兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

一部の人が理解してもらえれば大成功

2008-10-20 04:30:00 | リーダーシップ

パレートの法則を2回繰り返したら

パレートの法則で、「20%の人が80%の利益を上げ、残り80%の人が20%の利益を上げる」というモデルはいろんな場面で、きいたことがあるかと思います。
また、プロ野球の例でいうと、巨人軍が各チームからエースを引き抜いて、全員エース級の選手で固めてみても、全員がいい成績をあげているとは限りません。ある集団のエース(20%)だけでチームを作った場合、やはりパレートの法則が発動して、「20%の人が80%の利益を上げ、残り80%の人が20%の利益を上げる」という結果になるそうです。

ある集団(100%) ⇒ 上位集団(上位20%)+下位集団(残り80%)
 これをさらに、もう1段階わけます。

上位集団(20%)  ⇒ Class A (4%)+Class B (16%)
下位集団(80%)  ⇒ Class C (16%)+Class D (64%)
 上位集団には、Class S (0.8%⇒1%とする)が含まれていそうです。


4つのグループに分かれた集団

Class D に所属する人を「ふつうの人」とすると、Class A に所属する人は、「できる人」というイメージになるでしょうか。 Class B と Class C は「少しできる人」です。
そんなモデルを作ると、新しいことに取り組むのに、どういうアプローチをすれば効率が良いのか見えてきます。


1%の人が賛成してくれれば大成功である

新しいことに取り組むことに前向きな人は少ない。上の図でいうと、Class A の4%が賛成してくれればいい方で、たいていの場合、Class S の1%程度の人しか賛成してもらえません。
そのため、Class S のメンバーを橋頭堡として、Class A のメンバーを説得してもらう。次に、Class A のメンバーが、Class B のメンバーを説得し、Class C 、Class D へと展開していく方法を採らざるを得ません。
これには時間がかかります。組織が変化するには、全メンバーが納得しないとうまくいきません。
1%の人が変化に賛成してくれた場合、それは失敗ではありません。時間はかかっても全員に広がっていきますから、大成功なのです。


Class A が良くなると、Class B,C,D も良くなる

この図は何を示しているかというと、Class A を改善すれば、時と共に Class B、Class C、Class D が順番に改善されるということを示しています。
ただし、時間がかかります。外部環境が変化したから、明日から我々も変化するぞと号令をかけたところで、組織が変化することは不可能です。


組織が変化するには時間がかかる

メンバーが変化を受け入れるには、以下のステップが必要です。
「変化を拒否する」⇒「変化を認識する」⇒「変化に対する対策を検討する」⇒「変化を受け入れないと対応できないと認識する」⇒「変化を受け入れることを納得する」⇒「変化を受け入れる」

この過程が、それぞれの階層で必要となります。イメージしやすいようにいうと、「社長が変化するぞと宣言した」場合、一般社員まで変化を受け入れるには、「役員」⇒「事業部長」⇒「部長」⇒「課長」⇒「係長」⇒「社員」という過程を経ることが必要となります。 大企業が変化に対応しにくいのは、企業文化のほかに、組織の階層が多いからというのも大きな要因の1つです。


リーダーは時代の変化を先取りする

リーダーは時代の変化を先取りして、組織が変化に対応する時間を確保する必要があるのです。リーダーに必要な能力はいろいろありますが、『時局を読む力』は、『コミュニケーション能力』に次いで重要な能力なのは、そのためなのです。

2008/10/20 橘みゆき 拝

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不吉な予言をする理由

2008-10-18 19:30:00 | リーダーシップ
カサンドラ王女の悲劇は、滅びる組織の先が見え、警告するのだが、皆から疎まれ、蔑まれ、結局、組織が滅びてしまった。ということなんです。
カサンドラ王女の悲劇 (2008年10月16日のコラム)の最後より

私がいろんな場面で、いろんな人に、こんなことを言っています。

(その1)
これからアメリカの覇権の弱体化により群雄割拠の世の中になります。それは日本史でいう応仁の乱のように大きな社会変革をもたらすでしょう。歴史の断層を渡る前と渡った後では、全く異なる世の中になるはずです。いま起こっている混乱は、ちょうど応仁の乱で中央(室町幕府)が弱体化し、地方は生き残るため、地域の実力者をリーダーにして、地域住民が飢えないために何でもありになる。さらに、地震や火山噴火、台風などの天災や、食糧不足や病気の蔓延などが、その動きを促進させるだろう。京(みやこ)は焼け野原となり、飢え死する人が大勢出てくるだろうし、食うために略奪が頻発することにより、生産性は本来の能力(江戸時代の人口である3,000万人)よりもずっと下の水準に下がるはずだ。
(その2)
江戸時代の日本の人口は3,000万人でした。日本が食わせていける人数はこの程度だという意見には賛成です。ですが、これは循環経済が効率よく回り、治安が安定し、皆が安心して暮らしているという背景がありました。少子高齢化が進む中、このまま放置したら2050年の日本人は9000万人まで減るとの予想があります。では残りの6000万人はどうなりますか? 国策として安楽死でもさせるのでもなければ、生き延びるために、略奪だって犯罪だって共食いだってするでしょう。そういう修羅場は飢饉の時、至るところで発生しました。昔話や民話にその名残が見られます。

