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エアーセントラルのダッシュエイト、前輪出ないまま着陸!

2007年03月14日 | 航空・旅客機
まいどおばんでした、野々村です。

えーと、旅客機好きとして関心を持たずにいられない記事を。
[全日空機が胴体着陸、高知空港
 乗客ら60人けがなし 【写真】  2007/03/13 14:31]

[胴体着陸のボンバルディア 国内36機を緊急点検
 国交省が指示 道内は4機  2007/03/14 07:29]

[ボンバルディア機 中標津空港では白煙 13日午前  2007/03/14 07:30]
[道内ボンバルディア機も緊急点検 3機は異常なし  2007/03/14 13:42]
[事故機機長らを事情聴取
 胴体着陸事故で事故調委 【写真】  2007/03/14 13:28]

[格納扉のボルト1本脱落 部品が邪魔し開かず 【写真】  2007/03/14 20:57]
[■社説 胴体着陸*対策の遅れなかったか(3月14日)]
[■卓上四季 胴体着陸(3月14日)]
[NHK臨時ニュース映像]
[NHKのものと思われる元映像、現地音声のみ]
[TBS系列ニュース映像(乗客インタビューも)]
[TBSによるドキュメント]
[民放ニュース映像(フジ?)]

いやはやこのニュースには驚きましたよ。
まぁ最近航空関係の情報を袖手打てないですからねぇ・・
多くの航空ファンなどの間では「またか」という声が多いようですが?
胴体着陸をやったのはエアーセントラル、まぁグループで便名を全日空で統一して
いるので全日空機と説明しているところが多いですが。
エアーセントラルはセントレアをベースにしている全日空の子会社で、前身は
名古屋ベースで函館-福島も運行していた中日本エアラインサービスです。
機首はボンバルディアDHC8-Q400、ダッシュエイトですね。
全日空1603便、期待番号はJA849Aです。
元々DHC6ツインオッターに代表される小型機を作ることに長けていた
デハビランド・カナダ社の飛行機だったのですが、それをカナダの大手グループ、
ボンバルディアが買収したものです。ちなみにデハビランド・カナダを設立した
イギリスのデハビランド社は、あの初のジェット機・コメットを開発した会社です。

さて、とりあえず事の次第を追ってみましょう。

08:49 同機から管制塔に前のギアが出ないと最初の通報。
 |
 |機長は前脚を手動で動かそうと試みるが動かず。
 |この場合、手元のハンドルでワイヤーを引けばロックが解除されて油圧が
 |壊れていてもギアを出すことが出来るそうですが作動しなかったようです。
 |
10:25 RW32にタッチ・アンド・ゴーの衝撃で前輪を落とそうとするも、叶わず。
 |
 |タッチ・アンド・ゴーとは一度着地してそのまま離陸することで、訓練でもよく
 |行われています。今回は後ろのギアだけいったん着地させ、そのショックで前の
 |ギアを振り落とそうとするものでした。
 |
10:41 機長「もう5分後ぐらいに着陸したい」
 |
 |タッチ・アンド・ゴー作戦失敗で胴体着陸を決めたであろう機長、そのために
 |上空を旋回し続け、燃料をカラにします。これは胴体着陸をする上で欠かせない
 |んですよね。胴体着陸時に出る火花が燃料に引火するのを防ぐのと、減速しやすく
 |するためです。
 |もちろん機長はこういう場合の着陸方法は訓練でしっかり覚えている上今回の
 |機長はベテラン、「ちゃんと訓練は積んでいます」と機内アナウンスで乗客を
 |安心させることも忘れず、そして胴体着陸に臨みます。
 |
10:54 胴体着陸を決行。
 |
 |先ほどと同じ、海側のRW32からアプローチ。ここで姿勢を保つことも基本です。
 |そしてまず後輪が接地します、そして訓練通り、しばらく機首を持ち上げながら
 |減速し、十分減速させてからゆっくり機首を接地。金属がコンクリートに擦れて
 |火花を散らしながら減速し、後輪接地から約30秒半、ついに機体は静止しました。
 |消防車が駆けつけ、摩擦熱で熱くなった機首に水をかけて冷やしてから順次
 |乗客、乗員を降ろします。乗員乗客60名にケガはありませんでした。
機長の冷静な対応もあって客室内も混乱した様子はなかったそうですね。
そして事故原因はのちに前のギアをおろすための扉を開ける装置の根元のボルトが
抜け落ちていたことが原因と判明しました。
しかし何故なんでしょうねぇ。

