言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

三内丸山遺跡を見てきました

2006年08月21日 | 歴史の話し
青森の三内丸山遺跡を訪れました。
縄文時代の遺跡がこれほどの規模でまとまって出土するのは、本当に奇跡的なことだと思いました。

この遺跡をぐるりと回ると、当時かなり社会的な生活をすでに営んでいたことが分かります。

大型の竪穴住居跡だけでなく、見張り台を思わせる高い櫓、ゴミ捨て場となっていた盛土、道路の跡などが計画的に配置されています。
お墓が、大人の墓と子どもの墓とが分けられていたことにも驚きました。

まだ文字を持たなかった時代です。
もちろん言葉はしゃべっていたでしょうが、文字で記録する術を持たずに社会生活を営むのは困難なことだったろうと想像しました。

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青森の小料理屋で中国の広さを感じました

2006年08月20日 | 旅の話し
青森の旅も最終日になって、とんでもないハプニングに見舞われました。
最終便の飛行機を予約していたのですが、空港に行ってみると真っ白な霧で包まれています。
もしかして、これは…。

嫌な予感は的中。
濃霧により、便は欠航となってしまったのです。
やむなく市内のホテルをとって、青森で一夜を過ごすことになりました。

どうせ泊まるなら地元の美味しいものでも食べたい。
夜十時過ぎにホテルに荷物を置いて、さっそく街をぶらぶらしました。
夜中まで開いている店は少なかったのですが、その中で細々と看板が光っている小料理屋を見つけて入りました。
こぎれいな店内には、カウンターと小さな座敷。
カウンターの一角に陣取ると、ホタテやトウモロコシなど地元の食材を生かした小皿料理を肴に、地元の酒をいただきました。

この店では、中国山西省から来た留学生がカウンターを守っていました。
日本語が達者で、最初は日本人と間違えるほど。
気風がよく、冗談も交えた快活な会話。
笑顔も素敵で、店の看板娘として十分な資質を備えていました。

何でも日本語は、四年前に来日した時から始めたのだとか。
何年英語を勉強してもろくに話すこともできない私は、彼女の日本語を聞いて、やればできるんだと勇気を与えられる思いでした。

ところで、せっかく日本語が話せる中国の人がいるのだからと、さっそくミニ異文化交流を試みます。

中国語といっても、北京語と広東語では雲泥の差があるようです。
ホントでしょうか。
昔覚えた広東語を試してみます。

「一から十まで言うよ。
 ヤ、イ、サン、セイ、ウン、ロク、チャ、パ、ガウ、サップ!…どう?分かる?」

すると彼女は首を横に振ります。
「聞いたことはあるけど、使ったことはない。」

「じゃ、これは? トーチェー!」

再び「分からない」と首をふる彼女。
これは「ありがとう」を表す「多謝」の広東語読みです。
漢字を知って初めてうなづいた彼女は、
「私のところでは、トーチェーじゃなくてトーシェイと読みますね」
と言いました。

なるほど北京語では「謝謝=シェイシェイ」ですね。

考えてみれば、東京から数百キロの青森ですら、方言でしゃべられると意味が分からないことがよくあります。
増してや中国では、町と町が千キロ以上離れていることもしばしば。
北と南では、歴史も文化も全く違います。
言葉も、ネイティブが分からないくらい異なっていても、不思議はありません。

なるほど。中国って広いのね。
と、一人で頷きながら、青森の大吟醸を飲み干しました。

思わぬハプニングで生まれた余分な一泊も、気風のよい中国人との出会いで、ちょっと得した気分になりました。

http://blog.goo.ne.jp/syusakuhikaru/e/1d17b0c050554fce9960efe99a1d6d5b



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ハマナスの咲くころ

2006年08月20日 | 四季
ハマナスという花があります。

 知床の岬に ハマナスの咲くころ 
 思い出しておくれ 俺たちのことを…

この大ヒット曲のせいか、ハマナスといえば北海道が有名ですが、実は青森市の市の花でもあるんです。

ところでハマナシという花を知っていますか?
夏が過ぎ秋が訪れようとするころ、北国の海辺に赤く色づいた実がなるバラ科の植物です。
世界のノバラの中でも最大級の花を咲かせ、すばらしい香りを放ちます。
浜に育ち、梨のような果実をつけるところから、ハマナシと名づけられました。

実は…

このハマナシこそ、ハマナスの本来の名前なのです。
ハマナシの「シ」が東北訛りで「ス」となり、「ハマナス」と発音されるようになり、それが知床旅情の歌とともに全国に知れ渡ったというわけです。

