今期のワインはヴィーニョ・ヴェルデ地方のワイナリー”カーザ・ド・ヴァーレ”の白ワインです。17世紀に建てられたマナーハウス(貴族の館)カーザ・ド・ヴァーレは、ポルトガル語で「谷の家」を意味し、この白ワインはブランド誕生20周年を記念した特別ワインです。ブドウの品種はおなじみのアルヴァリーニョ。樽を使用して造られ、カタログには果樹の凝縮感と樽の複雑味と表現されています。樽醸造のせいか色味は少しそれらしく、喉を通る時に渋み(苦味)を感じましたが、飲み進むうちに深みのある味わいが好きになりました。定価は1,650円(税込)ですが値打ちのある1本です。
さて今回はREEFER(定温コンテナ)について。毎度ポルトガルワインを買っている店メルカード・ポルトガルは、ポルトガルのワイナリーからワインを直接仕入れ、それをREEFERで日本に輸入しています。ヨーロッパからの船便では輸送期間が5週間位かかり、地中海からスエズ運河を抜け、赤道直下のインド洋を通り、シンガポールなどを中継して日本にやってきます。常温コンテナであれば赤道直下の高温状態に長時間晒されれば当然に品質は劣化してしまいます。最近はREEFERで運ばれてくるワインが増えていますが、船賃が高くなるため3,000円以上のワインでないと安心して飲めません。これまで20本以上のポルトガルワインを飲んできましたが、その価格は1,200円位から高いものでも2,000円位。それでも殆どハズレがありません。その理由を考えてみますと、一つはワイナリーの素性がはっきりしていること、直輸入かつワインの輸送もREEFER(定温コンテナ)で品質が安定していることではないでしょうか。この店となんら利害はありませんが、この密かな楽しみに満足しています。