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「わたしが外人だったころ」鶴見俊輔/文 佐々木マキ/絵

2015年11月26日 21時25分14秒 | 読書(エッセイ&コラム)

たくさんのふしぎ傑作集<br> わたしが外人だったころ 
「わたしが外人だったころ」鶴見俊輔/文 佐々木マキ/絵

鶴見俊輔さんが学生の時に太平洋戦争が始まる。
当時、ハーバード大学に留学中。

P10
ある夕方、わたしが下宿していた屋根うら部屋に、3人の刑事が入ってきて、わたしを警察本部へつれてゆきました。
(正確には連邦警察FBI本部、である)

鶴見俊輔さんは、獄中で卒業論文を書き上げる。
そして、交換船で日本に帰る決心をする。

P21
 わたしは、アメリカの政府に命令されて、交換船にのったのではありません。
「日本とのあいだに交換船が出るが、それに乗りますか?のりませんか?」
 と、ひとり、ひとり、役人の前によびだされて、たずねられたのです。
 日本が戦争に負ける時、負ける国にいたいという思いが、つよくわたしの心の中にうごきました。

P38
 わたしは、アメリカにいた時、外人でした。戦争中の日本にもどると、日本人を外人と感じて毎日すごしました。それでは、日本人のなかで外人として生きていたことになります。今は、わたしは外人ではないのか。

【ネット上の紹介】
戦時中アメリカで過ごした日々を振り返り、「きみも、わたしも。ほんとは外人じゃないか?」と問いかける。

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