湘南ファイブ通信

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福島原発事故について責任感を持たない経団連 ー脱原発は国民の声ー

2011-07-24 23:37:04 | 環境問題
福島原発事故について責任感を持たない経団連 
    ―脱原発は、管首相だけでなく国民の声―



7月22日、経団連の夏季フォーラムが軽井沢で開かれ、管首相の「脱原発」に批判が集中したとの事である。今回、国民は、事故の原因を聞けば聞くほど、どんなに日本の実体に合わない安全対策軽視の原子力発電所の建設が進められてきたかを知らされた。多くの日本の原子力発電所は、手っ取り早く原子炉の冷却水を得るため、ほとんどが海岸線近くに建てられている。しかし、海岸近くに建てられているため、今回のように地震に寄る津波によって、冷却系統が破壊され、原子炉が爆発し、広範な地域に放射能がまき散らされ、チェルノブイリ事故と同じレベル7の大事故になった。地震国であるにも係わらず、安全対策が施されていなかったためである。その結果、多くの人が家を捨て避難を余儀なくされ、学校や保育園、食料や牛肉に至るまで放射能で汚染されるという大事故に至ったものである。こうした中で「脱原発」は、管首相だけではなく国民の声となっている。

 このような大事故、大被害を起こしたにもかかわらず、軽井沢に集まった経団連首脳からは、財界が積極的に原子力発電を進めてきた責任について反省する発言は全く聞かれなかった。米倉会長などは、「管首相の頭には被災地の苦しみはまったくない」等と他人ごとのように言っているが、彼らは、首相に文句を言う前に、自らの原子力発電を積極的にすすめてきた責任について国民に謝罪すべきではないか。しかし、経団連の夏季フォーラムでは、事故の責任に着いての発言はほとんど無く、もっぱら、「今後とも3割の原発依存は必要だ」、「管さんがなんと言おうとも原発の海外展開は進めてゆく」、「脱原発は、いかに日本が悲惨な国になるかを忘れた議論だ」など原発推進の発言だけに終始していた。

今回の事故が、どんなに日本国民を苦しめたか、世界にどれだけ大きな被害をもたらしたか、日本の技術がどれだけ世界の評判を落としたか、彼らは気づいていないのだろうか。経団連が事故の反省もなく、原発の海外展開は進めてゆく等と言っても、世界は誰も信用しないだろう。大災害に遭っても整然と行動し復興に取り組む日本人、そしてまた、どんなに追い詰められても、ひるまずひたむきに闘い女子Wカップ優勝を勝ち取った撫子ジャパンが世界から高く賞賛された反面、全く反省のない、身勝手な議論しか出来ない経団連のレベルの低さ、倫理観の無さは、日本人として世界に恥ずかしい限りである。