兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

【21世紀の横型リーダーシップ】あとがき (遠野物語)

2008-05-10 00:09:36 | リーダーシップ
あとがき

 『21世紀の横型リーダーシップ』を読んでいただきありがとうございます。
 あとがきにかえて、あるお方に昨年末にメールした内容を掲載いたします。
 個人名が特定できないよう、原文を変更しています。
 遠野物語のような、精霊たちのリーダーシップです。



○○さんへ

2007年も今日で終わりです。来年(2008年)は世界大恐慌+首都圏地震で東京は大騒ぎとなるでしょう。中東戦争でホムルズ海峡から石油が来なくなる日もそう遠い日ではないでしょう。
連山に以下の内容の投稿をいたしました。12月半ばに見た夢の内容を、夏目漱石の夢十夜に似せた形式にしたものです。起きてから遠野物語に関するHPを調べたら、かなり近い内容でしたので、先祖からのメッセージなのかもしれません。
リーダーシップの話だったか、夏祭りの解説だったかで、お手伝いする人とか、チームを成功に導くために見守っている人というような話(サーバント・リーダーシップ)を昔話として書くとこんな話になりそうです。リーダーシップの話のネタとして、面白いので、長くなりますが、全文を送ります。
道徳や倫理を理解してもらうためには、本を読ませてどうのこうの難しい理屈を言うよりも、日本昔ばなしや民話を通じて、わかりやすく仕立てた方がよいのではないか。そんなことを年の瀬に考えています。それでは良いお年を!

橘みゆき 拝  2007/12/31

***** ここから投稿内容です *****

http://www.teamrenzan.com/archives/writer/tachibana/post_385.html
私達を見守っている精霊達     by.橘みゆき

ある夜、こんな夢を見た。小春日和のある日、自転車で数分走り、広い公園に行った。公園の芝生で日向ぼっこしながら読書をしていた。たくさんの子供達が思い思いに遊んでいる声が聞こえる。いつしか睡魔に身をゆだねた。ほんの数分、もう少し長い時間が経過後、子供達が遊んでいる声がしたので、眼を覚ました。起きた場所は、どうやら神社の境内のようであった。手の平を見て、握ったり開いたりできるのを確認後、体を起こした。

声がする方へ歩いていくと、30人位の子供達がしめ縄が巻いている大木の周辺で、思い思いに遊んでいた。しばらく子供が遊んでいるのを遠巻きで見ていると、1人が「主さまが来た!」と言うと、全員が遊びを止めて、本殿の方へ走っていった私も本殿に向かった。子供達の頭を巫女さんが撫でていた。満面の笑みを浮かべていた。見ようによっては保育園の保母さんのようにも見える。この人が主さまなんだろうか。主という位だからお爺さんだと思っていただけに意外だった。巫女さんがわたしに気がついたのか、子供達に「みんな、わたしを訪ねてきた人がいるみたい。後でね」そう言うと、子供達はさっきの大木に戻っていった。

「この地へようこそ。見てのとおり、わたしはこの神社の者です。あなたはまだ死んでないのに、よくここに来れましたね」 
「うちの親族の得技なんです」 
「時々、そういう人がここに来ます」 
「子供達は主さまと呼んでいましたが、あの子供達、ザシキワラシですね」 
「よくご存知ですね」 
「おばあちゃんから聞いたことがありましたから」 
「そうですか。あなたのご先祖様はこの地に縁(ゆかり)があるのでしょう」 
「そうかもしれません」 
「何かわたしに相談したいことがあったら、なんでもどうぞ。でも、わたしは神様ではありませんから、お話を聞いたり、みんなが頑張っているのを応援したり、自然からの恵みに感謝したりみんなの幸せを祈ったりする位しかできませんが」

「幾つか質問していいですか?」 
「どうぞ」 
「このままだと、環境破壊や資源枯渇、食料不足、水不足が進んでいくでしょう。京(みやこ)から略奪者がこの地に再びやって来ることはないでしょうか」 
「北の大地は何度も南からの侵略を受けました。いつも敗北し、多くの富と命を奪われました。ですが、生き残った人達が力を合わせて、危機を乗り越えてきました。今回も争いによって多くの命が失われてしまうでしょう。わたし達にできることは、命を落とした人がここで身を清め、山の頂から天へ上るのを手助けすることです。今も昔も、わたし達はそうしてきました」 
「ですが、生き残る意志がある人を応援はするでしょう?」 
「それはいたしますが、団結して侵略者に対抗する必要があります。侵略者を油断させたり、仲間割れに持ち込めば多少有利になります。ですが、わたし達はそのようなことを何度も試みた結果として、敗北しているのです」 
「侵略者に負ければ、この地に生きる人達は苦しみます。それでもいいのですか」 
「良くはありません。わたし達は見守ることしかできないため、言葉には言い表せないほどの悲しみを味わいます」
 数多くの戦乱で失った魂を見送ることしかできなかったという想いが顔に出ていた。
「主さまも苦しいですね」 
「ええ」 
「さて、思った以上に聞けたから、今日のところは帰ります」 
「いつでもまた来てください。わたし達は、あなたのかたわらで見守っていますから」
 その時の主さまは、最初に会った時と同じ満面の笑みであった。

【参考としたHP】

http://www.genbu.net/data/mutu/hayatine_title.htm  早池峰(はやちね)神社の紹介記事
http://dostoev.exblog.jp/i88/            不思議空間「遠野」-遠野三山関連神社
http://www.gos1dos1.jp/otogiyahp/kaikijoho/fushigi/hayachine%20noroi.html
早池峰神社の呪法 (古代の浄化システム)

