
無線LANを使って1階と2階を結びました-VLANで伸ばす
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
今日は、「無線LANを使って1階と2階を結びました-VLANで伸ばす」編です。
地下一階相当にある事務所に来ている電話回線を、その上の自宅の2階まで伸ばしてFAXを設置する話です。地下一階の事務所と自宅の1階は、LANケーブルで結ばれており無線LANアクセスポイントがつながっています。自宅の2階は1階の無線LANアクセスポイントの電波が届いており、快適に使っています。今回のテーマはこの既設のLANを使って自宅の2階に「FAX用の電話回線」を伸ばすのです。2階には一般的な、プリンタ兼FAX機があります。
既設のLAN上にVLANを設定することで、既設のLANを使って「新たなLANケーブルを引いたように、異なるLANを通す」ことができます。もちろん、これまでのLANと混ざると危険です。特にDHCPサーバーを使う場合は十分な注意が必要です。これまでの経験では「時々おかしくなるんですよね」と相談を受けるときは、DHCPサーバーが二つ以上同時に動いていることがほとんどです。

クリックで拡大
この図のようにVLANを張ると独立した二つのLANを一つの物理経路に収容することができます。これは既設のLANを利用して異なるLANをつくる際にとても便利です。なんといっても新しいLAN工事が要りません。必要なことは、新しいLANをつなぎ込むためのVLANスイッチ2台です。このスイッチで新設するLANの情報に「Tag」と呼ぶ符号がつけられ、既設のLANの情報とは異なることが判るようになります。これまで動いている既設のLAN上のルーター、PCやプリンター等の設定の変更は一切不要です。
ビルの縦系に既にLANケーブルが敷設されており、既存のLANが動いている場合は、そのケーブルを利用して「異なるLANを通過させることができる」るのです。しかも今回の検討では「電話線も載せて伸ばす」のです。すなわち、配線工事の概念が大きく変わります。
この仕組みを使って、事務所から自宅内の事務机まで既設LANを経由して「新しいLANケーブルを引っ張っていく」形を作ります。新しいLANができたら、その上をIP化された電話信号が流れることになります。
次回は、具体的な機器構成を紹介する予定です。