新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

航空機じゃなくて鉄道で追跡する方法(新型インフルエンザ 濃厚接触者)

2009-05-09 23:08:32 | 政策提言/政策への疑問

今回の成田のケース、今朝の記者会見で航空機内の座席図も公表され、濃厚接触者もきちんと把握されています。 航空機はこれが可能です。

将来、日本国内で拡散初期、これが鉄道だったらどうなのか。2003年SARS@北京、疫学追跡が定着してからは、患者が乗った列車番号、号車番号が発表・報道されて、周囲の人は申し出るようになっていました。

しかし、日本の頻繁に走り回る電車ではほとんど不可能・・・と多くの人々が思い込んでいます。後に否定された擬似例の報道でも「地下鉄で移動」と、もうそれだけで追跡不能の書き方でした。しかし、今から、国民にある習慣を定着させれば、これはある程度まで(もちろん航空機のようにはいかんですが、ある程度)可能になります。

管理人の提案は、

電車に乗ったら、その横っ腹あるいは車端部上部に書いてある数字の並びを覚える(メモする)習慣を咳エチケットの広報に準ずる熱意をもって国民に定着させるのです
あの記号がわかれば、鉄道会社にデータ出させれば、何時何分発の何両目なのか正確に追跡できます。
たとえば、今日、管理人が大学から自宅に帰るのに、最初に乗ったローカル線には「クモハ103-3503」と書いてあり、次に新幹線には「521-7003」と書いてありました。
これがわかれば、「○時○分発○○行きの○両目に乗ったか」までばっちり特定できます。

これは、首都圏のような、高頻度で電車が来る場所ではもっと威力を発揮します
たとえば山手線で感染者がいて、濃厚接触者に呼びかけたいとき、それを報じても、自分が乗ったのが18時01分発か03分発か05分発かわかる人はそういないでしょう。 あの長い編成のどこらへんに乗っていたかもなかなか・・・ でも、上記習慣が人々に定着していれば「東京18時頃内回り、モハE231-501に乗っていた人は申し出て下さい」といえばドンピシャ1両に絞り込めます。次にモハE231-501と書いてある電車が来るのは2分後じゃなくて1時間後!何両目かもズバリ特定! あるいは、車掌が車内放送に追加して、「この電車は山手線内回り、ご乗車は501編成です」と編成番号を連呼するようにすれば、それプラス自分で号車番号を覚えておけば同様にドンピシャ1両に絞り込めます。
 電車の記号を(あるいは車掌に連呼させた編成番号と号車番号を)覚える・メモすることを「新型インフル対策乗車エチケット」として政府・鉄道会社・マスコミ一丸となって定着させる。

 国交大臣も、舛添さんに怒られるだけじゃつまらない(注:JALがなかなか乗客名簿ださなかったカドで記者会見で怒った)ですから、ぜひ、この強力疫学追跡補助ツール提案でもって見返していただきたいものです。

 

 

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パナソニックの動きに反対します

2009-02-10 09:41:11 | 政策提言/政策への疑問

「パナソニックショック」という言葉がマスコミに広がりつつあります。

とりあえず日経HP↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090205/185109/
日系駐在員に「パナショック」

鳥インフルエンザを理由として駐在員の家族を日本に帰国させる・・ということをパナソニックがやっている。中国に限らずアフリカ、アジア、鳥フル発生国以外も・・ということのようです。

管理人は、本職、精神科教授の立場からこれに反対します。
海外赴任というのは国内勤務には無いストレス要因が山積します。
異文化適応過程、また、現地人間、日本人の間、対応しなければならない事は山ほどあり、その不規則な生活の中で家庭でのひとときというのが貴重な瞬間です。
異文化の中で、異なる言葉、異なる思考様式、もみくちゃにされて帰宅し、奥さん子供の顔を見て以心伝心のコミュニケーションに包まれる瞬間を取り上げる・・これは何年後か社内的に大きなしっぺ返しが来ます。

