風 信(かぜのたより)

海風に乗せて

点名「洗足谷山」

2009-11-16 | 三角点など

洗足山 09.11.15 用瀬

日曜日に一等三角点「洗足谷山」を見に鳥取市用瀬町の洗足山に上がってきました。
洗足山への一般の登山道は整備されていないので、
どこから取り付くか、まずは地図を眺めながらの思案です。
「点の記」には金屋地区からのルートが記されていますが、
地形も複雑で行程も長く、おまけに薮も深そうな感じです。

色々検討した結果、千代川沿いの鳥居野から赤波川の板井原に越える
古い峠道を利用することにしました。
峠道は洗足山の南側を通っているので、
峠から主稜線をたどっていくルートが分かりやすく楽そうです。

廃村となっている用瀬町の板井原から上がることにして、
村の奥にある神社跡まで行くと、
予想通り神社脇から谷筋に沿って小道が続いています。
杉林の中のこの道を上がっていくことにします。
谷奥でその小道も不明瞭になったため、植林帯を直登して主稜線にでました。

主稜線は、主に西(千代川)側が落葉樹林、東(赤波川)側が植林帯で、
所々に大きなアカマツやゴヨウマツ(ヒメコマツ)が生えています。
主稜線からは薮漕ぎも覚悟していたのですが、下草や笹もまばらで、
良く見ると、かすかな踏み跡や目印の赤布もついています。
板井原から山頂まで1時間15分でした。


洗足山山頂 09.11.15

洗足山の山頂部は、地形図で見るとおり三つのコブというかピークがあり、
独立標高点の置かれた中央のピークが一番高く743mです。
一般的には、一等三角点の置かれた北側のピークが山頂とされているようです。
確かに、中央のピークは木立の中にあって展望もないため、
知らぬ間に通り過ぎてしまい後で分かるぐらいのピークです。

北のピークは笹の密生した小広い山頂で、三角点の周囲は笹も刈られています。
思いのほか登山者があるような雰囲気です。

さて、標高736.25mの一等三角点「洗足池山」ですが、
1886年(明治19)11月選点、翌明治20年11月埋標で標石は御影石となっています。
現状の標石は、ちょっと粗い感じのする花崗岩で、根拠はありませんが、
当時の標石がそのまま使われているのではないかと思います。

山頂の周囲は西側の一部を除いて立ち木があるため、眺望は良くありませんが、
それでも、木の間越しに一等三角点の置かれた氷ノ山、三国山のほか、
扇ノ山、鷲峰山、高山、篭山など鳥取県東部の山々を望むことができました。

 
点名「洗足谷山」 09.11.15       点名「洗足谷山」 09.11.15 

下山時に、上がるときにショートカットしてしまった古い峠を訪ねると、
大きな松に守られてお地蔵さんがたっていました。
人の記憶から消えてしまった峠で何を思っているのでしょう。

峠の鳥居野側はまだはっきり道が残っているので、
入口さえ分かれば楽に来れるかもしれません。
板井原側は、間伐材が放置されたままで歩きにくく、
道も分かりずらくなっているところがあります。


峠のお地蔵さん 09.11.15 洗足山

 
鳥居野方面 09.11.15 「峠」から    板井原方面 09.11.15 「峠」から


板井原地区 09.11.15 鳥取市用瀬町

道路脇の広場に建てられた記念碑によれば、
用瀬町の板井原地区は昭和50年に集団離村したそうです。
それでも、近くの畑や山仕事などに通ってこられる人もあるようで、
この日もお一人が作業をされていました。

 
蔵 09.11.15 板井原           神社跡 09.11.15 板井原

 
ミツマタ(蕾) 09.11.15 板井原     離村記念碑 09.11.15 板井原