「喫茶去(きっさこ)」
これは、禅のことばで「お茶を飲みなさい」という意味ですね。
9世紀の中国、唐の時代に、悟りを開いた後も修行を続けた、
趙州(じょうしゅう)禅師というえらい禅のお坊さんがいました。
この人は幼くして出家し、60歳のときに修行の旅に出て、
80歳から現在の河北省である趙州の観音院に住むようになったので、
「趙州禅師」と呼ばれるようになり、120歳まで生きた傑物でした。
その趙州禅師があるとき、お寺にやってきた修行僧に、以前ここへ来たことがあるか尋ねました。
「はい、以前きたことがあります」
とその修行僧が答えると、禅師は、
「喫茶去(お茶を飲みなさい)」
と言ってお茶を出しました。
そのつぎにやってきた修行僧に、禅師はまた、以前ここへ来たことがあるか尋ねました。と、今度は、
「いいえ、はじめてです」
との答え。すると、禅師は、
「喫茶去(お茶を飲みなさい)」
と言ってお茶を出したのです。
それを見ていたべつの僧が、そのわけを尋ねると、趙州禅師はその僧にこういってお茶を出したのです。
「喫茶去(お茶を飲みなさい)」
さあ、今日も喫茶去でいきましょう。
電子書籍にすてきなことばをたくさん収めましたので、そちらも見てくださいね。
●電子書籍は明鏡舎。
http://www.meikyosha.jp
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9世紀の中国、唐の時代に、悟りを開いた後も修行を続けた、
趙州(じょうしゅう)禅師というえらい禅のお坊さんがいました。
この人は幼くして出家し、60歳のときに修行の旅に出て、
80歳から現在の河北省である趙州の観音院に住むようになったので、
「趙州禅師」と呼ばれるようになり、120歳まで生きた傑物でした。
その趙州禅師があるとき、お寺にやってきた修行僧に、以前ここへ来たことがあるか尋ねました。
「はい、以前きたことがあります」
とその修行僧が答えると、禅師は、
「喫茶去(お茶を飲みなさい)」
と言ってお茶を出しました。
そのつぎにやってきた修行僧に、禅師はまた、以前ここへ来たことがあるか尋ねました。と、今度は、
「いいえ、はじめてです」
との答え。すると、禅師は、
「喫茶去(お茶を飲みなさい)」
と言ってお茶を出したのです。
それを見ていたべつの僧が、そのわけを尋ねると、趙州禅師はその僧にこういってお茶を出したのです。
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