 管理人は、外務省医務官として色々な国で色々な在留邦人を見てきました。単身赴任を本当の意味で楽しめる人ももちろんおりますが、そうでないケースも数々。
アルコール依存症の発生、気分障害(うつ)の発生、カラオケ店での現地女性とのトラブル(うまく行き過ぎて家庭破壊まで含む)、アルコール関連の悲しい事故・・・
こういう事例、パナソニックともあろう会社が知らないはずないと思うのですが、こういうメンタルヘルス危険因子を考えない、お粗末なことやる会社は人心の離反を招き会社の屋台骨までゆらぐでしょう・・・で済めばまだしも、ことはもっと重大。

パナソニックともあろう会社がこういう雑なことをやれば、それに倣う会社が続発する恐れがあります。今から計画すれば実現は春以降、鳥フルシーズンもほぼおさまった後。客観的に医科学的に何も理由ないのに家族は無理やり引っ剥がされ、後に残ったのは士気の低下と能率低下と事故トラブルの山とメンタルヘルス体制再建へ膨大な手間・・という会社が累々と発生するのではないか。

そんな危惧をもちます。

パナソニックの取締役会のみなさん、あなた方が”無難・事なかれ”と考えて挙手されたであろう方針は、メンタルヘルス上深刻な結果を社の内外で招くでしょう。アルコール依存症の発生、気分障害(うつ)の発生、自殺、アルコール関連の悲しい事故・・

管理人の提言は、これを「命令」「強制措置」でやるのではなく、各家庭に選択肢を与えることです。 現在の医科学的にはそれを要さない状況であっても、必要以上の不安感をもつ主婦層の存在、というのは年始から北京でのストーリーでも観察されています。場合によっては一時帰国が”抗不安薬”として作用するケースもあるかもしれません。逆に”ストレス促進薬”になるケースは多いでしょう。選択権の付与は必要条件と考えます。

また、他企業の取締役会の皆さんには、よく考え、頭をもう2回転3回転されることを提案します。

<パナソニック関係の皆様へ>
管理人は前職時代、SARS禍直後の北京へ視察に来られた(当時 松下)健康管理関係の方々とお話させていただいたことがあります。 少なくとも管理人の印象は、ヘンな事する人々という印象ではなかった(ポジティブな感じを抱いた)と記憶しています。 あるいはひょっとして、上記報道内容の方が事実関係どおりじゃないのかな? という思いも1%ぐらいあります。
 もしそうでしたら、あるいは、主張がございましたら、当ブログは大きな耳を持っております。 そのままコピー&ペースト にて紹介させていただきますので、冒頭公開のopinion@zav.att.ne.jp までお寄せください。

 


 

 

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精神科医療現場の新型インフルエンザ対策を!

2009-01-27 00:57:54 | 政策提言/政策への疑問

 町田の集団感染に続いて、茨城でも精神科病院での(ヒト)インフルエンザ集団感染の報道です↓。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090126-OYT1T00836.htm

 

実は管理人も今、ある精神科病院の当直室にいます。ヒトゴトじゃありません、はっきり言って。

 インフルエンザ対策において、精神科病院には他の病院にはない難しさがあります。新型インフルエンザにおいても厳しいディスカッションをしなければならない壁があります。それは「精神障がい者の人権」です。昔々、いくつかの不幸な歴史がありました。精神科医療者、当事者、学会、家族会、マスコミ・・・カンカンガクガクの議論を経て、今の精神保健福祉法として結実しています。 そこには、「開放的処遇」をしなければならないと明記されています。必要のない拘束をしてはならない。必要のないのに閉鎖病棟で鍵の向こうに置いてはならない。必要のない外出・外泊制限をしてはならない。

