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和色ムーブメント

シニアになって、今一度「ムーブメント」を感じる旅に出てみようか

20世紀少年 -第2章- 最後の希望

2009年03月03日 | 造形憧憬




「20世紀少年」

第2章は劇場へ観に行きました。( たいへん空いておりました )
「おくりびと」 がアカデミー賞(外国語映画賞)を受賞したすぐあとだったことも
あってか、「おくりびと」 は大盛況の様子でしたが、その他の映画は ・・・・

 
 

「- 第2章 - 最後の希望」

 2015年、歴史では、2000年に起った細菌兵器をまき散らす巨大ロボットによる
人類滅亡計画 “血の大みそか” は、悪魔のテロリスト・ケンヂとその仲間が
行ったものとされていた。それを阻止した “ともだち” は、世界の救世主と
崇められていた。“ともだち” は、「まもなく人類は終わりを迎えます。私を信じ、
私とある者だけが救われます」 と予言を広める。


 ケンヂおじちゃんは、絶対に逃げたりしなかった

 ケンヂの姪カンナは高校生に成長。行方不明のケンヂに代わり、ユキジに面倒
を見てもらっている。“血の大みそか” の真相を知っているカンナは、学校で習う
歴史に憤りを覚えている。高校に通いながら新宿・歌舞伎町の中華料理店でバイト
をしているカンナは、ある時、“ともだち” の重要な情報を知ったため命を狙われて
いるニューハーフのブリトニーをかくまうことになる。その捜査で知り合った新米
刑事の蝶野もカンナを信じ、協力を申し出る。

 しかし、“ともだち” 中心の国家に反抗するカンナは、高校では問題児扱いされ、
ついには “ともだちランド” での研修を命じられる。“ともだちランド” とは、社会の
ルールからはみ出した人間を矯正するための施設だ。同級生の小泉響子と共に、
“ともだちランド” に入ったカンナは、成績優秀者だけが行くことのできるボーナス
ステージに進む。そこには、ケンヂたちのこども時代1971年のバーチャル世界が
広がっていた。カンナは小学校の理科室、小泉はその屋上で “ともだち” の真相に
近づいていく。

 一方、“血の大みそか” 以来、散り散りになっている秘密基地のメンバーたちは、
それぞれ密かに闘いを続けていた。海ほたる刑務所に幽閉されていたオッチョは
脱獄をはかり、ヨシツネは集団を率いて潜伏、マルオはある人物の元に身を寄せ、
時を待っていた。そして、モンちゃんは独自の調査で 「しんよげんの書」 の存在を
発見する。

 ヤマネ、サダキヨ ・・・・・、“ともだち” の正体を知る同級生たちが次々現れ、
こどもの頃の記憶を呼び覚ます。いったい誰が “ともだち” なのか ・・・ ?
やがて、世界最大の危険地帯と呼ばれる新宿・歌舞伎町に、“ともだち” が視察に
訪れることになった。折しもカンナは歌舞伎町の教会にいた。

 「しんよげんの書」 には 「2015ねん、しんじゅくのきょうかいで、きゅうせいしゅは、
せいぎのためにたちあがるが、あんさつされてしまう」 と書かれている。
 <救世主> とは誰なのか ・・・ ? そして、世界は ・・・ ?

                                   ( パンフレットより抜粋 )





「気になるキャスト」

第2章メインとも言える、遠藤カンナ役の 「平 愛梨(たいらあいり)」 さんの
キレのある立ち振る舞いや動きが非常に印象的でした。第1章のメインだった
ケンヂ役の 「唐沢寿明」 さんがほとんど登場しない展開で、大きな役割を見事に
果たしたように思います。他のキャストも皆、個性的で素晴らしかったのですが、
彼女以外で私が印象に残った俳優さんを挙げるとすれば、ホクロの巡査役の
「佐藤二朗」 さんでしょうか ・・・ 。 ( なかなかいいです!ハマリ役です。 )






「キャスト」

■ オッチョ (落合長治) : 豊川悦司  澤畠流星(幼少)
■ ユキジ (瀬戸口雪路) : 常盤貴子  松元環季(幼少)
■ 遠藤カンナ : 平 愛梨
■ ヨシツネ (皆本剛) : 香川照之  小倉史也(幼少)
■ サダキヨ (佐田清志) : ユースケ・サンタマリア 藤原 薫(幼少)
■ 蝶野将平 : 藤木直人
■ マルオ (丸尾道浩) : 石塚英彦  安岡壱哉(幼少)
■ モンちゃん (子門真明) : 宇梶剛士  矢野太一(幼少)
■ ヤマネ (山根昭夫) : 小日向文世  安彦統賀(幼少)
■ フクベエ (服部哲也) : 佐々木蔵之介  上原 陸(幼少)
■ 漫画家 角田 : 森山未來
■ 春 波夫 : 古田新太
■ 高須 : 小池栄子
■ 小泉響子 : 木南晴夏
■ 13番(田村マサオ) : ARATA
■ マライア : 前田 健
■ ブリトニー : 荒木宏文
■ 仁谷神父 : 六平直政
■ ホクロの巡査 : 佐藤二朗
■ 敷島ミカ : 片瀬那奈
■ ヤマさん : 光石 研
■ 七龍の店主 : 西村雅彦
■ 斉木刑事 : 西村和彦
■ 漫画家 金子 : 手塚とおる
■ 漫画家 氏木 : 田鍋謙一郎
■ カンナの担任教師 : 甲本雅裕
■ 東野刑事 : 田中要次
■ スクリーン映像の男 : はにわ
■ 円卓会議のメンバー : 設楽 統・日村勇紀(バナナマン)
■ ブラハルツ国連事務総長 : Fred McQueen
■ タイマフィア・チャイボン : Samat Sangsangium
■ 中国マフィア・王 : 陳 昭榮
■ 式典の司会 : 徳光和夫
■ 歌舞伎町警察署長 : 石丸謙二郎
■ 山根邸の隣人 : 佐々木すみ江
■ オデオン座の老人 : 梅津 栄
■ ジジババのババ : 研ナオコ
■ 珍宝楼の店主 珍 : 小松政夫
■ 方丈目胤舟 : 石橋蓮司
■ 神様 : 中村嘉葎雄
■ キリコ (遠藤貴理子) : 黒木 瞳 
■ ケンヂ (遠藤健児) : 唐沢寿明  西山 潤(幼少)
■ アナウンサー : 羽島新一(日テレアナウンサー)
■ リポーター : 小倉 淳
■ ともだちパレードの見物客 : 池谷のぶえ
■ オッチョの妻 : 吉田 羊
■ 小倉のおばちゃん : 山梨ハナ
■ 井川 智 : 平山佑介
■ ともだちランドの研修生 : 遠藤 要
■ 春波夫のPVの中の力士 : 高山謙二
■ チョーさん : 竜 雷太
■ コンチ (今野裕一) : 清水歩輝(幼少)


 



● 原作 : 浦沢直樹
● 監督 : 堤 幸彦


20世紀少年 -第2章- 最後の希望



 


「感想と評価」

第1章と比べると、時間とストーリーが多少マンガチックに展開するのですが、
違和感を覚えるほどではなく、程良いアンリアルワールドといった感じです。ただ、
1作目を見ていないと、登場人物像や時間経過が少し見えにくいかもしれません。
何らかの結果や明確な秀逸さを求める方にはおすすめできないかもしれません。
あるとすれば、1960年前後に生まれ、高度成長期に少年時代を送った人たちの
心の中にあった未来への希望や不安の描写 ・・・ 物語の展開や結末はどうあれ、
評価云々のみで見てほしくない作品です。私世代の持っている人生観を理解して
ほしい気はしますが ・・・ 。

第五大成丸


20世紀少年最終章 「-第3章- ぼくらの旗」 は、この夏(8/29)公開です。



【 最終章 予告編 】





20世紀少年 -第1章- 終わりの始まり

2009年03月02日 | 造形憧憬

 



