兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

士官は自分の頭で未来を決定する

2008-09-30 23:00:00 | 概要説明

 本ブログのタイトルを『兵隊よりも士官になろう』にしたのは、兵隊に対する教育と士官に対する教育では、質と内容が全く異なるからです。
 兵隊は命令に従うだけで良いのですが、士官は自分の頭で状況を判断し、選択しなくてはなりません。
 士官を養成するために、どんなことが必要なのかを、扱っていくブログにしたいと考えています。本ブログを開設した際、こういうブログにしようという方向性を示したものが、『カテゴリ:概要説明』にて読むことができます。 最近、アクセスしていただいた皆様にぜひ読んでいただきたいと思います。
今回は、基本となる概念の1つである「リーダーは量産できるはずだ」を再掲載します。

2008/09/30 橘みゆき 拝



リーダーは量産できるはずだ  (2006/03/26の記事)

 リーダーになるには、リーダーとしての資質を満たした人が就任するというふうに思う人が多いと思います。リーダーにふさわしい資質の人というと、戦国大名みたいな人とか、昭和時代の大企業の社長さんといったところでしょうか?まわりを見渡しても、それほど多くいません。ゼロ戦のパイロットみたいに少数精鋭です。リーダーの資質を満たすは組織に1人いれば良いという考えならば、それでも良いのですが、リーダーが大量に必要になる時代の変革期には対応できそうもありません。 友人は、時代がリーダーを産み出すと言っていましたが、それは奇跡を待つようなものです。変革期でもリーダーが出ないで混乱期が長く続くかもしれないのです。  私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。 ちょうど太平洋戦争当時、日本では小さな町工場で飛行機を作っていましたが、米国ではグラマンを大量生産していたようなものです。質は多少悪くても、量でカバーしてしまおうというアプローチです。リーダーを大量生産するためには、誰でも勉強や実体験を通してリーダーになるための体系的な知識が必要となります。これが、米国流リーダーシップ理論なのではないでしょうか。そういった本を読むと、どうもアジアの文化と欧米の文化をミックスしていいとこ取りしているようです。米国人でもできるのだから日本人でもできるはずです。

2006/03/26 橘みゆき 拝


リーダーシップはカオスを止める力(Power)

2008-09-29 23:30:00 | リーダーシップ

リーダーシップは全員が持っているものである

「リーダーシップ」という言葉は、リーダーという言葉が頭についているので、組織のトップだけが持っていれば良いという風に思いがちです。ビジネス本などでは上から下に矢印が書いていて「トップダウン」とか「リーダーシップ」と書いています。逆に下から上に伸びている矢印には「ボトムアップ」とか「フォロアーシップ」と書いているので、なおさら誤解しがちです。
昭和の大企業に見られるピラミッド型組織での情報の流れはこのスタイルでした。優れた指導者に黙ってついていけばいいんだという発想は、なんとなく日本的ではありますが、指導者が判断を間違えると一蓮托生です。お山の大将が組織を率いる組織は、いいときはいいのですが、一旦傾いたり、指導者が不在になると欠点が露呈してしまいます。

組織というものは、何もしないでいくとエントロピーの法則で、秩序が乱れ、形もぐちゃぐちゃになっていきます。それを防ぐために、組織の目的を決めたり、組織のメンバーに役割を与え、体制を固めたり、ルールを決めたりします。こういったことをすると混沌(カオス)にならずに済みます。
リーダーシップの目的は組織のパフォーマンスをアップさせることですから、「リーダーシップはカオスと止める力」であると言えます。

リーダーシップは、組織のトップだけが必要とされる能力ではありません。組織のメンバー全員に役割が与えられている以上、役割によって多い/少ないはありますが、創意工夫をしています。いい加減に仕事をしている人もいますが、一生懸命仕事をしたり、お客様や関係者(ステークホルダー)のために仕事をしているでしょうし、マニュアルどおり仕事をする人も、マニュアルを改善するための活動をしています。こういう改善活動を積重ね、全員の知恵と努力により、組織がカオスになるのを止めています。言い換えると、リーダーシップを役割に応じて、組織全員で発揮しているのです。

リーダーシップはリーダーだけが持っていれば良いのではなく、チーム全員が各々の役割に応じてリーダーシップを発揮するものなのです。

2008/09/29 橘みゆき 拝


リーダーは全体の最適解を求める

2008-09-28 04:30:00 | リーダーシップ

リーダーは全体ことを考える

ある組織がいくつかのチームに分かれて異なる仕事をしていたとしましょう。
仕事をした結果(成果)は、いくつかの制約事項によって、頭を抑えられてしまいます。代表となる制約が、「人・モノ・カネ」といった制約です。「高い品質」、「安いコスト」、「早い納期」を同時に達成するのは困難です。品質を優先させればコストは上がり、納期も遅れます。どこぞの牛丼屋さんのキャッチコピーみたいに、「うまい、早い、安い」を達成するには、相当の工夫がいりますし、最近では「仕事をきっちり」しないといけない風潮です。

複数のチームで、各チームごとに部分最適化を行った結果を積み上げれば、業績は目標達成するでしょうか? 違いますよね 多くの場合、重点分野に絞った方が業績が上がります。足し算引き算のほかに、掛け算割り算が入ってきます。
チームAの業績を上げるために、チームBに我慢してもらうという選択をするケースもありましょう。マネージャーの立場では、これでOKとなります。
ですが、これでは誰がやっても業績が同じという不思議な現象となります。ここでリーダーの出番です。

Aチーム、Bチーム、Cチームが仕事をした時、どのチームに重点をかければ良いでしょうか? 均等に配分すればいいでしょうか? 違いますね。 一番成果が出るチームにだけ働いてもらえば良いでしょうか これも違います。 限られた資源(人・モノ・カネ)でできる仕事は限られます。
単純にチームの能力が、Aチーム=1、Bチーム=2、Cチーム=3なら、3つのチームの成果は単純に足して「6」になります。
ところがそうはならないのです。人間はロボットではなく、感情を持っているため、数式どおりにはなりません。お互いに足を引っ張り合うと、当然「6」より少なくなりますし、お互いが協力しって、足りないところをカバーすれば、「6」より大きくなります。
この効果を相乗効果(シナジー効果)といいます。リーダーの役割は、チーム全体のパフォーマンスを高めることですから、単純合計よりもいかに大きくするのか、そこがポイントとなります。

現状の制約となっている条件そのものを変化させたらどうなるか、チーム間で調整すれば、もっと良い結果が得られるのではないか、相乗効果を最大限引き出すにはどうすればいいのか。そういったことを考えるのがリーダーの役割の1つです。
ですが、皮肉なことにマイナスのシナジー効果(笑 を出すのが得意なリーダーが多いのが現状です。その人がいない方がチームのパフォーマンスが上がるのです。昭和の残像をひきずっている大企業にそういった人が多くいます。そういうリーダーは、チームのため、さっさと退場することが最適な道です。下克上を起こして御老体を軟禁状態にしてしまうのも策の1つです。

2008/09/28 橘みゆき 拝



リーダーとマネージャーの違い

2008-09-28 03:30:00 | リーダーシップ

リーダーとマネージャーの違い

リーダーとマネージャーの違いは何でしょうか? そういう質問を藤原事務所が開催しているリーダーシップ研修で質問したことがありました。答えは以下のとおりでした。

リーダーとマネージャーは同じ人が兼ねている場合が多いのですが、リーダーとマネージャーの役割は明確に異なります。
マネージャーは、「決められたことを実行する人」
リーダーは「何が正しいかを決定する人」です。

ある会社の事例でいうと、
リーダーが事業計画や作業計画を立案し、チーム全員の意見を集約し、合意を得る。チーム全体のパフォーマンスを高めるために、やる気を削ぐ要素を雑草をむしるが如く、こまめに取り除き、やる気を上げる要素が与えられないか気を配る。
マネージャーは、作業計画が計画通り実行されているか、遅れがないか、コストオーバーになっていないか、ルールに従って作業が行われているのか、懸案や問題が全体に影響しないかを、随時チェックし、チームのパフォーマンスの維持に努めます。必要に応じてリーダーに報告をします。
なんとなくイメージできたでしょうか?

