原題:『十二人の死にたい子どもたち』
監督:堤幸彦
脚本:倉持裕
撮影:斑目重友
出演:杉咲花/新田真剣佑/北村匠海/高杉真宙/黒島結菜/橋本環奈/吉川愛/萩原利久
渕野右登/坂東龍汰/古川琴音/竹内愛紗
2019年/日本
面白そうで面白くない原因について
安楽死を前提に廃病院に集まって来た未成年の子供たちが、身元不明の「死体」の存在を理由に自殺に反対した一人の参加者をきっかけに、やがて全員が自殺に反対することになるという展開は、その人数からしても『十二人の怒れる男』(シドニー・ルメット監督 1957年)にインスパイアされたものであるだろうが、ストーリーとしては予定調和な感じで捻りがありそうで無く、死にそうで死なず、面白い点を挙げるならば人気女優の秋川莉胡を演じた橋本環奈の自虐的な啖呵くらいであり、オチもサトシの「正義」に対するアンリの「悪意」が弱いと感じた。
しかしなによりも問題なのは「ゼロバン」とされていた「死体」が実は死んでいなかったというストーリー展開で、さすがに人が死んでいるか死んでいないかはいくら極限状態であるとはいえすぐに分かりそうなものである。