「20世紀少年」

観に行けたら ・・・ と思っていた映画だったのですが、3部作ということもあり、
流していました。2作目(第2章 最後の希望)の公開前、テレビCMで頻繁に
紹介されるようになり、気になってネットで少し検索 ・・・ すると、何と主人公たちと
私は同級生ではありませんか。これは観なくては!と思い、まず、2作目の劇場
公開と同時にDVDレンタルが開始された1作目(第1章 終わりの始まり)を鑑賞
することにしました。





「- 第1章 - 終わりの始まり」

“ケンヂくん、遊びましょ”
1969年、人類が初めて月に降り立った。翌年には 大阪万博(EXPO'70) の
開催を控え、日本中が輝く未来に胸を膨らませていた。その夏、小学生の
ケンヂは、オッチョ、ユキジ、ヨシツネ、マルオ、モンちゃん、ケロヨン、ドンキー、
フクベエといった同級生たちと原っぱに秘密基地を作った。ケンヂたちは、
基地の中で 「よげんの書」 を書く遊びに夢中になった ・・・





「未来を描く想像力と秘密のマーク」

 世紀の終わりに、悪の組織が世界征服に動きだしました。彼らは最初に、
恐ろしい細菌兵器でサンフランシスコとロンドンを襲いました。次に彼らが
細菌をバラまいたのは、1970年、万博で有名な大阪です。日本中が震え上がり
ました。悪の組織の次の狙いは羽田空港でした。東京は逃げ場のない恐怖を
味わうことになりました。しかし、本当の恐怖はこれからなのです。世界滅亡の
のろしが上がり ・・・
 2000年12月31日、“ズーン!ズーン!” と恐ろしい地鳴りとともに、ついにその
巨大な影は東京に姿を現しました。原子力巨大ロボット!細菌をバラまきながら
破壊の限りを尽くす。果たして21世紀は来るのでしょうか?東京のいや、世界の
運命はいかに ・・・
 そこに9人の戦士が立ち上がったのです。地球の平和のため、彼らはどう
戦うのでしょうか ・・・ ?
( 文面はパンフ抜粋 ⇒ ひらがなが多く
読み難いので漢字に変換しています )

みんなでアイデアを出し合って描いた未来に、秘密基地の仲間たちは心躍らせた。
一緒に作った自分たちだけの秘密のマークは彼らの誇りだった。





「“ともだち” が ・・・」

ある日、小学校の同窓会に出席したケンヂは、
最近、世間を脅かしつつある “ともだち” 率いる謎の教団の予言や
シンボルマークが、原っぱの秘密基地での遊びとソックリだと知る。





「“ともだち” なのか?」

やがて、「よげんの書」 どおりに事件が起こり始めた。
“ともだち” は原っぱで遊んだ仲間のひとりなのか?
“ともだち” は 「よげんの書」 のように世界を滅ぼすつもりなのだろうか?










「大きく揺れ動いた時代」

1969-1970年あたりの設定で、小学生の行動が描写されています。もちろん、
ストーリーが優先ですが、まったく同じ時間に生きていた私としては、懐かしいと
いうより、リアルな想い出がいっぱい甦ってきて胸が熱くなる思いがありました。
アポロ11号の月面着陸や万博開催などの大きなニュースやイベントで世の中が
大きく動いた印象の時代でした。一方、子どもたちは、夏には背中にべったり
汗を掻きながら、冬には青洟を垂らして、しもやけになりそうな手足も気にせず、
陽が暮れるまで外で遊んでいた時代でもありました。


「皆、あだ名があった」

小学校の頃の友達には必ず呼び名(あだ名)があった時代です。私のまわりにも、
ボクゼン、マーキ、カンちゃん、リール、ダッチョ、アリやん、ジュン坊、コンちゃん、
トシミン、カジキ、ヨイヤサ、コークス、ヒロっちゃん ・・・ 思い出せばこんなふうに
呼んでいた友達がたくさん ・・・ 。専門学校や高校時代の友人には今でも会う
機会があるのですが、大阪、しかも仕事柄、地元の同窓会にほとんど行けなかった
こともありますが、小・中学校の友達には全く会っていないことに気づきます。


「秘密基地はあちこちに」

私がこの時代過ごしたのは、荒れて朽ちた小さな港町でしたが、秘密基地だけは
そこらのお金持ちの別荘の数よりたくさん有りました。原っぱはもちろんのこと、
桟橋につないである廃船のブリッジ、漁に使う網や篭の置いている漁師小屋、
港の時計台の下の点検スペース、砂利山にあるダンプの荷台、工場の資材置き場、
飯場の布団部屋、廃レンガ工場の厨房跡 ・・・ まだまだあります。今なら、どこも
絶対に立ち入り禁止です。大人がこどもの想像力(遊び場)を奪っている気がします。


「駄菓子屋と板塀」

駄菓子屋には、ヒーローやアニメキャラクターのシールなどおまけ付きのお菓子、
ラムネや粉ジュース、パッチン(メンコ)やコマなどのおもちゃ、それに当てもんの
くじ引きとオバア(おばあさん)が付きものでした。どこの町にも同じようなお店が
あったのではないでしょうか。私の家の近所は、ほとんど板の塀だったような印象
があります。その塀にチョークやクギで落書きして何度も怒られた記憶が ・・・ 。


「フラッシャー&セミドロップハンドルの自転車」

ケンジたちが乗っている自転車は、70年代に流行ったハイフラシャー付きの
自転車です。ハンドルがセミドロップで一世を風靡しました。私もナショナルの
エレクトボーイを持っていました。当時、3万円以上したと思います。親を説得して
買ってもらったのですが、今の時代なら、大きなバイクや中古のクルマが買える
くらいの価値だったのかもしれません。





「お決まりのポーズ」

当時、遊んでいる時に、皆がやっていた ウルトラマンの “スペシウム光線ポーズ”
です。とにかく、ヒーローものが流行った時代でした。皆に共通のヒーローがいて、
共通のポーズがあり、自然と、そこで人と関わってコミュニケーションが生まれて
いました。何か今、忘れかけていたものがそこにはあったような ・・・ 。


「ストーリーには目もくれず」

シビアに見れば、69年と70年より少し前(約2~3年前)と思える物や表現が
いくつかありました。監督が私たちより4つ5つ年上だからでしょうか ・・・
第1章は、あまりストーリーを追わず、私なりに 「昭和懐古」 として楽しみました。
( この時代を知っている人でなければ感情移入しにくいかもしれませんね )
第2章は劇場へ観に行ったのですが、第1章を見ていなければストーリーが
少し解りづらいかもしれません。ただ、若い人には第2章の方が楽しめる内容だと
思います。ストーリーや展開は別として、これだけ個性的なキャストがたくさん出演
しているのはやはり魅力的です。



