
『禅語カルタ百句』から第5回。今回は「莫妄想」(まくもうぞう)という禅語です。この莫という字は、もともとは森林の中に日が沈むという意で、ひぐれを言ったようで、それが無字の意に借用して、なし・なかれの意に専用したと、漢和辞典にありました。
きちんと今の自分をみつめましょう。
妄想とは、実体のないものを実体あるもののように考えたり、思い込んで認識したりすることをいいます。人の心は、先入観を交えることで、不必要な分析や認識をしてしまい、あれこれ執著して、心を乱してしまいます。その戒めの言葉です。
出典は、『雲門広禄』巻一で、上堂 曰く、「諸和尚子、妄想すること莫れ、天は是れ天、地は是れ地なり、山は是れ山、水は是れ水」。調べてみますと、これは「日々是好日」と同じ、10世紀ころの中国の禅僧で雲門禅師の言葉のようです。
写真は、七里ヶ浜海岸の電線にとまる鳶の姿。鋭い目で睨みつけられました。その目は、「妄想することなかれ、余計なことを考えなければ、澄みきった心でいられるよ」と言っているようです。最近妄想癖があるように見られますが、自分では創造性豊かにモノを見るようにしているつもりですが、その想いが妄想かもしれませんね・・・。
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