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「大聖堂-果てしなき世界」(上・中・下)K.フォレット

2023年08月21日 08時50分21秒 | 読書(小説/海外)


「大聖堂-果てしなき世界」(上・中・下)K.フォレット

「大聖堂」の続編。
約150年後、14世紀の前半、イングランド・キングズブリッジが舞台。
前作の子孫たちが登場する。
英仏100年戦争とペストが時代背景となる。

前作同様とても面白い。
――悪役の造形が巧いから。
これは大きな要因だ。
悪役が物語を引っ張ってくれる。
これに歴史要素が加味される。
だから万人受けしてベストセラーになった、と思う。

上巻P663
「愛は食べられないわ」アネットがいい捨てて、教会を出ていった。

中巻P11
「良心が咎めるなんていうのは、余裕のある人間の特権だよ」

中巻P279
なぜ神は自分が賛美されることを求めるのだろう?

中巻P515
この病気にかかった者のほとんどは5日以内に死亡した。人々はこれを”大悪疫”――ペスト――と呼んだ。

下巻P561
ギルドを招集する前に、カリストマーティンは主だった会員に個別に会って、あらかじめ彼らの支持を取りつけることにした。マーティンがずっと昔に編み出した手法である。彼のモットーは次のようなものだった。――”会合を開くのは、結果の予想がついてからにせよ”。(英国にも根回しがあったのね)

P564
「町を封鎖しなければならないわ。門をすべて閉じ、防壁に警備員を配置して、だれも入ってこられないようにするの」(14世紀ペストのパンデミックに対してロックダウンを実施。キングスブリッジは武漢か!)

P568
「必ずマスクを着用して、患者に触れたら、そのたびに手を酢で洗わなければなりません」(本作品は、英国で2007年、日本で2009年に発表された。後のコロナを予見するような内容だ)

【感想】
ヒロインのひとりがカリス。
(前作のアリエナに相当)
とても手間がかかって面倒な女性。
著者は、このようなタイプが好みなんでしょうね。

【参考リンク】

「大聖堂」(上・中・下)ケン・フォレット

【ネット上の紹介】
いつか、イングランドでいちばん高い建物を建てる――大きな夢を抱く建築職人のマーティンは、その才能に嫉妬した元親方の策略によって破門され、細々と生計を立てていた。一方、彼の恋人で富裕な羊毛商人の娘カリスは衰退する羊毛市を救うため、老朽化した橋の修復計画に奔走する。
そんな折り、町の橋が崩壊して多数の死者が!
全世界で1500万部のベストセラーとなった『大聖堂』から18年、世界中をふたたび熱狂させた続編が登場。

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