 つまり、急性期精神症状が落ち着き、興奮がなくなってこれば、外出は自由に出来な「ければならない」のです。 で、インフルエンザシーズン、街へささやかな楽しみに出かけ、インフルエンザウイルスを土産に(発熱が始まる前に)病棟に戻ってくる、そして院内で拡大してしまう・・という可能性がどうしても発生する。もちろん、それに備えてしっかりワクチン接種をしますが、、、。世間ではインフルエンザが流行っているから(興奮などの症状が治まっているにもかかわらず)外出しちゃダメ! と制限すると、不服申し立て→精神医療審査会の出番!ということになります。いや、精神医療審査会がら言われるからじゃなくって、長い歴史を経て確立した人権を考えれば、自ずと制限できないんです。

 この点、新型対策でも検討しなければならないのですが、検討すすんでいるという話は聞こえてこない。

 昨年、管理人は精神科医療現場における問題点を論文にし(幸い、査読はすんなり通していただけて・・感謝!)発表しています。

<o:p> </o:p>

勝田吉彰:精神科領域における新型インフルエンザ対策. 精神科治療学 23:908-911, 2008

<o:p> </o:p>

元原稿からペーストでちょっと見にくいですが

http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/ba88203a564e560cfc4f75edfefccc39

http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/781965f38eca58b9427edfc7b92e67be

http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/33b7f5a376a23cd7d9045ba2c4399927

http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/cb418e797631c52aca03e370e8a67148

http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/7750375fd3e9f071549b4cee1f980c00

に全文アップしています。

コピーご希望の方は冒頭公開のアドレスにお申し越しください。

<o:p> </o:p>

 今回の2事例をきっかけに、新型インフルエンザに向けた対策検討がすすむことを願うばかりです。


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スピリチュアルケアも忘れずに(新型インフルエンザ パンデミック)

2008-11-21 23:16:05 | 政策提言/政策への疑問

カナダのwaterloo地区発コメント。

*パンデミック対策の中心は医療ケアと拡大予防であるのは言うまでもない。

*しかし、「人を支える」ことを忘れてはならない。人と人とのつながりが必要である。病気になった人をただ隔離してよいものではない。

*スピリチュアルな、心理的なサービスの提供もwaterloo地区における検討対象で、これまで2年間にわたって計画が練られてきた。来月には完成するであろう。

*牧師・教会関係者は、病気について、死について、恐怖について、その他のストレスについて、どう対処するか考えるきっかけになる。

*子供のケア、食糧、動物のケア、メンタルケアも検討課題。

メンタルケア、スピリチュアルケア、、、まだまだ検討すべきことは山積です。

ソースは11月20日付The record↓
http://news.therecord.com/News/Local/article/446944
Spiritual support part of pandemic plan


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新型インフルエンザ 誰でものめる治療薬を!(続・ワクチン打ちながら考えた)

2008-11-21 10:38:58 | 政策提言/政策への疑問

先のhttp://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/849ad681d4d73ebcb7565781bdfc68be に続いて、非常勤先の病院現場で考えたこともう一つ。

私の受け持ちのおじいちゃんは、「被毒妄想」の症状があるから、なかなか薬をのんでくれないということは紹介しました。でも、こちら側(私よりむしろナースのみなさんの功績大)から、根気よく努力を続けると報われることもある。血圧の薬なかなかのんでくれませんでしたが、粉砕して粉にしてみたり、いろいろ工夫してこの頃では血圧もまあ何とか安心できる値になってきた。

で、本論
「インフルエンザ治療薬に誰でも服める工夫を!」と提言したいのです。

パンデミックに向けて、抗インフルエンザ薬は、「国民みんなの命を守る薬」としての位置づけになります。「国民みんなの」ということは、この、私の受け持ちの被毒妄想のおじいちゃんも含む、病識がないケースも含む、理解力に至らない子供も含む。あらゆる人にのんでいただける工夫を考えてほしい。

