兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

追い詰められた最前線を切り捨てる大本営

2009-11-28 19:44:31 | リーダーシップ
めでたくドバイのバブル崩壊が誰の目にも明らかとなり、イギリスを始め、EU諸国が投資した資金がこげついた模様。
亡国の官房長官や財務大臣の言ではないが、急激な円高は「世界の事情のせい」であって、「日本の事情のせい」ではない。
日本が財政出動をしてなんとかできるものではありません。

日本経済がよいから円高になるのではなく、米国も欧州もだめだから、相対評価で円が買われて円高となっています。
年末年始に向けて資金繰りに窮して、倒産が続出し、失業者が大量発生するのは避けられません。


(シベリアで亡くなった日本軍捕虜)

そんなわけで、コスト削減を血のにじむ努力で行っている現場にとってみると、自分とは関係ない部分(関与できない部分と言ってもいいだろう)で、数倍もの損失を産む現状は、円が変動相場に変わったときからの宿命といってよいだろう。

時代時代で、繊維、造船、製鐵、電機、自動車、コンピュータと最も苦しむ産業は変わってきました。競争力のある輸出に依存して、競争力のない国内産業を保護してきたのが、戦後の日本でした。

ですが、アメリカの消費者が世界中のモノを買って、潤うといった構造は昨年破綻し、もう元には戻りません。国内の需要を増やすしかないのですが、皆様もご存知のように、デフレが進行して、経済は縮小のスパイラスに陥っています。

こんな状態になって、現場に対していろいろ指示を出していた大本営が何か打開策があるわけでもなく、判断ミスの責任を取るわけでもありません。
彼らがやることは、責任を現場におしつけ、現場を無視した指示を出し、判断ミスを重ね、ますます被害を拡大させます。
万策尽きるたとき、彼らは現場に魚雷を打ち込むということをします。これでは現場はたまったものではなりません。

判断ミスを重ねるリーダーは、さっさと辞任して、後任に任せるのが、被害を最小限にする方法ですが、そういうリーダーに限って、地位に固執し、組織を道連れに心中します。
今年の年末はなんとか乗り切っても、年度末にはどうにもならなくなるまで、彼らの迷走は続くでしょう。

大企業や官公庁の組織がすっかり行き詰まってしまいました。
もはやクーデターをやって、なんとか危機を乗り越えようとする挑戦者もいなくなり、ただ消え去るのみです。
そんな組織にいて、滅私奉公しても、あまり意味はないので、せめて面従服従でしのごうとした場合、どこかでみた光景となります。
ソ連末期の国営工場なんかは、そんな感じでした。
行く先も似たようなものになりますから、歴史というものは立場をかえて多少の違いはあっても、同じことを繰り返します。
歴史から教訓を得るというのは、未来がどうなるのか1つの方向性を探るためには避けて通れません。

2009/11/28 橘みゆき 拝


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