多くの方からのアドバイス

そういうことを言うと、善人の方がアドバイスしてくれます。恩を仇で返してしまうようで申し訳ないのですが、こんなやり取りをしています。だいたい同じパターンのやりとりになります。いつもいつも申し訳ないと思っています>善人の皆様

善人(以下、善) 「橘さん、そんなことは不吉ではないのですか」
橘 「私がいわないことで状況がよくなるのなら、こんなこと言いません。腐ったゴミがあったとして、フタをしたところで、ただ時間が過ぎ去るだけで、ゴミはなくなりません。別の場所に移動したり、焼却するなり、微生物に分解させたり、化学物質で他の物質に変化させる根本的な解決をしない限り、その場所に留まります。処理が遅れた分、余計に大変なことになるかもしれません。ゴミによっては増殖する場合だってあるのです」

善 「言葉に出すと実現してしまう可能性が増えます」
橘 「たしかにそれは正しい。マーフィーの法則が発動して、『考えられる可能性があるものは起こる』とか、『最悪のことを想定していても、それ以上悪いことが起こる』ことも想定されます。でも私はこう考えるのです。万が一に対する備えは何もしない人よりも、何かした人の方が生き延びる可能性が増えるんです

善 「あなたに対する評価が落ちることは考えないのですか?」
橘 「私はカサンドラ王女と同様、だれから信じられなくてもかまいません。現時点で社会的に安定している人、公務員や大企業の社員など比較的年収の多い人とかとお話すると、年齢は関係なく今の仕組みが未来永劫続くと信じている人が、そうでない人よりも多く感じます。ですが、日本の歴史も、世界の歴史も、激動を繰り返し、多くの人が時代の波に翻弄されてきました。時代の変化は避けられないにしても、波をもろにかぶって、たいへん苦労する人がいる一方、うまくかわしたり、時代の追い風をうけて乱世だから羽ばたく人もいます」

善 「そうまでして、なぜ、不吉な予言をするのですか?」
橘 「私が、未来に起こりえることを言うのは、なんらかの縁を持った方々に対して、1人でも多くの方が、歴史の断層を生き延びてほしいからであって、評価を高めたいからではありません」


新たな秩序は武力を背景としたリーダーにより回復する

混乱時には、平時に正しいとされている理屈は消滅します。善悪ではなく、別の価値観により、正しいかそうでないのかが決定します。正しいと主張できるのは、生き延びたものだけなのです。混乱期には善人は死に、悪党が跋扈するのです。混乱期を脱するには新たな秩序が立て直すことが必要となります。どうやって直すかというと、歴史のページを振り返ると、武力によって意思を示すリーダーやグループが出てきて、多くの人々に支持され、社会混乱が沈静化していき、秩序を回復します。

ラビ・バトラさんの『武人⇒知識人⇒金持ち⇒混乱期⇒武人』と支配者が入れ替わる社会循環論というお話につながります。現在、金持ちの時代が終焉を向かえ、社会全体が混乱し、カオス化していく過程にあります。カオスの時代が短期間で済むか、長期間に渡ってしまうのかのかは、次の時代のリーダーとなる『武人』のパワーを背景とした人(英雄とか独裁者)や、グループが世の中に出てくるのが早いか遅いかによります。

2008/10/18 橘みゆき 拝


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謎部のアレ

2008-10-18 08:00:00 | 余談

ラジオはイメージ脳を鍛える(2008/10/16のコラム)のコメントに、『高校のクラブでいう理科部(通称:謎部)がへんなことをやっているようなコラムが多いのは、気のせいです。』と書きましたが、4コマ漫画のコミックで、『謎部のアレ(1)』という本を見つけました。似たようなことをやってたような、やってなかったような……。なかなか面白かった。謎だらけです。しかも続くらしい。(笑

2008/10/18 橘みゆき 拝

謎部のアレ。 (1) (まんがタイムKRコミックス)

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カサンドラ王女の悲劇

2008-10-17 05:00:00 | リーダーシップ

トロイアの王女、悲劇の預言者

カサンドラ王女は、トロイ戦争(トロイア戦争)の時、兄であるトロイの王子、パリスがスパルタ王メネラーオスの妃ヘレネーを奪い去り、トロイに帰国してきた際、この事件が国を滅ぼすことになると予言した。だが、誰も信じる者はいなかった。これは、カサンドラの予言は誰にも信じられないという呪いがなされていたからである。
なぜ? カサンドラはアポロンの恋人となる条件と引き換えに予知能力を授かったのですが、予言の力を授かった瞬間、アポロンの愛が冷めて自分を捨て去ってゆく未来が見えてしまったため、アポロンの愛を拒絶したために、カサンドラの予言は誰にも信じられないよう新たに条件を付加されてしまったからである。(アポロンの呪いという)
カッサンドラー (Wikipedia) より引用

トロイ戦争において、カサンドラは重要な予言を2つしている。
1.パリスがヘレネーをさらってきたとき、この件が国を滅ぼす。
2.トロイの木馬をイリオス市民が市内に運び込もうとしたとき、これは破滅につながる。

カサンドラ王女の予言は無視され、皆さん御承知のとおりの結果になってしまいます。これにちなんで、イタリア語では日常の会話で「カサンドラ」というと、「不吉、破局」といった意味を持たせて使われているそうです。