 たとえば、抗精神病薬は、「薬をのみたくない人」にのんでいただく工夫を、それこそ必死に考えて開発されています。 無味無臭の水薬(リスパダール)、錠剤を口に入れるや否やサッと溶けるOD錠(ジプレキサ、抗認知症薬のアリセプトD錠も)・・・ でも、そういう努力がなされていない分野の薬、たとえば降圧剤などでは現場が苦労するのです(粉砕して粉にしたり、半年がかりの説得で何とかのんでもらえるようになったと↑で書きましたが、パンデミックの新型フルではもちろんそんな猶予なし)。

抗インフルエンザ薬もしかり。 パンデミックで全国民を守る使命があるなら、のむ意思があるなしにかかわらず、ちゃんとのめる工夫をすべきと思います。 OD錠や味の良い液剤、を。


現状はといえば、たとえばタミフルの子供用ドライシロップ、あれのんでみた事ある人(製薬会社に)いるのでしょうか。ひとくち口に含んだだけで吐き出しそうになるあの劇的苦さ! まともな子供ならみな嫌がってしまう。私も前職のとき、コーラを混ぜてみたり工夫試みたけれどお手上げ、降参。

パンデミックで生きるか死ぬかのときに、
親「のみなさいっ! 今度のインフルエンザは死んじゃうのよっ!」
子「いやだいやだ!! こんなのいやだ!!! ぶうぅぅぅ(吐き出す音)」
なんてやりとりが懸念されます。

富山化学のT705。 期待をになって開発中の「日本製」抗インフルエンザ薬。 富山化学のみなさんには、日本人の繊細さを大いに発揮して、子供が喜ぶ菓子に負けない味を、被毒妄想症状があっても警戒感少な目の優しい剤形を、OD錠を、水薬をつくっていただきたいと思います。 その、”日本発の繊細さ”は世界市場にもアピールするのではと思います。


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「インドネシアの17人」騒動を振り返って(新型インフルエンザ)

2008-11-20 09:34:45 | 政策提言/政策への疑問

昨日の未確認情報(インドネシアの17人OKかも??) http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/fdd6e2365f60beaa7afaa872a16e41ae のソース、beritamakassar↓
http://beritakotamakassar.com/view.php?id=21492&jenis=Halaman_Utama
でした。

Rabu, 19-11-2008 
17 Pasien Suspect Negatif Flu Burung

現地語で書かれていますが、fluwikiにアップされていた英語訳によれば、ジャカルタのPenelitian Dan Pengembangan Kesehatan Laboratory (Litbangkes) に送られた17人の検体はすべて陰性との結果が出たとのことです。

ほっと安心です。

今回の「インドネシアの17人」の件では、前回北スマトラの時に比べて、日本国内の反応もより鋭敏になったかなという感じがしました(管理人にいただいたメール、当ブログアクセス数の伸び、他のML書き込み等を総合評価)。
 これらの反応・フィードバックから、何となく感じられたのは 恐れとともに「否認」の心理機制でした。「否認」の心理機制とは、認めたくない、不都合な現実に直面したとき、それを心の中で否定、ないものにしたい・・という心の動きです。

たとえば、癌の患者さんが癌の告知を受けたとき、「えっ!そんな・・ いやいや、この医者がヤブで間違えよったんやろ。そんなはずはない! ないやろ・・ないかも・・ないことを希望する・・」 と、頭では(癌と)わかっているけれど、心で納得できない状況。

スイスの精神科医キュブラーロスは著書「死の受容」の中で、癌を宣告された人の心の動きは、この「否認」から「怒り」→「取引」→「抑うつ」→「受容」と表現しています。

今、世間は、「新型インフルエンザ」という64万人亡くなる怖~いモノがやって来る・・という知識は何とか行き渡り、つまり、頭ではわかってる状態。ここで、新型フルの発生がドン!と入ってきたら、最初は「えっ! 大変や。でも、そんなことないかもしれんやろ、なかったら良いんやけど」と否認の心理機制的な心の動きが来そうなことが、今回の「17人騒動」でわかりました。では、(今回はシロだったから確認できないけど)その次の動きは「怒り(暴動が起こる?)」→「取引」→「抑うつ」→「受容」とすすむのか、こういうことも頭の片隅に置きながら社会不安対策をかんがえなければならないのではないか。 これが今回の私の考察です。