「キャスト」

■ ケンヂ (遠藤健児) : 唐沢寿明  田辺修斗(中学)  西山 潤(幼少)
■ オッチョ (落合長治) : 豊川悦司  澤畠流星(幼少)
■ ユキジ (瀬戸口雪路) : 常盤貴子  松元環季(幼少)
■ ヨシツネ (皆本剛) : 香川照之  小倉史也(幼少)
■ マルオ (丸尾道浩) : 石塚英彦  安岡壱哉(幼少)
■ モンちゃん (子門真明) : 宇梶剛士  矢野太一(幼少)
■ ケロヨン (福田啓太郎) : 宮迫博之  森山拓哉(幼少)
■ ドンキー (木戸三郎) : 生瀬勝久  吉井克斗(幼少)
■ ヤマネ (山根昭夫) : 小日向文世  安彦統賀(幼少)
■ フクベエ (服部哲也) : 佐々木蔵之介  上原 陸(幼少)
■ コンチ (今野裕一) : 清水歩輝(幼少)
■ 万丈目胤舟 : 石橋蓮司
■ 神様 : 中村嘉葎雄
■ キリコ (遠藤貴理子) : 黒木 瞳
■ 遠藤カンナ : 平 愛梨  畠山彩奈(幼少)
■ 友民党CMのタレント : 藤井 隆、山田花子
■ 田村マサオ : ARATA
■ 敷島ミカ : 片瀬那奈
■ アルバイト店員のエリカ : 池脇千鶴
■ 敷島ゼミの学生 : 三浦敏和・鈴木崇大(タカアンドトシ)
■ スクーターの若い男 : 中田敦彦・藤森慎吾(オリエンタルラジオ)
■ 池上正人 : 藤井フミヤ
■ ノブオ : 布川敏和
■ ケンヂの同級生 : 石橋 保・入江雅人
■ ロックバンドのボーカル : 及川光博
■ ロックバンド : ナイトメア
■ ピエール一文字 : 竹中直人
■ 漫画家 角田 : 森山未來
■ 諸星 : 津田寛治
■ コンビニの本部教育員 : 徳井 優
■ 市原節子 : 竹内都子(ピンクの電話)
■ 木戸美津子 : 洞口依子
■ 血まみれの男 : 遠藤憲一
■ ヤマさん : 光石 研
■ ヤン坊・マー坊 : 佐野史郎  山田清貴(幼少)
■ オリコー商会社長 : ベンガル
■ 遠藤チヨ : 石井トミコ
■ ジジババのババ : 研ナオコ
■ チョーさん : 竜 雷太
■ 諸星の母 : 吉行和子
■ チュウさん : 田村泰二郎
■ 浜さん : 横山あきお
■ へーちゃん : 不破万作
■ 自衛隊隊長 : 小西康久
■ SAT隊長 : 岩尾万太郎
■ 通販番組タレントの片方 : ダンディ坂野
■ コメンテーター : デーブ・スペクター、宮崎哲弥、木元教子
■ ジジババのジジ(遺影) : 田中 健
■ フジヤマトラベル(声) : 中村 正
■ 渋谷のギャルの1人 : 木下優樹菜
■ その他 : 滝口順平、阿藤 快






● 原作 : 浦沢直樹
● 監督 : 堤 幸彦






◆ 主題歌 : T・レックス 「20th Century Boy」



20世紀少年 -第1章- 降臨。


梅まつり のち 銭湯 時々 太陽の塔

2009年02月28日 | 造形憧憬

 



「運動不足と散歩」

食欲旺盛で運動不足 ・・・ 当然ですが、カラダが重くてダルい今日この頃です。
酒量も含めて過食ぎみな食欲は、ストレスが関係しているかもしれません。そして、
運動不足は、“いつでもできる” という心持ちが妨げになっています。悪い癖です。
気づけば結果、“引きこもりオヤジ” になっていたり ・・・ しかし、何らかのキッカケや
目的が無ければ行動は起こしにくいものです。万博公園で梅まつりが行われている
ようですので、“梅を観に行く” ことを目的として園内を一周散歩することにしました。

わが家の周りには公園も多く、散歩するコースはいくらでもあります。
朝早く、年配のご夫婦が仲良く散歩、定年後のお父さんは夕方にジョギング、
夕食後には油の乗った?奥様方がグループで散歩されていたり ・・・ ということで、
わが家のご近所さんは、わざわざ入場料を払って万博公園へ散歩に行くことは
ないかもしれませんが ・・・





「万博公園梅まつり」

自宅から徒歩約10分で万博公園に到着です。
西口から入って反時計回りに歩きます。数分後、自然文化園にある 「梅林」 が
見えてきました。そう言えば、昨年も同じ時期に来ていました。110品種植えられて
いるという梅の状態も昨年と同じように見えます。おかしな話ですが、梅を見ている
老夫婦や車椅子を押して回られているボランティアの方々、べストアングルを求めて
カメラを構えている初老のアマチュアカメラマンさん、昨年も同じ方が同じ位置に
居たような ・・・ 。


 

 

 

 


「一人だから “癒される”」

園内には、所々に人造の小川が流れています。小さなせせらぎが心を癒します。
大きな公園ですので、手入れに手が回らないところもあります。特に、遊歩道沿いの
林にある松や杉の枯れ方は寂しささえ覚えます。ただ、考えようですが、この公園も
40年を経過して、“現代的な自然” になりつつあるとも言えるのかもしれません。
また、園内には野鳥も生息しているのですが、カラスの割合が増えたような気が
します。一人で歩いていると、少し恐怖を感じます。これも “自然” なのでしょうか ・・・

と言いながら、広い園内を散歩すると気持ちが良いものです。街場の新しいビルや
飲食店巡りも悪くないですが、土や水に触れたり、木立の匂いや鳥の声を聴くことも
時には必要です。ただし、私は “一人で行く(楽しむ)” ことをおすすめします。たとえ
家族や恋人といえど、結局、誰かが一緒に居ると、心の芯まで癒されることは難しい
ものです。自然の中では “一人だから癒された” と感じることもあるものです。





「梅に太陽の塔」

“梅にウグイス” ならぬ、“梅に太陽の塔” です。( なかなかええ絵でしょ!)
太陽の塔の顔って ・・・ “鳥” でしたっけ?( まあ、どうでもええんですけどぉ )
自宅からは 「太陽の塔」 の右横顔しか見えませんので、いつも、笑っているのか
怒っているのかわかりません!で、クルマで中環(中央環状線)を通る時、正面から
見るのですが、ほとんど無表情なのです。しかし、それが園内に入って違った方向や
角度から見ると、色々な表情を見せてくれます。未だに 「太陽の塔」 のファンは
多いと思いますが、私もその一人かもしれません。ず~っと残してほしいものです。





「源気温泉おゆば」

約1時間半ほどかけて園内をゆっくり一周しました。
汗をかくほど真剣に歩いたわけではないのですが、風呂に入りたくなりましたので、
西口から出て直ぐのところにある 「万博おゆば」 に寄ってから帰ることにしました。
久し振りに行ったのだと思います。露天風呂やサウナは以前もあったのでしょうが、
岩盤浴やボディケア(マッサージ・エステ)、理美容などのコーナーは無かったはず
です。盛況です。年配の方が多いですが、若い人もいます。

ゆっくりお湯に浸かります。ここのお湯は多少塩分を感じます。
( まさか、「塩サウナ」 の塩を落とさず湯船に入っている人が多いとか ・・・ ??? )
まあ、いずれにせよ、家の風呂と違うからいいのですよね。大きさや広さもさること
ながら、赤の他人と一緒に同じ湯に浸かっているというところに風情というか、
日本らしさを感じてしまいます。核家族化した世の中で、どこの家庭でも、普段は、
内湯に一人ずつ入り、カラダを洗うだけの入浴シーンです。散歩とは逆に、大勢で
お湯に浸かっていることで癒される気分になります。 いいお湯でした!