社長だからリーダー、執行役員や部長だからマネージャ一、管理職じゃないからリーダーシップなんて関係ないというわけではないのです。社長から一般社員、一緒に仕事をしている関連会社の方やアルバイトに至る全員が、リーダーシップの多少はありますが、リーダーの役割とか、マネージャーの役割を持っています。

チームが産み出す一体感を出すには、チーム全体で方向性の統一を図り、何のために働くのか、どういう価値観を持って仕事をすべきか、お客様に何を提供するのか、こういったベースとなる部分で意識をあわせておくことが欠かせません。
お互いに異なる個性を持った人達を1つにまとめるためには、常日頃からコミュニケーションによる相互理解と異なる価値観に対する尊重することが大切です。

2008/09/28 橘みゆき 拝


大企業や公務員はもはや安泰ではない

2008-09-28 02:00:00 | リーダーシップ

20世紀は大企業の時代

 20世紀は大企業の時代だったといえます。アメリカ最大の製鐵会社、USスチール(U.S. Steel Corporation)の設立は1901年。自動車会社のビッグ3のフォード(Ford Motor Company)は1903年設立、GM(General Motors Corporation)は1908年でした。ロイヤル・ダッチとシェルが事業提携したのが1907年。資本主義が成熟期を向かえ、少数の企業による寡占化が進んだ時期と一致しているのは偶然ではありません。
むろん例外もあります。デュポン(Du Pont)は1802年、スタンダード・オイル (Standard Oil) は1863年、カーギル(Cargill)は1865年、ネスレ(Nestle' S.A.)は1866年にそれぞれ設立しています。


大企業は石油文明のあだ花

 多くの国で事業を展開する大企業(多国籍企業)は、世界中に工場を持ち、世界中に販売拠点を持ち、世界中の人達を相手に商売を行っています。これを支えるのが自由貿易を保証する「平和の海」です。アメリカが世界中の海を相手に海軍を展開しているので、シーレーンの確保と言っても似たようなものです。石油にしろ石炭にしろ、エネルギー価格が高騰すると、コストが上がる、物価も上がる、売上げが落ちるといったこととなり、あまりよろしくありません。戦争が儲かるといっても、生産拠点から戦争の前線までの間の補給ラインが確保され、予定通りの補給が、安全かつ確実に送られてることが前提です。せっかく原料や石油が国内に入ってこなかったり、せっかく作った製品が途中の海で沈められたりしたのでは、せっかくの努力がパーです。(太平洋戦争の日本はシーレーンの安全が確保できなかったので、戦争に負けました)


図体の大きい恐竜と小さなネズミ

 7000万年前、地球の気候が大変動を起こした際、恐竜が絶滅しました。一方、ネズミ位の大きさしかなかった哺乳類は生き残りました。恐竜は温暖な気候に最適化したため、地球上の支配者となりました。恐竜は巨大化したため、小さな脳と大きな体との間に神経ネットワークの遅さ(尻尾の痛みが頭に伝わるのに10秒かかった)が致命傷だった。大きな体を維持するため、少ないエサでは飢えて死ぬしかなかった。恐竜は変化に対応できず滅び、ネズミは変化に対応できたから生き延びました。このことは大きな組織である大企業と中小企業との違いにも類似性があります。大企業は組織が大きいが故に、時代の変化に追いついていけないケースが出てきます。特に今のような変化が激しくて、1年先すら前提となる条件が変わってしまうのが当たり前になると、大企業のもろさが表に出てきます。好況になると予想したのに、逆に大不況になって在庫の山を抱えたとかなど、1つの例です。大量生産のラインがあっても、少数多品種の生産への切り替えは困難です。中小企業ですと、大企業から常に変化を強要されているため、多少のことでは乗り切れます。組織が大きくなると現場やお客様の声がリーダーまで上がりにくくなります。途中でもみ消されたり、事実と異なるデータに変質してしまうこともあります。そういう組織だと、どうしようもない問題が出るまで水面下に隠れ、リーダーが問題を知ったときには既に手遅れとなっていたという事態が往々にしてあります。大企業は大きいがゆえに変化への対応が遅れてしまうのです。


公務員も変化に対応できない

 公務員も変化に対応できない職種の1つです。公務員は法律や政令に従って業務を行います。公務員自身の裁量で勝手に変えることはできないことになっています。決められた通りに仕事を行わないといけないわけです。こういう仕事を長い間やっていると、前例主義に依存し、新たにチャレンジすることを避けるようになります。また職場が2年くらいで転々としていると、自分の任期さえよければ後は知ったことじゃないという無責任な態度をとってしまいかねません。公務員の仕事でも、政策を決める部門や、新しいことをやる部門はありますが、多くの仕事はがんじがらめになっていて、10年以上前の前任者が作った業務マニュアルを後生大事に引き継いで、そのまま継続しているという部門もあります。冷戦終了後、ソ連や東欧諸国、アルゼンチン、トルコ、インドネシア、南朝鮮、イラクなどの国家が崩壊したり、経済が破たんした国では、急激な社会変化を余儀なくされた結果、年金生活者、軍人、医者と共に、公務員が大変苦労したことを忘れてはなりません。日本も財政悪化が進んでいるので、明日はわが身となる可能性さえあるのです。
平時なら公務員はなかなかクビにならないのですが、1945年8月の敗戦を以って、大日本帝国の陸軍、海軍は解散しましたし、戦争後の公職追放令により、多くの教員をはじめ公務員がクビになりました。明治維新にさかのぼると武士階級は全員クビになりました。財政破たんした夕張市の様子をみていても、多くの公務員が自主的に辞めたり、クビになったりしています。社会の混乱が極まったとき、公務員だってクビになるのです。公務員がやっていた業務を民間に委託するようになると、その部門で働いていた人は民間会社で働くか、別の仕事をやらなくてはならなくなります。また、公務員の定数を決める法律を作って、定数を減らせば、その時点でクビになる人もでてきます。国会議員の定数などがその例になるかもしれません。
要するに公務員の職が安泰というのは、非常時には何の担保にもならないという前提で身の処し方を考えた方がいい。時間があるうちに。ほとんどないけど。>現役の公務員の皆さん


