蘊蓄cafe

-日々発見、身の回りの話題 【うんちくカフェ】-

Agent 15?

2013年01月16日 | Weblog

シリアで反政府勢力が政府軍の化学兵器による攻撃を受けたと報道されている。「サリン(Sarin)に似た作用を及ぼすエイジェント15(Agent 15)」で7名前後が死亡と主張しているというが・・・何か違うような気もする。

「Agent 15」は、「3-キヌクリジニルベンジラート」という物質で「BZガス」という名前の方が探しやすいかも。サリンは神経作用剤であるのに対し、 BZは、向精神剤(無力化剤)で、脳に作用して効果的な行動をできなくする。症状は幻覚や錯乱など。サリンが瞳孔縮小、呼吸困難、筋肉痙攣を起こすのに対 し、BZは、瞳孔散大、意識障害を引き起こす。サリンとは全然違わない?

因に、毒性の指標の一つであるLCt50は、BZが 200,000mg・分/m3に対し、催涙剤のアダムサイトで11,000、サリンで70。BZで死亡者がでたのであればよっぽど特殊な散布をされたのか?又はBZではなさそう? そもそもBZが使われるのはかなり珍しいという(殺傷目的で使われるものではないので)。