人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

再開された『麒麟がくる』を視聴する

2020-08-31 08:16:33 | 日記

昨日、久しぶりに再開された『麒麟がくる』をみました。新型コロナ対策が本格化した3月から起算すれは今日で半年ですが、一つでも、いつもある当たり前の世界が戻ってくることはありがたいものです。

さて本題です。冒頭のシーンで明智光秀が粗末な部屋で机に向かい懸命に本を読んでいます。当時では当たり前ですが、頁には漢字がびっしり、難しそうな本です。一瞬でしたが、読んでいる書籍の名前が映されました。なんだと思われますか?そうです。鎌倉の歴史を学ぶものなら誰でも目にするあの『吾妻鑑』でした。この際、本当に当時の明智光秀の手元にあったのか?などという野暮なことは申し上げません。この時期の明智光秀は越前の国に暮らしていた浪人です。これから足利将軍家のもとで働き、織田信長の家臣となり、一大名に昇りつめていく人です。その主人公がともかく歴史を学ぶために選んだ書が『吾妻鑑』。真偽はともかく、鎌倉で中世史を学ぶものとしては、このことを取り上げない訳にはいかず、このブログとなりました。

写真は明智光秀がいたかもしれない岐阜県の明智町(始発は恵那駅)まで走る明智鉄道です。

 

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鎌倉ゆかりの作家 --川端康成ーー

2020-08-30 11:19:31 | 日記

今日は鎌倉文学館に源実朝の歌碑(641 大海の・・)があるということで取材に出かけました。また特別展は昨日から始まった小津安二郎展です。そして鎌倉ゆかりの文学者を紹介するビデオで、たまたま川端康成の『山の音』を紹介する映像が映っていましたので、思わず見入ってしまいました。そしてこれも先日読んだ小林秀雄の『無常という事』のなかに川端康成との思い出話があったのを思い出し、このブログとなりました。長いですが、その一文を抜き出してみます。

・・・。又、或る日、或る考えが突然浮び、偶々傍にいた川端康成さんにこんな風に喋ったのを思い出す。彼笑って答えなかったが。「生きている人間などというものは、どうも仕方のない代物だな。何を考えているのやら、何を言い出すのやら、仕出来すのやら、自分の事にせよ他人事にせよ、解った例しがあったのか。鑑賞にも観察にも耐えない。其処に行くと死んでしまった人間というものは大したものだ。何故、ああはっきりとしっかりして来るんだろう。まさに人間の形をしているよ。してみると、生きている人間とは、人間になりつつある一種の動物かな」(「文學会」昭和十七年六月号)

作家や評論家という人たちはこういう見方をするものだと、凡人の私には分からない世界です。どうして川端康成の名前がでてきたのか、「笑って答えなかった」というのは、小林秀雄の考えに同意したのか、反論したとすればこの一節はなかったに違いないなどと、いろいろ思いをめぐらしてしまいました。川端康成が亡くなったのは昭和47年4月16日。自殺でした。この作品から30年後なので、思い出して命をたったとは思えませんが、芥川にしても太宰にしても作家の多くは短命です。みんな早く人間になろうとしたのでしょうか・・・。

今から80年近く前の小林秀雄の書いた文章から、半世紀前に自殺した川端康成の事を思い出したわけですが、新型コロナ対策の外出自粛であれこれ考える時間が増えたせいかと思います。安倍総理も病には勝てませんでした。「禍福は糾える縄の如し」「災い転じて福となす」「人間万事塞翁が馬」などの言葉がありますが、ここで生き方をスローダウンするいい機会かと前向きにとらえています。

なお写真は長谷の川端邸です。

 

 

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蓮華(中尊寺ハス)について

2020-08-28 20:05:41 | 日記

蓮華とはハスの花のことですが、花は7月が最盛期で、8月も半ばを過ぎますとちょっと時期外れでしょうか。実は今日届いたタウンニュース(鎌倉版)で「中尊寺ハスが開花 昨年、平泉町から寄贈」という記事を見つけました。内容は、昨年鎌倉市は市制施行80周年を迎えましたが、そのお祝いに中尊寺のある平泉町から寄贈されました。このハスは源頼朝によって滅ぼされた奥州藤原氏4代泰衡の首桶からその種子が発見され、開花に成功したもの。今は鎌倉歴史文化交流館で育てられ、この8月10日に一輪だけ咲きましたと、紹介されていました。

ただこれだけならブログにする必要はないのですが、実はこの中尊寺ハスを2009年7月3日に見学しておりまして、その時、下手な短歌を一首創作しております。

  泰衡が残した種がいまに咲く義経(ぎけい)が思いいかばかりかな

11年間ずっとお蔵入りしていたものが、まさかこんな形で表に出てくるとは・・・。藤原泰衡に殺された義経、その泰衡一族を滅ぼした源頼朝、その供養のために建てたのが二階堂にある永福寺。11年前には鎌倉でガイドをするなんて思ってもいませんでしたが、なんとも不思議なご縁です。