大企業や公務員も安泰ではない

 大企業に勤めている人も、公務員の人も、すでに進展中の21世紀初となる大恐慌によって、自分のクビは安泰だろうと信じていることと思います。前回の大恐慌では失業率が25%とか30%とかに達しました。残りの70%以上の人は安泰だったのかというと、そうではなく大幅に給料が減らされたり、正社員だったのが、契約社員やアルバイトなどに雇用形態の変化をよぎなくされたことを見ると、ギリギリまで我慢を強いられたといって良いでしょう。借金で株式投資をしていた人は、財産がすってんてんになり、自殺者も大幅に増えました。今日、外資系金融マンが困っていることが、近い将来、自分に降りかかってくる可能性がゼロではありません。それどころか、相当高いと予想して、質素な生活に切り替えたり、収入が半減しても飢えることがないようにするにはどうしたら良いのか家族全員で話あったりすることが大切です(準備する時間が残っているうちにやらないと、大変苦労することとなります)。


お友達に手を差し伸べるには

 自分自身を守れない人は、他の人を守ることができません。
自分自身の安全が確保できたとき、他の人に手助けする余裕ができます。
困っている親類やお友達を助けるためには、余裕がないとできません。
 イソップ物語のキリギリスのようになりたくなければ、冬が来る前に準備をしておかないといけません。雪が降ってからでは遅いのです。
願わくは、このコラムを読んだ方が、1人でも多くのお友達に手を差し伸べることができますように。

2008/09/28 橘みゆき 拝


【推薦コラム】
連山に9月16日以降、「高橋祐助さん」のコラム、「崩壊と機能の維持」が掲載されています。
※2008/09/27現在、4つのコラムが掲載中

  組織の崩壊と機能の維持 (1) -組織の維持とは-
  組織の崩壊と機能の維持 (2) -旧帝国陸海軍の凋落-
  組織の崩壊と機能の維持 (3) -希望的観測と兵站の軽視-
  組織の崩壊と機能の維持(4)~ジェネラリストとスペシャリスト

1997年11月の日本と、今のアメリカ

2008-09-27 21:00:00 | 教育

歴史は繰り返す

 2008年 9月、ファニーメイとフレディマックが事実上の国有化となり、リーマン・ブラザーズ証券が破たんし、メルリリンチ証券が買収されました。米国金融システムが大きく揺さぶられていて、NYをはじめ世界各国で働いている金融マンに対する強烈な失業圧力により、昨日まで高給取りだった人が、一転クビになって、職場と財産を同時に失い、カネでつながっていた友人もクモの子を散らすようにいなくなりました。家族離散といったことになっている方もいるでしょう。残ったものは紙屑同然の株や債券、そして借金だけだったということもあり得ます。カネの切れ目が命の切れ目、いや縁の切れ目とはよく言ったものです。あの人勝ち組で羽振りも良かったのに、足元が崩れてまっさかさまに落ちてしまって、どこに行ったのか分からない人も大勢発生しました。何万人もの失業者が一斉に発生し、今後も増えていくでしょう。


1997年11月の日本

 こういった光景を見ると、思い出すのが1997年11月、日本の大手金融機関が次々とドミノ倒しのように破たんしていった時のことです。幸い、日本での破たんは世界中に広がることはありませんでした。ですが、昭和の物差しで見ると、大企業なら退職するまで安泰だという終身雇用が目の前で崩壊し、潰れるときにはあっという間に潰れるものなのだという出来事は、時代の変化を多くの人に実感させました。


破たんの当事者は楽観的だった

 1997年11月、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券が相次いで破たんしました。 当時、インターネットが普及しつつある段階でしたが、パソコン通信のNifty-Serveでのチャットや会員限定の掲示板(CUG)がまだ主流でした。山一證券の社長が「社員は悪くないんです」と泣いた日から数えて前日の晩、何人かの知合いとチャットをしていた。山一證券株が下落につぐ下落で額面割れしていました。 チャット相手の1人が山一證券の社員でして、まわりの人が「もう山一は死んだも同然だから、新しい就職先を探した方がいいよ」と事実上の倒産を前提にしていろいろアドバイスをするのですが、当人は「山一證券は不滅です」とか「株価が安くなったから自社株を買い捲る」とどこまで本気がわかりませんが、そんな発言をしていました。翌日、山一證券は自主休業を発表し、彼は職場と財産を同時になくしました。でも死んだという話を聞かなかったので、それなりに有能な人でしたので、どこかで違う仕事をしていると思います。 山一證券は4大証券の一角だから大蔵省が潰すはずがないという伝説を信じていたようです。いつ倒産してもおかしくない緊張感と共に働いている中小企業と違って、大企業は寄らば大樹で退職するまで安泰だと信じられていましたので、会社と一緒に心中してしまう方がいても仕方がない一面もありました。


時代が変わると常識も変わる

 これと似たケースで、ある地方自治体(市町村)に働いている友人に「地方債を発行しすぎて、もう借金漬けだから、財政再建のために公務員のリストラをする時が来るのに備えよ」とアドバイスしたのですが、当人いわく「10年後も、20年後も、うちの会社は大丈夫だよ」と言った。あれから10年経過したのですが、たしかに夕張市みたいな状況にはなっていませんが、いつ夕張市みたいにバンザイしてもおかしくないほど、財政が悪化していますので、大丈夫とは言いがたい。 時代の変わり目に、いままでの常識が通用しなくなります。昭和の時代を懐かしむのは止めませんが、平成になって20年も経過したのに、いまさら昭和に戻ることはまずないでしょう。


人生ゲームでいう「3回休み」

 人生万事塞翁が馬と悟り、次へのステップを歩んでいる人は良いでしょうが、人生ゲームで「3回休み」とか、「振り出しに戻る」といった事態を迎えて、呆然としている方が多いと思います。次の仕事に就くまでの間、冷静に人生を振り返るなど、今後どういうことをして世の中に貢献していこうか考えてみてはどうでしょうか? 仕事仕事で忙かったのが、急に時間ができたのだから、自分自身の成長につながる自己投資をしたり、家族との絆を強めたり、自分の考えを振り返ったりすれば、後々の復活への道筋が見えてくるでしょう。こういう困っている時に手を差し伸べてくれるのが、真のお友達です。人生逆境になると真実がよく見えるようになるものです。逆境や試練は人間を成長させてくれます。


生き残るには歴史に学び、教訓を得ることだ

 歴史は時と場所とシチュエーションが多少違ってはいますが、全体的な流れとしてみると繰り返しています。世界史のページをめくると、古代文明から21世紀の現代までに多くの国が勃興し、滅んでいきます。自然災害や経済破綻、戦争で多くの人が犠牲になっても、全滅することなく、いまに至っています。バブル崩壊1つとっても、チューリップバブルから数えて何度も発生して、多くの血が流されました。今がよければいいという価値観の人もいますが、そういう人は逆境に対して弱い立場に立たされます。今年不作だったから、来年に蒔くタネまで食べてしまっては、食糧危機に直結してしまいます。未来の状況をより良い方向に持っていくために、現在何をすべきか、何をしないかを決定することが大切です。そのためには先人達の知恵と教訓の蓄積である歴史に学ぶことは必須科目となります。

橘みゆき 拝  2008/09/27


短時間睡眠について_(2)

2008-09-16 01:00:00 | 生活スタイル

世の中はどんどん動きが激しくなっています。寝ている場合じゃない(笑 っていうところです。
中国潜水艦の日本領海侵犯が意味するもの (Go Go Arabian Nights)

