08年Q2のパソコン世界出荷台数-前年比14.5%増-
(2008/10/10 日経エレクトロニクス)
米iSuppliは08年第2四半期におけるパソコンの世界市場調査の結果を発表した。景気の低迷やサブプライム・ローン問題にも関わらず,パソコンの出荷台数は対前年同期比14.5%増の7019万3000台と2ケタ成長を遂げた。この出荷台数は,同社の予想を上回るという。
メーカー別出荷台数では,上位5社の順位に変動はなかった。首位は米Hewlett-Packard(HP)。出荷台数は対前年同期比19.6%増の1339万7000台で,シェアは19.1%だった。2位は米Dellで,対前年同期比21.0%増の1122万4000台を出荷した。シェアは対直前期比0.9ポイント増の16.0%。同社は,4四半期連続でシェアを拡大している。小売店や販売チャネルの開拓および改善などが,出荷台数の増加につながっているという。08年第2四半期のノートパソコン市場では,台湾Acerから2位を奪い返した。
3位はAcerで,出荷台数は対前年同期比17.0%増の665万3000台。シェアは9.5%。4位は中国LenovoGroupで,同14.4%増の557万台を出荷した。シェアは7.9%。5位は東芝で,出荷台数は同23.9%増の318万5000台,シェアは4.5%だった。
08年通期については,景気の低迷は続くものの,パソコン市場は堅調を維持し,前年比で12.5%増加するとiSuppliは予測する。
LG Display-のぞき見防止機能を搭載した14.1型液晶パネルを開発-
(2008/10/10 日経マイクロデバイス)
韓国LG Displayは,視野角を175度から60度にワンタッチで切り替える機能を持ったノートPC向け14.1型液晶パネルを開発した。電車の中などモバイル環境でノートPCを使用する時の他人ののぞき見を防止する。08年10月に量産を開始する。
同パネルは,「VIC(Viewing-angle Image Control Display)」技術と呼ぶ視野角調整機能を持つ。液晶パネルの輝度を変えることなく,視野角をボタン1つで切り替えられる。従来,こうしたのぞき見防止のためには50~100米ドル程度のプライバシー・シートを購入して張る必要があったが,輝度が犠牲になったり,視野角が固定されてしまうという不都合があった。新パネルでは,1人で使用する場合は狭い視野角に,複数の人と見る場合は広い視野角にと簡単に切り替えられる。
PC各社-モバイル4Gサービス対応ノートPCを米国で発売-
(2008/10/10 Itmedia)
米Intel、米Sprintおよびパートナー各社は10月8日、4G(注:日本における「第4世代」規格とは定義が異なります)モバイルサービスに対応するノートPCを発表した。
これら製品は、Sprint傘下のXOHMが9月末にボルティモアで開始したモバイル4Gサービスに対応する。
このサービスはモバイルWiMAX技術を使って下り2~4Mbpsのデータ通信を提供し、ボルティモア全市をカバーする。
Intelは、このサービスに対応したWiMAX/Wi-Fiモジュール(コードネーム「Eco Peak」)をCentrino 2のコンポーネントとして提供開始。Acer、ASUS、Lenovo、東芝などPCメーカー各社が8日、このモジュールを搭載したCentrino 2ノートPCを発売した。例えば、LenovoはWiMAX対応の「ThinkPad X301」「ThinkPadT400」などを提供する。
Dell、パナソニック、Samsung、ソニーも09年に同様の製品を提供する予定。またNokiaが今月中にN810インターネットタブレットのWiMAX版を、Sprintが年内に3Gと4Gに両対応したデュアルモードデバイスを投入する。
米スマートフォン市場-iPhone 3Gがシェア17%に-
(2008/10/10 Itmedia)
6月から8月にかけてAppleのスマートフォン「iPhone 3G」の米国での購入者の30%が、携帯電話会社をAT&Tへと切り替えている。調査会社の米NPD Groupは10月6日、報告書をまとめた。AT&Tは米国でのiPhoneの販売権を独占している携帯電話企業。