「造形憧憬」

人工的に作った公園や池も
計画的に植樹された木々も
歳月とともに自然に馴染んでいく
大きく見れば人間もそうかもしれない
過去の偉人に憧れてその生き方を
真似したりしているのだから ・・・

第五大成丸


私は貝になりたい

2009年01月09日 | 造形憧憬




「私は貝になりたい」

この作品、公開すぐに行くつもりだったのですが、タイミングを逃してしまい
行けないでいました。昨日、遅ればせながら劇場へ観に行ってきました。

元陸軍中尉の加藤哲太郎氏の手記 「狂える戦犯死刑囚」 の遺言部分をもとに
橋本忍氏の脚本で作製された作品で、1958年に東京放送(現TBS)で放送した
テレビドラマがヒットし、1959年に劇場版も公開されています。そして、1994年には
所ジョージさん主演でドラマ(TBS)がリメイクされています。


「登場人物」

 * 清水豊松 (理髪店の主人) ・・・ 中居正広
 * 清水房江 (豊松の妻) ・・・ 仲間由紀恵

 * 敏子 (房江の妹) ・・・ 柴本 幸
 * 根本 (薬屋・町内会長) ・・・ 西村雅彦
 * 三宅 (郵便局長) ・・・ 平田 満
 * 酒井正吉 (豊松の友人) ・・・ マギー
 * 健一 (豊松と房江の長男) ・・・ 加藤 翼
 * 竹内 (町役場職員) ・・・ 武田鉄矢

 * 尾上中佐 (大隊長) ・・・ 伊武雅刀
 * 日高大尉 (中隊長) ・・・ 片岡愛之助
 * 足立少尉 (小隊長) ・・・ 名高達男
 * 木村軍曹 ・・・ 武野功雄
 * 立石上等兵 ・・・ 六平直政
 * 滝田二等兵 ・・・ 荒川良々

 * 俊夫の母 ・・・ 泉ピン子
 * 通訳 (日系二世) ・・・ 浅野和之
 * 背広の男 ・・・ 金田明夫
 * 山口 (元新聞記者) ・・・ 山崎銀之丞
 * 折田俊夫 ・・・ 梶原 善
 * 松田 (お客さん) ・・・ 織本順吉

 * 大西三郎 (死刑囚) ・・・ 草 剛
 * 西沢卓次 (死刑囚) ・・・ 笑福亭鶴瓶

 * 小宮 (牧師) ・・・ 上川隆也
 * 矢野中尉 (中部軍司令官) ・・・ 石坂浩二 





「宝の持ち腐れ?」

今回の作品は、中居正広さんと仲間由紀恵さん、というお茶の間で人気の二人が
主演し、脇を固める俳優陣もそれなりに実績のあるキャストとなっています。が、
私の個人的感想としては、キャストの個性が活かされていない印象は否めず、
多少フラストレーションが溜まりました。その中で、主演のお二人は、中居くんの
“歌” を除けば、精一杯で好感が持てました。そして、友情出演の草くんも
悪くなかったです。一番、額面通りに演技をされていたのは、やはり石坂浩二さん
だったと思います。他の個性派俳優陣は、設定(リメイクであるがゆえの難しさ?)も
あるのでしょうが、単なる脇役で終わってしまったように感じます。(ちょっと残念!)









「意外とあっさり」

重いテーマである戦時中の家族の悲哀、そして戦犯として受ける戦争裁判 ・・・
キャストは別として、全体として伝えたいことは十分すぎるほど理解できるのですが、
映画としての迫力やメリハリに欠ける部分もあり、署名活動とラストシーンを除けば
意外とあっさりした内容に感じてしまいました。(もっと過激さを求めているのか?)
これは今の時代の弊害かもしれませんね ・・・ 。(反省!)





「メッセージ」

戦争は社会悪そのものであり、戦争によって解決できるものなど何もない。という
メッセージ以外に、世の中には理不尽な事柄が罷り通ってきた時代があったこと、
いや、現在でも中東や隣国の独裁国家では ・・・ というメッセージなのでしょうか。
民主主義国家に生まれ変わって半世紀以上経ったわが国でも、昔からの流れが
蔓延る社会の仕組みの中では、未だにハッキリとした自己主張を展開できないこと
も稀ではありません。また、痴漢などの犯罪での冤罪が時々報じられたりもします。
やもすれば、わが国のあの重大事件でも ・・・


「私は○になりたい・・・」

もし、あなたが生まれ変われるとしたら ・・・ どう答えますか?





 ■ 「私は貝になりたい」 ダイジェスト ・・・  草 剛 (ナレーション)
 ■ 「花の匂い」 エンディング挿入歌 ・・・ Mr.children




 ■ 「私は貝になりたい」 1958年 ドラマ映像ダイジェスト


人気のフルーツ餅

2009年01月07日 | 造形憧憬




「フルーツ餅」

家の近所にある 「松竹堂」 という創業明治22年の老舗の和菓子屋さんにある
季節のフルーツを射込んだお餅の和菓子です。麒麟の田村裕さんが書いた
「ホームレス中学生」 の中でお兄さんとお姉さんが寝泊まりしていた神社のすぐ
近くにあり、何度も店の前は通っていたのですが、どうもオッサン一人で入って
買うには何となく忍びなく、食べる機会を失っていたのですが、昨日、嫁さんが
“使い物(進物)” にするということで、便乗して一緒に買いに行きました。

お店に行くのが午後3時頃になってしまい、売り切れの商品もありましたので、
使い物を優先し、「6ヶ×2P」 で盛り込んでもらいました(商品さえあれば、1個
ずつでも盛り込みは対応してくれるようです)。商品の残りが少なく、家で食べる
分は、いちご3ヶパイン2ヶの実質的なセレクトとなってしまい、盛り込んだ絵面は
きれいとは言えませんでした。ただ、味は人気のほどが伺える美味しさでした。
( 断面の写真を撮り忘れました ・・・ )

最近、飲食店よりも物販のお店への訪問が増えています。特に、パン屋さんや
ケーキ屋さんなどが増えています。共通しているのは、店舗としてどう生き残ろう
としているのかにポイントを置いてニオイを嗅ぎに行っていることは事実です。
それはこの十数年、余りにも “即飲食” “即現場” という飲食業しか視野に入れて
いなかったというか、そういう目線でしか世間の物事を見ていなかったことに気づき、
これまで踏み込まなかった分野も含め、目を当てているようで当てていなかった
ことに素直に興味を持って開拓してみたい ・・・ という流れかもしれません。

まだ、あまり深くは考えていませんが、around50のオヤジが 「甘いもの」 に対しても
素直に評価した上で、自身が使えるお店をしっかり選ぶ時代になっていくということ
です。「食」 は、一度火が付くと、ファッション以上にブームのスピードが上がるもの
であり、どれだけ先回りしても早くはない気がします。という意味からすれば、確かに
最近、「飲食業界」 も 「健康」 や 「ECO」 というキーワードから年配の方々への提案
が増えてきましたが、果たしてそれだけで、また、そのスピードで本当に間に合うもの
でしょうか?どんどん高齢者が増えてきます。この視点に関して、またしても、他業界
に先を越されて、「飲食業界」 は、ただ製造するだけの役割となるのでしょうか ・・・


「造形憧憬」

“伝統に培われた技がある”
それだけでは今の時代は ・・・
とダメ出しが業界内で起こる
世代の違いが見解の相違を生む
数年後、同じような見解の相違が
親が引退し、親になった子と
新たな子の間で起こっている
何も変わっていなかった、いや、
何もわかっていなかったということ
これも、世の常なのか ・・・

第五大成丸


牡蠣は “海のミルク” です。

2008年12月20日 | 造形憧憬




「播州室津の生牡蠣」

実家の弟から生牡蠣が届きました。
先日、実家へ帰った時、弟が生牡蠣を 「室津(むろつ)港」 で買ってきていて、
私も腹一杯食べて “今年のカキはそこそこええんちゃう!” と言ってましたので、
また、わざわざ買いに行って送ってくれたようです。実家では、殻付きのまま 「生」
「焼き」 「蒸し」 「土手鍋」 ・・・ と食べたのですが、“生の殻むくの面倒くさいわ” と
言っておきましたので、むき身にしてロケットに入れたものを送ってくれました。ただ、
下処理は楽でいいのですが、やはり殻付きでないと、ちょっと寂しい気も ・・・ 。





「牡蠣は海のミルク」

 牡蠣は、イタボガキ科の二枚貝で、脂肪、グリコーゲン、ビタミン類、鉄、銅、
 ヨード、マンガンが豊富で消化もよく、栄養の塊です。病人食にも適しています。
 貝類の中で最も肉質が軟らかく、特に鉄分が多いので貧血病には適食です。
 ( あるHPより抜粋 ・・・ “血の気の多い人は食べ過ぎ注意!” とはありませんでした )

まあ、鉄分などの栄養素が多く含まれていることから、“海のミルク” と呼ばれている
のだと思いますが、自身が動き回って餌を取るパターンではないことを考えれば、
牡蠣は 「海の力(自然の力)」 の賜物ですよね。