米証券大手リーマンが経営破綻=巨額損失引き金、破産法申請へ-救済協議が決裂 (時事通信)
リーマン日本法人資産に国内保有命令、破綻受け金融庁 (読売新聞)
大手金融機関が破たんする可能性=FRB前議長 (ロイター)

・・アメリカの金融機関の連中も、10月半ばくらいまでは踏ん張ると思っていたが、ふがいない。


万人にとって1日は24時間であり、1年は365.24日である。その中で、期限がある大きなことをやろうとすると、1日の生活習慣を変える必要があります。「食う」・「寝る」・「遊ぶ」・「仕事する」・「勉強する」といった区分の見直しをすることにより、自由に使える時間を捻出することができます。睡眠時間を減らす前に、やれることをやるべきです。多くの場合、睡眠時間を減らすことで時間を確保しようとします。ですが、それは生活習慣の見直しを行い、それでもなお時間が必要だという場合に限定すべきです。夜型人間の場合、朝型人間に切り替えをするには、2週間から3ヶ月位かかります。

短時間睡眠をするとどうなるのか
 睡眠時間の8時間必要であるというのは思い込みである。ここからスタートです。長い時間寝ても睡眠が浅ければ、眠気が残ります。熟睡すれば短時間でもぐっすり眠った分、朝の目覚めはすっきりしています。布団に寝てもなかなか眠れないという状況よりもすぐに寝てしまう方がいい。睡眠時間のサイクルは1時間半ですので、短時間睡眠のターゲットは3時間、4時間半、6時間となります。個人差もありますが、私の場合、3時間だと1ヶ月、4時間半だと半年、6時間はずーと大丈夫。といったところです。睡眠時間に8時間だった人が6時間に減らすと、1日2時間、1年で730時間もの自由な時間を確保できます。

短時間睡眠を始める場合、何のためにやるのか、目標を設定すること、これがないと長続きしません。寝る時間を24時より前に設定し、起きる時間を一定にすると、長続きします。早起きするモチベーションを維持する。これがなかなか難しいので、三日坊主になる場合が多い。慣れればどうということはないのですが、そこまで至るのにちょっとしたコツが必要です。個人差が大きいので、短時間睡眠の方法は、人それぞれです。いろんな本を読んで、いろいろ試して良かった部分を採用しよう。
そのほかのノウハウは以下のとおり。

 (1) 夜型から朝型への転換は、朝日を浴びて体内時計をリセットする。
 (2) 熱めのシャワーで体を強制的に目覚めさせる。
 (3) カフェインたっぷりのコーヒーorヘルシアを飲めば、朝から
   バリバリ仕事ができます。
 (4) ラジオ体操やストレッチして体を動かすと調子がよくなる。
 (5) せっかく早起きしたら、早い電車に乗れば、通勤が楽になる。
 (6) できれば、昼食後、5分から10分程度寝ると90分寝た以上の
   体力回復(頭すっきり)になりますので、机の上につっぷしても
   いいから熟睡しよう。
 (7) 昼間どうしようもなく眠くなったら、5分でもいいから寝ること。
   寝るのを我慢すると、何時間でも眠いだるい仕事進まないという
   事態になります。
 (8) 早起きのメリットを羅列して、目立つところに貼りましょう。
 (9) 寝る前に熱い風呂を避ける。就寝2時間前の飲食を避け、胃を
   空っぽにしておくこと。寝ているときは胃も休ませよう。

早起きのメリットは、こんなところです。
 (1) 職場に人が少ないので、電話による中断がなく、作業に集中できる。
 (2) 朝日が清々しいので、気力が充電される気分になる。
 (3) 仲間から「今日は早いですね」とほめられる。
 (4) 朝の通勤電車が空いている。座っていければ、本を読んだり寝たりできる。
 (5) 始業時間という締切り効果が期待できる。

橘みゆき 拝


短時間睡眠について_(1)

2008-09-15 20:00:00 | 生活スタイル

世の中はどんどん動きが激しくなっています。寝ている場合じゃない(笑 っていうところです。
中国潜水艦の日本領海侵犯が意味するもの (Go Go Arabian Nights)

米証券大手リーマンが経営破綻=巨額損失引き金、破産法申請へ-救済協議が決裂 (時事通信)
リーマン日本法人資産に国内保有命令、破綻受け金融庁 (読売新聞)
大手金融機関が破たんする可能性=FRB前議長 (ロイター)

・・アメリカの金融機関の連中も、10月半ばくらいまでは踏ん張ると思っていたが、ふがいない。


万人にとって1日は24時間であり、1年は365.24日である。その中で、期限がある大きなことをやろうとすると、1日の生活習慣を変える必要があります。「食う」・「寝る」・「遊ぶ」・「仕事する」・「勉強する」といった区分の見直しをしないと、時間を捻出することができません。短時間睡眠をする前に、生活習慣を見直して、どこか改善できるところはないかチェックすることは大切なことです。

(24時間)=(自由に使える時間)+(自由に使えない時間)+(生活時間)

自由に使える時間を増やすには、生活時間を減らすか、自由に使えない時間を減らすかのどちらしかありません。

1.生活時間を減らす
  生活時間を睡眠、食事、入浴など、人として生活するのに必要な時間とします。

 (1) 睡眠時間を減らす
  ⇒8時間寝ないと睡眠不足というのは思い込みである。
   熟睡し、工夫すれば、3時間、4時間半、6時間でもダメージは少ない。
   ここを着目すると、数時間単位で自由時間を増やすことができる。

 (2) 食事に関する時間を減らす
  ⇒自炊ではなく外食やお惣菜で済まして時間短縮。
   会議の合間や、移動中におにぎりを食べるなど工夫すれば極限まで
   減らせる。

 (3) 洗濯、日常生活など
  ⇒洗濯から乾燥まで1ボタンでできる洗濯機で済ませる。
   など家電製品を見直し、省力化を極限まで減らす。
   TVはリアルタイムで見ず、録画して、読み飛ばして見る。
   TVは見れば見るほどバカになるので、ドキュメンタリーなど見る番組を
   減らす。スポーツとかバラエティ番組は時間の無駄。
   落語のCDを聴いたり、ラジオを聴いた方がまし。
   インターネットもだらだらせず、見るところを決めたり、時間を決める。
   お風呂もタイマーでセットできるように改善する。
   入浴は気分をリフレッシュさせる効果がある。
   無理に短くする必要はない。

 (4) 並行して複数のことが行って、時間短縮
   お風呂を沸かす、洗濯をする、食器洗い機を使う、家電製品により
   家事に費やす労力を減らすことが可能となった。
   家事のスケジュール表を作り複数のことが同時に行えるように、
   順番を入れ替えると、家事に要する時間を短縮することが可能です。
   待ち時間に何かできないか、それを考えよう。帰宅途中で買い物を
   したり、外出する際、いろんなお店を巡回するなど。宝探しをする
   ように、自分の時間を見つけよう。

 (5) 家族がいる場合は、説得して協力してもらう。
   家族が病気になったらそっちが優先されるので、健康維持に配慮する。

2.自由に使えない時間を減らす

 (1) 通勤時間を減らす
   郊外の遠いところから往復3時間かけて会社に通うよりも、職住隣接を
   することで通勤時間を短縮し、浮いた時間を自由時間として使う。
   家賃が高くなるが、それは浮いた時間をカネで買う行為なのです。

