8月は、広島、長崎、終戦記念日とあり、「戦争と平和」についての話題・出版・テレビ番組が多くなる。最近、これらを見るにつけ、何か違うのではないかという感じがしてならない。
だいたいは、戦争の悲惨さを訴え、戦争は絶対にしてはいけないというストーリーになっている。そして、子供向けには特に単純化されている。そう、えらく単純なのだ。小学校の低学年までは仕方がないと思うが、中学、高校、一般向けもそのようなことでいいのだろうか。
戦争など、なくさなければならない。あたりまえのことである。しかし、現に戦争は存在するし、通常兵器も核兵器も存在する。兵器を他国に売る産業まで存在する。親子でさえ、また、会社内など争いが絶えないのに、国と国との争いが全くなくなるのか。そのように複雑な現状の舵取りを、単純な知識と思考の人達に託すことができるか。
だから、教育は、戦争の悲惨さだけではなく、なぜ戦争をしたのか、その時世界はどう動いていたのか、戦争を避けるためにどういう手段があったのか、そうした場合どうなっていたのか・・・そういう点についてもちゃんと教えるべきではないか。その上で、過去の行為を検証するよう教えなければならないのではないか。それによって考えが変わる場合もでてくるはずである。