「POKKA POKKA」
佐藤伸治
心の揺れを静めるために静かな顔をするんだ
真赤な眼で空を見上げて静かな顔をするんだ
眠ってる人を思い出すんだ
眠っている人はみんな好きだから
眠っている人を思い出すんだ
眠っている人が一番好きだから
ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ
ぼんやりきまった空に君を大きく思い描いて
ぼんやりしていればいいことありそうな
気もするし気もしないしわからないけど
さみしい時に泣ければいい
だれかにだけやさしけりゃいい
明日に頼らず暮らせればいい
だれかにだけしか見せない
そんな笑顔があればいいのさ
なんてフラットな視線なんだろう。
彼の詩は、すっと入って来る。
それでいて、誰も書き得ないようなことを普通に歌う。
眠っている人は、やがて目を醒ます。
おはよう、おはよう。
大きな声で、ごあいさつ。