「播磨灘産」

能登や松島あたりの夏の天然の岩がきも美味しいと言われますが、
私はやはり、冬の牡蠣が好きです。しかも、播磨灘産が ・・・ 。
この 「室津」 から 「相生」 「赤穂」 にかけての湾で育まれた牡蠣の味が好きです。
通常、天然の牡蠣は内海の塩分の低い岩礁に付着棲息するのですが、この一帯
の内海は、湾になっていてそこそこ水温が低いので、身の締まった美味しい牡蠣を
育てるのに適しているのかもしれません。ただ、塩分は他地域より多いような気が
するのは私の勘違いでしょうか ・・・ 。


「かき酢」

昔は、仕事(港湾の海中工事)で漁師の方々との付き合いも多かったので、
“兄ちゃん、カキ焼けたから食べていけや!” と、よく声を掛けてもらいました。
浜で、殻付きのままの牡蠣を(天板を開けた)ドラム缶に網をのせ薪をくべて、
漁師のおっちゃんが豪快に焼いてくれた 「焼きカキ」 が一番美味しいと、今でも
私は思っています。まあ、マンションでは無理な話ですが ・・・
むき身は、やはり、「かき酢」 です。シンプルな食べ方が素材本来の味を教えて
くれる気がします。あっさり塩で ・・・ レモンや柚子を搾って ・・・ 色々、好みはあるで
しょうが、私は “上品なポン酢” で食べるのが好きですねぇ。( 下品はダメです!? )





「味噌バター鍋」

「土手鍋」 も悪くないですが、味噌が強すぎるのは苦手です。薄目のちゃんこ味に
味噌とバター(その他諸々)を加えて仕上げるオリジナル鍋です。(ついつい写真を
撮るのを忘れていました ・・・ 食べ終わり寸前の残骸的写真でスミマセン )


「岩津ねぎ」

この時期の鍋具材ベストマッチとしては(写真でも少し見えているネギなのですが)、
 「岩津ねぎ」(兵庫県朝来市一帯の特産品) がおすすめです。この岩津ねぎは、
日本三大葱(下仁田ネギ、博多万能ねぎ、岩津ねぎ)の一つと言われています。
特に、個人的には根元の白い部分と先の青い部分の中間、いわゆる黄緑地帯の
微妙なところ辺りが美味しいと思っています( ちょっとマニアックですが ・・・ )。
機会があればお試しくださいな!


「造形憧憬」

歳月をかけてじっくり育まれたものや
長年、自然の力で根気強く育ったものには
それ相等の魅力があり、パワーを感じる

インスタントで済む時代だからこそ
手造りや職人技が持て囃される現状がある

ただ、
それも一時的な上辺の評価に過ぎない

何故なら、
評価する者に評価できるだけの力量がない

この現状を
じっくり、根気強く、見守るしかないのか ・・・

第五大成丸


姫路市中央卸売市場

2008年12月09日 | 造形憧憬

















 
■ 造形憧憬 ■

ある建造物を
所在だけで印象づけることは難しい

やはり、その場へ行き
五感で脳に留めておかなければならない

そして、数年後
その記憶をゆっくりと紐解く

すると、五感のうち
強く残っていた感懐が浮き彫りになる

それこそが、その建造物の
放っている真の造形なのだろうか

第五大成丸


システム手帳

2008年12月04日 | 造形憧憬




「システム手帳」

過去、
色々な手帳を使ってきましたが、未だ自身にしっくりくるものがありません。結局、
誰かが大勢の人が使えるようにと作ったものである以上、また、個々のニーズの
一つ一つを網羅する内容でオーダーメイドにしない限り、100%フィットするという
ことは不可能なのでしょうね。

もちろん、
自身が使い易いシートをPCで作成することは難しいものではありません。ただ、
自身で作成すると、どうしても使い易いレベルに収めてしまう為、「サラリーマン手帳」
としての管理帳の機能は果たせるのですが、“ビジネスが広がる” 可能性を持った
魅力ある手帳には成り得ません。スケジュール管理や日々の日記・メモレベルの
内容なら既製のリフィルで十分です。しかし、それなら学生や主婦の手帳や日記と
同じレベルで面白くはありません。やはり、新しいアイデアが沸々と湧いてくるような
独自のページも作りたいものです。

私の場合、
「システム」 という言葉にアレルギーを感じるタイプなくせに、システム手帳を使って
いることそのものに問題があるのかもしれません。そこで、過去の 「自作リフィル」 を
見直しました。確かに、オリジナルで年々改良は加えてきたのですが、やはり、自分
にとって使い易い範疇に収まっていました。裏返せば、枠・スペースからハミ出ない
ような無難なビジネスメモに成り下がっていたということです。

ちなみに、
これまでは 「A5 ビジネスサイズ」(写真左) でしたが、「コンパクトサイズ」(写真右)
に変えてみます。“大は小を兼ねる” という選択が、視野を広げるよりも、考えや
記憶を分散させていたように思えてきたのです。来年はフリーとしての行動範囲も
広げるつもりですので、無駄なく動ける体制を作らなければなりません。そして、
身の回りから無駄をなくす意識も高めなければなりません。

その上で、
来年は初歩に戻って、まず白紙のリフィルを使用して、本当に自身のこれからの
仕事に必要な項目やカテゴリー分けを素直にやり直してみようかと思っています。
そして、新たなフォームやオリジナルな構成を生み出してみたいとも考えています。
自身が偏った見方や独自の感覚で仕事をするタイプだということを、ここ数年、
すっかり忘れていたような気がします。表向きは 「システム手帳」 ですが、実は
中身は 「オリジナルな業界ネタ帳」 というあたりを目指したいものですね ・・・ 。


■ 造形憧憬 ■

「オリジナル」 という言葉には
“独創的” や “特有の” という意味がある

ただし、「= ONLY ONE」 だと考え過ぎると
“独創的” や “特有の” でなくなったりする

まず、自身の存在そのものが 「オリジナル」
なのだと定義してみてはどうだろう ・・・ 。

第五大成丸


長い散歩

2008年10月15日 | 造形憧憬


先日、
俳優の 「緒形 拳」 さんが肝癌でお亡くなりになられました。
数多くの作品に出演され、個性的で存在感のある主役が張れる俳優さんでした。





『 長い散歩 』
この作品、映画館には行かなかったのですが、ずっと気になっていた奥田瑛二
監督作品です。心の揺れを独自の感性で表現する個性派タイプの俳優 奥田瑛二
が原案を描き、自らメガホンをとり、これまた、個性派の 緒形 拳 を主役に据えて、
社会問題となっている、親(特に母親)による子どもの虐待、熟年夫婦、特に定年
後のオヤジの悲哀、そして、家族や周囲の人間とどう関わるべきかなど、誰もが
陥ったり立ち止まったりする可能性のあるシチュエーションを組み込み展開されて
いきます。

主人公の
安田松太郎(緒形 拳)は、日頃、仕事中心で奥さんや娘とコミュニケーションが
とれないまま、高校の校長まで勤め上げて定年を迎えた厳格な男だった。こうした
松太郎のせいもあってアルコール依存症となった妻節子(木内みどり)が亡くなり、
娘の亜希子(原田貴和子)からは、親として三行半を突きつけられる。そこで漸く、
自分の人生や生き方を見つめ直し清算するために独り暮らしを始める松太郎。

小さなアパートに
部屋を借りた松太郎の隣の部屋では、男運の悪い 横山真由美(高岡早紀)と
情夫の水口(大橋智和)と真由美の娘 幸(杉浦花菜)が荒れた生活をしていた。
幸(サチ)は幼稚園にも行けず、いつもひとりで遊んでいた。夜中に部屋の外へ
出されて泣いていたり、体には無数のアザがあった。日常的に母親から虐待を
受けていることを松太郎は知り、元々持っていた正義感と、親として、夫として、
男として、何かできないか ・・・ といった感情が高ぶり、少しずつ行動を起こそう
とする松太郎。