 (2) 通勤時間を有効活用する
   引っ越すことができない場合、通勤ラッシュで疲労困憊になり、
   午前中仕事が手につかなくなるのを避けたいところです。
   やり方としては3つあります。
   急行ではなく、各駅停車に乗れば、混雑度が変わる場合、10分早く
   出て、各駅停車に乗ってみてはどうでしょうか。
   2番目は、乗客の乗降状況を観察して、多くの人が乗り換える駅で、
   座れるように心がける。あの人はここで降りるとか、あの学校の制服
   はあの駅で降りるなどです。 これら2つは、比較的容易に行える。
   3番目は、とにかく早起きする。初電とか朝5時台の電車は空いて
   います。座れるので、読書をしたり寝たりすることもできますし、
   会社についた時の疲労度が全然違います。会社に7時台について、
   始業前に多くの仕事をするもよし、近くの喫茶店で、やりたいこと
   をやったりする。早寝早起き効果をフルに使えます。

 (3) 給料を稼ぐ時間を減らせないか (その1)
   給料を稼ぐ時間を減らすには、時給が高い仕事を短時間でこなして、
   あとは家に帰って好きなことをするという仕事のスタイルを目指す
   ことになります。東京では、アルバイトやパートの時給が800円/時
   という求人募集広告を見ることがありますが、青森県や沖縄県など
   県民平均所得が低い県では、最低賃金水準(600円/時)程度となり
   ます。契約社員だとアルバイトよりも年収が高くなり、社員だと
   ボーナスや諸手当が出ますので、さらに年収が上がります。
   昭和の時代、自分の好きなことをするために、就職せずアルバイト
   をして糊口をしのぐという人達がいました。今では就職先がなくて、
   仕方なくフリーターをやっているようです。フリーターの便利な点
   は演劇のオーディションを受けるのに気軽に休めるということを
   知合いに聞きました。
   そういうメリットを得るために、社員が会社から支給されている
   給料を得るにはフリーターは何ヶ月働かないといけないのだろう?
   地方公務員みたいに決まった時間に帰れて、家で趣味をする方が、
   フリーターよりも自由な時間は多いのではないだろうか?
   そんな気がします。
   植木等みたいに「サラリーマンとは気楽な商売だ」という時代は
   終わりましたが、クビにならない程度に仕事をすれば、イヤな仕事は
   できませーんと、拒否すれば、案外社員でも自由な時間を確保でき
   そうです。
   理想を言うと、二束のわらじをはけば、無職の人が全力で絵を描く
   のにかかる時間は、3倍なり5倍期間がかかるが、やる気を持ち続け
   ていればできないことはありません。多くの人がやらないのは、やる
   前からあきらめているからです。それゆえ、社会人をやりながら
   クリエイティブなことをした人はすごいのです。

 (4) 給料を稼ぐ時間を減らせないか (その2)
   あなたの時給はいくらですか? 残業手当を残業時間で割って、
   1.3で割ると時給が出てきます。これはあなたの時間を会社に売った
   ときに得られるお金です。多いでしょうか?少ないでしょうか?
   年収を勤務時間で割ってもあなたの時給は計算できます。
   仕事をほいほい受けて、残業をしたとして何時間分の対価を受け取り
   ます。残業した分を他の方にやってもらったとすると、あなたの手元
   にはお金ではなく、自由な時間が手に入ります。
   この考えは、かなり重要で。休日のとき、1時間ぼーっとしていたと
   するとただ単に時間を無駄にしただけでなく、休日勤務したときに
   得られるカネをどぶに捨てたのと同等となります。休みの時間を自分
   の給料にみあった分の価値以上に有効に使いたいものです。マラソン
   やゴルフの中継をビールを飲みながら見て過ごすというのは、とても
   贅沢な趣味だといえます。
   同じ時間で本を読んだり、面白いことをしたり、家族で近所の公園で
   遊んだりした方がよほど良いのではないでしょうか。

橘みゆき 拝



多くの仕事をこなす3つの方法

2008-09-14 14:00:00 | 基本スキル

万人にとって1日は24時間であり、1年は365.24日である。1日のうち、食う・寝る・遊ぶ・仕事する・勉強するといったことをしなければならない。多くのことを締切りまでにこなすためには、1時間の密度を濃くするか、長時間やるか、他の人にお願いするか、このどれかないし全てに対して対策を行わなければなりません。

「1時間当たりの密度を濃くする」とは、多くの仕事を、紙に箇条書きで書きます。仕事の項目は、大まかなレベルから細分化して1週間で完了する程度の仕事に落とします。次に締切りと重要度(123でもABCでも良いが、すぐにやる、気分転換にやる)、他の人に任させたら、チェックする時期などをそれぞれに記入します。最後に1番2番・・と順番を左に書きます。これで作業項目表(WBS)ができました。1日数回、朝昼夕方夜に見直しを行い、重要度や締切りを修正したり、順番を変更します。
たったこれだけのことをやるかやらないかで、仕事の能率が大きく変わります。

「長時間やる」というのは、朝から晩まで働き、週末の休みも働くというように、仕事をやる時間を増やせば、こなせる仕事も増やせるというアプローチです。情報処理産業などでは寝る時間以外はほとんど仕事といった週100時間労働しないとダメといった仕事もあります。長時間労働をすると、体も心もボロボロになるため、限度があります。あるレベルになると、仕事が全然進まないという局面に陥ってしまいます。

長時間仕事をするにしても、できるだけ少ない時間にしたいものです。平日の始業前に仕事をすると、夜に仕事をする場合に比べて、以下のメリットがあります。
 (1) 職場に人が少ないので、電話による中断がなく、作業に集中できる。
 (2) 朝日が清々しいので、気力が充電される気分になる。
 (3) 仲間から「今日は早いですね」とほめられる。
 (4) 朝の通勤電車が空いている。座っていければ、本を読んだり寝たりできる。
 (5) 始業時間という締切り効果が期待できる。

夜遅くまでTVをみたり、ぐだぐだしている位なら、さくっと寝て、早起きして、熱めのシャワーで強制的に眼を覚まし、心も体もリフレッシュした状態にして、仕事をすると、夜遅くに嫌々仕事をするよりも、短時間で良い出来の仕事ができます。私の経験ですが、夜に3時間かけてやった仕事よりも、朝15分でパパッっと仕事をしたときの方が、出来が良いということが多々あります。この場合、効率は12倍ですね。寝ている間にどうしようかと考えていることもありますが、熱い頭で勢いにまかせてやるよりも、冷静になって淡々と仕事をする方が良い場合があります。

「他の人にお願いする」というのは、他の人の時間をカネや信用で買って、自分の仕事をやってもらうということです。1人でできることは限られています。全部自分でやるよりも、得意分野を自分が担当し、苦手な分野を他の人(その人はその分野が得意である)にお願いした方が、短い期間で良い品質の仕事ができます。チームを作り、多くの人に関与していただき、潜在能力を開花させることにより、すばらしい仕事ができます。(むろん、互いに足を引っ張り合って、どうしようもならなくなることもあります)

