兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

リーダーシップはカオスを止める力(Power)

2008-09-29 23:30:00 | リーダーシップ

リーダーシップは全員が持っているものである

「リーダーシップ」という言葉は、リーダーという言葉が頭についているので、組織のトップだけが持っていれば良いという風に思いがちです。ビジネス本などでは上から下に矢印が書いていて「トップダウン」とか「リーダーシップ」と書いています。逆に下から上に伸びている矢印には「ボトムアップ」とか「フォロアーシップ」と書いているので、なおさら誤解しがちです。
昭和の大企業に見られるピラミッド型組織での情報の流れはこのスタイルでした。優れた指導者に黙ってついていけばいいんだという発想は、なんとなく日本的ではありますが、指導者が判断を間違えると一蓮托生です。お山の大将が組織を率いる組織は、いいときはいいのですが、一旦傾いたり、指導者が不在になると欠点が露呈してしまいます。

組織というものは、何もしないでいくとエントロピーの法則で、秩序が乱れ、形もぐちゃぐちゃになっていきます。それを防ぐために、組織の目的を決めたり、組織のメンバーに役割を与え、体制を固めたり、ルールを決めたりします。こういったことをすると混沌(カオス)にならずに済みます。
リーダーシップの目的は組織のパフォーマンスをアップさせることですから、「リーダーシップはカオスと止める力」であると言えます。

リーダーシップは、組織のトップだけが必要とされる能力ではありません。組織のメンバー全員に役割が与えられている以上、役割によって多い/少ないはありますが、創意工夫をしています。いい加減に仕事をしている人もいますが、一生懸命仕事をしたり、お客様や関係者(ステークホルダー)のために仕事をしているでしょうし、マニュアルどおり仕事をする人も、マニュアルを改善するための活動をしています。こういう改善活動を積重ね、全員の知恵と努力により、組織がカオスになるのを止めています。言い換えると、リーダーシップを役割に応じて、組織全員で発揮しているのです。

リーダーシップはリーダーだけが持っていれば良いのではなく、チーム全員が各々の役割に応じてリーダーシップを発揮するものなのです。

2008/09/29 橘みゆき 拝