カサンドラ王女は、ホイッスル・ブロワー

さて、ここからがリーダーシップのお話です。組織の中における、カサンドラ王女の役割は何でしょう? 未来の予知とか、警告ですよね。ホイッスル・ブロワーの役割を担うという人もいます。いまのままだとまずいからやり方を変更すべきだ。 そういう苦言をいう人は、最近少なくなりました。リーダーと対立すると、クビになったり、成果評価で不利となり。火中の栗を拾っても馬鹿馬鹿しいという風潮になったことが大きい。硬直した大企業などでは絶滅種として、保護されるべき存在というほど減りました。

リーダーのいうがままの組織は、リーダーが暴走するのを止めることができません。また、リーダーが判断を誤まった場合、最悪の場合、組織が滅びます。そういう視点でみると、硬直した組織(大企業や官公庁、ワンマン会社など)において、カサンドラ王女の存在は、とても重要なのです。 ……アポロンの呪いがかかっているため、誰も信じないというケースも多々あります。

カサンドラ王女の悲劇は、滅びる組織の先が見え、警告するのだが、皆から疎まれ、蔑まれ、結局、組織が滅びてしまった。ということなんです。

2008/10/17 橘みゆき 拝

【関連HP】
トロイヤ戦争(トロイ戦争) (Wikipedia)
カッサンドラー (Wikipedia)

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ラジオはイメージ脳を鍛える

2008-10-16 03:30:00 | 余談

ラジオを聴くとイメージ脳が鍛えられ頭がよくなる

10月16日は小森まなみさんの誕生日というわけで、橘研究所ではメモリアルデーとして位置づけています。彼女は1980年代、ラジオたんぱで生放送の番組を持っていて、パーソナリティー人気投票で1位を何度も獲得し、常にTOP3に入っていました。私が文章を書く習慣をつけたのも、彼女の番組に葉書をたくさん投稿したことがスタートラインでした。そんなわけで、今日はラジオのお話です。

ラジオドラマで広がるイメージの世界

NHK第一放送とかNHK-FM放送などでラジオドラマが時々放送されています。民放でも時々放送しています。ラジオドラマを聴いていると、映像はありません。全部音声で表現されています。文字とかでどこかに書いているわけでもなく、時と共に現れ、そして消えていきます。絵とかイラスト、映像などを二次元というのであれば、ラジオは一次元の世界です。時間軸しかありません。物語はリスナーが勝手にイメージを膨らませることができるため、十人いれば十個の世界ができるのです。よくいえば想像力、事実でいえば妄想力は、創作意欲を高め、未来をどう造りたいのかという源になります。

ラジオは提供される情報が限られるがゆえに、受け取った側の自由度が高く、イメージ力を鍛えるツールとして便利なものです。形がないものを伝えるには、こういったものが便利です。脳でいうイメージ脳をフル回転することになります。これは映画やTVなどでは見ている人は一方的に受け取るだけで、イメージ脳は寝ててもいいわけで、あまりTVを見すぎると頭が劣化してしまいます。

具体的に絵を示せばわかる。確かにわかる。だが絵に縛られて、違うことが見えなくなってしまう。なんだかよくわからないマダラ模様の絵をみせて、これはいったいなんだろうと考えているとき、「これは牛の絵だ」というと、牛以外のものに見えなくなってしまいます。これが映像の悪いところです。

例えば、ある小説が映画化されたりアニメ化されたりすると、自分が小説を読んでいたときに描いていた世界がぶち壊されてしまいます。次に小説を読んでも、映画の俳優の声や姿にとってかわってしまうからです。それほどまでに映像の力は強いのです。

萌えマスターになると文字で逝けるそうだ

知合いの萌えマスター(笑 にそのことを言ったら、「お前の作品に対する愛は映像ごときに左右されるほどのものなのか。マスタークラスになれば、映像とか不要だ。文字だけ読んで悶々と自分の世界を作るのだ。……」と熱く語った。。。逸般人(いつぱんじん)の世界は奥が深い。

2008/10/16 橘みゆき 拝

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ハリウッド映画はリーダーシップの教材

2008-10-15 01:00:00 | リーダーシップ

ハリウッド映画の黄金パターン

ハリウッド映画をいくつか観ると、シナリオがあるパターンを踏襲して書かれています。 2時間程度のエンターティメントですから、多くのお客様を喜ばせるには、4コマ漫画や紙芝居の「起」「承」「転」「結」のようになっています。

ハリウッド映画のシナリオは、以下のパターンで構成されている

(1) 最初の5分で、観客の興味を引くように、一番力を入れる。
  背景、登場人物の説明などを説明する。チーム作られる。
(2) なんらかのトラブルが起こる。
(3) ヒーローが登場して、トラブルに対応するが、うまく対応できず、犠牲者が出る。
(4) チームがバラバラになる。
(5) 苦悩するヒーローを支援するため、ヒロインが登場する。
(6) ヒロインとロマンスっぽい光景がシナリオとは関係なく出てくる。
  ライバルが出てきて三角関係になる。
(7) 再びトラブルが起きて、ライバルが死ぬ。
(8) 生き残ったチームメンバで、再び危機を乗り越える決意をする。
  このとき、ヒーローが演説をぶっこいたりする。
(9) 危機を乗り越えられ、めでたく終焉を迎える。

こう書いてしまうと、みもふたもないのですが、ハリウッド映画のシナリオは、ある組織(チーム)のリーダーシップをうまく機能させるにはどうしたらよいのかという事例集のオンパレードとなっています。そんなふうに見ると、『映画とは洗脳の手段なり』といったプロパガンダ映画も、国策を支援するためによくできているなと感心したりします。

