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SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

羊の宇宙

2006-05-29 11:02:35 | 偏愛
羊の宇宙

講談社

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拙作「くじら、ねこ」は、たむらしげるさんに描いてもらいたい・・・。
かなり有名な方だけど、本は持っていなかった。
Sさんに「くじら、ねこ」のイメージはこの絵、と言われ購入。

これは・・・
夢枕獏さんの宇宙観と、たむらさんのシンプルかつ浮遊感のあるイラストの見事なる融合ではないですか!
素晴らしいものに出会ってしまった。
これは読むべきです。
大人の絵本のひとつの頂点といえるのではないでしょうか?


以下は、実は生きていたアインシュタインの問いに対するカザフの牧童の答え

(物質と時間の関係について)

「うん、物質というのはね、時間を入れるための器なんだよ」
「それでね、時間っていうのもね、物質を入れるための器なんだよ」

(物質とは)

「それはね、空間と、時間と、癖で出来ているんだ」


これを読んで、アインシュタインほどでないにしろ、愕然とした。

あぁ、自分の世界というものを、もう一度捉え直さなくっちゃいけないんだな、と。
カチカチになった頭
グズグズになった内蔵
せめて頭は、やわらかくしておきたいな。

UNDERCURRENT

2006-03-20 12:17:12 | 偏愛
アンダーカレント アフタヌーンKCDX

講談社

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ふらりと入った本屋
新刊漫画を眺めていると、見たことのある表紙。

あ、これだ。

アンダー・カレント+4
ビル・エヴァンス&ジム・ホール, ビル・エヴァンス, ジム・ホール
東芝EMI

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全く知らない作者。
中は見ることが出来ない。
帯には谷口ジローさんの推薦文。
四季賞・・・。

買いだ。
そんな勘がした。

そしてそれは、確信へ、悦びへ。
またいい作品に出会えた、いい作家に出会えた。




「人をわかるってどういうことですか?」
そして、自分を偽らないということは?

「人は本当のことより心地よい嘘のほうが好きなんだよ
 皆 本当のことなんか知りたくないんだ
 騙されたがっているんだ」


エヴァンスに惹かれてたのに、
いつのまにか、太宰さんの科白のように聞えてきた。
中央線の中で。
気づけば、また三鷹だ。



たらいまわしTB企画 第21回「教えてください!あなたのフランス本」

2006-03-20 09:51:17 | 偏愛
ボードレール全詩集 (1)

筑摩書房

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悪の華

東京創元社

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ボードレール詩集

新潮社

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悪の華

岩波書店

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恥ずかしながら、いまさらながら、LINさんの「フランス本」に参加させていただきます。

フランスと言えば、ボードレール。
それしか「読んだ」と言えるようなものはありません。
フランス語など、出来やしないので、訳者で読み比べたものでした。
鈴木信太郎、堀口大學、齋藤磯雄、阿部良雄・・・。



愚かさ、誤り、罪、吝嗇は、

われらの精神を領し、肉体を苦しめ、

われら、見に巣食う愛しい悔恨どもを養うさまは、

乞食たちが蚤や虱をはぐくむに似る。


われらの罪はしぶとく、悔悟の情はだらしがない。

告白をしただけで、お釣りがくるほどの気持ちになり、

卑しい涙に一切の穢れを洗い落としたつもりで、

浮き浮きと、泥濘の道に舞いもどる。

『悪の華』 「読者へ」  (阿部良雄訳)


いやはや、本当に恥ずかしながら、読んだと言えるのかどうだか、わかりません。
でも、10年経った今でも、折に触れて読み返してしまう。
そんな詩人、ボオドレエル。
恐れ多いです。
どんどん自信がなくなっていきます。
ふぅ。
もちろん、太宰さんから教えてもらったのです。

「私の文学生活の始めから、おそらくはまた終わりまで、ボオドレエルにだけ、ただ、かれにだけ、聞えよがしの独白をしていたのではないか。」
~太宰治「碧眼托鉢」

うーん、私はなにが言いたいのだ。
しどろもどろ。
最後に一言、言わせていただけるなら、
自信のなさを大事にしたいのです。
ん?なんだそりゃ。
だからなんなんだ?
フランス菓子だったらなぁ。

