鶴保大臣「土人発言、差別と断定できない」 野党は批判
鶴保沖縄相、「土人」発言に持論繰り返す 野党は追及
鶴保氏は発言撤回せず、沖縄知事「遺憾」 「土人」発言
「土人」めぐる答弁、和歌山県内にも飛び火 共産が辞任求め申し入れ 鶴保氏「一方的に人権問題と決めつけるのは危険」と反論
鶴保氏「言葉尻」と不満
「変なこと言うと言葉尻を…何も言わない」自民・鶴保氏
鶴保氏発言、謝罪不要=政府答弁書
「土人発言、差別と断定できず」は訂正不要 政府答弁書
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沖縄県東村の米軍ヘリパッド建設現場付近で、大阪府警の機動隊員が抗議活動をしている人に
「土人」と発言した問題について、沖縄北方相の鶴保庸介は11月8日に「『土人である』と
言うことが差別であるとは個人的に断定できない」と述べ、「人権問題であるかどうかの問題に
ついて、第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険なこと。言論の自由はもちろんどなたにでも
ある」と主張し、「その(土人という)言葉が出てきた歴史的経緯には、様々な考え方がある。
現在、差別用語とされるようなものでも、過去には流布していたものも歴史的にはたくさんある」
と説明している。その後鶴保は11月10日の参院内閣委員会の理事懇談会に出席した際に、
「土人」発言について、「ある事項が人権問題かどうかについて、第三者が一方的に決めつける
ことは非常に危険ではないか。言われた側の感情を主軸において判断するべきだ」と述べ、
記者団に「(謝罪ではなく)説明をした。私のどの部分の適格性が疑われるのか理解しかねる」と
付け加えている。11月11日の閣議後の記者会見で、鶴保は「差別と断定できない」とした
発言を撤回しない考えを示し、「何度も同じことを繰り返すしかない」と強調した。11月14日
支持者宛てにメールで鶴保は「安易に人権侵害を認めてしまうと憲法で認められている思想・良心
の自由や言論の自由を萎縮させ、逆差別の危険性が出てくる」と釈明し、さらに、野党やメディア
からの「機動隊員の発言を擁護している」という指摘については、「公権力の行使にあたる人間が
不穏当な言葉を威圧的に使ったことは不適切と何度も強調してきた」と説明し批判は当たらない
と反論している。11月17日、東京都内での自民党衆院議員のパーティーで、鶴保は「陰に陽に
山口さん(自民・山口壮衆院議員)にはお支えを頂いて、今日も大臣室へ来ていろいろアドバイス
を頂いた。『あんまりしゃべるな』というアドバイスであります。私も大臣になっていろいろ
分かりました。説明というやつをすると『釈明』と言われる。なおかつこういう所で
変なことを言うと、すぐまあ、言葉尻をとらまえられる。従って今日は何も言いません。」と
述べている。そして政府は18日の閣議で、鶴保が沖縄県での機動隊員の暴言に絡み、「土人と
言うことが差別だとは断定できない」と国会で答弁したことについて、「鶴保氏が謝罪し、
または答弁を訂正する必要はない」とする答弁書を決定し、ようやく土人問題に関して一段落
ついたことになった。
鶴保が「第三者」としている相手が誰なのかよく分からないが、鶴保本人は内閣府特命担当大臣
として沖縄及び北方対策担当大臣を担っているのだから、沖縄県民の気持ちを斟酌しなければ
ならず、当然「言われた側の感情を主軸において判断するべき」立場であるはずなのだが、
「第三者」づらをする意図が分からない。
「安易に人権侵害を認めてしまうと憲法で認められている思想・良心の自由や言論の自由を
萎縮させ、逆差別の危険性が出てくる」という鶴保のメールの意図もよく分からない。相手を
「土人」と罵ることが「良心の自由」だとはとても思えないからである。この理屈だとヘイト
スピーチも容認することになってしまう。
「現在、差別用語とされるようなものでも、過去には流布していたものも歴史的にはたくさん
ある」から「土人」という言葉を使うことが悪いとは言えないという理屈も奇妙なもので、
過去に差別用語として流布していたから今は使うことを止めようとなったのではないのだろうか?
穿った見方をするならば、これは沖縄の基地問題を沖縄県民の気持ちを慮って解決する気は
さらさらないという鶴保の暗黙のメッセージなのかもしれないが、いずれにしても大臣として
と言うよりもそもそも人間として信用できない男ではある。