訛った方が全国区の名前に。
これもよくある話しです。




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青森になった日

2006年08月20日 | 歴史の話し
青森市の真ん中に、「善知鳥神社」と呼ばれる社があります。
「うとう・じんじゃ」と読みます。
青森の歴史をたどる上で欠かせない神社です。

青森市は、かつては善知鳥村と呼ばれた小さな漁村でした。

それにしても変わった名前です。
「うとう」という発音も変わっていれば、「善知鳥」という漢字をあてるのも不思議です。

「うとう」という言葉の語源は、様々な説があり、はっきりとは分かっていません。
江戸時代に滝沢馬琴は「陸奥の方言に、海辺の出崎をうとうといふ」と書いています。
また、アイヌの言葉が語源とする説もあります。
u-toのuは場所を示す接頭語、toは沼を意味するので、u-toで「沼のある場所」という意味になる、というものです。
同じアイヌの言葉で、「ウトウ=突起」という語があり、こちらが語源という説もあります。
得てして、こういう古い地名の語源は様々な説が乱立するものです。

不思議な漢字のあて方についてはどうでしょう。
これは善知鳥神社が公式な見解を持っています。

「ウトウ」という鳥がいます。くちばしに特徴的な突起を持ったウミスズメ科の海鳥です。
古代の人々は、このウトウが神意を地上の世界に使わし、人々を善へ導く聖なる使者と考えて、善知鳥の字を充てたというのです。
 
分解すると…

善=徳の究極、すなわち神の意志に叶うこと
知=神を祀ることによって、神より与えられるもの
鳥=予知能力をもち、天空の神々と地上の世界を結ぶ神の使わしめ

となるそうです。

小さな漁村だった割には、ありがたく崇高な名前を持っていたものです。

ところで、この「善知鳥村」が「青森」という地名に変わったのは、十七世紀の前半のことです。

弘前藩二代藩主津軽信枚の時代、江戸に米を送るための港を建設しようということになり、幾つかの候補の中から善知鳥の漁村が選ばれました。
そして1624年に善知鳥村を青森村と改称し開港するという命が出されました。

青森と言う名前の語源は、村の一角に松が青々と生い茂る小高い丘があり、漁船の目標になっていたから、といわれています。
「青い森」というわけです。

「善知鳥」に比べてずいぶんシンプルな命名です。

考えてみれば地名というのは、見知らぬ人にも一目で覚えてもらうことが大切です。
「シンプル・イズ・ベスト」
そう考えれば、青森、という命名はよかったのかもしれません。

http://blog.goo.ne.jp/syusakuhikaru/e/1f3d7ceb37ad49da5c0b9cb53263a58a
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十和田湖、小さな島にも名前が

2006年08月19日 | 言葉
十和田湖は山の木々が湖岸近くにまで迫っていて、湖に沿った道路からですら樹木に遮られてなかなか湖の風景を見ることはできません。
砂浜もほとんどないので、そもそも湖岸に立つことが難しい湖です。
そのため湖を観光する人は、もっぱら所々にある展望台から遠景を楽しむか、あるいは遊覧船に乗って湖上からの風景を楽しむことになります。

私も遊覧船に乗りました。
所要五十分ほどの遊覧船観光は、半島の眺めあり、小島の風景ありで、変化に富んだ湖上の風景を堪能できるものでした。

遊覧船のスピーカーから流れてくる解説を聞いていて、面白いと思ったのは、湖上に浮かぶ小島一つ一つにそれぞれ名前がついていることでした。
島に名前がつくこと自体はそれほど珍しくありません。
が、よく見ると島というより「岩」と言った方がふさわしいような取るに足らない大きさの島です。
しかし昔の人たちは、島の形や、島の上に育つ松の形などを仔細に観察して、それぞれにふさわしい名前をつけてきたのです。

ちなみに写真の手前に見える三角の島が「兜島」。
その奥にあるやや平たい島が「鎧島」です。

兜島は、確かに武士の頭にのせる兜に形が似ています。
しかし鎧はどう見ても鎧には見えません。
おそらく「兜島」を命名した後に、その隣に対照的な形の島があったので、言葉としても対照的な「鎧」の名をつけたのでしょう。
二つの島で一つの意味をなすように名づけたわけです。

その他、「恵比寿大黒島」「烏帽子島」「蓬莱島」などなど、決して大きくはない島々にそれぞれに工夫された名前をつけていく…。
その丁寧な感性に、何だか嬉しい気持ちになりました。

http://blog.goo.ne.jp/syusakuhikaru/e/5f8e88644e10bb925d0d2e4a29c8eac3

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