食事を外食ですましたり、家の仕事を家政婦さんにお願いしたり、自分の仕事の一部(自分でなくてもできる仕事)を部下や同僚にやってもらって、最後のチェックを自分で行うようにすれば、自分でないとできない仕事に集中できます。など個人単位で対応できるものから、会議で決定するなどチームで対応しないといけないものレベルは様々です。タイムマネジメントの章で扱った、作業項目表(WBS)、懸案管理表、問題管理表、作業報告書は、こういう場面で便利なツールです。
もちろん、人にお願いした時、相手が快く引き受けてくれるよう、人間関係を良好な状態を保っておくことが大切だというのは言うまでもありません。

橘みゆき 拝


やる気の方程式

2008-09-07 01:00:00 | リーダーシップ

タイムマネジメント第2話は、「完ぺき主義の弊害」についてお話しました。コストと品質(クオリティー)と納期(デリバリー)は、お互いに背反する関係で、全てが良というわけにはいきません。期限が決められている仕事の場合、完ぺきさを求めるあまり、結果としてやっつけ仕事になってしまうケースが多々見られます。完ぺきさを追い求める必要がない場合は、走りながら問題点を解決した方が良い結果に結びつきます。

「やる気の方程式」は、リーダーシップ理論で確立されている話の1つです。藤原直哉さんの著書やインターネットラジオで時々取り上げられているので、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。「やる気の方程式」とは、「やる気をあげる要素と、やる気を下げる要素は違う」という説明です。チームのモチベーションが下がっていると、チームが産み出すアウトプットやパフォーマンスが低下してしまいます。リーダーはチームを構成するメンバーの潜在能力を引き出し、チーム全体のパフォーマンスを高めることが、大切な仕事の1つです。

人間とは現金な生き物でして、エサを与えられていればワンワンと吠える犬と違って、何のために仕事をするのか、この仕事を通じて自分は成長しているのだろうか、この仕事は世の中のために貢献しているのだろうか。そんなことを考えています。昭和の時代でしたら、会社がクビになったら家族が路頭に迷ってしまうので、クビになりたくなかったら言うことを聞けといえたのですが、平成のいまでは、ワンワンと吠えている忠犬でもあっさりリストラされますし、首になったからといっても、捨てる神があれば拾う神もあるわけで、うちに来ないかと誘われることだってあります(人にもよりますがね)。

やる気が高い水準にもっていくにはどうしたら良いのでしょうか? まずは、やる気が上がる要素な何か? この仕事が終わったら皆で旅行に行こうとか、ボーナスをたくさん出すぞ。こんな業務経験が積めて今後役に立つなど、本人のやる気が出たら金銭的な報酬やご褒美がもらえる。こういうことを言うとやる気が上がります。でも、言わないから下がるかというとそうではありません。まあ、この会社だもん、そんなもんでしょう。といったところです。本人が努力すれば得られる目標というか飴です。

次にやる気が下がる要素は何か? チームにどうしても相性が合わない人がいるとか、お客様が苦手だとか、上司は私を評価してくれない、あいつの方が評価されている、職場の環境が仕事に適していない、チームの風通しがよくない、言いたいことも言えない、下手なことを言うとリスクを押し付けられる などなど、いろいろ聞いてみると、自分では解決できないことでストレスを溜めていたりします。上司が気がつかないと、会社を辞めたりするというケースにつながります。自分ではどうしようもできなくても、リーダーやマネージャだと解決できることがある要素が沢山あります。リーダーは、やる気が下がる要素を雑草をむしるが如く、1つ1つ解決していって、チーム全体のやる気を高めることが何にも増して対処しなければならない課題です。

やる気を下げる要素をなくすことの大切さはわかっても、予算がなかったり、人事異動で解決することができなかった場合、どうすれば良いのでしょうか? これは奇麗事に近くなるのですが、チームのメンバーとよく話し会って、私はこの問題に対して解決するために知恵を絞っていることをアピールすることは最低でも必要です。メンバーの言うことを無視したり、適当にお茶を濁したりしてその場を逃げれば、ああ言っても無駄なんだなと思ってしまうのが人間です。どうしても解決できないけど、悩みを共有して、解決策がないか考えてみようと言うだけでも全然違います(もっとも、口だけではいけません。実行してなんぼです)。

あと証券会社みたいに株価の上下は自分と全く関係ないところで動くという職場だってあります。そういう場合は、自分で何もできないのを恥じたり、悔やんだりしても意味はありません。素直に仕事帰りに仲間を誘って、夜の街で憂さ晴らしをしましょう。大声を上げてもいいように、カラオケBOXで歌いまくってストレス解消するのも良いでしょう。そうすると何も解決していないのに、気持ちはよくなっています。新橋や新宿池袋など、サラリーマン達が飲み屋で楽しむ姿は、飲まなければやっていられないという気持ちを昇華させ、具現化した姿です。 プーチンやブッシュさん、福田さんをはじめ、いろんな人のせいでおいらが苦しんでいるんだーーー!! って、大声上げたり、ブログで書き綴ったりすれば、魂の叫びが昇華することにより、何かクリエイトしたくなる欲求が生じて、絵を描いたり、小説を書いたり、夕日に向かって走りたくもなります。それって、根本的な解決じゃないと指摘するのは簡単です。では他にどうすれば良いのか? 幕末のええじゃないか運動をすれば良いのか?

閑話休題。やる気をあげる要素は、食う寝る遊ぶを満喫させるという方法でもOKです。好きな趣味をするのも良いでしょう。思いっきり運動して体を疲れさせて熟睡するのも良いでしょう。忙しいからといって、寝る間を惜しんで、体をボロボロにして無理やり仕事をするよりは、1日会社を休んでぐっすり眠って、心身ともにリフレッシュした状態にしてから仕事をするほうが効率と信頼性(凡ミス防止)が上がります。一方で、やる気が下がる要素を減らしていくには、リーダーやマネージャーがチームのメンバーそれぞれの方が活き活きと仕事をしているか、死んだ魚の目みたいになっているのかをよく観察して、死んだ魚みたいだったら、何が原因なのかを調べることが必要です。もっとも、やる気が下がる原因が、景気や天気など外部要因で、リーダーやマネージャーでもどうにもならないことだってあります。そういう時は、「時局を読む力」で取り上げますが、この先は明るいとか、この問題を解決して突破口を開こうといった、未来に対する積極的な対応をすることで、社内が明るくなることがあります。嫌々やっても変化しなければならないとしたら、時代の変化を先取りして、積極的に変化していこうという建設的な企業文化へとつながるからです。なにもしないで消滅する位なら、何かやって失敗して消滅した方が数段マシです。

大企業や官公庁など、もうどうにも動けないところが日本でも数多くあります。外から見ると昭和の時代で時計が止まってしまったようです。そういうところにいる人は、生きる屍となって、山手線をはじめとする電車で数多く見られます。人間、誰だってやりたくない仕事を嫌々やっていれば、死んだ魚の目みたいになってしまうのも止むを得ません。彼らの目が活き活きとなるには、やりたいことを思う存分やるように、気持ちと行動を転換させる必要があります。まもなく、いや既に大恐慌時代は始まっていますが、大恐慌がもたらす大量失業と食糧危機、エネルギー危機は、いままで20世紀型社会を維持するのは不可能だということを多くの人に知っていただくには必要なことなのでしょうが、代償が大きすぎる。