LINさん、ごめんなさい・・・。







眠れない夜に・・・

2006-03-13 05:46:08 | 偏愛
Home Girl Journey
矢野顕子, 山下達郎, 大貫妙子, 谷川俊太郎, 忌野清志郎, 槇原敬之, 森浩美
ERJ

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Piano Nightly
矢野顕子, 宮沢和史, 大貫妙子, 鈴木祥子, 松本隆, 友部正人
ERJ

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SUPER FOLK SONG
矢野顕子
ERJ

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なにもしてない
ただ、阿呆のごとくぼんやりしている
矢野さんのピアノと声を身体のすみずみまで浸透させて

これまでのこと
これからのこと

日蔭者の苦悶
弱さ
敗者の祈り

くすくす

またまたぁ
似合わないぜ

三寒四温
桜の蕾を
あなた、見ましたか?

誰に会いたいの?
誰に会いたいの?
な、教えてお呉れよ

なにが必要なの

流されるのね、あなたはいつもそうやって・・・

川辺で膝小僧抱いて泣いている僕がいる
なにが哀しいの?

小さな狂気が私にささやく
お前の見ているのもは幻だと



かみさまはいなくなってしまった
かみさまを感じられなくなってしまった
かみさまを捜したその刹那

朝がくるよぅ
朝が
まだ何も始まっていない
おおいなる、まだ、が

または、終わり
なにも始まらなかった一日を咎めるように

ごめんなさい
ごめんなさい
僕が悪い子でした

ダメな子ね

落ちたくないのだ
落ちたくないのだ
堕ちなくてはいけないのだ

飛びたいのなら

さようなら
きみは悲しげな微笑もて消えた
オチテイッタ
それは自分の姿だったろうか

ぼくは見上げることを知ってるんだ
ねぇ、君は知ってるのかなぁ
鳥肌の立つくらい
感謝

陰鬱な、蒼くなった空だ
全部吐け
そこで溺れるのだ
小さい小さい石の下にいる小さな虫だ
虫の息



切がないや
ごめんね





観梅

2006-02-25 12:36:59 | 偏愛
桜より梅が好き。

桜はちょっと恐い。
桜はちやほやされすぎだ。w
花見は嫌いじゃないけど、花見の、宴の後の汚さがいやだ。
冒瀆に近い。
桜は花が多く咲きすぎる。
過剰なのが苦手。
目黒川の桜はどうかしら。

梅は凛としている。
素朴な美。
まだ寒いというのに、我慢して春を知らせているようだ。

「私の後には、桜さんが見事に咲きますからね。私は軽く、春を告げに来ただけです。」

斜陽と曙のように・・・

日本的
古風

甘酒

それが目当てだったりする。

羽根木公園かな?
池上かな?
御苑は?
昭和記念公園は?

MY FUNNY VALENTINE

2006-02-13 12:49:50 | 偏愛
エヴァンスとジムホールでも、
チェットベイカーでも、満足しなかったけど、
マイルスで、落ち着いた。
もちろんピアノはエヴァンスだけどね。

`58 Miles Featuring Stella by Starlight
Miles Davis
Columbia

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で、バレンタインですね。
バレンタイン。
女の子から男の子に愛の告白
という図式はかなり崩れてきていますね。
友達同士、男同士でも?男からだって!

私は専ら、自分買い・・・。
なるほどそうきたか、なるほどこういう組合せもありか!、などと独り言を言いながら楽しんでる。
そんなんじゃ、インチキショコラフリークスに、
「にわかじこみのチョコ知識では、ダメだよ」
とか知ったようなことを言われそう。
本当に好きな人は、きっと、ああだこうだと、薀蓄はたれないのだ。

ショコラが好きなんじゃなくて、ショコラを楽しむのが好き。

そんな私でも、伊勢丹のサロンドショコラが終わると、一気に萎える。
伊勢丹直輸入はもうなくなっちゃった。
あとは、似たようなものばかりだ、きっと。
でもね、日本のパティスリー、ショコラトリーであまり注目されていないようなところが、一番美味しいのかな、なんて思う。大量生産せず、フレッシュなものを、コツコツ作っているようなところ。デパートの催事などには出さず、お店だけで扱っているような。

どこがいいかな?