【21世紀の横型リーダーシップ】8.お薦めHP、9.お薦め本

2008-05-09 00:28:54 | リーダーシップ
8.お薦めHP

(1) 連山  /橘みゆきのコラムを掲載していただいてます
  http://www.teamrenzan.com/

(2) 兵隊よりも士官になろう /橘みゆきの教育ブログです
  http://blog.goo.ne.jp/tachibanamiyuki

(3) シンクタンク藤原事務所
  http://www.fujiwaraoffice.co.jp/

(4) 藤原直哉のインターネット放送局
  http://naoyafujiwara.cocolog-nifty.com/ipodcasting/

(5) 株式日誌と経済展望
  http://blog.goo.ne.jp/2005tora/

(6) ネットゲリラ
  http://shadow-city.blogzine.jp/net/


9.お薦め本

(1) 藤原 直哉著: 大逆転のリーダーシップ理論―デジタル大国・アメリカだけが知っている (三五館)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883202194/fujiwaraoffic-22

(2) 藤原 直哉著: 人材ビッグバン―プロにならねば生き残れない (PHP研究所)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569559530/fujiwaraoffic-22

(3) 藤原 直哉著: 富貴のこころ―みんなで元気に蘇る思想 (三五館)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883201287/fujiwaraoffic-22

(4) ラビ・バトラ著: 2010年資本主義大爆裂!―緊急!近未来10の予測 (あ・うん)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901318640/fujiwaraoffic-22

(5) 藤原 直哉著: 繰り返す世界同時株大暴落―自民崩壊・生活壊滅の時代 (あ・うん)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901318624/fujiwaraoffic-22

(6) 藤原 直哉: 世界同時バブル崩壊!―あなたの生命と財産が危ない (あ・うん)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490131856X/fujiwaraoffic-22

(7) 藤原 直哉: ロハスでよみがえる日本再生プログラム
  ―地球環境にやさしい社会への移行こそが日本の強さを生み出す (万来舎)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490122123X/fujiwaraoffic-22

(8) ラビ・バトラ著: 新たな黄金時代―腐敗政治と経済混乱が新時代の革命を生む(あ・うん)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901318535/fujiwaraoffic-22

(9) アフサネ・ナハヴァンディ著:
  実践リーダーシップ学-世界が求めるビジネスリーダーとは (万来舎)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901221116/fujiwaraoffic-22

(10) アフサネ・ナハヴァンディ著:
  実践リーダーシップ学ワークブック-世界が求めるビジネスリーダーとは (万来舎)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901221108/fujiwaraoffic-22

(11) チャールズ オライリー , ジェフリー フェファー 著:
  隠れた人材価値 ―高業績を続ける組織の秘密 (Harvard Business School Press) (翔泳社)
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798102245/fujiwaraoffic-22

【21世紀の横型リーダーシップ】7.リーダーは量産可能か

2008-05-08 00:03:48 | リーダーシップ
7.リーダーは量産可能か

 リーダーは、リーダーとしての「素質」とか「資質」を持った人が、リーダーなって、経験を積むと、優れたリーダーに成長するんだという「リーダー資質論」が多くの方から支持されています。日本史や世界史に登場する戦国武将や英雄の話からも、優れたリーダーが率いた組織は、戦争に勝てるし、競争にも勝てる。織田信長が桶狭間の戦いに勝利した1560年あたりから、豊臣秀吉による小田原平定の1589年までの30年間は、そんな感じでした。家名存続のため、敵味方に分かれて戦った一族も数多くいました。
 時代は流れ、日本は、戊辰戦争から西南戦争の間、日清日露戦争、満州事変から大東亜戦争敗北までの間、数多くの戦争で多くのリーダーとなる資質を持った人々が亡くなり、伝統的武士階級はほぼ壊滅状態となりました。生き残った人達も、GHQによる公職追放処分にあい、一線から去りました。そこで戦後直後は、戦前リーダーになれなかった人がリーダーに抜擢されて、三等重役と評価されつつも戦後復興を成し遂げました。その後、日本は世界第二位の経済大国になり、バブル経済ではしゃいだ後、バブル崩壊となり、現在に至っています。

 平成20年、いまのままでは日本は衰退してしまう。そういう事態を避けるためには、今のリーダーに退場してもらって、新しい世代のリーダーによって、21世紀に対応した社会に作り変えなければならない状況です。さて、そこで問題です。新しい日本を作るにあたって、リーダーが大量に必要なわけですが、リーダーの資質を持った人が、どれ位生き残っているでしょうか? 千人ですか? 5千人ですか? とても足りません。
 リーダーが足りないのならば、少ないリーダーを効率よく動かすため、マネージャーに頑張ってもらう方法もありますが、リーダーが倒れてしまったらそれまでです。明治時代初期のように外国人を雇うか、リーダーシップ教育をして育てるかのどちらしか根本的な解決はありません。

リーダーの資質を持った人がリーダーになった方が能力は高いでしょう。ですが、いかんせん数が少ない。1人の優れたリーダーは千人の凡庸なリーダーに勝る・・。そうかもしれませんが、少ないリーダーでは、過労死しそうです。また病気になった時、代行した人では対応できません。優れた兵器があっても、数が少なければ戦局に変化を与えられません。言い換えれば、優れた日本刀は、匠が1本1本精魂込めて作ります。かつてのドイツ車はマイスターが組み立てていました。当然、それほど数は作れません。一方、アメリカの自動車組み立て工場では何万台もの自動車がベルトコンベアーで作られます。1台1台の車の性能を見ると手作りのドイツ車の方が優れているのですが、そこそこの性能で、とりあえず悪路でもちゃんと走るといった基本性能を満たしていれば、量をこなせるアメリカ車でも良いのです。

 「リーダー資質論」を持論とする親友と私の意見が分かれるところなのですが、私はリーダーは教育によって量産することが可能だと信じています(このへんが弱い)。リーダーとしての教育(リーダーシップ研修)をきちんと行い、新米リーダーを熟練した師匠がフォローする。小さなチームのリーダーで、リーダーとしての経験を積み、段階を経て、多くの人が関わるプロジェクトのリーダーになる。リーダーは一日にして優れたリーダーにはなれません。リーダーの経験が必要だからです。その上で、リーダー同士の横のつながりでお互いに切磋琢磨する。そんなふうにリーダーを育てれば、量産することだって可能です。何をするにしても、時間はかかりますから、世の中の動き(時局)を先読みして、先手先手を打って、変化を自ら引き起こすようにすれば、時の神様がバックアップしてくれます。多くの組織では、社会状況の変化に対応するために大騒ぎしたり、無視したりしています。本当はいままでどおりでいきたいのですから、嫌々やっているようなものです。変化に最も強い組織は、自ら変化を呼び起こし、自分のやりたいように変化している組織です。そうい組織はリーダーもメンバーも瞳が輝いています。21世紀のリーダーは、自らもメンバーも活き活きと仕事ができるようにするにはどうしたら良いのか、そういうことを考えることが多くなります。そういうリーダーが21世紀の明るい未来を創造するのです。