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ワクチン打ちながら考えた(新型インフルエンザ・パンデミックワクチン)

2008-11-19 10:14:32 | 政策提言/政策への疑問

昨日は非常勤先の病院でインフルエンザワクチン接種日。

あらかじめ渡してあった予診票を確認しながら希望する受持ち患者さんたちに手際よく注射してゆきます。

でも、どうしても首を縦に振らないおじいちゃんがいます。65歳以上だから市役所から補助が出てタダになるのですが、fluのこと、ワクチンの意義、手をかえ品かえ説得でもガンとして・・「ウォッチング日記管理人」も歯がたたず敗退(苦笑)。
 このおじいちゃんは、「被毒妄想」の症状があるのです。薬には毒が入っている。注射には毒が入っている。 時に食べ物にも・・・ 妄想症状たって何ら特別な話じゃありません。カゼの患者さんが咳するのと一緒。食中毒の患者さんが下痢するのと一緒。 
 このおじいちゃん、実は血圧も高くて降圧剤が必要なんですが、なかなかのんでくれなかった(看護師さんの目の前で口に入れるけれど、トイレに行って吐き出してしまう)。 でも、錠剤をすりつぶして粉にしたり、毎週毎週、雑談もしながら関係もつけてあれこれあれこれで1年がかりで何とか血圧管理できるようになってきました。長~い努力が実ることもあるのです。 あるいはひょっとしてfluの流行終わることにこっくりうなずくのかな・・

で、本論。
パンデミックになり、パンデミックワクチンも全国民分完成した暁には、こういうケースはどうするか、これも議論しなくてはと思うのです。あくまでも意思尊重でゆくのか、何らかの強制接種できる法的根拠を整えるのか。。。 


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咳エチケットの訓練を!

2008-10-26 15:26:32 | 政策提言/政策への疑問

私の大かぜもなおり、今回は教訓ひとつ。
咳エチケットは要訓練、今から徹底を!

米CDCが出してる咳エチケットのポスター。
日本でも、外岡先生HPの表紙にパッと出てきますから、新型フルウォッチャーはみんな知っていますね。英仏露中国語はじめベトナム・クメール語といったマイナー言語までいろいろありますhttp://www.health.state.mn.us/divs/idepc/dtopics/infectioncontrol/cover/hcp/hcpposter.html

で、世界中の人々が目にするこのポスター、でもその内容は要練習。 左上の絵はハンカチ/ティッシュを鼻にあててくしゃみしています。 これ、慣れないと間に合わない。 私の場合、ハンカチは左尻ポケットが定位置ですが(元々は左尻ポケット=財布、前ポケット=ハンカチでしたが、95年にローマの地下鉄でスリにやられて以来、逆転した。以後、財布は変われどハンカチは動かず)、のどがイガってから左手をおろす→尻ポケットに突っ込む→ハンカチ引っつかんで鼻へ のプロセス終了は咳が出た後。2日間ほどコンコンやってくうち間に合うようになりました。

つまり、このポスターを見て「頭で理解」してもダメ、新型フル講演なんかで2~3回練習させても(意味はあるけど)十分じゃなく、会社・学校etc社会のあらゆる場面で、咳をする人はエチケット厳守を実力行使ででも強制してゆく・・ということを今からでもやってゆく必要があるのではと、そんな事を考えていました。

咳エチケットが普及するしないで、「社会に飛び散る飛沫感染のモト」は格段に違ってくるわけですから・・・


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医療現場のメンタルケア体制の検討を!(パンデミック)

2008-08-22 11:41:01 | 政策提言/政策への疑問

少し以前になりますが、1月24日付けパンデミックに挑む@日経にWHO進藤氏のインタビューが載っています。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/flu2007/pickup/200801/505354_3.html
その中で、SARSのときに同僚の死に動揺する進藤氏に対し、WHOがきちんとしたメンタルケアをおこなったことが紹介されています。まわりがカウンセリングをするよう勧め、上司が休むようアドバイスをする・・先進国スタンダードのきちんとした事が行われています。