ついにある日、
幸(サチ)の悲鳴が聞こえた時、部屋に押し入り情夫の水口を竹の棒で殴打した。
「おじいちゃんといっしょに行くか。・・・ 青い空見に行こう。綿飴みたいな雲が
浮かんで、白い鳥が飛んでる」 と言って、松太郎は幸を旅(散歩)に誘った。
幸を連れて、昔、家族で行ったその想い出の場所へ向かった。旅(散歩)の途中、
ワタルという青年(松田翔太)と出会い、一緒に旅(散歩)をすることになった。
ワタルは帰国子女で、周囲の環境や人間に馴染めず彷徨っていたところだった。
松太郎に加え、ワタルの存在が感情を表せなかった幸の心を少しずつ解きほぐ
していった。

ある朝、
寝床にワタルの姿がなく、心配になった二人はワタルを捜しに行った。池の畔で
見つけた二人の目の前でワタルは自らピストルで頭を打ち抜き命を絶ってしまった。
松太郎と幸は傷心しながらも旅(散歩)を続けた。「青い空に綿飴のような雲が
浮かび白い鳥が飛んでる」 その場所に何とか辿り着いた。そして二人は下山して
松太郎は警察に投降した。

ストーリーは
こういう流れですが、この作品はそのストーリーよりも、それぞれのキャストが各々、
自身のテリトリーと前後左右に存在するキャストのテリトリーを少しずつ共有すること
で、自身と周りの人々の変化を確認(表現)できるところに主眼があるような気が
します。そういう意味では、やはり、主役の 緒形 拳 の演技力は見事でした。当然、
この作品を撮っている時には、既に自身の病魔を知って闘っていたわけで、それが
一層、演技を際立たせたのかもしれません。そこそこ全力で走ったりするシーンが
あったのですが、個人的に少し居た堪れない気持ちになりました。しかし最後まで
役者にこだわって演じている 緒形 拳 さんを改めて讃えたい気持ちです。

それから、
幸(サッ)ちゃんを演じた杉浦花菜ちゃんという子役の演技力もレベルが高かった
と思います。そして、松田翔太さんの存在感はやはり親譲りなのでしょうか ・・・ 。
高岡早紀さんの演じた愛情に乏しい母親役、ハマり役と言うと語弊があるかも
しれませんが、いい味が出ていました。それから、監督の奥田瑛二さんも刑事役
で出演されています。当たり前ですが、この作品の意味を率先して表現されていた
ように感じました。(友情出演?で)1カットだけ医者を演じていた津川雅彦さんも
存在感を示しながら作品趣旨のつなぎ役に徹していたように思います。

少し歳を重ねてきた人間が
それぞれの “心を旅する” ような作品だという印象です。若い方にはややウケない
かもしれませんが、団塊の世代あたりの方々には沁みる作品ではないでしょうか。
前だけ向いて走り続けてきた人ほど、今の社会の中で起こっている理屈では処理
できない問題や閉塞感に覆われた環境へ追いやられるような恐怖を感じている
のではないでしょうか。そして何より、自身の周りにコミュニケーションのとれる仲間
が居なくなってしまうと、どうしようもない空虚感すら芽生えます。そんな心の隙間を
能動的に自身で埋めていこうというメッセージのような気がします。

 これまでの人生に大きな後悔はない。
   しかし、もう少しあの時、ああすべきだったのかも ・・・
 周囲の人のために生きてみたい。
   今まで自分は何ができたのか、これから人に何ができるのか ・・・
 自分の人生をやり残したくない。
   だからこそ、いっそう自分らしく素直に進んでみたい ・・・

こんな気持ちの人に沁みる作品だと思います。

刑期を終え、
松太郎が刑務所から出てくるエンディングのシーンでは、幸(サッちゃん)も
娘も迎えには来ない。そして、井上陽水の 「傘がない」(唄:UA) が流れる。
大人の男だから ・・・ そうだろうとは分かっているのが、やはり、切ない ・・・ 。
そんなラストシーンでした。


 

 

 

 

 


「緒形 拳」 さんと言えば、
一般的には、今村昌平監督の 「楢山節考」 などでの認知度が高いのでしょうか。
若い頃には、NHKの大河ドラマ 「太閤記」 の主役にも抜擢されたこともあったよう
です。もちろん、新国劇の辰巳柳太郎さんを師事し、劇団にいたわけですから、
正統派といえば正統派です。ただ、私の中では、野村芳太郎監督の 「鬼畜」 や
五社英雄監督の 「陽暉楼」、深作欣二監督の 「火宅の人」 などで見せる、自分の
世界観の中で少し歪んで生きていく男の役が 「緒形 拳」 らしいと感じています。
寡黙だがソワソワして落ち着きのないところがあったり、急に激高したり、シャイで
人間くさいところがあったり、といった役どころが似つかわしいと感じます。そして
もう一面、テレビドラマ必殺シリーズの第一弾 「必殺仕掛人」(池波正太郎原作)の
藤枝梅安 役で見せたような、職人的な男のカッコ良さですかね ・・・ 。

今回の作品で
演じていた 安田松太郎 という老人役を見て、やはり、まだまだ 役者 緒形 拳 を
見てみたかったという感情は残りました。しかし、カッコいい俳優はカッコいいまま
終わるのもいいのかもしれませんね ・・・ 。 ご冥福をお祈り申しあげます。


ルミオンと港に ・・・

2008年10月01日 | 造形憧憬

   


夕暮れ時、
ルミオンに乗って幼年期を過ごした港町へふと立ち寄った私。
潮の香りより鉄や錆の匂いがする ・・・ そんな鉄錆色の港町と港が好きだ。





港へ向かい、
外国船籍の貨物船の荷役を行なうための岸壁の傍にルミオンを停めて
カメラを構えて撮ろうとした、まさにその時、対岸の工場から小さな灯りが
放たれた。ボンネットには夕焼けと共にその灯りがほんのり映し出された。





ルミオンを
「造形憧憬」 のカテゴリーで紹介しているが、この鉄錆色の港が重なると
どうしても 「昭和懐古」 調になってしまう。私の中にある “想い出(懐古)” が、
ルミオンに乗るようになって、いっそう深くなったような気がする ・・・ 。





ルミオンは
今までつき合ったクルマの中で、この港の景色に一番溶け込んでいる
かもしれない。そのフォルムが港湾施設にある重機などのアイテムの
造形に近いためかもしれない。人によっては無機質に見えるそのボディー
ラインにも愛着を感じている私、このルミオンというクルマとの出逢いを
真面目に大事にしたいと思っているのも事実だ。ひょっとしたら、初めて
本気でクルマが好きになったかもしれない ・・・ 。



■ 造形憧憬 ■

作り手の
心や魂の入った作品には
他を圧倒するような力強さや
包み込むような包容力がある

たが、
その心と魂がこもった
作品を磨き輝かせるのは
使い手の役目かもしれない

“あこがれの使い手”
を目指すのも良いのでは ・・・

第五大成丸


シリウスの道

2008年09月23日 | 造形憧憬


日曜日、
後輩Jの披露宴から帰宅すると、家には誰もいませんでした。私以外、
皆さん忙しいようです。( 私の次に暇な息子は部屋で寝ていたようですが ・・・ )





とりあえず、
礼服を脱ぎ(そこらに脱ぎ散らかし)、リビングのソファーに深く座り込み、
テレビの電源をスイッチオンする。冷蔵庫を開けて青汁を一杯飲みながら
柱の上にある時計に目をやると午後2時過ぎだったと思います。それから、
ソファーに座り直した途端、どうやら眠気に襲われ、そのまま寝込んでしまった
ようです。約1時間後、テレビから流れてきた音で目覚めたようです。