【21世紀の横型リーダーシップ】6.横型リーダーシップの前提

2008-05-07 00:45:36 | リーダーシップ
6.横型リーダーシップの前提

 横型組織によるリーダーシップを行う場合、いくつか前提条件があります。
1つは、参加するメンバーが1人前であること。2番目はあるチームに所属するためには、そのチームのパフォーマンスを上げることができる人であること。チームを組んで仕事ができること。一言で言えばコミュニケーション能力があること。そして、良い縁が良い仕事を招くことを理解していることです。
 1人前とは、与えられた仕事を期限までにやり遂げるだけでは不足です。言われたことしかできない指示待ちタイプや、マニュアルに沿った仕事しかできないのでは、1人前とはチームのメンバーから評価されません。あなたなりの付加価値は何ですか? 他の人でも同じ仕事ができたなら、別にあなたでなくてもいいですよね。あなたでなければできない仕事は何ですか? 芸術家だったら話は簡単です。作品そのものに独創性があり、絵や彫刻、フィギアの原型などは、その人でなければできませんね。
 とはいえ、誰もがいきなり1人前にはなれません。弟子として師匠の仕事を手伝いながら、仕事のやり方を覚え、能力を磨き、やがて1人前としての仕事ができるようになります。映画スターウォーズのジェダイマスターとパダワンのようなものです。つまり1人前の条件に、後継者を育てることが必須条件となります。日本には人間国宝といわれる優れた匠が数多くいますが、匠の技を後継者に伝えることができなければ、技術は消滅してしまいます。
 横型リーダーシップの前提条件の2番目はコミュニケーション能力です。社会人として持っていなければならないスキルの1つです。今やっている仕事の進捗報告1つにしても、現状の把握、問題点の認識、対策の立案、実施後のフォローと、PDCAサイクルを回したり、周囲を巻き込んで問題を解決するにも、自分だけでは問題を解決することはできません。ここにコミュニケーション能力が必要となります。言葉で言わなくても相手がわかってくれるなんていう甘いことは通用しません。言ってもわからないことだってありますし、その場の空気という謎の決定者によって、最悪の選択をしてしまうこともあります。「思い込んだら試練の道を行くが男のど根性」というと、昭和40年代に放送された「巨人の星」というアニメの主題歌ですが、平成も20年になった今となっては、「巨人の星」って何ですか?と聞き返される世代が出てきているのです。もはや昭和の常識が通用しない時代になっているのです。

<コラム> 星一徹の謎
 アニメ「巨人の星」第1巻をレンタルDVD屋から借りて見ました。お馴染みの大リーグボール矯正ギブスや、花形満が乗るオープンカー、星一家の貧乏生活&ちゃぶ台返しなど、一通りのシーンがありましたが、私が最も驚いたのは次のシーンでした。
星一徹が自宅を出て、食堂で酒を飲んでいるのですが、値札が壁に貼っていて、ラーメン50円、ビール50円と書かれていました。ああなるほど、今の物価と比べて1/10なのかと理解できました。別のシーンで、星一徹が日雇い労働者として1日働いた後、上機嫌で自宅に帰ってきて、今日の稼ぎをちゃぶ台に置いた。なんと千円札が何枚も折り曲げてあった。それを見て、星一徹が月に1日かせぐだけで貧乏生活とおさらばではないか。ああそうか、だからちゃぶ台返しができるほど裕福なんだな。酒も浴びるほど飲めるのだ。という星一徹の謎が解消しました。

【21世紀の横型リーダーシップ】5.横型リーダーシップとは

2008-05-06 00:54:27 | リーダーシップ
5.横型リーダーシップとは

 組織の硬直化が進み、変化に対応できず、「見ざる、聞かざる、言わざる」という企業文化に陥ってしまった大企業とは別に、新たしい動き(ムーブメント)が、10年位前から起こってきています。一番顕著で分かりやすいのは、アニメや映画を作る現場です。

 ハリウッド映画のDVDにメイキング映像が特典映像として収録されているケースがありますが、そういうものを見ていると、どの映画も同じようなプロセスで作られているように見えます。

 (1) 映画監督が、映画化したい原作をみつける
 (2) 資金提供者を募る
 (3) 映画を作成するための計画書やスケジュールを作成する
 (4) 映画監督が、映画に関与するスタッフを集め、プロジェクトチームを作る
   この時、キックオフのイベントを行う
 (5) 各々のスタッフに役割と責任、生産物の期限を割り当て、合意を得る
 (6) 計画書に従って、映画を作成する
 (7) 映画が完成したら、祝賀会を開催し、喜びを共にする
 (8) 契約に従い、スタッフや資金提供者に利益を分配する
 (9) 次の映画を作るまでの間、勉強したり、遊んだりする
 →(1)に戻る

 映画を作るためにプロジェクトチームが生まれ、映画完成と共にチームを解散します。縁があれば、また一緒に仕事をします。映画を作製する組織が固定しているのではなく、必要に応じて、世界中からスタッフが集められます。1人前のスキルを持ったメンバーが手をあげたり、リーダーから呼ばれたりして、1つの映画を期限内かつ予算範囲内に作るという目標に向かって、仕事を進めます。仕事が終わったら、メンバーで利益を分配して、チームを解散します。個人的なお付き合いは続きますが、チームとしての役割は終わりです。こういうダイナミックなチームにより、大きな仕事をどんどんこなします。アニメなども著作権の関係か、「製作:○○株式会社」ではなく、「プロジェクト○○」とか、「○○製作委員会」という名前となっています。こういったゼネコンが大きな公共工事を請け負う際、いくつかの企業体と手を組んで、○○JV(共同体)というふうに言っているのに少し似ています。

