会社都合で急遽4日間の休暇。
この突然の休暇については、まさしく馬車馬のように働く日々を考えると思いがけなかったのだが、この休みの間は何の保証もないので賃金カットされるから心境はというと嬉しいやら悲しいやら、微妙な気持ちである。
とにかくお盆まで連続で働いたので、日曜から水曜日まで遅いお盆休暇となった。
普段は当り前のように残業が付きものの毎日。
ゆっくりとウォーキングも出来ない状態なので、この4日間は充分歩き通した。
最近では目先のことに追われっぱなしでなかなかブログまでは手が廻らないのだけれど、たまにこんなふうに時間が出来るといつものコースを歩いてブログの記事に思いを巡らす。
夏というと子供の頃は朝早く起きて虫捕りに行ったり、午後にはプールに行ったり、近所の川に釣りに出かけたりして過ごした。
そうして40日間夏休みの宿題なんてそっちのけで遊んでばかりいたけど、学校では教えてくれない様々なことを学んだ。
しかし大人になってからの時間と違い毎日が非常に長く感じられたのはなぜだろう。
大人になると勉強はしない代わりに会社での煩わしい問題に忙殺される。それが心の領域に圧迫をかけている。
楽しいことがふんだんにあった頃に比べ、僕が置かれている状況はとても休暇を愉しむ余裕などないのだろう。
そんなわけで、今回もiPodに収録した音楽を聴きながら歩いている。
発売されたばかりのシェリル・クロウの『100 Miles From Memphis』だ。
なんとなくタイトルをみただけで想像はしていたけど、これほどソウルフルに歌うシェリル・クロウには驚きだ。
帯びには原点回帰の謳い文句が踊っていたけど、これはたぶん彼女の音楽的ルーツを辿った表現に違いない。
彼女の音楽は、デビュー当時からその存在とマスコミの異常とも思える取り上げ方で興味本位で聴いていたけど、本当に気になり始めたのは村上春樹のエッセイ本で彼がシェリル・クロウをベタ褒めしていたからだった。
スティーヴィ・ニックスみたいな個性的なヴォーカリストではないし、ジャニス・ジョプリンのような破滅的魅力もシェリル・クロウにはないけれど、その歌声はいつ聴いても実に若々しい。
それがこのアルバムでは際立っている。
1曲目の「Our Love Is Fading」の軽快なリズムが頭に残ったまま、キース・リチャーズも参加しているレゲエ風な「Eye To Eye」にバトンタッチしていく。
このなんとも心地いい感覚はなんなのだろうか。
そしてソウル丸出しの「Sign Your Name」。
「おや? この曲どこかで聴いた覚えがあるぞ」
と過去聴いたソウルナンバーの数々を頭の引き出しから探してみたけれど、結局思い出せず、ライナーノーツに眼を通すと、テレンス・トレント・ダービーが歌っていたナンバーだと気付く。
YouTubeを検索すると偶然にもこのLiveヴァージョンがヒットしたので紹介しておく。
「Summer Day」はこのアルバム中一番気に入っているナンバーでこの記事のタイトルにも用いた。
クラプトンが歌いそうな白人系ブルースが表題曲にもなっている「100 Miles From Memphis」。
曲終盤はテイラーが在籍していた70年代のストーンズを髣髴させるよな。
全12曲。
最長80分は収録可能なフォーマットを考えると、12曲はやや時代に逆行した感があるけれど、内容がより凝縮されたという意味ではこれが“音楽を聴く”ことの限界点かもしれない。
ラストソングはこのアルバムで最大の目玉となるジャクソン・ファイヴの「I Want You Back」のカヴァー。
これだけは油断しているととても吃驚する。
まるでマイケル・ジャクソンそのものだ。
この声がシェリルから発せられていることにしばし唖然となる。
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