さてもう一つ。蓮華についてです。最近、華厳・華厳経について調べているのですが、なかなか理解が進みません。蓮華といえば、奈良の大仏は蓮華座に座っておられます。その意味すらよく分からないのですが、『華厳経』のなかの「廬舎那仏の章」に蓮華蔵世界が出てきます。木村清孝著の『華厳経入門』には、蓮華蔵世界とは廬舎那仏が菩薩であった時代に自らの請願とそれにもとづく実践とによって浄化し美しくつくり上げた世界であり、幾重もの風の渦と大地の層、およびその上の大海とに支えられて屹立する大蓮華の中に位置します。とあります。華厳の宇宙観・世界観を蓮華、ハスの花に見立てているわけです。廬舎那仏は釈迦牟尼のことですが、その修業の地インドの人々はハスの花が好きだったようです。

写真は中尊寺ハスではありませんが、開花した時に花托(かたく)が金色になります。幾重もの花弁にまもられ、光が差した瞬間にはこの世とは思われぬ、別世界が広がります。中尊寺ハスは来年は永福寺跡で見学できるかもしれません。是非訪ねたいものです。

 

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実朝を識る --平成の実朝論ーー

2020-08-24 08:40:26 | 日記

大正時代の坪内逍遥からはじまり、昭和の太宰治、小林秀雄、大佛次郎、吉本隆明と各時代の実朝論を見てきました。この「実朝を識る」シリーズもいよいよエンディングで、坂井孝一氏、五味文彦氏がそれぞれ書いた『源実朝』により平成の実朝論を考えてみました。両氏のアプローチで共通しているのは『吾妻鑑』の記事をベースにし、それを『愚管抄』等京都人の書いた日記で検証し、『金塊和歌集』の歌で実朝本人の心の動きを探ろうとするものです。ご存じ通り『吾妻鑑』は北条氏が創作したものですから、その内容をすべて鵜呑みにするわけにはいけません。そうすると『現代語訳 吾妻鑑』を編著し、その内容を熟知している五味文彦氏の『源実朝』がお薦めかもしれません。

では論点を私のなかで未解決の3点に絞ります。一つ目は唐船建造による渡宋計画の真偽。二つ目は異常な官位昇進の背景、最後は公暁の実朝暗殺における黒幕の存在についてです。

最初の唐船の話ですが、これは両氏とも史実そのものは否定していませんが、創作と事実が混ぜごぜのようで、ほんとうはどうなのか?という私の疑問は解決しませんでした。円覚寺正続院前にある佛牙舎利塔の存在が引っ掛かります。実朝渡宋の願いは事実だと思いますが、唐船の建造は創作であるというのが、私の考えです。

二つ目の異常な官位昇進の話は、最後の公暁の動きとも絡みますが、実朝の後継者として後鳥羽上皇の皇子を希望した実朝、政子、北条氏の一連の動きとして捉えています。我が子を将軍とする後鳥羽上皇の思いからすれば、実朝を出来うる最高位にしたかったのでしょう。

また公暁にすれば、将軍になるという一縷の望みも絶たれたのですから、その思いは如何ばかりかと思われます。また最後の公暁による実朝暗殺の黒幕についてですが、公暁による単独犯説が有力のようです。私が以前書いた北条泰時黒幕説は妄想すぎましたか・・・。

五味文彦氏は『源実朝』の《おわり》で、実朝から影響を受けた人物として北条泰時の存在に触れています。我が意を得たり。私がいま最も注目する人物です。ただ本人に関する資料が少なく、その人物像がベールに包まれていますが・・・。もう一人は、写真の京都大通寺にいた実朝の妻、本覚尼についてです。長寿の人でその存在が気になります。

 

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どこでも羽化?!

2020-08-21 10:38:20 | 日記

妄想シリーズ第2弾。

写真は拙宅の雨戸のところで羽化したキアゲハを写したものです。どこから来たのか、どうして地上から1.5m位の高さのあるこの場所を選んだのか、妄想は膨らむばかりです。とは言っても、見ている間に無事に飛んでいきました。記憶をたどると、庭の植木鉢にパセリが植わっており、そのパセリを懸命に食べる緑色の幼虫がいて、突然にいなくなったのが数日前。カラスにでも食べられたのかと、ちょっと気の毒に思っていました。その幼虫と同じ個体か?しかし植木鉢から、羽化したこの場所までは20m近くありますので、幼虫が自力で移動したとは思えません。植木鉢の近くに止れる木はいくらでもありますし・・・。なんとも真夏のミステリアスな出来事でした。

7月中は連日雨。8月になってからは連日の猛暑日。全く極端な気候で想定外のことが多すぎます。ニュースをみれば、熱中症の死亡者数が新型コロナの死亡者数より多いと言う異常事態。去年までは自宅にクーラーのない高齢者は、朝から冷房の効いた公民館、図書館、ショッピングセンター、病院などで涼んでいました。今年は三密回避のためベンチを撤去するところも増えていますし、人込みをを遠慮し、自宅に閉じこもっている方も多いはずです。今朝のニュースで新型コロナ対策の方向性が見え始めているという専門家の見解が示されていました。新型コロナのために外出を遠慮して自宅で亡くなっては本末転倒の話。もっといま何が必要か?行政やマスコミなどはしっかり行動してもらいたいものです。

自宅の全く意外な場所から、一つの命が巣立っていきましたが、キアゲハの羽化でついつい妄想が膨らみ、愚痴っぽくなっています。暑さのせいですね・・・。

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