劇場版ヤッターマン 2009

2009-08-29 23:17:41 | Weblog
劇場版ヤッターマン 
新ヤッターメカ大集合!オモチャの国で大決戦だコロン!(2009)

U.S. Release Date:

■総監督:笹川ひろし
■監督:菱田正和
■キャスト(声):小原乃梨子/八奈見乗児/滝口順平/他
■音楽:神保正明
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「世代を超えて人気を博すTVアニメ「ヤッターマン」。その新作テレビシリーズ初の劇場版。ヤッターマン史上最大の危機に、ヤッターメカ総出演で迫力のバトルを繰り広げる。ヤッターマンが夏休みに向かった先はおもちゃの国・トイトイ王国。そこで出会った寂しがり屋の王子様・プラモンとその父・ブリキン王と楽しい毎日を送るはずのヤッターマン。ところがその裏では、大臣パ・ズールがドロンボー一味を巻き込んで恐るべき陰謀を進めていた。やがて、ヤッターワンが謎のメカ・ヤッターゼロによって倒され、ヤッターマンは最大のピンチを迎えてしまう。」(allcinema.net/より。)

小原乃梨子さんというとマリリン・モンローの役をやっていたような気がするが、調べたら向井真理子さんだった。おそらく「ハーロック」のミーメ役のイメージが残っているためだろう。実際にやっているのはブリジット・バルドー、シャーリー・マクレーン、ジェーン・フォンダ、ミレーヌ・ドモンジョ、クラウディア・カルディナーレ、アン・マーグレット、シルビア・クリステル。ほとんど記憶に無いが、クラウディア・カルディナーレ以外はたしかに声の高いタイプではある。しかし印象としてはドロンジョ役で、これはたしか一度降番したんじゃないだろうか。だとしたら本劇場版でカムバックしてくれた事は嬉しかった。なんつったってこのシリーズの中心はドロンジョだし。実写版の深田恭子も良かったけど、アニメの吹き替えというか声優としては小原乃梨子さんのイメージというのは強い。ただし劇場版という事で第2の悪玉出現で、楽しみなオシオキは最初と最後の2回だけになってしまったが。このシリーズが大人でも観られるのは、ほとんど一重に小原乃梨子さんのドロンジョだろう。悪いやつにもかかわらず本人も部下もマヌケな所があって、健康な程度にセクシーで、何をやっても必ずヤッターマンに負けて、自分のせいでもないのにオシオキされるというのが、可愛い女っぽい所がある。アニメ界でもこういうタイプというのは、あまり居ないのじゃないだろうか。あまり観てないので分からないが。居たらわざわざ「ヤッターマン」の実写版と劇場版は作らないだろう。ヤッターメカが中心じゃない事は明らかだし。気楽に観て楽しめる作品としては、夏休み作品の中ではいい方だろう。しかし夏休みのせいか知らないが早い時間は吹き替え版だらけで観たいものが無い。この傾向が続くようなら海賊版を観るしかなくなる。そもそも字幕版が余計なわけだし。本来的には字幕有り無し版の2種類を上映するのが道理だろう。お子様映画は別としても。字幕があると、字数制限もあって字幕自体がひどい意訳で、それと台詞が全く違うために両方、解らなくなる。実際問題としても、小原乃梨子さんのような声優が聞きたいような作品以外は、字幕無し版を買ってるわけだし、その気になれば海賊版はいくらでも手に入る。それで文句を言うやつが居るとしたら、字幕版と吹き替え版の問題を問いたい。そんな事なので、ドロンジョ/小原乃梨子さんファンにのみ、お勧め。


ヒアリング度:
感動度:★★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

HACHI 約束の犬 (2008) Hachi

2009-08-23 03:33:07 | Weblog
HACHI 約束の犬 (2008) Hachi

U.S. Release Date: 2009??

■製作:フジテレビ
■監督:ラッセ・ハルストレム
■キャスト/声:リチャード・ギア/北大路欣也/ジョーン・アレン/真矢みき
■音楽:ジャン・A・P・カズマレック
■字幕:
■お勧め度:★★★★(★)