 わたし達の身の回りでも似たような組織がありました。○○商工会議所とか、○○ロータリークラブなどの会員制の組織みたいなところで、お祭りを実行する会でもいいですし、ネットを使って知合いを募り、チームを作って、同人誌やゲームを作ったりするのも、どこか似ています。地縁や血縁、同窓会、県人会、学校のPTAみたいに組織があって、メンバーが最初からいるというものと別に、○○同好会とか○○愛好会が現実世界やネット上の仮想世界に広がってきて、複合ネットワークの時代に突入しています。ちょうど同じ人がいろんなネットワークに加入していて、お友達からうちのネットワークにおいでよと誘いを受けたり、なんとなく疎遠になったりと、いうふうに変化しています。このような形のグループは価値観が似た者同士が集まるため、明るいグループは明るく、暗いグループは暗くなります。誰からも声をかけてもらえない人にならないよう、お友達を大切にしてください。

<コラム> 福田首相の目指す日本の姿は「きれいな日本」
※教育ブログに2008/04/13に投稿した内容

福田首相の目指す日本の姿は「きれいな日本」

 リーダーシップ研修で、リーダーが語る内容が大切だという話があります。いけいけどんどんとか、当面の目標とかといったノルマ達成というスローガンは20世紀型です。
ビジョンというか、これからこういうふうにしたいという言葉は目先がどうのこうのではなく、10年後、100年後を見据えてこういう形にしたいんだというリーダーの心が反映されています。
(先輩達が先送りした)いろいろな問題を解決して、ドブだらけの下水溝をキレイにして(ではないでしょうが)、桜が咲いたのをみんなが見て幸せになれるようにしたいものだ という心情を語ったのではないでしょうか。
21世紀の日本は、経済成長とか、モノといったものから距離を置いて、侘び、寂び、萌えといった美しいものを追求するようになるのではないかと、そんなことを考えています。

橘みゆき 拝  2008/04/13

<< 引用開始 >>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000016-yom-pol
首相「こんな桜ばかりの日本にしたい」新宿御苑で桜見る会
4月12日11時14分配信 読売新聞

 福田首相主催の「桜を見る会」が12日午前、東京都新宿区の新宿御苑で開かれ、女優の菊川怜さんやタレントの真鍋かをりさんら招待者約1万人が青空の下、咲き誇る八重桜を楽しんだ。
 首相は「色んな問題があるがそれをきれいにしたい。そして、こんな桜ばかりのような日本にしたい」とあいさつ。「物価が上がるとかいったようなことがあるが、しょうがない事はしょうがないので、耐えて、工夫して切り抜けるのが大事なんです」と強調した。
 首相は連日、厳しい政権運営を強いられるが、この日は招待者から「(9日の)党首討論良かったよ」などと声をかけられ、終始笑顔を見せていた。
<< 引用おわり >>

●本書のために追加したコメント

 この記事に関して、いろんな方のブログを拝見しました。「しょうがない」以降の部分について、コメントしている方がほとんどでした。いまのような日本になったのは誰のせいですか? あの小泉総理と竹中総務相じゃないですか、国民が騙されたとか、いろいろありますが、少なくとも総選挙によって過半数の方が賛成したじゃないですか。その結果、とんでもない方向に政策がなされたとしても、いまとなっては犠牲を最小限にするしかやりようがありません。そういった意味で、福田総理の「しょうがない」というのは、自分のせいじゃないもんねーという気持ちが現れているのでしょう。それに最善を尽くしても、中東戦争が勃発したり、支那や半島、台湾などで有事があれば、外国からエネルギーや食糧の輸入は困難になりますから、それこそ輸入インフレにより物価は上昇してしまうのは、「しょうがない」ということなのです。腹を立てるくらいなら、家庭菜園やベランダにプランターを並べて、簡単にできる野菜でも育ててみたらいかがかな?

橘みゆき 拝  2008/04/19

【21世紀の横型リーダーシップ】4.時局を読む大切さ (平成20年4月18日時点)

2008-05-05 00:06:52 | リーダーシップ
4.時局を読む大切さ (平成20年4月18日時点)

 リーダーシップ研修では、リーダーとして必要な技術(コミュニケーション、コーチング、ヒアリング、意思決定方法など)の1つとして、時局を読むという科目があります。株式投資をしている方は、株を保有している会社の決算報告を読んだことがあるかと思います。昨年度の決算報告の最初の方に、『社会情勢の変化』とか『景気の悪化』という定型句から始まる部分があります。自分達がいくら努力しても社会情勢が変わると、自分も影響を受けたり、対策を打ったりする必要に迫られます。滅びゆく会社をみると、日光東照宮の「見ざる、聞かざる、言わざる」のように、都合の悪いことは存在しないがの如く行動し、何もかも順調に行っているはずなのに業績は最悪という事実が突然突きつけられます。世の中の変化に対応して組織を変化させるのには、時間がかかります。

 世の中の変化を先読みして、自ら変化して、世の中の変化を促進させるという方法があり、その作戦が出来る組織が、変化に最も強い組織といえます。その場合でも、時代がどう変わるのかを予測する、時局を読むことは、必須かつ重要な課題です。繰り返しますが変化をするとか、人間が成長するには時間がかかるのです。時局を読むというのは、変化するのに必要な時間を前もって確保するという活動にほかなりません。

