら。
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