 「長年日本人に愛されてきた感動の実話“ハチ公物語”を、本作の製作にも名を連ねるリチャード・ギア主演で映画化。監督は、リチャード・ギアとは2006年の「The Hoax」でも一緒に仕事をしている「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「サイダーハウス・ルール」の名匠ラッセ・ハルストレム。
 遠い日本からアメリカへと送られてきた秋田犬の子犬。駅で迷子になってしまったその子犬を大学教授のパーカーが拾い上げる。受取人も見つからなかったことから、放っておけずに家へと連れ帰るパーカー。妻のケイトは最初は反対したものの、やがて子犬は家族の一員に。子犬は首輪のタグに刻まれた漢字から“ハチ”と名付けられ、パーカーに愛情いっぱいに育てられる。そしていつしか、ハチは毎朝駅までパーカーを見送りに行き、夕方5時には駅でパーカーの帰りを待つようになる。そんな強い絆で結ばれたパーカーとハチの姿は、駅で働く人々の心も和ませたいた。誰もがその幸せな光景がいつまでも続くものと思っていたが…。」(allcinema.net/より。)

これ、吹き替え版しかやってなかったので観たくなかったが、「トランスポーター」は変な時間にやっているので他に見るものが無いのでしょうがないかと思ったら、出掛けに調べたら北大路欣也がリチャード・ギアの声をやっているというので意外と面白いのじゃないか、それに製作はフジテレビという純然たる邦画だし。ついでにパーカーの同僚の教授は日本人か二世か、アフレコは自分でやっている。こういう吹き替えっていうのは面白い。そもそも声優ではない北大路欣也なんていう大物俳優が吹き替えているので特に最初の方は、口の動きと台詞が全くシンクロしていない。プロの声優がやるとシンクロしている事もあって、日本語から元の台詞を推測できるものだが、これが北大路さんの場合は出来ないという面白さがある。それに北大路欣也といったら、よく出ている役所広司や渡辺謙より数枚、格が上だろう。なぜ出てないのだろう。役所広司だって最初の頃は殆ど英語は喋べれなかった。はっきり言ってリチャード・ギアの場合は、わざわざ台詞を聞くような価値はないので、この作品は吹き替え版の方が面白いだろう。どっちみち主役はHACHI だし。

HACHIの描き方が、さすが邦画だなという感じ。彼はなぜ帰らないパーカーを待ち続けたのだろうか。ある意味でものすごくよく分かる。彼は結局子犬の時にアメリカに送られ、親兄弟も知らないし、最初に見てくれたのがパーカーで、理由は分からないけれどパーカーを気に入ってしまった。秋田犬の習性というのは知らないが、少なくとも人間に媚びるタイプじゃないだろう。おそらくは自分が気に入った人間以外には全く興味が無い。パーカーの妻やら娘もHACHIをかわいがるが、有り難迷惑そう。そしてパーカーがいなくなると、おそらくは帰って来ないという事は知っていても、その帰りを待つ以外、生きる道を知らなかったのじゃないか。駅や町の人々も彼をかわいがるが、彼からすると、こういう事はどうでもいい事で、生涯、パーカーの帰りを待つというのが彼の生き方だった。それ以外の生き方は、そもそも無かっただろう。ハチ公の話しというの戦前の事で、やれ忠犬だとかで軍部やらに勝手に意味付けされたが、本作品では、それらを綺麗に否定している。二君に仕えるとかいうのもその例で、HACHIからすれば、そもそも「仕える」という感覚も無かっただろう。早い話が、好いた人間はパーカーだけで、彼がHACHIの生き甲斐の全て。こういう描き方をしてくれたために、駅で待つ理由も分かるし感動する。HACHI役には3~4匹、使っただろうか。最後の方で老衰してかなりやつれた姿のHACHIが、おそらくは見えなくなった目で駅を出る人々を見る姿が一番、感動的。自分の生き方、生き様を一番よく表現している。好きな者のためだけに生きる。これも言ってみれば反戦作品。こういう型での反戦作品というのも初めてじゃないだろうか。忠君愛国とかの完全な否定になるわけだし。逆に言えば徹底した個人主義。しかしこの点は分かるのだろうか。徴兵制度とかが当たり前の国で。むしろ個人主義が当たり前の国だと、この作品のテーマは気付かないだろう。しかしさすがフジテレビ。出来の良さは、これだけでも観る価値はある。

反戦問題はさておいて、自分で選んだ人間ただ一人を好いて、帰ってこなくなっても生涯、待ち続ける。すごい生き方。そういう女がいたが、忘れようとして正反対のタイプの女と同棲した経験からすると、HACHIを尊敬してしまう。この同棲はもちろん、というか当然にも失敗した。HACHIを見習うべきだったのかもしれない。過去を引きずるというのは問題あるにしても、現在に過去を超えるものが無い限り、過去には最大限に執着するべきなのかもしれない。


ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

G.I.ジョー G.I. Joe: The Rise of Cobra 2009

2009-08-16 03:08:31 | Weblog
G.I.ジョー G.I. Joe: The Rise of Cobra 2009

U.S. Release Date: 2009

■監督:スティーヴン・ソマーズ
■原案:マイケル・B・ゴードン
■キャスト:チャニング・テイタム/マーロン・ウェイアンズ/シエナ・ミラー/レイチェル・ニコルズ/イ・ビョンホン/デニス・クエイド
■音楽:アラン・シルヴェストリ
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:★★

 「アメリカの人気ミリタリー・アクション・フィギュアから派生したTVアニメ・シリーズ「地上最強のエキスパートチームG.I.ジョー」をベースに実写映画化したアクション・エンタテインメント。様々なガジェットを駆使する史上最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”が世界征服を企む悪の組織“コブラ”と繰り広げる壮絶バトルをスタイリッシュかつ迫力の映像満載で描く。監督は「ハムナプトラ」シリーズのスティーヴン・ソマーズ。
 ある日、NATOの開発した緑色の化学物質ナノマイトが世界征服を目論む悪の組織“コブラ”に強奪される。その物質は本来ガン細胞の治療薬として研究開発されたものだったが、あらゆる金属を侵食し粉々にする驚異の性質を持つため、コブラと共謀する武器商人デストロの手によって世界を脅かす化学兵器として悪用されてしまうことに。そこでアメリカ政府は、世界屈指の精鋭で構成される最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”を、世界を救う最後の切り札として送り込むのだった。強靱な肉体と行動力を持ったエキスパート集団である彼らは、加速装置付きのハイパースーツなど最新のガジェットを操り、コブラに立ち向かう。そして両者は、G.I.ジョーの若きリーダー、デュークとコブラの中心メンバー、バロネスとの知られざる因縁をはじめとした逃れられぬ宿命に導かれながら、苛烈を極めた攻防を展開していくのだが…。」(allcinema.net/より。)

この日は台風がはるか日本の南海上を抜け、たいした雨も降らないだろうというのに、緊急を要する水道工事は中止、今は残り一匹となったゴキブリをつぶしてやろうと身構えている状態で、ついでに「HACHI」は吹き替え版しか上映しないことにムカついた状態で見た作品なので、あまり観想を書きたくないし、書く観想も無い。単純にアクションを見せるだけの作品にしては詰め込み過ぎ。それに完結していない。まさか続編は無いだろう。こういうアメコミレベルの作品で一番大切なのは筋書きの単純さだろう。「コブラ」の女戦士がなぜ悪の道に走ったかというような事は、どうでもいい事で、「X-MEN」風なキャラの個性と特技と面白さだけに特化した方が面白いだろう。似たような作品である「X-MEN」と比べると、どうも中途半端な感じがする。たしかに飽きることは無いにしても、キャラも作品自体もほとんど印象に残るものが無い。これはテレビシリーズの映画版ということでしょうがないのだろうが、先週の「劇場版 NARUTO-ナルト」と比べると、映画化作品としては駄作だろう。ハズした。ゴキブリを。ゴキブリの行動パターンには一定のものがあるので、次にどこに出るか、だいたいは予測できるが、モニターの端に出たので叩き損なった。これを書き終わるまでには、つぶしたいが、というかヤツの出方を観察しながら書いていると言った方が正確。もう一つ問題なのは、なぜか「ガジェット」がダサいしショボい。こう書いて分かるかどうか分からないが、プレステ1並。パルサーキャノンなんていうゲーム的な武器も出てくるが、まるで迫力が無い。最後の方で重要な役割を演じるジェット戦闘機は実機のステルスよりダサい。おまけにニンジャ二人や「東京」のシーンは、わざとアメコミ風に嘘っぽく描かれているので見ててバカらしい。アメリカの事なので見る方もピンからキリまでいるわけで、こういう作品を面白いと思う観客は多いのだろう。しかしこいつは運がいい。今、5発目をハズした。商売がら、緩衝剤、通称「プチプチ」は捨てるほどあるが、プチプチをつぶすより、ゴキブリをつぶした方が面白い。空気じゃなくて、まさに生命をつぶす面白さがあって、中ぐらいのやつだとブチッという手ごたえが病みつきになる。小さいやつは生かしておいて、適当な大きさになってからつぶすのだが、この面白さを知ったら、ゴキブリも絶滅種になるのだろう。特に動きの速い夏には商売にする輩も出て来て不思議はない。主演のチャニング・テイタムって、よく見た覚えがあるが、観た作品では「ステップ・アップ」だけか。かなりいい役者。唯一の収穫。しかしこのゴキブリは優秀だ。今だに生き残っている。