 TVで物価上昇、石油価格高騰というニュースを見て、「うちの会社も値上げしないと大変だ!」とあわてるようでは、対策を打つ時間がなく、おっとり刀で参上して、無残に切り殺されてしまう足軽と同じです。事前にインフレになる兆候を観察し、値上げしてもお客様が買ってくれるだけの競争力があるのか、なければ品質を犠牲にして売上げを確保するか、撤退するかの決定をしなければなりません。景気が悪いのに物価が上がる現象をスタグフレーションといい、歴史のページをめくってみると時々発生しています。また、1929年の大恐慌というのに状況が似ているので、大恐慌後のパニックを想定しておいても損はないでしょう。今年になってから食品をはじめ、多くのモノの値段が1割から2割ほど上がっています。ガソリンもそうですね。みんなが必要なモノの値段から上がっていきます。みんなが必要と思わないものは値上げどころか、値下げしても売れなくなります。インフレというものは世の中の変化をイヤだろうが強引に促進させます。

 昨年夏に露呈したサブプライム問題に起因する金融システム不安は、四半期ごとに麻薬中毒患者がもっと薬をくれと言うように、世界各地の株価を乱高下させています。日本の場合、昭和のバブル崩壊後、だいぶ痛い目にあったせいか、今度どうなるのかある程度先が読めます。世界中にバブルが広がったのは日本のゼロ金利施策でマネーをジャブジャブと世界に垂れ流した日銀のせいなのです。バブルが崩壊したのも日銀がゼロ金利を解除したからです。時を同じく、アメリカの不動産バブルも崩壊しました。日本との時差は15年ありますが、これはベビーブーマーの世代の広がりの差でもあります。日本のバブル崩壊の過程で損失隠しとか飛ばしとか、とにかく隠せるものは隠したので、何年もかかりましたが、欧米の場合、時価評価のため、隠せない。仕方ないから損失を確定するために、バーゲンセールで売るしかない。10倍早いペースでバブル崩壊が進んでいます。4月16日から18日にかけて、アメリカを代表する金融機関(シティ、メリル、モルガン)の決算が発表されましたが、不動産価格の下落が止まらないため、損失拡大も止まりません。FRBをはじめ世界中の金融当局が、大恐慌以来の大盤振る舞いをしてマネーの流動性を確保しているため、麻薬のように痛みが広がっていないというのが現状です。4月18日のNY相場は上がり、円安、GOLD安となりましたが、信用収縮とトリプルAの債権でも価格が暴落している状況が続いていますので、そう長くはもたないでしょう。そういう認識で日本の市場や世界の市場を眺めていると良いでしょう。

 視点を世界に向けると、中東と極東で戦争がいつ発生してもおかしくない状況です。アメリカの覇権がだんだん弱まってきている中、戦国時代、いや勝者は誰もいないという意味合いから、『応仁の乱』のような状況が、だんだん現実化しそうです。そんなふうになったらどう対応しますか? 答えは無数にあり、どれか1つを選択することを迫られます。今のような生活が明日も続くとは限らないのです。


<コラム> 株式相場のリーダーシップ

 リーダーシップは何も「人」が持っているわけではないという例で、株式相場のリーダーシップをとりあげます。
 株式相場に集まる人達は、ある会社の経営に長期にわたって参加しようとか、配当と株主優待をもらえればOKという長期投資家や、お互いの株を持ち合いましょうという目的で参加する人(組織)は少ない。ようするに、株の売買を頻繁に行わせることで手数料収入を狙っている証券会社と、デートレーダーを始めとする短期売買を主に行う個人投資家や機関投資家が、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の如く、活き目を抜いたり、狐と狸の化かしあいをしたり、ブログやYahoo掲示板を利用してポジショントークをしながら、いろんな会社の株を売ったり買ったりしています。株式市場に参加する人達の目的って何ですか? 手っ取り早く儲けたいんでしょう。つまり欲望と恐怖のせめぎ合いという、危ういバランスをとりながら、相手のミスを誘っているのです。
 欲望を膨らませすぎて自滅してしまう人も数多くいますが、昨今の日本以外世界全部バブル崩壊という局面では、多少の技巧の良し悪しを通り越して、スマトラ島の大津波のように全てを流し去ってしまいます。相場の大暴落が終わったら、周りはぺんぺん草も生えない荒野が残って、借金を抱え、家族も仲間も友人も去り、気がついたら自分ひとりぼっちだったという方も何名か存じています。人間としては悪くはないのですが、お金に魂を売ってしまった抜け殻のように、足場もなくさまよっています。生物的には生きていても、心が仮死状態になっていて、どう復活させればその人にとって一番良いのか悩みどころです。今更、私はデートレーダーなんてやめておけと言っただろうって、言ったところで何も解決しません。人間万事塞翁が馬というコトワザがありますが、これも1つの転機と腹をくくるしかありません。そうすることで次のステップが開けてきます。
 2007年夏以降、相場環境が激変していますし、変動幅も大きくなっているので、いまから何を売って何を買えばいいという技術論を言うよりも、さっさとリスクを最小限にして、相場から去り、あとは対岸の火事を決め込むくらいにしておいた方が賢明です。落下中のナイフを取るよりも、床に落ちたナイフを取る方が安全ですし、津波が来ると分かっているいるのなら、海岸に降りて沖を眺めるよりも、できるだけ高い建物の屋上から眺めた方が安全です。

【21世紀の横型リーダーシップ】3.見直しを迫られる従来型のリーダーシップ

2008-05-04 01:02:02 | リーダーシップ
3.見直しを迫られる従来型のリーダーシップ

 2章で紹介した昭和時代の煙突は、平成に入り、バブル崩壊に伴う大企業の消滅やリストラという名の首切りにより、事実上残っているのは公務員くらいでしょう。成果主義による評価方法の変更も煙突の崩壊を加速させました。
 リストラをして、コスト高といわれたベビーブーマーが定年退職して、労働者の平均年齢は下がり、給料も下がりました。さてその結果、会社は強くなったでしょうか?
そういう観点でいろんな会社を見ると、定年退職した後も継続して雇用したり(給料はだいぶ安くなってます)、関連会社に勤めてもらって65歳までとりあえず後任の技術者を育成することになったベテランもいれば、初志貫徹してセカンドライフ(インターネットのあれではありません)をエンジョイしている人と、キレイに別れています。退職を選択した人は、50歳を超えたあたりからリストラにあい、成果主義への移行期に冷や飯食わされて、評価もされない隙間の課題をこなしてきた方が多かった。会社に対して不満たらたらで辞めたといっても良いでしょう。継続して働いている方は、ある意味深刻で、子供達がフリーターやニートになっているため、食うために働かざるを得ない人もいれば、家に居場所がないから仕事していた方がマシと妻から言われた人、多額の借金を抱えている人、あと、仕事が趣味より好きだからという人が1人だけいました。とりあえず、私がお話を聞いた人達を見ると、不満たらたらでも辞めた人の方がマシかもしれません。

