音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

JOSS STONE / THE SOUL SESSIONS

2007年06月19日 | Joss Stone

The Soul Sessions
 殆ど見過ごされてきたマイアミ・ソウルの名曲群がジョス・ストーンという歳若いシンガーによって新しい生命を与えられた。「ソウル・ミュージックの歴史を塗り替える出来事」。そのキャッチ・コピーがはからずも大仰な表現になっていないことは、そのサウンド、歌声を聴けば自ずと納得がいく。

 1987年4月11日イギリスのドーヴァー生まれ。8歳のときにデヴォン州の人里離れたアッシル村に移り幼少時代からデビューする16歳までここで過ごした。到底音楽とは程遠い環境で育ったジョスがソウル・スターとして成功するまでにいったい何があったのか?是非知りたい気がする。 

 それにしてもジョス・ストーンのデビュー作『THE SOUL SESSIONS』は何度聴いても味わい深い名曲揃いだ。古い曲ばかりを集めたカヴァー・アルバムなのに少しも古っぽさを感じさせない出来だし、原曲を尊重しながらもジョス流の新しい解釈によって生き生きと甦った名曲群は、グラミーの常連であり、マイアミ・ソウルの重鎮、ベティ・ライトがプロデュースを行い、ラティモア、リトル・ビーヴァー、クウェストラヴ、アンジー・ストーンなどの豪華ゲスト陣を迎えて製作された。

 アルバムの顔とも言える「FELL IN LOVE WITH A BOY」は原曲が「FELL IN LOVE WITH A GIRL」といって、ホワイト・ストライブスが’02年にリリースした曲をクウェストラヴ率いるザ・ルーツやアンジー・ストーンと共にモダンで、ディープなブルース&ファンクに仕上げている。

 ジョスの歌い方は独特なスタイルだ。歌う時の息継ぎのあいまに聴こえるかすかに舌を鳴らす音があたかも音楽の一部のように聴こえてきたり、曲によってビブラートを巧くつかいわけたり、時折ごつごつした搾り出すような歌声で歌うこともあるのだ。それらがトータル的な音楽として成立しているところがジョス・ストーンの桁外れな凄さだ!


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