
米Yahoo!、Microsoft提携と検索の違い
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
米国Microsoftと米国Yahoo!の提携が公式に発表されました。合併ではないので、二つともそれぞれのブランドを持ち続けます。おそらく、ユーザには大きな変化は見えないと思います。技術的な興味としては、米国Yahoo!の検索エンジンがBingの検索エンジンに変わることです。
Bingが目指しているのは「検索の結果をディレクトリ化する」ことだと捉えています。Yahoo!はご存じの通り「情報のディレクトリ化」で検索シェアを獲得しました。情報を体系的に辿っていく方法は、人は容易に理解でき、目的の「ディレクトリ」に到達することができます。
ところが「目的のディレクトリに目的のものを入れる」作業の自動化は難しく、一方でサイト数の莫大な増加にともない、有償の申告を元にしたサイトが優先的にディレクトリ化されることになります。
Googleはディレクトリ化よりも「世の中のほとんどのサイトの検索の結果」を見せることでユーザを獲得し、検索キーワードに関連する広告を表示するということをしました。即ち基本的に「ディレクトリの考えがない」のです。「全部見せるよ」です。
Googleの登場で、ユーザ側は「検索結果」重視になり「効率的な検索を求めて」検索ポータルを選びます。ところがユーザ側は「いっぱい出てくるけど、どのサイトが良いのか判らない」ということになります。
この中間を実現しようとしているのが「Bing」です。もともとYahoo!の考えに近いものがあります。確かにBingが目指すことができれば「検索の目標サイト」をより速く見つけ出すことができるかもしれません。ユーザは検索エンジンなど何でもよく「探そうとしているものが素早く見つかること」が大事なのです。検索用語に連動してスポンサーサイトが表示されるだけでなく、関連用語からの情報を表示することは、検索結果に広がりを持たせることができます。これが大切です。「検索ユーザーは素人」なので「的確な検索キーワードを駆使する」ことは難しいのです。
また個々のユーザは「同じ検索をしても目標は異なる」ので、情報を提供する検索サイトにはログイン機能があり、ログインしている間の検索や訪問サイトの傾向から「ユーザーが欲しいと思っている情報により近いもの」を表示します。もちろん、表示結果がぴったりくるわけではありませんが、素の情報を羅列されるより効率的に目的に近づくことができる場合も多々あります。
私は検索の多くをGoogleで行いますが、息抜きサイトはMSNです。技術用語からの検索が多いのでGoogleの「べた書き的な結果表示」は役に立ちます。特に海外サイトを含めた検索の際はGoogle以外の検索サイトを使う機会はありません。息抜きサイトの選択は「何となく定着」です。コンテンツは見ますが、検索をすることはほとんどありません。MSNの前はYahoo! Japanでした。その間iGoogleも試しましたが定着していません。
日本のYahoo!が今後どうなるのかは、判りませんが今のYahoo!は良くできていると思います。ポータルサイトに利用者が定着する理由は「論理性ではなく快適性から」なのです。まだまだ検索関連業界も発達段階だと思います。Googleが今後10年間でどう変わるのかも興味深いところです。
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