 なんか、実も蓋も落ちもない話しですみませんが、平成になって、昭和のバブルが崩壊し、90年代後半に金融危機を経て、小泉バブルもはじけ、心の風景では荒れ野原が一面に広がっているといったところでしょうか。大規模商店法改正で日本全国いたるところにイオンやジャスコなどを核としたショッピングモールができ、駅前商店街はシャッター通りと化してしまいました。そのイオンすら採算がとれない店舗を廃止するとのニュースが先週流れました。ガソリン価格が高騰する中で、何もかもお店がなくなってしまったという地域が出てくるのではないかと心配しています。かつてダイエーは店舗の土地を担保にして、借金を繰り返すという不動産投資で規模を拡張して、土地バブル崩壊と共に勢いを失いました。イオンの場合は、石油価格高騰で消費者が自動車を運転できなくなったから店じまいするのか、地方の金回りが悪くなったから店じまいするのか、いずれかでしょう。それにしても、店舗閉鎖となるところで働いていた人は失業してしまいますが、再就職先ってあるんでしょうか? 競争相手と仁義亡き戦いをしていたら、後ろから本社の連中にミサイルを撃たれて、戦場ごと爆破して、全員死んでしまいましたというのでは、これは怨みが強烈に残ってしまいます。通常は業績悪化を受けて経営者が辞任するということとバーターでやっても、うまくいくかどうかなのに、本社の連中を食わすために、現場は死んでくれでは納得がいくはずがありません。大東亜戦争でガダルカナル島に行って伝染病や飢えて亡くなった方のように、本土から見捨てられたという構図そのものではありませんか。自滅のリーダーシップとか、タコが自分の足を食うのと同じで、破滅のリーダーシップです。これは、ぜひとも後世の歴史家のために、こんなひどいことがあったと語り続けなくてはいけません。

 ある時代、これは素晴らしいというビジネスモデルで、規模を拡張し、いけいけどんどんと後先考えずに走っていると、はしごを外されたあげくに、火を放たれて逃げ場もなくことごとく討ち死にしてしまう。。そんな風景は、最近、ありましたね。サブプライムとか、債務保証会社(モノライン)とか、格付けがトリプルAだったはずなのに、いつの間にか格下げになってしまった債権とか。。。。時代が変わるとき、ある日突然変わることはありません。なんか様子がおかしいな?と思うときがあるのです。そのサインを見たとき、すぐに撤退できるか、ぼーっと見過ごして、何もしないかによって、組織が生き残れるか否かの分水嶺となる場合が多く見られます。良いたとえになるかわかりませんが、台風って、生まれた瞬間からあんなに強い雨や風が吹いているわけではありません。日本の南の海上で太陽で温められた空気がうずをまいていって、だんだん成長していって、風速が一定規模にまで成長したら台風××号という名前になります。エネルギーが形になって、エネルギーを放出していって消えていく。。どこかで聞いたような。。空即是色、色即是空のあのお経(般若心経)そのものではないですか。

【21世紀の横型リーダーシップ】2.20世紀のリーダーシップ

2008-05-03 01:54:25 | リーダーシップ
2.20世紀のリーダーシップ

(1) アメリカ大陸横断鉄道の鉄道会社 (架空の話です)

 19世紀、アメリカ大陸横断鉄道ができました。多くの列車が走る中、ある単線区間を列車が走っていた際、反対方向からやってきた列車と正面衝突してしまうという事故が発生してしまいました。さっそく事故の原因を調査する委員会ができ、多くの状況証拠と証言から、ある結論を取締役会議に提言しました。

 ・各部門ごとに、きちんとしたマニュアルを作りましょう。
 ・運行管理する部門では、何らかの事故で列車が遅れた場合、駅員や信号主に運行状況を確実に伝えましょう。
 ・それぞれの駅では、信号やポイントがきちんと切替ているのか確認しましょう。
 ・列車を定期点検する際は、点検した結果をきちんと残しましょう。

 いまでいうISO9001みたいに各部門ごとに何をするべきか決め、自分で決めたとおりに実施すること。全部門できっちり仕事をしていれば事故が発生する予知はないだろう(最後の「だろう」が重要です)。ここでは列車事故の防止だけに着目していますが、大きな会社を組織別に細分化し、命令の伝達、実施結果の報告はもちろん、売上げとコストの報告、赤字が出た場合の対処など、情報が上から下へ、下から上へ流れていく。外から見るとピラミッドのようになっています。
 ピラミッドの中で、全部完結しているので、社内抗争など負のエネルギーがたまりやすい。昨今、縦割り組織の弊害が言われるようになると、組織横断的な組織(全社部門とかスタッフ部門)をつくり、共通的なことや、企画立案するようになります。これを体系的に作ったのが、ビスマルクのプロシャ軍における参謀本部で、多くの組織の手本として世界中に広まりました。
 鉄道会社といえば、鉄道をダイヤ通りに走らせることが、重要な評価項目となります。国鉄がJRになったとき、ダイヤの正確さと安全確保が最重要課題でした。究極の電車運行ダイヤは、1つは東京の山手線。朝のラッシュ時など1分半で次の電車がやってくるように作っている。もう1つは東海道新幹線。とにかくダイヤが過密な上に、東京-名古屋-京都-新大阪しか止まらない「のぞみ」と各駅停車の「こだま」までごっちゃにして時速200km以上でバンバン飛ばしているのは、すごいとしか言いようがありません。鉄道マニアに聞いた話では、京急のダイヤもすごいと言っていましたが、詳しいところはわかりません。品川から羽田空港に行く際、快速特急の発信音が「ピュロピュロピュロピュロロー」とドレミ音みたいな音がするのは好きなのですが。