「シリウスの道」
というドラマに起こされたのかもしれません。( このドラマを見ろ! と ・・・ )
たまたまテレビをつけたまま寝込んでしまった ・・・ たまたまある番組の音声で
目が覚めた ・・・ それがこの 「シリウスの道」 というヒューマンサスペンスドラマ
だった ・・・ 。「秋のドラマW (WOWOW)」 という番組枠の第一弾のようです。
「巨額広告プロジェクト、25年前の秘密、謎の脅迫者。誇り高く生きる人々を
鮮やかに描く大型ヒューマンサスペンス」 ・・・ 私の好きなシチュエーションです。

原作は、
大阪府出身で、1985年に 「ダックスフントのワープ」 で 「すばる文学賞」 を受賞、
1995年には 「テロリストのパラソル」 で 「江戸川乱歩賞」 と 「直木三十五賞」 を
ダブル受賞された 「藤原伊織氏(1948-2007)」 です。大阪高津高校から東大の
文学部、そして広告大手の電通へ入社。その実体験でもある広告業界を題材
にした作品には、業界の仕事観や人間関係も含め、リアルな内容となり得る
要素が織り込まれることは容易に想像できるところです。

主役の
「内野聖陽(辰村佑介)」 のシュールな男臭さ、「真矢みき(立花英子)」 の
キャリア女性が持っている二面性の表現をはじめ、「寺島 進(浜井勝哉)」、
「大塚寧々(半沢明子)」、「白竜(浅井志郎)」、「栗山千明(平野由佳)」 など
個性派俳優が演じるキャラクターも、脇役として出しゃばらず薄れずの心地良い
存在感を発揮しています。ただ、「夏八木勲」「本田博太郎」「田中 健」 のキャラが、
それぞれ多少かぶっていて存在感を示しきれていなかったのが残念でした。
そんな中、立花・辰村の部下役で若手の 「黄川田将也(戸塚英明)」 の演技力
が私には際立って見えました。

この作品、
原作が良いのだとハッキリと感じとれるものでした。基本的に本を読むことが
好きでない私ですが、この 藤原伊織 という作家に触れてみたくなりました。
さて、私の本(小説などの文学書)嫌いは解消されるのでしょうか ・・・ 。

最近、
映画を観ていない気がします。といっても、元々 “映画館” が好きではない私は、
テレビでやっている映画を観ることで満足するタイプです。あとは、DVDをレンタル
して月に何本かは観ますが、嫁さんのように月に何本も一人で鑑賞に行くほど
映画(映画館)好きではありません。

要は、
家で寝転がって見る映画や海外のテレビドラマでいいのです。その為に
ずっと昔から WOWOW に加入して、大きめのプラズマテレビまで買ったのです。
しかし近頃では、そのテレビは娘たちが見ている大して筋のないチャラチャラ
ドラマやそろそろ飽和状態になりつつあるお笑い番組に独占されております。

ここ数年、
アメリカのテレビドラマにゆるくハマっています。「24」 は乗り遅れて今更、
最初から見るのが嫌でレンタルしていませんが、「LOST」 「プリズン・ブレイク」
には完全にハマりました。「CSI」 「NYPD」 や 「ER」 などの職場(特殊な仕事)
ものにはどうしても食いついてしまいます。それから、「スーパーナチュラル」 や
「トゥルー・コーリング」 などの非現実的な世界もそれなりに楽しめます。ただ、
期待して何編か観た 「HEROES/ヒーローズ」 はキャラクターが多すぎて集中
できなくなりちょっと挫折して、現在、休憩中です。

さて、明日は
TSUTAYA にでも行って、新しくハマれる作品でも探しますか ・・・


■ 造形憧憬 ■

ある作品に賭ける思い
そして役者に託す思い

人々に伝われば秀作であり
伝わらなければ駄作である

ただ、
自分が受け留めた作品は
自分の中で全て秀作であるはず

他人の評価を真に受けて
自分の好き嫌いを決めたり
変えたりはしないほうが良い

なぜなら、
○○何某という名前がついた
自分自身まで駄作になるから ・・・


第五大成丸


能勢のオーガニックレストラン

2008年08月22日 | 造形憧憬


先日、
能勢町(大阪府豊能郡)で自家有機野菜を美味しく食べさせてくれる
『 しゃらん ど らーは (Sharan de Raaha) 』 というレストランへ行ってきました。





7月の終わり頃、
ふらっと能勢をドライブしている道中、道の駅の中に野菜の直売所があり、
不揃いのトマトや胡瓜、茄子、オクラ、大葉などの野菜が安かった(何でも1袋
100円前後だった)ので買って帰ったのですが、これが “なんでこんな甘いん?”
と思うほど、それぞれの野菜本来の甘味が溢れ、素直に “旨い!” と感動
しました。野菜の新鮮さ以上に気持ちが新鮮になったような気がして ・・・ 。

ということもあり、
何度か能勢近辺を探索していて見つけたレストランの一つなのですが、
帰ってからネットでお店のHPや他ブロガーさんの記事を読んだのですが、
印象としては “少し構えたレストランかなぁ?” でした。先日、昼から時間が
取れましたので、急遽、予約も入れず訪問してみました。

自宅から一般道で約1時間、
ランチタイムに間に合うかどうか ・・・ 到着した時、午後2時を過ぎていました。
隣接の駐車場は満車で、約100m離れた臨時の駐車スペース(畑の畔道?)を
使わせて頂きました。その長閑な雰囲気と空気が心を癒します。

店内に入ると、
客席スペースは思ったほど広くはなく、どちらかといえば、手造り感があり
アットホームで寛げる内装で、“構えた感じのレストラン” ではありませんでした。
ホールで接客をしておられる若い女性(奥様だった)の笑顔とリズムが心地よく、
一層、寛げる雰囲気になっています。

さて、メニューですが、
一般的なランチメニュー(ランチタイムのサービスメニューなど)は無いようで、
カルトメニューからオーダーしました。行く前から、薪をくべて石窯で焼くピッツァ
だけはどうしても食べたかったのですが、実際に行くと、サラダやパスタも気に
なります。ただ、2人だったのでそう何品もオーダーできません。クルマだった
こともありアルコールも ・・・ 。結局、隣のテーブルの料理ポーションを見て、
「ピッツァ」 「パスタ」 「野菜の薪窯焼き」 をそれぞれ一皿ずつオーダーしました。





「ピッツァ・マルガリータ」 という名前だったと思います。
生地は弾力がありモチモチです。焦げ目のところを口に入れると、まるで
お餅を食べているような感じです。写真では判りづらいですが、一般的な
宅配ピザ屋のMサイズ以上はあると思うのですが、脂っけやベタつき感が
全然なく、何枚でも食べられそうな食感と味わいです。“旨かった!” です。

次回は、「ピッツァ・ラーハ」 を ・・・





帰り際にシェフに聞いたところ、パスタは最近メニューに加えたそうです。
まだまだ試行錯誤だということでしたが、このパスタも美味しかったです。
ただ、名前が ・・・ 間違いがあってはいけませんので割愛させて頂きます。
幅10cmもあろうかというタリアテッレにジャガイモと自家製ソーセージを加え、
クリームソースで絡めたパスタだったと思います(自信なし)。タリアテッレの
ボイル加減が特に良かったです。確かにソースも大事ですが、パスタや
具材(じゃがいも)の茹で加減も大きなポイントだと思います。近頃、街場で
よくある “何でもかんでもアルデンテ” なお店はどうなのでしょうかねぇ ・・・ 。

次回は、自家製のベーコンが入ったパスタを ・・・





生の野菜です。
“次の一品の前に食べて、焼いた状態と比べてみてください” と提供して
くださいました。非常にサプライズな印象でした。ここ最近、能勢の野菜を
生で食べていましたので、私たちには感動というより納得な味でしたが、
初めて訪れた方々は感動するでしょうね。そして、その後の “焼き” に ・・・





「季節野菜の薪窯焼き(9品)」 だったと思います。(メモしてくればよかった ・・・)
野菜はオーダーが通ってからカットしているようです。古い野菜やカットして
時間が経った野菜を焼くと早く焦げてしまうそうです。新鮮な状態でそのまま
石窯へ ・・・ これがポイントなのでしょうね。オリーブオイルにバルサミコ酢を
加えたドレッシングとハーブ入りの七味唐辛子が添えられていましたが、
ほとんどの野菜がそのまま食べて美味しいものばかりです。もちろん、焼けば
旨いだろうと予想のつく玉葱や茄子、パプリカは当然ですが、トマトやオクラ、
胡瓜なども焼くことで、素材が持っていた本来の甘味が引き出されていることが
よく解ります。とても美味でした!

