「ぶらり車イス紀行」 その1027
☆ 『がん』から身を守る そのⅡ
『がん』の原因は、たばこの吸いすぎ・お酒の飲み過ぎに細菌や
ウイルスの感染によるものとされている。この中でも、喫煙者には
肩身の狭い思いがするほど喫煙場所が減ってきている。だから、好
きなところでたばこが吸えない。この際に思い切って禁煙にする人
が増えている。良い傾向である。それなら、この機会に全員が禁煙
すれば、残された『がん』患者と呼ばれる人は、お酒を飲む人と細
菌やウイルスに感染した人ばかりである。
しかし、感染症は微生物が起こす一種の病気である。ところが、
ワインや日本酒などのアルコールは、微生物の発酵によって作り出
す飲み物である。と言うことは、微生物が良い方に働けば、人間が
好む飲み物になり、微生物が悪い方に働けば、人間に害を及ぼすこ
とになる。
昔から、下戸(お酒の飲めない人・お酒が嫌いな人)の人と呑み
助(お酒が飲める人・お酒が好きな人)が集まると、いつの間にか
【お酒は百薬の長だ】、いいや、【お酒は万病の元だ】と、どちらも
負けじと論争になる。だけど、両方の言い分が出尽くした頃合いを
見計らって、その場の長とおぼしき人が、
「『適度なお酒』は身体によく、『お酒の飲み過ぎ』は身体に悪い」
と言って、話をまとめる。ところが、不思議なのは、先程まで持論
を曲げなかった人も納得できたと見えて、話が収まる。だから、こ
こんところがよく分からないと言う人がいる。だけど、これは理屈
では理解できない。ここがお酒の良いところである。
そのお酒の飲み過ぎと感染が原因とされる代表格の一つである
『肝がん』は、お酒の飲み過ぎではなく、日本人のほとんどがB型
肝炎ウイルス、あるいは、C型肝炎ウイルスに感染していて、そこ
から肝炎を発症して、肝硬変を経て『肝がん』に進行している。
肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染する。昔は、ウイルス
に感染した母親が、出産する時に母子感染したり、輸血や血液製剤、
予防接種の注射器の使い回しなどで感染していた。それが、80年
代半ばから90年代前半にかけて感染防止策が取られるようになり、
今はこのようなことはなくなった。『肝がん』の感染率のピークは、
1966年前後に生まれた人で、B型が1〜1.5%、C型は約2
%になっているが、それ以降は減少している。
それと、佐賀大学医学部附属病院の肝疾患センター特任教授の江
口有一郎医師によると、
「今、問題となっているのは、性交渉などによる体液からの感染と、
不衛生なピアスの穴あけや入れ墨の針刺しなどでも感染するので、
若い人も無縁ではありません。それぞれが感染しないように気を付
けることも大事ですが、B型はワクチンがあるので、今後広く普及
することで感染予防につながると期待されています」
と言われるように、肝炎ウイルスの感染も、時代の流れと共に大き
く変わってきている。
たかし でした。
☆ 『がん』から身を守る そのⅡ
『がん』の原因は、たばこの吸いすぎ・お酒の飲み過ぎに細菌や
ウイルスの感染によるものとされている。この中でも、喫煙者には
肩身の狭い思いがするほど喫煙場所が減ってきている。だから、好
きなところでたばこが吸えない。この際に思い切って禁煙にする人
が増えている。良い傾向である。それなら、この機会に全員が禁煙
すれば、残された『がん』患者と呼ばれる人は、お酒を飲む人と細
菌やウイルスに感染した人ばかりである。
しかし、感染症は微生物が起こす一種の病気である。ところが、
ワインや日本酒などのアルコールは、微生物の発酵によって作り出
す飲み物である。と言うことは、微生物が良い方に働けば、人間が
好む飲み物になり、微生物が悪い方に働けば、人間に害を及ぼすこ
とになる。
昔から、下戸(お酒の飲めない人・お酒が嫌いな人)の人と呑み
助(お酒が飲める人・お酒が好きな人)が集まると、いつの間にか
【お酒は百薬の長だ】、いいや、【お酒は万病の元だ】と、どちらも
負けじと論争になる。だけど、両方の言い分が出尽くした頃合いを
見計らって、その場の長とおぼしき人が、
「『適度なお酒』は身体によく、『お酒の飲み過ぎ』は身体に悪い」
と言って、話をまとめる。ところが、不思議なのは、先程まで持論
を曲げなかった人も納得できたと見えて、話が収まる。だから、こ
こんところがよく分からないと言う人がいる。だけど、これは理屈
では理解できない。ここがお酒の良いところである。
そのお酒の飲み過ぎと感染が原因とされる代表格の一つである
『肝がん』は、お酒の飲み過ぎではなく、日本人のほとんどがB型
肝炎ウイルス、あるいは、C型肝炎ウイルスに感染していて、そこ
から肝炎を発症して、肝硬変を経て『肝がん』に進行している。
肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染する。昔は、ウイルス
に感染した母親が、出産する時に母子感染したり、輸血や血液製剤、
予防接種の注射器の使い回しなどで感染していた。それが、80年
代半ばから90年代前半にかけて感染防止策が取られるようになり、
今はこのようなことはなくなった。『肝がん』の感染率のピークは、
1966年前後に生まれた人で、B型が1〜1.5%、C型は約2
%になっているが、それ以降は減少している。
それと、佐賀大学医学部附属病院の肝疾患センター特任教授の江
口有一郎医師によると、
「今、問題となっているのは、性交渉などによる体液からの感染と、
不衛生なピアスの穴あけや入れ墨の針刺しなどでも感染するので、
若い人も無縁ではありません。それぞれが感染しないように気を付
けることも大事ですが、B型はワクチンがあるので、今後広く普及
することで感染予防につながると期待されています」
と言われるように、肝炎ウイルスの感染も、時代の流れと共に大き
く変わってきている。
たかし でした。