日本人の年配者にはおなじみの『水戸黄門』というTVシリーズがありますが、長寿番組になっています。人気があるのは、ハリウッド映画ほどではありませんが、ワンパターンで話が展開していくからです。 八兵衛が言う「ここは○○が名物なんですよ」は、全国各地の観光名所案内の走りですが、言いたいことはそこではありません。 悪代官と悪徳商人という誰がみても悪人がやりたいほうだいやって、善人の村人を苦しめています。そこに黄門一行が現れて、悪人をやっつけて、よかったよかったという勧善懲悪の話となっています。

45分間の番組で主張していることは、「悪いことをしても、いつかは懲らしめられますよ」ということだけですが、これをただ言葉に言っても、見る人は面白くありません。 悪人は悪人らしく、善人は善人らしく。そして黄門一行は悪人をこらしめるといった、それぞれの役割に応じて演じているから面白いのです。 ハリウッド映画も構図は同じです。

リーダーシップのお勉強というと、とかく本を読んだり、難しいことに取り組んだりといったことをする場面もあるにはありますが、身の回りにけっこう多くあったりします。ちょっと意識してみると、以外な発見があります。

2008/10/15 橘みゆき 拝

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インデペンデンス・デイを夢見るアメリカ

2008-10-14 06:00:00 | 世の中の動き

唯一の超大国だった1990年代

ベンジャミンさんのブログ(10月10日の書き込み) で、『世界各国の様々な霊能者が10月14日巨大宇宙船が地球に到来すると言っている。』と書いていました。 今日は、これを取り上げましょう。

世界各国の様々な霊能者が10月14日巨大宇宙船が地球に到来すると言っている。それは愛や平和、希望を意味し、地球を救いに来るものであるという。先日私のところにオーストラリア原住民団体の指導者達から資料が届き、そこにも「14日に何かが起こる」と書かれてあった。彼らの民族は超能力があるそうだ。そしてこの予言では、別の扉が開き多くの人類が別の次元に行くと言われている。しかしこれは自ら望む人達だけだそうだ。
14日説を煽るもう一つの可能性として、アメリカの人工的世紀末の演出も考えられる。KGBのウェブサイトではアメリカ議会が刷った金融救済のための8500億ドルはエリア51につぎ込まれたという。この法案を通さないと軍部はクーデターを起こすと言っていたが、実際に法案が通りエリア51につぎ込まれたので何かを完成させようとしている可能性も高い。
14日に何かが起きるかどうかはその日になってみないとわからない。何も起きなかったとしても今月、来月は激変の月になりそうである。また私は宇宙人に実際に会ったことがないので、「存在する」のか「存在しない」のかどちらとも言えない。しかしもし本当に彼らが地球を救いに来るのであれば来れば良いと思う。その際は約束通り、皆の前で帽子を食べます。
出展:10月14日説について (BenjaminFulford 2008年10月10日)


UFOがやってきて宇宙戦争をするSF映画は、かなり好きでして、ベンジャミンさんの記事を読んだとき、インデペンデンスディ(以下、ID4)を思い出しました。
1990年代、冷戦に勝利し、第一次湾岸戦争に勝利し、アメリカは唯一の超大国として君臨するという「新世界秩序 (New World Order) 」が跋扈していた頃に作られた映画です。地上波TVでも何度も放送されたので、見た方も多いと思いますが、あれって、アメリカ人が描く理想像なのかなと思います。

第二次世界大戦の頃は、ナチス・ドイツや大日本帝国など、アメリカから見て絶対悪と主張し、しかも強い枢軸国が存在した。冷戦の時は旧ソ連を親玉とする共産主義国家がいました。そいつらを相手に絶対善と主張するアメリカが勝利するという映画をハリウッドは数多く作ってきました。でも冷戦が終わってしまったので、地上には絶対悪と呼べる存在がいなくなりました。 そこで宇宙人が登場したというわけです。

地球を狙う宇宙人がやって来る。最初に友好を結ぼうとしたが、友好使節のヘリごと攻撃したのを合図に主要都市がやられてしまった。あほな人達はみんな死んでしまった。 反撃を試みるもテクノロジーの差で味方の被害甚大で、相手の被害はほとんどなし。 核ミサイルを使ってもだめだった。 絶望するアメリカ大統領。 ところが反撃できる方法がみつかった。 よし反撃だ! 我々は生き残るぞ!宇宙人には屈しないぞ! と、演説をする。 んで、ここが重要。アメリカ軍を中心に反撃を行い勝利する。 いやーめでたしめでたし。 ID4を要約するとこんな感じのストーリです。

911以降、テロ撲滅をめざして、アフガンに、イラクと戦争をしましたが、終わりがみえないまま、2007年夏になると金融もあぶなくなってきました。2008年9月には、金融システムがボロボロになり、10月にはブラックウィークと呼ばれた史上最大の下げを記録することとなりました。あの大恐慌の下落率を超えているのです。そのなかで、10月14日にUFOが来るという話がネットに出回った。。。

結論から言います。仮にUFOが来たとしても、愛や平和、希望をもたらす親善使節とは考えられない。地球を支配するためにものである。地球を滅ぼすものと言いかえても良いです。
切羽つまったチェイニー米国副大統領を首魁とするネオコンの連中が宇宙人と手を組んで、絶対絶命のピンチを一発逆転するために、わざと危機を演出するためにUFOを造ったんだという電波ゆんゆんな判断の方が合っています。 あれだ、偏見に従って判断したことが正解だったっていうやつだ。

