ローリング・ストーンズの『女たち』を僕は3枚持っている。最初に買ったLP盤とCBSソニー時代のCDとその後に買ったヴァージンのコレクターアイテムの紙ジャケット盤がそうである。
よもやこの場で自慢話するつもりなどは毛頭ないのだが、CBS時代にリリースされたCDのアルバムジャケットというのがこれまたオリジナル版とは似ても似つかぬデザインであったのがその後に紙ジャケット盤を購入した理由になる。
アルバムジャケットが音楽の重要なアイテムのひとつというのは、いまさら記することでもないと思うけれど、レコードを聴く愉しみは、まさに音楽のイメージを形にしたジャケットのデザインにこそアーティストのメッセージが込められており、だからこそ、音楽とは耳で聴き、目で楽しむ芸術であると思っている。
女たち(初回受注完全生産限定) 価格:¥ 2,500(税込) 発売日:2009-06-24 |
この『女たち』ではシングル曲の「ミス・ユー」が全米チャートNo.1を記録し、ジャンキーだったキース・リチャードがこれまでとは打って変わって意欲的に取り組んだアルバムでもあった。その変わりようを示すかのようにキースは芸名のリチャードを本名のリチャーズに改名、相棒ロニー・ウッドとともに新たなストーンズサウンドの構築に尽力している。
さて、このアルバムにはクレジットされていなかったようだが、ヒット曲「ミス・ユー」で豪快なブルース・ハープを吹いているのが、当時殆ど無名だったシュガー・ブルー(写真上:映像下)というブルースマンであったことはあまりにも有名。
Code Blue 価格:¥ 1,940(税込) 発売日:2008-03-25 |
現在も地道な音楽活動を続けているらしく、昨年にはアルバム『コード・ブルー』をリリースして、ますます脂の乗ったものすごいプレイを見せてくれている。
話は、僕が持っているストーンズの『女たち』に戻るけれど、このアルバムのLP盤はターンテーブルに乗せると、いつ付けたのかわからないが、決まった場所でノイズがひどくなる。何度か聴いているうちに僕の不注意で付いてしまった傷のようだ。
針飛びを起こすくらいひどくはないからずっと我慢して聴いていたが、爾来、僕はレコードはすべてカセットにダビングして、カセットだけを聴くようにしていた。もっとも今ではそのノイズも音楽の一部として共有できる。考えようによっては世界でたった一つの『女たち』でもあるわけだ(笑)。
ちょっと前の話になるのだが、BS熱中夜話の今年1月のラインナップは「ロック黄金時代(60年代、70年代)」だった。おそらくこの番組は過去に放送されたBS音盤夜話の流れを汲むものではないかと思う。MCはビビる大木と田丸麻紀だが、ゲストとして萩原健太なんかが出演していると、BS音盤夜話『レット・イット・ブリード』の回で、ピーター・バラカンや近田春夫それにムーンライダーズの鈴木慶一なんかが、このビンテージ・アルバムについて熱く語っていたのを思い出す。
BS熱中夜話ではほかにもかまやつひろし、ローリー寺西なんかも出演していて、いかにもマニアックといったロック談義を白熱させるのだが、なかでも安齋肇と萩原健太が繰り広げるレコード談義は面白かった。レコードの話になると饒舌になるこのふたりの話に耳を傾け、「僕と同じじゃないか!」と安齋肇に賛同したり、「言われてみるとそうだ」と萩原健太を弁護したり、ジョーダン半分の安齋のトークにビビる大木が突っ込んだり、とても楽しい時間をすごさせてもらった。
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