橘みゆき 拝


タイムマネジメント_(2)_完ぺき主義の弊害

2008-09-06 01:00:00 | 基本スキル

タイムマネジメント第1話は、タイムマネジメントの核となる部分についてお話しました。仕事を細分化し、締切りや重要度を考慮し、優先度をつけ、優先度の高いものから仕事を行うことにより、仕事の効率は最高のものとなります。そうでない場合は、優先度の決め方が違っているので、適宜見直ししましょう。というものです。

タイムマネジメントの第2話は、「完ぺき主義の弊害」です。完ぺき主義が求められるのは、原子力発電所や有害物質を取り扱う工場で、事故が起こらないようにしたり、事故が起こっても被害が最小限になるようにする場合、とても大切なことです。ただ、完ぺき主義はどの仕事にも適用すべきであるという考えには私は賛成しません。わかりやすい事例をいえば、完ぺき主義を求めた場合、時間とコストがかかるという弊害があるからです。

GOLDの1kgバーには、99.99という数字が刻印されているものがあります。これは99.99%の純度でできた純金のGOLDバーですという表記です。GOLDの純度で24金とか18金とか言われることがありますが、24金は24/24=純金を表し、18金は18/24=75%GOLDが含まれていることをあらわします。アメリカで作られているイーグル金貨は22金=91.7%GOLDでして、純金のメイプルリーフ金貨と比べて硬くて傷がつきにくいという特色があります。GOLDの場合、99.99%で純金と呼ばれていますが、半導体を作る際のシリコンウェハーは、9が11個並ぶイレブンナインの純度で作られているという話を昔聞いたことがあります。

閑話休題。完ぺきさを求めるのも良いのですが、本当に必要でしょうか? 9割仕事をするのと、最後の1割を詰めるのと、どちらが困難かというと、後者の方です。100%完ぺきにするには手間も時間もかかります。もちろん完ぺきさが必要な場合もありますが、走りながらモノを考えよという言葉もありますから、残りの1割は、走りながら対応するさという方法もあるのです。仕事には期限がありますし、資源(人、モノ、カネ)も有限です。いくらでもカネをかけてもいいから、完ぺきな仕事を要求されるケースは、そう多くありません。

完ぺき主義の弊害の最たるものは、無から何かを生み出す創造的な仕事をするとき、やり方が多数あって、それぞれメリット/デメリットが混在する中で、どれにしようかと決定するのをためらってしまうことです。例をあげると、3ヶ月先のイベント(コミケでも何でも良いです)に小説を書こう、絵を描こうといったときに、準備に時間をかけすぎて、締切りがマジかに迫り、やっつけ仕事になってしまい、結果として満足する作品が書けなかった。。仕方がないから、「新作落ちました」と宣言するか、不満足な作品を出すかの二者択一となってしまう。そんなことは誰も望まなかったはずなのにです。9割書ければいいじゃないか。少なくとも「0」よりはマシだと腹をくくって、先にどんどん進んだ方が良い結果となるのです。問題が出たら、その場で改善すれば良いのです。

タイムマネジメントで使うツールに、スケジュール表、作業項目表(WBSと言う場合もある)、懸案管理表、問題管理表、作業報告書などがあります。スケジュール表に、仕事の工程(第一段階、第二段階とか細かく分ける)を書いて、各工程に締切りをつけます。そして締切りが来たら、次の段階に進んでもいいか、問題があるなら、どう対処するかを検討し、リカバリーを行います。小説を書く場合なら、何を書くかのアウトライン(プロット)を決め、目次の案(できればページ数があるとなお良い)を作り、各章や項目に、書きたいキーワードを並べます。本の設計書を作ると言えばイメージしやすいでしょうか? これを作ってから、いろんな人に相談して、本の枠組みを作ります。これはあくまで枠組みなので、後でいくらでも作り直しができます。そうした準備をした上で、各項目を詳細化したり、文章を書いていったりする。。コンピュータのプログラムを書くとき、いきなりキーボードを叩くことはしません(天才プログラマーはそれをやりますが、それは例外中の例外です)。まず概要(何をするプログラムなのか)を書き、全体像(入力、出力、処理のフローチャート図)を書きます。あとは、詳細化していって、最後にプログラムのソースコードを書き、後で見る人のために、コメントをつけます。絵を描く場合だって、まずは全体の構図から描きます。

時間も資源も限られた条件で、良いパフォーマンスを出すには、自分で全部やらずに、自分が苦手な分野や、他の人に任せても大丈夫な分野を、他の人にお願いして、自分でないとできない分野に集中する方法があります。人間1人で全部やろうとするには無理がありますし、効率的ではありません。そのために必要な能力はヒューマン・コミュニケーション能力です。チームで仕事をするための社会人として持っていなければいけない常識と言ってもよいでしょう。タイムマネジメントとは異なりますが、仕事を効率よく行うためには、お知恵拝借という方法は有用です。人から頼まれるというのは、この人に頼めばきちんと期限までにきちんとしたクオリティで仕事をやってくれると評価されているということです。嫌がらずに頼まれましょう。そうすると、こっちが困ったときに助け舟を出してくれるといいなぁー。

橘みゆき 拝


タイムマネジメント_(1)_仕事の優先付け

2008-09-05 04:00:00 | 基本スキル

本ブログは、21世紀をリードする人達を養成するにはどんなことをすれば良いのかお話していくブログです。 当初は、体系付けてやろうとか、子どもから大人までの年齢別にわけて考えようとか、考えていました。社会人になったらどんな能力が求められるか、そんなところです。 のんびり考えている間にも20世紀型の社会が自滅というか、衰退と崩壊への道を進み、21世紀型の社会が次第に表に出てくるようになりました。

社会が変われば、常識や社会通念も変わります。ですが、変わらないものもあります。例えば、収入に見合った範囲に支出を抑えれば、借金で身を滅ぼすことも少なくなります。また、朝に太陽が上って、昼が来て、夕方になると太陽は沈み、夜が来る。永遠に生きる人間はいない、いつかは死ぬ。などでしょうか。 病気や様々な事情で働くことができない場合は、生活保護など福祉に頼って生きていくか、親兄弟など親類縁者から支援してもらうことになります。多くの場合、仕事をして、報酬を得て、家族を養っています。これも変わらないものの1つなのかもしれません。

仕事がなくて暇こいている人もいますが、仕事を山のように抱え、時間に追われる社会人は数多くいます。ワークシェアリングで何人かで分担してやればいいじゃないかという解決策もありますが、多くの場合、人減らしをした後、残った人が、悲鳴を上げながら仕事をこなしています。そんな状況でも、仕事の多少は存在します。仕事をこなす能力が高い人に仕事が集中し、全然さっぱりな人には仕事がいきません。これは仕事には期限があることと、仕事がこなす人は多少仕事が増えてもなんとかやりくりすることができるという経験則があるからです。

みなさんはどのように仕事をしているでしょうか?
自分の所に来た順番にやっているでしょうか? ソフトウェアのトラブル受付や保険会社のコールセンターなどは、自分の電話が鳴ったら仕事をこなすので、このバターンでしょう。
締切りの早い順番にやっているでしょうか? 雑誌や出版の編集や印刷会社、同時に1つの作品を書いている作家や芸術家もこういう仕事のやり方で全力投球していると思います。
多くの社会人は、複数の仕事を同時に抱え、締切りや重要度、仕事が完成するまでの時間や難易度を考慮して、スケジュールを作って、作業報告書に進捗具合や問題点・懸案項目をまとめて、チームの進捗会議などで報告しています。自分で解決できない問題点は会議や上司に相談して解決したり、別の方法を検討します。これがタイムマネジメントの形です。