日本にパンデミックが入ってきたとき、日本の医療現場に対して、このような先進国スタンダードのきちんとしたケア・サポートがなされるでしょうか。
 私的に懸念するのは、きちんとしたメンタルケアがなされるに十分なメンタルケア人材が圧倒的不足状態なことです。

私が勤務する兵庫県内でも、公立病院精神科の外来受入れ制限や、精神科病院の勤務医不足のニュースには事欠かず、産婦人科・小児科の次にきそうな惨状です。ここで、SARS流行時のWHO進藤氏のような状況になる医療現場の人間をメンタルサポートして先進国スタンダードのことがやってゆけるのか、悲観的にならざるを得ません。

トラウマケア・グリーフケアの出来る専門医を養成することは緊急の課題であり、世論の盛り上がりを期待するものです。


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大野病院事件に想う(新型インフルエンザへ連想)

2008-08-21 17:56:18 | 政策提言/政策への疑問

今朝の報道各紙、大きく載っていたのが大野病院無罪判決。

あの逮捕事件(身を削り最善を尽くした医師に手錠をかけた事自体が事件)が起こったとき、私は北京にて在勤中。それに先立つセネガル・仏・スーダン勤務と計12年間で”浦島太郎状態”だった私が打たれた衝撃は誇張でなく”雷で打たれた”ものでした。当時、在外公館を職場としていた私は、某MLに「最善の努力を払い外交交渉に臨んだが、相手国に一歩利益をとられた・・のを理由に警察が土足で踏み込んできて外交官に手錠をかけ連行してしまう・・それに等しいことが祖国で行われている!」と書いたことがいまでも鮮明に覚えています。そして、当時北京に駐在しているいかなる国の大使館医務官たち(米・独・仏・加・・大使館)にも、祖国で展開している「最善を尽くした医師に警察が踏み込んできて手錠をかける」事件を説明のしようもなかったことも覚えています。海を隔てた北京の地では出来ることは限られ、MLの情報にしたがい署名をし、手持ちの少ない日本円を封筒にねじり込んで義援金を送ったことぐらいしか出来なかったのですが・・

 今、2年半の歳月を経て、何とか裁判所が、先進国の人間に対しても説明可能な判断を出してくれて一息です。

報道各紙の社説もおおむね好意的ながら、医療崩壊を加速させてしまいお産難民大発生させてしまった結果を考えたとき、私としてはもう一息「冤罪事件並み」の非難はしてほしかったような気もします。
報道で一味違って目を引いたのは、産経が裁判所幹部からとってきたコメント。27面連載「医療と刑事捜査ー上」で「文科系と理科系のエリートたちの互いへの不信感が全面対決した構図だな」と・・ 敵意をむきだしにする検察官がいるとか・・

前置きが長くなりましたが、ここから本論新型インフルエンザの話。

ヒトーヒト感染が日本でも始まり(フェーズ4ぐらいの初期)、浮き足立った受診者が押しかけて病院の機能を上回ってしまったとき、あるいは、発熱外来受診が指定される発熱患者が、新型インフルエンザ医療体制の整っていない医療機関にやってきて「われ、つべこべ言わんとちゃんと診んかい! わしゃ、いつもの下痢の熱や!!」来られた時、診察室に通さなかったら・・ ここで問題が出てくるのが「応召義務」というやつです。基本的に断ることが出来ない・・ でも、体制がないから受けられない・・ 「応召義務は果たせない」・・
 あるいは、人工呼吸器が3台のところに4名の重症患者が入ってきたときに・・ 

 ここで「使命に駆られた文系エリートの暴走」を抑えられる仕組みを整備しておかなければ、それこそ日本各地で混乱増幅の輪が展開してしまいそうな気がしています。


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