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初手天元(実際の算哲・道策戦)

2012年09月22日 | 囲碁

実際の安井算哲(先番)と本因坊道策の「天元の局」寛文10年(1670年)は、このような棋譜であった。

初手天元は、地に甘く、天元の石を活かす、その後の打ち方が難しい。初手天元に対する最善手は空き隅を占める手のはずだ。実際、道策もそのように打っている。高尾九段のページでも解説されているが、道策は算哲の初手天元を完全に封じたようである。そもそも将軍の御前で行う御城碁である。本因坊道策が算哲の手にのるような打ち方をするはずはない。

ただ、映画「天地明察」の中では、お話上、この進行を並べる訳にはいかないだろう。
初手天元にはロマンがある。初手天元に応え、天元の石の働きと直接競う最善手とは、天元の石の隣しかないだろう(勝つための最善手ではない)。映画ではこういう細かいところまでこだわっているところが面白い。

この時代、コミがなかったのだから、初手天元はあり得る手だったのではないだろうか。ただ、道策ほどの打ち手には通じないだろうが。最初から、目ハズシにカカッてきたらカケて天元を封じようとしていたか。

それにしても、初手天元は、現代でもタイトル戦で現れれば皆たまげるだろうに、当時、御城碁で実際に打った算哲は、よっぽどスケールが大きかったか、変わっていたか(^^)

ただ、皆が仰天したのは確かだろう。


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