新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

医療現場のメンタルケア体制の検討を!(パンデミック)

2008-08-22 11:41:01 | 政策提言/政策への疑問

少し以前になりますが、1月24日付けパンデミックに挑む@日経にWHO進藤氏のインタビューが載っています。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/flu2007/pickup/200801/505354_3.html
その中で、SARSのときに同僚の死に動揺する進藤氏に対し、WHOがきちんとしたメンタルケアをおこなったことが紹介されています。まわりがカウンセリングをするよう勧め、上司が休むようアドバイスをする・・先進国スタンダードのきちんとした事が行われています。

日本にパンデミックが入ってきたとき、日本の医療現場に対して、このような先進国スタンダードのきちんとしたケア・サポートがなされるでしょうか。
 私的に懸念するのは、きちんとしたメンタルケアがなされるに十分なメンタルケア人材が圧倒的不足状態なことです。

私が勤務する兵庫県内でも、公立病院精神科の外来受入れ制限や、精神科病院の勤務医不足のニュースには事欠かず、産婦人科・小児科の次にきそうな惨状です。ここで、SARS流行時のWHO進藤氏のような状況になる医療現場の人間をメンタルサポートして先進国スタンダードのことがやってゆけるのか、悲観的にならざるを得ません。

トラウマケア・グリーフケアの出来る専門医を養成することは緊急の課題であり、世論の盛り上がりを期待するものです。

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