ノストラダムスの予言書もよく読むと、地球外から攻撃を受けて、ポールシフトなり核の冬がやってきて人類は滅亡の危機に瀕したという類の記述はあるぞ。キリスト教の聖書という古典に書いていることを実現すれば、救世主に降臨してきて自分達が支配する千年王国とやらができると妄信している連中だっている。1986年にスペースシャトルが木っ端微塵に爆破したため宇宙開発が遅れ、世紀末に宇宙ステーション建設は間に合わなかったが、技術的には可能です。世紀末から遅れること9年の時間をかけてようやくできたのかな? ターミネーター3の映画で、結局核戦争を止めることができなかったようなもんです。 信じる信じないは、このコラムを読んだ人が勝手にすればいい。 どうせ、今日わかることです。人間、せっぱ詰まると何でもやってしまいます。

地球を滅ぼすためにやってきた宇宙人をアメリカが中心になってやっつけよう! どこかで見たシチュエーションだな。 ハリウッド映画は、その時々の権力者の意向によってプロパガンダのツールとして作られています。 最近リメイクされた『宇宙戦争』、まもなく公開する『地球が静止する日』がなぜ製作されたのか、考えてみると良いでしょう。単純に映画を楽しむのも良いが、そういったことを考えながら観ると、なにか見えてくるものです。

2008/10/14 橘みゆき 拝

【関連するコラム】
 人類が滅亡すれば、地球は生き残れる。という映画 (連山)2008/10/13


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江戸時代の寺子屋は個別教育

2008-10-13 06:00:00 | 教育

使う教科書はバラバラ

江戸時代の教育というと、武士の子息達が通う藩校によるエリート教育する一方で、、農民や町人、職人達の子供達は、寺子屋に通って読み書きそろばんを学んでいました。寺子屋は何人かの先生が教室で教えるのですが、今の学校みたいに、全員同じ教科書を使って、同じカリキュラムで勉強するというスタイルではありませんでした。

読み書きそろばんといった基礎的なところは共通なのですが、親の懐事情で寺子屋に通い始める年齢がバラバラで、理解度によって進む速度もバラバラです。さらに、武士の藩校が教養をつけることを重視した教育をすることに対して、寺子屋の教育は、大人になって路頭に迷わないために、すぐに役に立つ教育が重視されていました。農民の子供は農業をするのに役に立つことを学び、町人の子供はお店で働くのに役に立つことを学び、職人の子供は職人の仕事に役に立つことを学びます。 ……ということは、寺子屋に来ている子供達の事情に応じて、使う教科書がバラバラなのです。教える内容も、今日何を教えるかとか、何を重視して教えるのかは、個々に対応する必要がありました。

寺子屋の先生達は、村や町の知識人や老人が担っていました。寺子屋に来る子供達が将来役に立つように限られた期間で教えないといけないため、生徒1人1人に適したやり方で教える必要がありました。今流の言葉でいうと、一律教育ではなく、個別教育を行っていたといえます。 江戸時代、わが国の識字率は他国と比べて高い水準でした。これは親達が子供に教育する意欲(未来に対する投資意欲と言っても良い)が高かったことと、寺子屋の先生達による個別教育を実施し、生徒1人1人にとって適した教え方を実施してきたことが大きな要因です。


知識社会は創造性や独創性が重視される

産業革命以降の工業社会では、金太郎飴みたいに、平均的な人材が企業から求められてきました。学校はそういう社会からの要請にこたえてきました。21世紀になると、知識社会にシフトします。創造性や独創性が求められる社会では、人と同じではダメで、人と違うことや得意技は何かを問われます。平均的な人材を供給してきた今の学校は、教育のやり方を抜本的に転換することが必要です。少子化で子供も減ってきています。 これからの教育のやり方は、江戸時代の寺子屋がやってきた個別教育のように、1人1人の潜在能力を引き出すことを重視するやり方に変わっていくのではないでしょうか

2008/10/13 橘みゆき 拝

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人気ブログランキングに参加しました

2008-10-12 20:00:00 | 余談

この書き込みは、本ブログ(兵隊よりも士官になろう)が、人気ブログランキングに参加したことによる画面表示テストです。(2008/10/12)

人気blogランキング: http://blog.with2.net/ に参加しました。 「兵隊よりも士官になろう」は、科学・技術(全般) のジャンルです。 本来は教育・全般なのですが、このジャンルに登録されているブログを見ると、受験対策とかが多いため、なんかそれとは違うなーと思い、類似のジャンルで登録しました。 気が向いたときでもアクセスしてみてください。 科学・技術(全般)のジャンルに登録されているブログ達は、個性豊かなブログが多いのでお勧めです。

2008/10/12 橘みゆき 拝

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【再掲】株式相場のリーダーシップ

2008-10-12 05:00:00 | リーダーシップ
この文章は、4月18日に書いたもの(本ブログには5月5日に公開しました)ですが、株価が暴落している局面で、何かしらの参考になるかと思いますので、再掲載します。