このダッシュエイトは就航以降度々トラブルが起き、同じ日には中標津でも同じ
全日空系列のエアーニッポンネットワーク(A-Net)所蔵の兄弟機、Q300型機の
エンジンから白煙が上がったんですよね。冒頭に記事貼りましたが。
こちらはメーカーの調査で防氷液がエンジンの余熱で気化したものと説明があった
ようですが、A-Netの調査ではオイル漏れが見つかっているので、何か信憑性に
欠ける感があります。
最初この機首を開発したデハビランド・カナダ社はけっこう信頼の高いメーカー
だそうですが、以前から世界中でトラブルが相次いでいるようなんですよね。
まぁボンバルディア社に買収されたあと、日本でのYS-11の退役、フォッカー社の倒産、
サーブ社の旅客機業界撤退で、50~60席規模のコミューター機市場で独占状態になった
このボンバルディア社、本当にきちんとした安全管理がなされていたのでしょうか?
日本の航空業界だって、確かにダッシュエイトは燃費も良いし速度もある。
YS-11の国内退役の理由が老朽化ではなく衝突防止装置がないことで、それに1億かけて
装置をつけるよりは新しいのを買った方が良いという考えでやったことだそうですが、
これ考えたら横浜の工藤投手のように今もまだ現役バリバリのYSを使い続けた方が
良いと思うのですが。
そして本当にYSがガタが来るまでにYSの技術を今からでも継承する国産旅客機を
作るべきですね。日本なら出来ると信じています。

PS
[こちら]の考察も是非読んでください、けっこう舌巻きました。
あ、時間かかりすぎたんでコメントレスは明日にします(ぉぃ

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (宮原太聖)
2007-03-15 18:29:05
>DHC8-Q400
 前々からトラブルの多い機材だったそうですね。
 それにしても、車輪が出なかったのが前輪で良かったかも知れません。もしこれが後輪片方とかだったら、バランス取るの難しいでしょうし。

>YS-11
 調べてみたら、0系新幹線と同年代だそうで、驚きました。0系新幹線なんて、もう殆どが廃車になっているのに、新幹線より酷な使い方されている航空機であるYS-11がまだまだガタ来ていないとは……素晴らしいですね。

>国産旅客機
 ホンダがビジネスジェット機設計製造販売に乗り出していますから、近い将来、また国産旅客機が世界中で活躍するかもしれません。
返信する
すごいなぁ (megu)
2007-03-15 19:59:47
野々村さんって 飛行機にも詳しかったんですね。
凄いなぁって感心して読ませてもらいました。
返信する
レス (野々村@管理人)
2007-03-16 01:31:40
>宮原さん
後輪片方でもパイロットは訓練受けてますよ。
と言いますか胴体着陸の場合、前輪のみ、果ては全ての車輪が出ない状態でも完全胴体着陸着陸できますからね。
http://www.youtube.com/watch?v=DqdYuzaCMNI
http://www.youtube.com/watch?v=ahp66JEe75A
YSは最初トラブルが相次いで、それを解決するためにどんどん
修理や補習、改良を加えて耐久性が上がったんですよ。
元々作る人に軍用機のノウハウしかなかったためにやたら頑丈になったそうですし。
ホンダだけでなく、川崎、富士なんかも携わってまたプロジェクト立ち上げてもいい気がしますねぇ、後継機作り。
と言いますか日航製は解散すべきではありませんでした。

>meguさん
いえいえ、それほどでもないですよ。
でもファンとして色々航空雑誌も以前は読んでましたし、
ブログでも飛行機ネタ、時々取り上げてますよw
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YS-11ですけど (宮原太聖)
2007-03-20 19:19:05
 ようつべを漁っていたらこんな動画を見つけました。
http://www.youtube.com/watch?v=b56PtKCGZ_c
 これはなかなかの出来です。なんかYS-11のファンになってしまいそうです。

 国産の翼、再び羽ばたいて欲しいものです。
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>宮原さん (野々村@管理人)
2007-03-21 04:29:45
それ、知ってますよぉw
本当素晴らしい出来です。
ただ僕の好きなANKのじゃなくてJACだけのっていうのがなぁ・・w
ANKのとか、JASとかJTAとか他のエアラインのも使って欲しかった気がします。
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