バレンタインが終わったら、行ってみよう。

豊かさって、ショコラを食べる余裕を持つことだと思う。
「あなたと夜と音楽と」、ショコラを♪お酒も!


UNTITLED

2005-09-23 09:17:15 | 偏愛
UNTITLED

角川書店

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UNTITLEDな気持ちが、

ぼくにこれを選ばせた

『うたかたの日々』と迷ったんだ

単行本化の際の加筆訂正は岡崎さんの事故によってなされなかった

けど、素晴らしい短篇集だった

「こんないも信じられる漫画をほかに知らない。言葉、温度、記憶、景色、私たちのちいさな絶望と希望―そのいちいちが、いつだってリアルだ。生々しくて、痛いくらい。…角田光代」


帯には角田さんのこんなコメント


あまりに繊細なので、この作品集をわかることができているのか

不安になるほど



渋谷の交差点で、人を待っている振りをして、これを読んでいた

UNTITLEDな気持ちで、『UNTITLED』を読む

 



大人になれば

2005-09-09 02:43:19 | 偏愛
無邪気に

シャンパンおかわり

とか言ったりした

大人みたいな

子供みたいな

そんな夕刻


向日葵を抱えた天使が飛んでゆくのが見えた

何人もそれを見上げる人がいたのさ

それが見えているのかいないのか

わからないけどね

歩きながら踊る

涙の意味さえ忘れて

折れそうな月が

見ていた

奇跡





PetがGodに

2005-09-06 09:13:53 | 偏愛
わからなくなっちゃった

頭はぐるぐる回りだして

堂々巡り

ぼくは今にしか生きていないというのに

過去という幻影と対峙してしまう




どうしようもなく







ゆっくり落ちてくる雨

地上に着地することのない

それは永遠に落ち続ける

快感にも似た










恍惚と




言い知れぬ
不安







そして、


救われる!





「Pet Sounds」は


僕にとって


「God Sounds」だ


神々しいまでに生が輝いている



夏休み

2005-08-19 23:42:58 | 偏愛
明日から友人と神津島へ♪

持ち物:

リチャード・ブローティガン『アメリカンの鱒釣り』
谷川俊太郎        『谷川俊太郎選詩集 1』
太宰治           『ヴィヨンの妻』『グッド・バイ』
リルケ           『神さまの話』

ノート

万年筆2本

フリッパーズギター『海へ行くつもりじゃなかった』『カメラトーク』『TREASURE』
フィッシュマンズ  『宇宙』『空中』
ルイフィリップ   『MAGISTERY』
小沢健ニ      『刹那』『LIFE』『犬は吠えるがキャラバンは進む』
ビルエヴァンス   『EASY TO LOVE』


こんなもんかな♪




歓楽極まりて哀情多し

2005-07-26 23:30:03 | 偏愛
前の記事に同じく、松尾貴史さんのエッセイに、

「立川談志師匠に会いたいねんけど、紹介してくれるかなあ」

とらもさんが語ったらしい。

亡くなる数週間前に。

結局、らもさんと談志師との邂逅は実現しなかった。

らもさん、少しだけ逝くのが早かったかもしれないよ。

談志師にあってからでよかったじゃないですか。

階段から落ちるのは、対談の終わったそのすぐあとでもよかった。

このふたりに、松本人志さんを加えれば、(いや、町田康さんでも

いいかな。)戦後、無頼派の太宰さん、安吾さん、織田作が揃った

座談会、「歓楽極まりて哀情多し」の再現だったのに。

もう少しだけ、僕らに笑いを、切なさを与えて欲しかった。

欲張り過ぎかしら?



(「歓楽極まりて哀情多し」は、漢の武帝の「秋風辞」から採った

座談会のタイトル。)