(2) 昭和時代に見られた日本の大企業

 終身雇用を実現した日本の大企業を、組織的にみると、上下があいた煙突があって、新卒が下から入って、だんだん上の方に上がってきて、一番上に達するのが定年退職というイメージです。新卒者を田植えの苗のように、同じ素質を持った人をずらーっと並べて、社内教育したり仕事を通して会社の色に染めていきます。会社が求める人を学校が提供する際、同じ価値観を持った人を大量に育てることが求められてきました。いわるるタイラ・ヒトシ(平均)君が必要だったのです。稲を育てていても同じですが、時々、周りに合わせない人がいるわけで、そういう人は煙突から追い出され(転職)ます。煙突は上にいけばいくほど細くなっていきます。そうするとイス取りゲームと同様、社内での競い合いが始まります。最後に残った人は、公務員なら次官だし、大企業なら役員や社長になれます。この場合、リーダーの仕事は、煙突を環境に合わせて変化させることは求められていません。煙突は前任者から後任者へ引き継ぐ間、折れない(倒産しない)ように管理するだけです。リーダーは煙突の中で人事評価をしているだけでよかったのです。こういうことができたのも、強力な規制があったからで、銀行でしたら護送船団を組んで、一番弱いところでも倒産しないように大蔵省が守っていました。これまでは煙突の外のことを気にしないで、済みました。会社の中では、壮絶なイス取りゲームをしていたのですが、社内に通用するルールであって、仮に会社が倒産した場合、仕事を探す際に、「私は○○会社の部長をしていました」と言ったところで、面接の相手から「それで、あなたは何ができるのですか?」とスルーされるだけという喜劇にもならない出来事が起こりました。

<コラム> スーパーマンとバットマン

スーパーマンもバットマンも、アメコミの人気ヒーローである。
スーパーマンは、クリプトン星人で、赤ん坊の頃、母星が滅びる前に地球に放出され、ケント夫妻に育てられた。普段はさえない新聞記者として普通の社会人として過ごしているが、スーパーマンに変身するととんでもない能力を発揮する超能力者である。映画を見る限り、アメリカの正義を体現することが行動原則のように見える。スーパーマンの活躍は、自分の能力を世の中のために役立てるためだそうです。すばらしい志(こころざし)です。

一方、スーパーマンのお友達のバットマンは地球人である。お金持ちで慈善事業家でありながら、犯罪撲滅のため、自らの体を鍛え、様々な武器や道具・衣装を自前で作り、街の自警団として活動している。自らの手で敵を殺さないというのがモットーだが、法律と照らしあわしてどうなのよという行動をすることもある。超能力を使わず、努力と鍛錬により、肉体能力を向上させるところが、他のヒーローと異なる点である。映画をみる限り、自分の身の回りで破壊された秩序を回復したり、奪われたものを奪回している行動から、個人の正義を体現しているヒーローといえる。

2人に共通しているところは、目前の問題を解決するのに、自分でなんとかしようとし、他力本願ではないことである。見たこともない神仏に祈るということもしない。リーダーシップでいうと、能力がある者は、能力に応じた責任があるという言葉で表されるような、リーダーの資質を持った人がリーダーになるのだという古典的なリーダー論を体現しているように思える。体を鍛えたり、勉強したり、経験を積めばリーダーになれるリーダー量産論と対になる考えとして、心に留めておいてほしい。

【21世紀の横型リーダーシップ】1.リーダーとマネージャーの違い

2008-05-02 00:01:24 | リーダーシップ
1 リーダーとマネージャーの違い

 リーダーとマネージャーの違いについて、藤原直哉さんは多くの著書や、講演会で取り上げています。(最新刊 繰り返す世界同時株大暴落-自民崩壊・生活崩壊の時代- p203-207)にもありました。

  リーダーは「何をすることが正しいかを決める人 (Let's do it.) 」です。
  マネージャーは「物事を正しく実行する役割をしている人 (You must do it.) 」です。

 役割の違いが明らかです。とはいえ、多くの場合、リーダーとマネージャーは同じ人がやっています。会社の役職で、経営者、執行役員(事業部長)、部長や課長の管理職、チームリーダーの人達がいたとして、私はリーダーしかやっていません。私はマネージャーしかやっていません。という人はあまりいません。社長はリーダーの割合が多いとか、チームリーダーはマネージャーの割合が多いといったところです。もっとも、マクドナルドの店長みたいに肩書きだけの名ばかり管理職の場合、何の決定に関与できず、ノルマを課せられているだけというのでは、マネージャーの役割はやっていても、リーダーの役割はやっていないといえます。

 リーダーシップには3つの要素があります。

 (1) 頭:理性/合理性、理解力、技術力
 (2) 心:共感/勇気と思いやり
 (3) 腹:度胸/直感力、謙虚さ、やりぬく力

これらは、3つともそろっていないとリーダーシップはうまくいきません。頭と心は、リーダーシップ研修や勉強することでなんとかなります。ところが腹は、腹がすわるという言葉もありますが、リーダーの経験を3年位経験して、いろんな修羅場をくぐりぬけないと、迷いを生じ、決断力が鈍ります。

リーダーシップ研修では、リーダーの候補者に対して、以下の順番で知識とプロセスを理解させることを目的としています。最初に技術(コミュニケーション、コーチング、ヒアリング、意思決定方法など)を教えます。次にプロセス(目的を理解し、定義すること)を教えます。この段階で普通の人でもリーダーとして仕事をすることができます。リーダーシップにおける「読み/書き/パソコン(そろばん)」を手にしたわけです。リーダーシップ研修というとアメリカに源を発しています。リーダーになるには、体系付けした知識と経験を積めばOKと割り切っているあたり、すごいです。