AT&Tに乗り換えたiPhoneユーザーのうち、47%はVerizon Wirelessから、24%はT-Mobileから、19%はSprintからの移行だった。ちなみに6月から8月の間に、携帯電話ユーザー全体で携帯電話会社を乗り換えた人の割合は約23%だったという。
NPDは、値下げしたiPhone 3Gの登場で、一般ユーザー向けスマートフォンの売り上げが全体的に伸びたとしている。またiPhoneの販売台数はiPhone 3G発売前はスマートフォン全体の11%だったが、発売後、17%に上昇している。
6月から8月に販売されたスマートフォンの平均価格は174ドルで、前年同期の236ドルから26%下がっている。6月から8月における台数ベースの売り上げ順位は、1位がAppleのiPhone 3Gで、以下Research InMotion(RIM)のBlackBerry Curve、Blackberry Pearl、Palm Centroと続く。
ソニー-HDD容量倍増のゲーム機「PS3」を国内でも発売へ-
(2008/10/10 日経エレクトロニクス・日経・Itmedia)
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は,年末商戦に向けてHDD容量を80Gバイトにした「プレイステーション 3(PS3)」を国内でも発売すると発表した。発売日は08年10月30日。希望小売価格は税込み3万9980円。ネットワーク・サービス「PLAYSTATION Network」などのサービスに対応するため,HDD容量を現行機種の40Gバイトから倍増させた。
HDD容量以外の仕様は,40Gバイト機と同等。ただし,これまで別売りだった振動機能付きPS3専用コントローラ「DUALSHOCK 3」を1個,標準で同梱する。また,期間限定で同日に発売予定のPS3専用ソフトウエア「グランツーリスモ5プロローグ Spec III」のBlu-ray Disc版を同梱する。
なお,今回の新機種発売に伴って,現行の40Gバイト機は08年10月10日からオープン価格に改定する。
SCEは,既にHDD容量が80GバイトのPS3を北米や欧州で販売している。
車のインパネ-航空機のコックピットのようになるのか?-
(2008/10/10 日経エレクトロニクス)
クルマに搭載される機器の電子化が進み、運転中にドライバーが認識しなければならない情報が増えている。クルマの速度やエンジンの回転数だけでなく、ナビゲーションの地図情報や予防安全に関する各種警告情報、車両の状態を示す情報など、数え上げれば切がない。今後、自動車メーカーにとって、こうした情報を運転中のドライバーにいかに安全・確実に伝えるかが重要になる。その中で、いま注目を集めているのがインスツルメント・パネル(インパネ)である。
これまでのインパネは、クルマの速度やエンジンの回転数、ガソリンの残量、エンジン冷却水の温度など、メーターやLEDで表示できる比較的単純な情報を取り扱っていた。ところが今後、インパネは、電子ミラーから送られてくる死角の映像情報や、後方から追い越しをかけてくる車の警告情報、クルマの走行状態の情報など、映像や画像に関する情報を取り扱う必要性が出てきている。従来のメーターやLEDだけでは、こうした情報を扱うことは難しい。
そこで自動車メーカーが注目しているのが液晶ディスプレイである。インパネを全面的に液晶ディスプレイに変えることによって、ドライバーが認識すべき映像・画像を含む各種情報を提供するという考え方。インパネに液晶ディスプレイを採用することによって、メーター類では不可能だった、次のことが可能になる。
(1)安全運転に必要な映像や画像情報を表示できる。
(2)画面を切り替えることによって、1つの液晶パネルで数多くの情報を表示できる。
(3)計器の種類や数を大幅に減らせる。
(4)運転状況に応じて、必要な情報だけを表示できる。
(5)クルマのステータス情報のカラー表示や点滅表示が容易になる。
(6)インパネの表示画面を運転者の好みに応じてカスタマイズできる。