ヒアリング度:★★★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝 火の意志を継ぐ者 (2009)

2009-08-08 08:53:27 | Weblog
劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝 火の意志を継ぐ者 (2009)

U.S. Release Date:

■監督:むらた雅彦
■原作:岸本斉史
■キャスト(声):竹内順子/勝生真沙子/根本圭子/中村千絵/森久保祥太郎
■音楽:
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「人気TVアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」の劇場版第3弾。世界は火、水、雷、風、土の5つの大国が、それぞれの忍者の力で互いに均衡を保ち、平和が築かれていた。ところが、そのうちの4つの国で、血継限界の持ち主である重要な忍が行方不明となる事態に。やがて疑惑の矛先は、唯一被害を受けなかった火の国に向けられる。大国同士は互いに疑心暗鬼に陥り、第四次忍界大戦の危機が迫る。木ノ葉隠れの里では綱手の指揮の下、万一に備えて厳戒態勢を敷くとともに、真相の究明に乗り出す。一方、時を同じくして、カカシが木ノ葉の里を抜けたことが判明。ナルトたちの間に激しい動揺が広がるが…。」(allcinema.net/より。)

原作を見てないものの劇場版というのは期待できないというか見る方が間違っているものだが、他に観るものがなかったので、これに賭けてみたが、けっこう観られる。理由は簡単で、筋書きが単純で分かり易いのと、普遍的なテーマを扱っていること。夏休みのせいもあって、お子様だらけだったが、この作品は、ある程度年齢が行ってないと観られないだろう。隣の列の席にお父さんに連れられて来ていた子供は半分ぐらいから観てなかった。

主役は「木ノ葉隠れの里」の若い忍者衆。実は同じ里の出身だが、理由があって忍界制覇を企む男が、木ノ葉隠れの里の衆のリーダー格で師匠のカカシを取り入れることで不死身の体を手に入れようとする。その男に勝てる唯一の手段は、カカシを犠牲にして時限爆弾として送り込むことで、これは彼と首領の里を思っての決断だった。だがナルトら、若い忍者衆は、師匠のカカシに教えられた。掟を破るのはクズだが、仲間を見捨てるのはそれ以上のクズだと。その教えを実践するナルトたち。上の解説はややこしく書いてあるが、実はこれだけで、この筋書きの単純明解さとテーマの普遍性で作品は成功したと言えるだろう。これプラス、キャラの個性と面白さ。おそらくは原作のアニメでは、それぞれのキャラ絡みの物語りがあるのだろうが、本作では単純に各キャラの紹介っぽい感じにとどめたのも良かった。単発物のアニメ作品が成功する公式を忠実に取り入れた作品だろう。CG無しのアニメ作品ながら、スケール感もかなりある。まさに「劇場版」。

だけどエンドタイトルを見ていたら作画関係が殆ど中国の会社とスタッフになっていて、製造業どころかアニメ界も、実質的な製作は中国になってしまったのだろうか。記念品として配っていたキーフォルダーには「Made in China」と明記されているし。思いっきり横道にそれると、台風が来なくなったのは温暖化のせいだろうが、横浜地方では海に近いにもかかわらず、数年前から星が見られなくなった。家電から電子製品まで、ほとんどが中国で製造され、こっちで廃棄したものを、「輸出」の名目で中国に送り消却処分させ、それから発生する微粒子系の煙りが偏西風に乗って関東地方に来て、その結果で星が見られなくなったのだろう。自業自得とか言うけれど、この問題、廃棄家電や電子製品を有料で買い取って、おそらくは中国に「輸出」している役所や、それを依託されている業者が悪化させていると言える。作品自体は楽しめたものの、複雑な感じがする。


ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009

2009-08-01 22:12:44 | Weblog
ハリー・ポッターと謎のプリンス  Harry Potter and the Half-Blood Prince

U.S. Release Date: 2009

■監督:デヴィッド・イェーツ
■原作:J・K・ローリング
■キャスト:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン他
■音楽:ニコラス・フーパー
■字幕:岸田恵子(吹き替え版も?)
■お勧め度:★★★★