2008/10/12 橘みゆき 拝


<コラム> 株式相場のリーダーシップ
 リーダーシップは何も「人」が持っているわけではないという例で、株式相場のリーダーシップをとりあげます。
 株式相場に集まる人達は、ある会社の経営に長期にわたって参加しようとか、配当と株主優待をもらえればOKという長期投資家や、お互いの株を持ち合いましょうという目的で参加する人(組織)は少ない。ようするに、株の売買を頻繁に行わせることで手数料収入を狙っている証券会社と、デートレーダーを始めとする短期売買を主に行う個人投資家や機関投資家が、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の如く、活き目を抜いたり、狐と狸の化かしあいをしたり、ブログやYahoo掲示板を利用してポジショントークをしながら、いろんな会社の株を売ったり買ったりしています。
株式市場に参加する人達の目的って何ですか? 手っ取り早く儲けたいんでしょう。つまり欲望と恐怖のせめぎ合いという、危ういバランスをとりながら、相手のミスを誘っているのです。

 欲望を膨らませすぎて自滅してしまう人も数多くいますが、昨今の日本以外世界全部バブル崩壊という局面では、多少の技巧の良し悪しを通り越して、スマトラ島の大津波のように全てを流し去ってしまいます。相場の大暴落が終わったら、周りはぺんぺん草も生えない荒野が残って、借金を抱え、家族も仲間も友人も去り、気がついたら自分ひとりぼっちだったという方も何名か存じています。人間としては悪くはないのですが、お金に魂を売ってしまった抜け殻のように、足場もなくさまよっています。生物的には生きていても、心が仮死状態になっていて、どう復活させればその人にとって一番良いのか悩みどころです。今更、私はデートレーダーなんてやめておけと言っただろうって、言ったところで何も解決しません。人間万事塞翁が馬というコトワザがありますが、これも1つの転機と腹をくくるしかありません。そうすることで次のステップが開けてきます。

 2007年夏以降、相場環境が激変していますし、変動幅も大きくなっているので、いまから何を売って何を買えばいいという技術論を言うよりも、さっさとリスクを最小限にして、相場から去り、あとは対岸の火事を決め込むくらいにしておいた方が賢明です。落下中のナイフを取るよりも、床に落ちたナイフを取る方が安全ですし、津波が来ると分かっているいるのなら、海岸に降りて沖を眺めるよりも、できるだけ高い建物の屋上から眺めた方が安全です。

リストラされた元外資系金融マンの選択

2008-10-10 02:00:00 | 基本スキル

人生万事塞翁が馬

10月09日に放送されたニュース21(NHK総合TV 21:00-22:00)を少し見ました。外資系金融会社をリストラされた30代の元金融マンのお話を特集していました。今後も金融の仕事を続けて行きたいと就職先を探しているものの、全世界同時バブル崩壊が進み、新たに金融の仕事を見るけるのはなかなか難しいようです。

外資系金融会社に勤めている人は、去年の夏くらいまでは我が世の春でして、高い給料をもらい、六本木や銀座で派手にお金を使っていました。都心に近いタワー型マンションを買ったり、高い外車やブランドものの時計や服を買って、成金みたいな行動をしていた方も多く見られました。風向きが変わったのは、昨年末あたりだと、昨日のニュース番組で元金融マンが語っていました。年収3000万円とか4000万円以上稼いでいたのが失業者になってしまい、お金の面で大変苦労なさっています。これを見て、皆様はどう感じたでしょうか? 私は、人間万事塞翁が馬というコトワザを思い出しました。いいときは長く続かないけど、悪いときもまた長く続きません。死なない限り、リベンジの機会はやってくるでしょう。TVに出てきた方が今回の試練を乗り越えて、大きく成長することを願ってなりません。

とかくゼロサムゲームで生きている業界で長く過ごしていると、詐欺師と詐欺師の騙しあいを演じたり、泥沼から出ずに足の引っ張り合いをやってお互いに沈んでいくという、地上の地獄のような世界の住人になってしまいます。この世はあの世と違って、天国と地獄と煉獄が分離せずに混ざり合っている世界です。それゆえ、同じ時代に生きていても、つきあっている人によって、ある場合は天国になるし、別の場合は地獄を味わったりもします。


天国に行くか地獄に行くかは自分で選べる

死後、閻魔様の前でいままでやってきたことを振り返った後、天国に行くか地獄に行くか決まるといいますが、この世の天国と地獄どちらの住民になるのかは、自分でどっちに行くのか決めることができます。自己中心の人は天国のようなところは住みにくいでしょう。自己中心、我よしを優先させると、お互いに潰しあう地獄に引き寄せられます。一方、他人への思いやりを重視したり、世のため人のためを満足してから残ったものがあれば自分のために使うという利他的なことを重視すると天国の門を見出すことができます。


逆境の時こそ人間性が試される

この世は輪廻転生を続ける魂が修行する場とすると、波乱万丈な人生の中で逆境の時期こそ、試練の場というか、どう生きるか見直す良い機会となります。いままでやってきたことは世のために貢献しているでしょうか? 人の手助けとなっているでしょうか? そして自分自身の成長につながっているでしょうか? ゆっくり考えて、今まで歩んできた道から別の道に方向転換したり、次に向かっての準備をする時間ができたのです。 カネのつながりで近寄ってきた人が去り、本当に大切なお友達が数人残って、復活への道を一緒に模索したり、新しい道を歩むために叱咤激励してくれます。1人でもそういうお友達がいれば、大きな助けとなります。ようは心の持ち方1つでずいぶん変わります。

勝ち組負け組とよく言いますが、お金の多少で勝ち負けが決まるのではなく、自分のやっていることが世のために貢献しているのか、人のためになっているのか、自分が成長することができるか、そういった観点を自分で評価します。今の時代の勝ち組といいますか、動乱期を迎えた時代の追い風を受けることができるか、できないか、気持ち1つで変わるものです。