すでにトヨタ自動車が、08年2月に発表したクラウン・ハイブリッドでインパネ全面に液晶ディスプレイを採用した。液晶ディスプレイの採用によって、クラウン・ハイブリッドはインパネに次のような情報を表示している。まず挙げられるのがナイトビューによる映像情報。夜間に肉眼では見えにくいクルマ前方の歩行者や障害物に赤外線を照射し、その反射光を映像化してインパネに表示する。レーン・キーピング機能の作動時には、クルマと車線の関係を画像でインパネに表示させている。このほか、電子システムなどの異常を知らせる各種警告もインパネに表示する。こうした動きは、今後ますます加速するものと考えられる。
クルマのインパネに液晶ディスプレイを採用し、運転者に予防安全情報などを提供する動きは、いま始まったばかりだが、高度な安全運行が求められる航空機のコックピットには、すでに表示機能別に複数の液晶ディスプレイが採用されている。例えば、「Airbus A380-841」のコックピットには、8台の液晶ディススプレイが使われている。
航空機のコックピットに液晶ディスプレイを採用するきっかけも、パイロットに提供する情報の増大だった。
航空機の発達に伴いシステムが複雑化し、コックピットの計器類が増大し、表示方法も複雑化した。そこで、登場したのがMFD(Multi Function Display)を使ったコックピットである。MFDの登場によって飛行予定コースに気象レーダーの情報を重ね合わせて表示するなど、メーター類では表示できない情報を表示できるようになった。現在、外界情報を可視ビデオとして表示したり、3次元画像として表示したりするなどの研究が行われている。こうした航空機のコックピットの進化は、クルマのインパネが進化する方向を示唆するものとなろう。今後、クルマのインパネが、どこまで航空機のコックピットに迫っていくのか、注目される。
ウィルコム・バッファロー・三洋の3社-家庭用の小型アクセスポイント開発-
(2008/10/10 日経エレクトロニクス・Itmedia)
ウィルコムとバッファロー,三洋電機の3社は,PHS通信網を経由して無線LAN接続を可能にする,携帯可能な家庭用アクセス・ポイント「どこでもWi-Fi」を共同開発したと発表した。09年春をメドに,ウィルコムから発売する。
どこでもWi-Fiは,ウィルコムのPHS通信網を経由して,無線LANを提供する機器。ウィルコムのPHSエリア内なら無線LANスポットがない場所でも,さまざまな無線LAN対応機器をインターネットに接続できるようになる。通信モジュールとして,ウィルコムの「W-SIM」を搭載する。PHSの高速通信規格「W-OAM」に対応する。
バッファローが開発した無線LANの自動設定システム「AOSS(AirStation One-touch Secure System)」搭載しており,AOSSに対応する機器であれば,AOSSのボタンを押すだけで接続設定ができる。
無線LANの規格は,IEEE802.11g/IEEE802.11b,ARIB STD-T66に対応する。周波数範囲は,2412~2472MHz(1~13ch)。データ転送速度(規格値)は,IEEE802.11gが6/9/12/18/24/36/48/54Mビット/秒,IEEE802.11bが1/2/5.5/11Mビット/秒。PHS側の通信速度は最大204kビット/秒である。
電源として,三洋電機のニッケル水素2次電池「eneloop」の単3形を同梱する。外形寸法は幅70×高さ110×奥行き30mm。重さは単3形のeneloop4本を含めて約270g。
NTTコム-会員証・ポイントカード100枚を携帯電話に集約できるシステム-
(2008/10/10 日経)
NTTコミュニケーションズは9日、100枚以上の会員証やポイントカードを携帯電話にひとまとめにできるシステムを開発したと発表した。09年2月からビックカメラなど3社と実証実験を始め、早期の商用化を目指す。実現すれば多くのカードを持ち歩かずにすみそうだ。
NTTコムが開発した「キーシャトル」という携帯電話用ソフトを利用する。利用者が店舗で読み取り・書き込み用端末に携帯電話をかざすと、キーシャトルに登録した複数のカードからその店舗で使えるものが自動的に適用される仕組み。利用者は、従来のようにカードごとに携帯電話に個別のソフトを導入したり、立ち上げたりせずにすむという。
顔写真などの画像情報も入れられるため、スポーツクラブなどの会員証にも適用できるという。バーコードを携帯画面に表示させ、読み取ることも可能。