 「数々の冒険や戦いを通して逞しく成長したハリー・ポッターが宿命の対決へ始動し、いよいよ佳境に差しかかっていく人気シリーズの第6弾。思春期を迎えたホグワーツ魔法学校の生徒たちが恋愛ムードに浮き立つ中、ハリーは復活した宿敵ヴォルデモートの知られざる過去に迫りながら最終決戦へ向け新たな冒険に臨む。監督は前作「~不死鳥の騎士団」に引き続きデヴィッド・イェーツ。
 闇の帝王ヴォルデモートがマグル(人間)と魔法使い双方の世界で支配力を強め、その脅威はハリーたちのホグワーツ魔法学校にも及んでいた。校内を警戒し始めるハリー。最終決戦が迫っていることを知っているダンブルドア校長は、そんなハリーに来たるべき戦いにむけての準備を施していく。また、ヴォルデモートの防御を解く手掛かりにと、重要な情報を持つ元同僚の旧友ホラス・スラグホーンを魔法薬学教授として学校に迎え入れるのだった。一方、ギクシャクした関係が続くロンとハーマイオニーらホグワーツの生徒たちには春が訪れ、学校中で恋の騒ぎを繰り広げる。そんな中、決戦の準備を進めるハリーはヴォルデモートの意外な過去を知ることになるのだが…。」(allcinema.net/より。)

前作(と言っても殆ど覚えてない)とはガラッと雰囲気(と音楽)が変わって、主演(ただ出てるだけ)の3人が本格的な主演となり、前作までは盛り上げ役のキャストが奥に引っ込んだキャスト構成。お子様的なチャチいCGも控え目で、大人映画としてもかなり見応えがある。これと次作が本シリーズの実質的なクライマックスなのだろうか。そのような感じがして、次作がかなり期待できる。このシリーズは元々お子様用と知っての上で付合い的に見ていたのが、本作の変わりぶりはかなり印象深い。3人の性格や役割がかなりはっきり描かれ、自分の運命と使命に目覚め対峙するハリー・ポッター、それの盟友っぽい感じに成長し描かれるハーマイオニー、そしてダメ男として二人を盛り立てる役のロン・ウィーズリー、という感じで、3人が疑いない主人公になり、出ずっぱり。そして最終作への橋渡しもはっきりと描かれる。このシリーズは元々ゲームとの相互乗り入れが目に付くものだったが、本作では、かなり映画性に重点を置いた感じで、その意味でも大人でも楽しめる。男の子二人はどうでもいいにしても、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは期待どおりの成長ぶりで、彼女はあと数年したら、あるいは今でも洋画でも邦画でも今では希少か皆無になった美人系女優の最高峰になるような気がする。その彼女が本作ではダメ男のロンが好きだというのが面白くて、この微妙な役を巧くこなしている。単なる美人系女優ではなくて演技もできるタイプかもしれない。こうなると作品はそっちのけで、興味は彼女を誰と、どういう映画で共演させたいかというような事に行ってしまう。ズバリ、トム・クルーズの妹的な恋人役。トム・クルーズが役者としての方向性を見失っている現状と、彼の役者経験、おそらく俳優としては一番、出演作品が多いことからして、彼と共演する事でエマ・ワトソンも飛躍的に成長する可能性がある。そうなったら今ではトップクラスと言っていいニコール・キッドマンをはるかに超える大女優になる可能性がある。次作は2010年らしいので、問題はトム・クルーズがそれまでもつか。一年というのは映画の時間からすると長い。作品自体の良さとしては、特撮をなにげない型で使ったという事だろう。本作品は実質的には英国作品で、そのせいだろうか、特撮をあえて重視せずに、ないし見せ物的に使うのではなくて、作品中のオマケ的に使っている。この事がむしろ少ない特撮シーンを印象深いものにしている。単純なワイアーアクションだろうが、エマ・ワトソンの存在感もあって、彼女が図書館で本を書棚に返すシーンで、本が元の位置に浮き上がっていくシーンなどがかなり印象深いというか見所。こういう風に最新の特撮技術を余裕で使うというのが、本作品の製作者のヒット、センスの良さだろう。金と特撮がメインの中国作品と比べると、この点は意識的だろう。このおかげでアクションが出来ない俳優でも、アクションシーンが見劣りしないという利点がある。これは邦画に見習って欲しい。そうすれば邦画の弱点がカバーできる。本作は元々は古典だったのかもしれないが、こういうファンタジー系の作品とゲームは相互乗り入れ的な部分が必ずあるもので、次作はどうなるか知らないが、エンディングを見る限り、戦士に目覚めたハリー・ポッターとその相棒役のハーマイオニー、それにサポート役(ヒーラー?)のロンの三人構成でラスボスと最終決戦という事になるような気がする。「ファイナル・ファンタジー」。校長が最後に使う魔法は「ファイガ」。原作があるにしても、映画化する上でかなり工夫が見られるし、単なる映画化というより、映画作品としての出来を重視した感じがして、落ち目の洋画の中では、いくつか、離脱の方向性を示した作品とも見れる。


ヒアリング度:★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)