2008/10/10 橘みゆき 拝


サンクリ41で配布したサークル情報

2008-10-05 20:00:00 | 世の中の動き

サンシャインクリエイション41(サンクリ41)に来ていただいた皆様、橘研究所のスペースまで御足労いただきありがとうございました。このような同人誌即売会では、コラムを読んでいただいている方と直接お話しできるため、できるだけ参加していきたいと思います。新作も出せれば、もっとよいのですが)。
水素文明の夜明け(2) を期待しているという方の熱意もいただきました。これから到来する動乱の時代を踏まえ、戸惑っている方を鼓舞したり、ネットでお話している方の姿を始めてみて驚いたりと、けっこう楽しみました。
橘研究所では、イベント参加時に、サークル情報を無料で配布しています。書いている本人はそのつもりはないのですが、読む人が読むと、文字と文字の間に、配布している本以上に重要な情報が書かれていることが多いとの評判をいただいています。
10月03日にアメリカの緊急経済安定化法が可決されたこともあり、このサークル情報をいつもより気合を多く入れて書きました。以下に、今回のサークル情報の一部抜粋を掲載します。

2008/10/05 橘みゆき 拝



サークル情報2008年10月05日号  【サンクリ41】Bホール シ08a

 今回の新作はありません。(コミックマーケット74で配布した内容と同じです)
  『21世紀の横型リーダーシップ』
  『水素文明の夜明け(1)-持続不可能な石油文明-』

サンシャインクリエイション41は、10周年記念イベントとなっていて、いつも以上に盛り上がっています。10年前はアニメ「バトルアスリーテス大運動会」の二次創作小説を書き、友人のHPに投稿していました。
世の中を振り返ると、ちょうどアジア通貨危機とロシア経済破綻、LTCMの破たん処理の真っ最中でした。あの時にアメリカ金融システムが抱えている問題点に対して、歯止めをかけるべきでしたが、フタをしただけで問題を先送りしてしまいました。

2007年夏以降に深刻さを増した、アメリカを始めとする世界同時バブル崩壊はどんどん悪化していき、欧米の銀行が国有化されたり、ペイオフ処理されたりしています。
今回の金融危機では、損失がいくらになるのかわからないため、信用収縮が急激に進んでいます。1930年代以来の大恐慌は既に始まっているのです。インターバンクでドル資金の調達が機能不全となり、各国の中央銀行がマネーを大盤振る舞いで供給しているため、やっと資金繰りがついているという状態です。

10月03日、アメリカで緊急経済安定化法が成立しましたが、7000億ドルもの公的資金を投入しても焼け石に水でしかありません。NYダウは前日比で150ドル以上下げ、ワコビアに逃げられたシティは-18.4%も下げました。金融システムは薄氷の上を歩いている状態です。

日本時間で10月10日(金)12:59、NY時間で10月08日(水)23:59、アメリカの空売り規制が解除されます。この瞬間になるのか、NY市場で10月09日(木)の取引開始のいずれかの時刻に21世紀の大暴落が始まります。1929年の大暴落と同じ名前、ブラックサーズデーとして歴史に記録されるでしょう。
この株価急落の影響で、シティが経営破たんした場合、世界中で信用収縮が止まらなくなります。拝金主義と化した略奪市場原理主義の崩壊へとつながるでしょう。

今回の金融危機は、各国を代表する金融機関が軒並みやられているため、最終的には銀行の一斉休業(バンクホリデー)や生活費程度しか銀行から預金を引き出せない事実上の預金封鎖をせざるを得ない状態まで悪化するでしょう。日本でいうと昭和21年と似たような状況になります。自宅にある程度の生活費(できるだけ千円札か硬貨が良い)を確保しておくことを強く推奨します。

2008/10/05 橘みゆき 拝



【イベント参加予定】
(最新情報はHP 橘研究所 http://www.satokoji.com の「同人誌活動情報」にて)
2008/12/28-30 コミケ75 (申込済み)
 「水素文明の夜明け(2)」ではなく、「リーダーシップ本」を予定しています。
2009/02/08 サンクリ42 (参加いたしません)
2009/04/05 サンクリ43 (参加予定) 「水素文明の夜明け(2)-代替エネルギーの開発-」

【関連するコラム】
コミケ74で配布したサークル情報 (2008/08/17)

政党助成金がないと選挙ができない

2008-10-03 23:30:00 | 世の中の動き

ネットゲリラさんのところで、「選挙は来年までないです」というコラムが掲載されていました。時局を読む題材として使いましょう。

衆議院議員の任期満了する前に選挙が行うには、麻生総理が衆議院を解散する必要があります。衆議院で内閣不信任決議が決議されたり、重要法案を通した後で国民に信を問うため、麻生総理だけが行える行為です。ですので、誰が何と言おうと麻生総理が衆議院を解散しない、総理も辞めないと固く決意してしまったら、議員の任期満了まで選挙はありません。

なぜ今、選挙をするのか、選挙に適したタイミングなのか? そういう疑問が福田総理が退陣を発表(2008/09/01)した頃からありました。現時点で有力な仮説は、『政党助成金が国から出るから』です。選挙をするのに、けっこうお金がかかります。この不景気では企業献金や寄付金が潤沢に集まるはずはなく、選挙資金不足となりがちです。自民党も民主党も政党助成金が収入に占める割合が高く、選挙をする軍資金として政党助成金を活用したいところです。
「選挙は来年までないです」というコラムに対して、私は以下のコメントをしました。(誤字訂正と一部記述を変更しています)

