「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」は、中国のことばで、腹つづみを打って踊ること。
転じて、一般民衆が生活を楽しむさまを指すことばですね。
説明すると、こうです。
中国の伝説的な理想的治世である尭(ぎょう)という帝の時代のこと、ある日、尭帝がおしのびで街に出てみると、老人が腹つづみを打って(鼓腹)、足拍子をとって(撃壌)、
「天子なんかは、わたしらには関係ないことさ」
と歌っていた。
これを聞いて、天子さまである尭は、
「やった。これだ。人々が政治の権力など意識せずに、楽しく暮らすこと。これこそが政治の理想だ」
と、わが治世がうまくいっているのを喜んだという。
そこから「鼓腹撃壌」は、人々が平和な生活を楽しんでいる様子を指すことばになったわけですね。
英語にも、そっくりのことわざで、
All is well, the old man dances.(万事めでたく、老人踊る)
というのがあって、こちらはもともとラテン語のことわざだというから、ご老人が愉快に踊っているのがよい社会だという観念は洋の東西で共通なのですね。
現代では、年をとって鼓腹撃壌しているのは政治家、役人の既得権層ばかり? 末世、でしょうか。
さあ、今日も鼓腹撃壌でいきましょう。
電子書籍にすてきなことばをたくさん収めましたので、そちらも見てくださいね。
●電子書籍は明鏡舎。
http://www.meikyosha.jp
転じて、一般民衆が生活を楽しむさまを指すことばですね。
説明すると、こうです。
中国の伝説的な理想的治世である尭(ぎょう)という帝の時代のこと、ある日、尭帝がおしのびで街に出てみると、老人が腹つづみを打って(鼓腹)、足拍子をとって(撃壌)、
「天子なんかは、わたしらには関係ないことさ」
と歌っていた。
これを聞いて、天子さまである尭は、
「やった。これだ。人々が政治の権力など意識せずに、楽しく暮らすこと。これこそが政治の理想だ」
と、わが治世がうまくいっているのを喜んだという。
そこから「鼓腹撃壌」は、人々が平和な生活を楽しんでいる様子を指すことばになったわけですね。
英語にも、そっくりのことわざで、
All is well, the old man dances.(万事めでたく、老人踊る)
というのがあって、こちらはもともとラテン語のことわざだというから、ご老人が愉快に踊っているのがよい社会だという観念は洋の東西で共通なのですね。
現代では、年をとって鼓腹撃壌しているのは政治家、役人の既得権層ばかり? 末世、でしょうか。
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