タイムマネジメントとは、限られた時間、資源(人、モノ、カネ)で、効率よく仕事を進めるための方法です。スケジュール表、作業項目表(WBSと言う場合もある)、懸案管理表、問題管理表、作業報告書などのツールを使います。基本となる考えは、仕事を細分化して、締切りや重要度を考慮し、仕事を行う優先順位を1番から番号をつけたり、ABCでランク付けして、頭の外に書き出すことです。それにより、1番から順々に仕事を済ませることで、仕事のアウトプットは最高のものになります。違うなら、仕事の優先付けが間違っていたのですから、見直せばよいのです。 また、仕事を作業項目表として書き出して、締切りを付け、優先度を決めることで、これでは間に合わないという事実が明確になる場合があります。そういう場合は、自分だけで悩まず、上司や同僚をはじめ、多くの人の知恵を借りて解決します。 タイムマネジメントの核はこうしたことですが、経験則として言うと、20%位の空き時間を確保しておかないと、突発の仕事や、手戻り、会議の参加などの時間を確保することができず、予定外の残業を強いられます。

橘みゆき 拝


福田総理が退陣を表明

2008-09-02 03:00:00 | 世の中の動き

2008年09月01日(月)、防災の日ということもあり、いつもは東京湾北部を震源とする震度6強の地震を想定し訓練を行っているのですが、今年は、東南海地震を想定して訓練を行ったそうです。実際の地震の時も、訓練の時みたいに、多くの組織が連携して、二次災害の発生を防ぎ、被害の拡大を防げればと思います。 夜、帰宅途中に携帯電話でニュースを眺めたら、トップ記事が「福田総理が退陣を発表」でした。国会が紛糾して、どうにも動かなくなるまで頑張るのかと思っていましたが、案外あっさり辞める決断をしました。もっと早い時期から辞めようとしていたのだけれど、いろんな人から説得されていて、我慢していたのでしょう。辞めるにもタイミングが大切です。辞任を発表した首相といえば、イスラエルのオルメルト首相もそうでした。

 福田康夫首相(72)は1日午後9時半から、首相官邸で緊急記者会見を行い、退陣する意向を明らかにした。 首相は、8月1日に内閣改造に踏み切ったが、内閣支持率の低迷から抜け出せず、政権浮揚の展望が開けなかった。来年9月の衆院議員の任期満了まで約1年となり、民主党が対決姿勢を強める中、次期臨時国会の召集前に人心を一新して、今後の政局に備える必要があると判断した。 自民党は近く総裁選を行い、後継総裁を選出する。麻生幹事長が立候補すると見られる。対抗馬として、小池百合子・元防衛相らを推す声もある。 首相は記者会見で、辞任を決断した理由について、「新しい布陣のもとに政策の実現を図っていかなければならないと判断し、辞任を決断した」と述べた。 この時期に辞任を表明した理由については、次期臨時国会召集を間近に控えていることを指摘し、「今が政治空白を作らない一番いい時期と判断した。臨時国会が順調にいくためには、私がやるより、ほかの方がやっていた方がよりよくなるのではないか」と説明した。辞任の意向を固めた時期については「先週末に最終的な決断をした」と明かした。 記者会見に先立ち、首相は1日夕、首相官邸に自民党の麻生幹事長を呼び、約1時間にわたって会談した。会談には、途中から町村官房長官も加わった。首相は、席上、麻生、町村両氏に辞意を伝えた。 首相は8月29日に総合経済対策をまとめ、9月12日に臨時国会を召集し、補正予算案を提出する構えを見せていた。臨時国会では、新テロ対策特別措置法改正案や消費者庁の設置法案を成立させることに意欲を見せるとともに、衆院解散・総選挙の時期については、できるだけ先延ばしする意向を示していた。 しかし、来夏の東京都議選に集中したい公明党・創価学会からは年明けの衆院解散・総選挙を求める圧力が強まっていた。与党内には、支持率の低い首相のもとで衆院選を戦うのは難しいとの声が広がっていた。 首相は安倍前首相の退陣を受け、昨年9月25日に第91代首相に指名され、安倍改造内閣の17人の閣僚のうち、13人を再任した。政権発足当初から、民主党が参院で第1党を占める「ねじれ国会」が足かせとなり、政策面で実績を上げられずに苦しんだ。昨年11月には、民主党の小沢代表と会談し、自民、民主両党による連立政権構想を協議したが頓挫。民主党が対決姿勢を強める中、今年6月には参院で戦後初の首相に対する問責決議が可決された。 年明け以降の「1月解散」の可能性が強まっていた衆院解散・総選挙の時期について、民主党は、福田首相が安倍前首相に続いて「政権を投げ出した」形となったことから、早期に実施するよう迫っていく構えだ。与党は新首相選任後に新内閣の支持率などをみながら時期を判断するとみられる。

海外情勢は、グルジアの欧米とロシアの対立、水不足に起因する食糧不足に加え、エネルギー価格が上昇し、人々の生活が圧迫されている中、政治のリーダーシップを発揮して、みんなが食えるようにするための施策が重要性を増しています。ある国は隣国に侵攻し、ある国はカネにものを言わせて買占めを図る。別の国は対立をあおって漁夫の利を得ようとする。応仁の乱から戦国時代に差し掛かるあたりの、実力のある者が台頭し、実力のない者は滅びるという構図になろうとしています。日本はどうかというと、京から離れた辺境の荘園とはいえ、いつ盗賊に襲われてもおかしくないといったところです。

現時点では、衆議院第一党である自民党の総裁が次の総理大臣になる可能性が高いのですが、参議院と衆議院の第一党が違うことから、まとまる法律もまとまらないため、衆議院を解散、総選挙の賭けに追い詰められるため、選挙管理内閣という色彩となります。ちょうど、アメリカ大統領選挙をやっていますから、危機をあおって、組織固めをしたいところですが、さすがに前回の911選挙のように与党で2/3を占める大勝利にはならないため、結果として自民党の議席は大幅に減り、民主党の議席が増える。。問題はここから。勝利した民主党は寄り合い所帯で共通の敵が弱ると、権力闘争を始めます。いま政治家をやっている人達は風がどっちに吹いていて、どっちに行けば生き残れるかという問題をいつも考えています。主義主張はあとからついてくるとは、誰が言った言葉だろうか。先日の参議院議員によるミニ政党誕生して、姫に逃げられて大恥かいたというのも、この流れの1つなのでしょう。共通の敵が外国にあれば大政翼賛会を作るだろうし、なければ、足場が弱い連立内閣が、これから直面する問題を解決することになります。

日本がゴタゴタしている間も、世界はどんどん動いているわけですが、戦争含みで動いているので、ゴタゴタしているから戦争に巻き込まれなくて済むというメリットが得られます。外国が戦争をするためのカネを請求されるでしょうが、日本は死んだフリをして体力を温存する方向にいくのも悪くはありません。先が見えない石油文明を脱して、21世紀をリードする水素文明を支えるインフラをどんどん整備するための時間を買ったと、未来の世代に言い訳をしよう。

橘みゆき 拝  2008/09/02