今までマイスターが1台1台手作りで自動車を作っていたのが、自動車組み立て工場で大量生産してしまうといった違いを感じます。個々のリーダーの能力は千差万別ですが、大量にリーダーを作ってしまえば、困難な問題にも、ある程度対処できるし、リーダーが病気で現場を離れていても、サブリーダーがきちんと代行できます。第二次大戦の時、アメリカは自動車産業に対して、明日から飛行機を作れといい、そのとおりやって、飛行機を大量生産し、制空権を奪いました。

アメリカにおけるリーダーシップ研修で使われている教材を見る限り、日本のQC活動やアフターファイブやタバコ部屋でのコミュニケーション、それに近江商人、武士道、座禅、侘び寂びの心など、日本人の伝統として伝えられていることを、アメリカ人でもわかるように体系化した知識にオーサライズしたように見えます。アメリカ人よりも日本人の方がリーダーシップ研修の内容を腹で理解できるのではないでしょうか。

さて、リーダーとして重要な素質は何でしょう? それは「誠実で何事に対しても首尾一貫していること」です。幕末から明治維新の頃の武士達が持っている素質と似ています。大企業や公務員などで多く見られる二枚舌野郎はリーダーになってはいけないのです。


<コラム> ウルトラセブンのリーダーシップ

昭和40年代前半に放送された「ウルトラセブン」という今だに人気のある特撮シリーズがあります。ウルトラセブンは、M78星雲から地球観測に来た宇宙人・恒点観測員340号で、ウルトラ警備隊の7番目のメンバーであるという設定で、そう呼ばれた宇宙人です。
彼は、宇宙からの侵略者や生物兵器から地球を守るため、ウルトラ警備隊と地球人のために活躍してきました。毎週のように宇宙人と戦った結果、過労がたたり、最終話の手前で上司から休暇と転属を勧告されるに至りました。だが、無理を押して戦った結果、体がボロボロな状態で宇宙へ帰らなくてはならなくなりました。
ウルトラセブンがいなくなった後で、宇宙からの侵略者が地球を狙うのを止めたわけでもないし、後任者がウルトラ警備隊と行動を共にするとも限らないので、ウルトラセブンなき地球は侵略者に占領されたのではないでしょうか。
自らの一生懸命頑張っても、周りが自分に頼ってばっかりで、おんぶにだっこという状態が続くと後継者が育つ機会もないし、自分が倒れればそれでおしまいです。あまりいい形のリーダーシップではありません。
チンギス・ハン亡き後に分裂した大モンゴル帝国しかり、アレキサンダー大王が病死した後、数十年にわたり争ったのもしかり。(うん、やっとリーダーシップに関連した話になったぞ)

【21世紀の横型リーダーシップ】はじめに  - リーダーシップとは何か -

2008-05-01 00:53:08 | リーダーシップ
はじめに  - リーダーシップとは何か -

 橘研究所の橘みゆきです。
本書、『21世紀の横型リーダーシップ』は、橘研究所として初の同人誌となります。

 リーダーシップというと、著者の数だけ意見が違うというような感じで、千差万別です。単純に会社の管理職が学ぶべきスキルの1つだという人もいますし、組織のトップが持っていればいいという人もいます。本書では、経済アナリストの藤原直哉さんの考え(リーダーシップとは、カオス(混沌)を止める力である)を基本的な考えとして話を進めていきます。

 人が単純に集まっただけでは、烏合の衆です。ブラウン運動をするミルクの脂肪粒みたいに、あっちにいったりこっちにいったりして、方向性が定まりません。チームを有効に機能させるためには、将来の目標(ビジョン)と目的(ミッション)、そして、何があっても変わらない価値(バリュー)をみんなで共有し、チームワークを組むことで、常に改善しつづけることが大切であるとみんなが合意する必要があります。その上で、各メンバーの能力や向き不向きに応じて、役割と責任を分担し、チームとしての相乗効果を発揮させる仕組みを創り、メンバーに自分の義務を理解すると共に、他のメンバーに対する信頼を得るようにしなければなりません。

 こういうことは20世紀の大企業に見られる縦型組織では、組織図で視覚化されるピラミッドの中での情報のやりとりとして行われてきました。21世紀型の組織になると企業内部にとどまらず、組織の壁を越え、各々のメンバーがプロジェクトの発足と共に集められ、終了とともに解散するため、河に浮かぶ泡沫(うたかた)の如く、結んだり離れたりする。静的な縦型組織からダイナミックな横型組織いや組織を超えたプロジェクトチームとして変化したのです。そういう今までとは異なった能力がリーダーに求められるようになります。

 本書では、21世紀の社会をリードする組織を横断する横型リーダーシップについて、思うところをまとめたものです。みなさまの会社で仕事をするにあたり、何かしら参考としていただければ幸いです。

橘みゆき 拝   2008/04/20

【21世紀の横型リーダーシップ】タイトルと目次

2008-05-01 00:52:08 | リーダーシップ
タイトル: 21世紀の横型リーダーシップ
著 者 : 橘みゆき (橘研究所)


      【目次】

はじめに -リーダーシップとは何か-

1.リーダーとマネージャーの違い
    [コラム] ウルトラセブンのリーダーシップ
2.20世紀のリーダーシップ
 (1) アメリカ大陸横断鉄道の鉄道会社
 (2) 昭和時代に見られた日本の大企業
    [コラム] スーパーマンとバットマン
3.見直しを迫られる従来型のリーダーシップ
4.時局を読む大切さ (平成20年4月18日時点)
    [コラム] 株式相場のリーダーシップ
5.横型リーダーシップとは
    [コラム] 福田首相の目指す日本の姿は「きれいな日本」
6.横型リーダーシップの前提
    [コラム] 星一徹の謎
7.リーダーは量産可能か
8.お薦めHP
9.お薦め本

あとがき (遠野物語)


<< 奥付 >>
誌 名: 21世紀の横型リーダーシップ
発行日: 2008年 4月20日(サンシャイン・クリエイション39)
発行サークル: 橘研究所 ( http://www.satokoji.com )