次回は、秋野菜・冬野菜を ・・・






「オープンエアキッチン」 で作業をしているオーナーシェフです。
写真の承諾は得ましたが、ブログ掲載までは了解を得ていませんので、
あえて顔が判る写真は使用しませんが、自身の考えや理想をしっかり持った
キリっとした男前です。(ちなみに奥様はチャーミングで可愛らしい女性です)

“基本的に自分のところで作っている野菜しかお客様には提供しない” という
ポリシーでお店をやられているようです。敷地内の見えるところにも野菜や
ハーブを栽培されていました。また、自家製のベーコンやソーセージを仕込む
ためのスモーカーもあり、薪をくべてピッツァや季節野菜を焼き上げる石窯も
手造りだということです。

全ての部分で、“こだわり” という言葉より、“譲れないもの” という気持ちの
ニュアンスを感じるお店でした。また、その環境をお二人で切り盛りされている
若いご主人と奥さんの人柄も少し垣間見えたような気がして、非常に癒された
ランチタイムでした。( お店を出た時には4時を過ぎていました )

ほんとうに、ごちそうさまでした!!
また訪問させて頂きます。






■ 造形憧憬 ■

飲食店の店名を出して評価することは本意ではない
ただ、「二升五合」 や 「楽時々益」 のカテゴリーでなく
“ものづくり” として 「造形憧憬」 で表しておきたいお店
飽食の時代を超えて尚、暴食に向かおうとしている
街場にある 「食」 の基本を見直すために ・・・

第五大成丸


SINCE 1950

2008年08月20日 | 造形憧憬


「播州ハム」 は、創業から50年以上、
真面目にハム・ソーセージ造りをしている老舗です。
今ではメディアやネットの普及で全国区になりました。





「播州ハム」 は、
姫路駅から西へ徒歩5分位の場所にある小さな工場で造られています。
早朝、中央市場でバイトし、学校帰りに駅前をうろついていた高校時代から
その存在は知っていましたが、その当時は、テレビの影響を大きく受ける時代
でしたから、大手ハム会社と並んでいると見劣りしていた記憶があります。

時代が変わり、
素材重視の本物志向や健康を意識した無添加の味などが求められています。
結果、昔ながらの “ものづくり” を継承している環境や職人が見直されています。
何か流行ると皆が右を向き、何か問題が起こると皆が左を向く他人依存な時代。
何とも可笑しげな話です。もうそろそろ消費者それぞれが責任を持って自己選択
しなければならない時代ではないでしょうか。もちろん、供給側も ・・・ 。

三代目のご主人は、
「どうすれば、地方の正直なハム屋の存在をお知らせし、まじめに造るハムを
買っていただけるのだろうか?」 と日々悩んでいたそうです。そんな時、あの
阪神淡路大震災(1995年)が起こり、ボランティア活動でインターネットと出会い、
ネットショップを立ち上げ、ハムの販売を開始したそうです。お客様から届く
「おいしかった」 というメールに社員共々感動したそうです。

要は、
いくら真面目に美味しいものを造っても、世間に認知されなければ自己満足で
終わってしまいます。その認知のキッカケ作りのツールとしてネットを活用する
ことは非常に良いことだと思います。但し、物を売るためだけに活用すると必ず
シッペ返しがくることを忘れてはなりませんが ・・・ 。

「播州ハム」 の約束(表題のみ)
◆ 肉を選ぶ ・・・ おいしさは良い肉選びから始まる。
◆ 塩を知る ・・・ ハム造りには化学調味料はいらない。
◆ 手を抜かない ・・・ 受け継いだ納得できる作業を守る。
◆ 炭火で焼く ・・・ 熟練の技と経験が問われる。

“こだわり”
と表現すれば、そうかもしれませんが、昔から “ものづくり” をしている環境や
職人にとっては、至極、当たり前なことではないかと私は感じます。
「こだわることにこだわらず、こだわらないことにこだわる」 これは、私が仕事に
取り組む時のポリシーです。“こだわり” なんて人に言うべきものではないという
意味です。“こだわり” は自身の中にあるもので、偶々、仕事や作業を通して
一端が他人に見えるだけのものです。それで済ますべきではないでしょうか ・・・ 。





工場横にある直売店で少しだけ買って帰りました。
スモークが得意ではない私ですが、ここのハム・ソーセージは大丈夫です。
赤ワインを ・・・ と思いましたが、ボンレスハムはそのままスライスして、
ボロニアソーセージも軽くソテーした程度で食べたかったので、ちょっとクセの
あるスパークリングワインを合わせてみました。まあ、悪くはなかったのですが、
やはり軽めでスパイシーな赤ワインあたりがあれば良かったかも ・・・ 。


■ 造形憧憬 ■

この情報過多で無分別な時代において
ほんまもんの “ものづくり” を表現するのは
ややもすれば、オリンピックで金メダルを取る
のと同じくらいむずかしいことかもしれない
なら、金メダルを目指すより、使い手の笑顔を
集めてみるのも悪くないのかも ・・・

第五大成丸


オーサカキンギョは救世主になれるのか?

2008年07月17日 | 造形憧憬


my VAIO が
「阪神タイガース」 や 「甲子園」 以上に
連日、“オーバーヒート” しております。
やはり夏の暑さのせいでしょうか ・・・ ?
ヤバイ感じです。





何となく、熱を持っててパソコンの動きが鈍いです。
 ( イヤイヤ動いてる気が ・・・ )
“暑いからバテている” ・・・ そんなわけないですよね。
 ( 水でも掛けたろか! ・・・ ??? )
たぶん、データが “メタボリック” になっていることも一因?
 ( オッサンのカラダ同様、“ダイエット” せなあかんゎ! )

ほんの気休めですが、VAIOの壁紙を
「オーサカキンギョ(オーサカキングの新キャラ)」 に変えてみました。
ちょっと涼しげになるかと思いましたが、オレンジ色を選んだため、
余計 “熱に魘されたよ金魚” のように見えます ・・・ 失敗 ???
 ( やっぱ、整理して “オーバーホール” せなあかんかなぁ~ ふぅ~ )


ルミオン3333

2008年07月11日 | 造形憧憬


前方のシグナルが黄色に変わります。
交差点は軽く通過できる位置です。周りに問題もありません。
ただ何故か、直前で止まりたくなって急停止します。





何気なく、インパネのメーターを見ると ・・・

ルミオンの走行距離が 3,333 ㎞ です。
「3」 が綺麗に並んでいます。( 何かラッキーな気分!・・・ ??? )
思わず、助手席に置いていたデジカメで写真を撮ります。
隣の車線に並んだクルマからヘンな目で見られているような気配が ・・・
Sクラスのベンツに乗った上品な小母様です。ちょっとバツが悪いです。

しかし、
“ 何かええことあるかも ・・・ ” と思うとそれも気にならず、逆に、
そのベンツの小母様に向って軽く会釈して愛想笑いを浮かべてみます。
小母様は更に不審者を見るような眼つきで私を睨みつけます。(笑)

“ おばさん、怖~い顔で怒ってるよりええでしょ! ” と心の中で呟き、
信号が青に変わると同時に 「ビューーーーーン」 とルミオンを加速させ、
重いベンツを尻目に軽やかに走り抜けます。 破顔一笑? 呵呵大笑?


自分がオッサンであることを完全に忘れておりました。
どうも、クルマに乗ると若い時の気分に戻ってしまうようで ・・・ 。