政党助成金が年4回(4月、7月、10月、12月に25%づつ)国から出る。
そのカネを使って選挙をしようと試みたのだから、選挙のためのカネを使いきったら、次は年明けまで選挙はお預けとなります。その頃には今と比べて経済情勢がもっと悪くなっているでしょうから、ますます選挙資金が集めにくくなります。
戦場で戦車が駆け回っても、燃料不足になってしまったら、動かない砲台になります。年末までの3ヶ月に限っては、カネを使わない陣営が時の経過と共に有利になります。
ボランティア主体の選挙に向けた事前活動を行い経費節約しながら、相手のカネが尽きるのを待つ持久戦となりそうです。
投稿 橘 | 2008/10/03 21:34

現在、衆議院で与党が総議席の2/3を占めているから、参議院で否決された法案を通すことが可能ですが、いま解散して大負けして、自民党+公明党合わせても総議席の過半数に達しない(=敗北)したら、戦後最短命内閣という不名誉な記録が麻生総理についてしまいます。
過半数を超えた場合、国民から信頼されたと主張することは可能ですが、選挙をするよりも補正予算を通して景気の悪化に歯止めをかけたいところです。ちょうど世界中で金融システムの信頼性が揺らいでいますので、世界各国から強いリーダーシップ(というよりも資金繰りをつけるためにカネ)が日本に期待されています。
選挙は来年に延期と言った政治家がいましたが、世界情勢がおちつくまで延期するのではないでしょうか。もっとも真の理由は、選挙をするのに、もう1回、政党助成金が必要だという懐事情なのかもしれません。

2008/10/03 橘みゆき 拝


時局を読む力をつける

2008-10-02 05:00:00 | リーダーシップ

ニュースで右往左往していては遅すぎる

「リーダーシップ」に必要とされる能力(スキル)はいくつかありますが、その中でも重要な能力の1つに、「時局を読む力」があります。

組織は外部環境や内部環境の変化にさらされています。昭和の大企業や軍隊の組織のように上から一方的に押し付けたり、成功体験を繰り返して対応していては、変化の激しい21世紀では時代遅れの対応となってしまいます。昭和時代のように土地が右肩上がりと信じて強気の経営を貫いたダイエーやそごうは業績を大きく悪化させてしまいました。アメリカのサブプライム問題も、住宅価格は上がり続けるという信仰が、本来住宅を購入してはいけない人達が無理して買った動機となりました。
今まで歩いてきた道が、ずっと先まで同じように続く。そういう前提で将来計画を建てることができる時代は、多くの人にとって幸福な時代といえます。ですが、悲しいかな、そういう時代は過ぎ去ってしまいました。

組織は変化に対して、「自ら変化する」組織(建設的企業文化)は、あまり例がなく、たいていは「変化に対して頑張る」組織(積極的防衛文化)の態度を採ります。また、「変化を拒否する」組織(消極的企業文化)の態度を採る組織もあります。同じ変化でも対応する方法が大きく分かれます。いずれ変化に対応するにしても、時間がかかります。ある変化がおきて、それから対応策を検討するのでは遅いのです。

「時局を読む力」というのは、時代の先を読む力という意味であり、今起こっている変化が将来何をもたらすのだろうかと考えることでもあります。インフレが来たらインフレの対応をするのではなく、いつまでもインフレが続くとは限らないから、デフレに反転したらどうなるか、とか、さらにインフレが進んでハイパーインフレになったらどう対応するのか、そういったことを考えないといけません。
時局を読む力を養うには、いくつか方法があります。インターネットを毎日巡回するサイトを決めておいて、何が書いているか、何が書いていないか、そういったことを何年か継続すると、文字と文字の間に隠れている真実が見えてきます。それをカンを養うと言ってもよいでしょう。人によって差はありますし、得意な分野、そうでない分野と出てきます。
あるニュースを読んで、私はこう感じた。このニュースが重要だと思った。いくつかのニュースをつなぎ合わせて考えたら、こういう出来事が将来おきそうだ。こんな感じにマイニュースをブログなり掲示板に継続して乗せたり、お友達に送って情報交換をしたりすることは、カンを養う上で、とてもスピードアップとなります。なぜなら、脳みそを高速回転させないと文章を書くことができないし、他の人が読んで共感してくれるように文章を書くのは、本を読んだり、ニュース記事を見たりする場合と比べて、数十倍もの労力を使います。原稿用紙1枚分(400字)の記事を読むのは1分もあれば読めますが、書くとなると1時間、時には数時間もかかります。ニュースを書いた人はこう思ったけれど、私はこう思うというふうにメモ書き程度に書きとめておく位でも良いのです。

歴史の小説を読むときも、自分がその時代に生きていたら何をしているだろうか。何ができるだろうか。ifの歴史で、もし○○だったらどうなっていただろうか?そういうことを考えながら歴史を学ぶと楽しく学べますし、似たようなケースに遭遇したとき、あわてることもなくなります。賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ。では歴史を学ばず、体験しても同じ過ちを繰り返す人は何と言えばよいのでしょうか? スイーツ(笑 なんだろうか?

2008/10/02 橘みゆき 拝