アマルフィ 女神の報酬 2009
U.S. Release Date:
■監督:西谷弘
■原作:真保裕一
■キャスト:織田裕二/天海祐希/佐藤浩市/戸田恵梨香/中井貴一
■音楽:菅野祐悟
■字幕:
■お勧め度:★★(★)
「フジテレビ開局50周年記念作品として邦画初となるオールイタリアロケが敢行されたサスペンス・エンタテインメント。「ホワイトアウト」の人気作家・真保裕一が企画の段階から参加し、織田裕二主演となる本作の原作を書き下ろした。日本人少女の失踪に端を発した謎の犯人グループによるイタリア大規模連鎖テロの真相を追い、少女誘拐事件の解決へ奔走する日本人外交官の姿を、アマルフィ海岸はじめ世界遺産ともなっているイタリアを代表する名所、景勝地を舞台に壮大なスケールで描く。監督は「県庁の星」「容疑者Xの献身」の西谷弘。
イタリアで予告されたテロから日本人を守るため、外交官・黒田康作がクリスマス目前のローマに派遣された。だが、ほどなくして、ひとりの日本人少女が失踪する。彼女は、亡き夫との思い出の地であるイタリアを訪れた旅行者・矢上紗江子の愛娘だった。そして、この誘拐事件の通訳担当となった黒田は、紗江子へ掛かってきた犯人からの電話を受けたことで、彼女の“偽りの夫”として事件に巻き込まれていくことに。しかし、警察の介入を犯人に見破られるなどして事件の解決は遠のくばかり。さらに独断で事件の調査を進めるものの、外交官には捜査権限がないためイタリア当局から越権行為と指摘され、大使館内でも孤立する黒田。やがて、誘拐事件は連鎖テロへ発展し、イタリア全土に広がっていく。こうして犯人グループの思うがまま捜査が混迷を極める中、黒田は事件の鍵がイタリア南部の港町・アマルフィにあることを突き止めるのだが…。」(allcinema.net/より。)
上の解説の方が面白い。失敗の最大の原因は織田裕二。彼はテレビ役者だろう。むしろ目立つのは天海祐希と佐藤浩市。この二人は映画俳優と言える。問題なのは織田裕二の演じる役というのは、外交官というのは表向きで、実は諜報員。ボスは声だけ出演の中井貴一。単なる外交官、つまりコッパ役人役なら織田裕二で充分だっただろうが、諜報員としての役をこなすなら中井貴一か、本作でいえば佐藤浩市クラスは必要。作品の構成上は、ある事情で復讐を誓う佐藤浩市と織田裕二の対決となってしまい、織田裕二の格の低さが目立ってしまう。これはミスキャストだろう。ただし「開局50周年記念作品」として観光映画にしたかったのなら、このキャストは分からないでもないが。ただもったいないのは、内容的にかなり緻密なものがあるし、筋書き的にもミステリー性があることで、役者を無視して観れば、かなり楽しめる作品かもしれない。そんな事なので、あまり筋書きには触れず、一見、関係無さそうな事を書くと、日本の海外援助、無償資金協力とも言うらしいが、この資金が間違って軍事政権の方に流れ、その結果として邦人に犠牲者が出た。これはニュースか何かで見たか聞いた記憶があるが、こういう場合というのは、援助や協力先の国や政権を選んだ政府に責任があるのだろうか。軍隊を送らずに金銭や物資、あるいはPKO限定の人員を送ることにしたのは、政府の方針とはいえ、憲法第9条の建て前が方針化したものだろう。「戦力は保持しない」といっても、陸海空軍は存在するわけだし、実動部隊として「沿岸警備隊」(Japan Coast Guard、海上保安庁)も存在する。ただし第9条のせいで、海外で邦人が危険に曝されても、これら、れっきとした軍隊のどれをも送れないことになっている。それで邦人に犠牲者が出た。これを政府の責任と言えるか。結果として妻を殺された佐藤浩市は、外務大臣の責任を問う事になるが、単なる役人に過ぎない外務大臣にその責任があるのだろうか。これが作品では微妙な所で、喧嘩両成敗という事になるが、まさに「国家権力の犬」とも言われるテレビ局作品らしくて面白い(笑えるという意味で)。と思うと、逆にかなりエグい部分もあって、「無駄使いは外交官の特権」とか、ローマの治安の悪さを外務省無視で描いたりと、狼に転じた「犬」(の遠吠え?)的な部分もあって、このチグハグさがまた面白い。ここらへんを見ると、最近の邦画の好調ぶりに加え、なんらかの転機を迎えているような感じもして、この先、どうなるのかといった期待も抱ける。その意味では、作品自体はつまらないにしても、観ておく価値はあるかもしれない。
ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
U.S. Release Date:
■監督:西谷弘
■原作:真保裕一
■キャスト:織田裕二/天海祐希/佐藤浩市/戸田恵梨香/中井貴一
■音楽:菅野祐悟
■字幕:
■お勧め度:★★(★)
「フジテレビ開局50周年記念作品として邦画初となるオールイタリアロケが敢行されたサスペンス・エンタテインメント。「ホワイトアウト」の人気作家・真保裕一が企画の段階から参加し、織田裕二主演となる本作の原作を書き下ろした。日本人少女の失踪に端を発した謎の犯人グループによるイタリア大規模連鎖テロの真相を追い、少女誘拐事件の解決へ奔走する日本人外交官の姿を、アマルフィ海岸はじめ世界遺産ともなっているイタリアを代表する名所、景勝地を舞台に壮大なスケールで描く。監督は「県庁の星」「容疑者Xの献身」の西谷弘。
イタリアで予告されたテロから日本人を守るため、外交官・黒田康作がクリスマス目前のローマに派遣された。だが、ほどなくして、ひとりの日本人少女が失踪する。彼女は、亡き夫との思い出の地であるイタリアを訪れた旅行者・矢上紗江子の愛娘だった。そして、この誘拐事件の通訳担当となった黒田は、紗江子へ掛かってきた犯人からの電話を受けたことで、彼女の“偽りの夫”として事件に巻き込まれていくことに。しかし、警察の介入を犯人に見破られるなどして事件の解決は遠のくばかり。さらに独断で事件の調査を進めるものの、外交官には捜査権限がないためイタリア当局から越権行為と指摘され、大使館内でも孤立する黒田。やがて、誘拐事件は連鎖テロへ発展し、イタリア全土に広がっていく。こうして犯人グループの思うがまま捜査が混迷を極める中、黒田は事件の鍵がイタリア南部の港町・アマルフィにあることを突き止めるのだが…。」(allcinema.net/より。)
上の解説の方が面白い。失敗の最大の原因は織田裕二。彼はテレビ役者だろう。むしろ目立つのは天海祐希と佐藤浩市。この二人は映画俳優と言える。問題なのは織田裕二の演じる役というのは、外交官というのは表向きで、実は諜報員。ボスは声だけ出演の中井貴一。単なる外交官、つまりコッパ役人役なら織田裕二で充分だっただろうが、諜報員としての役をこなすなら中井貴一か、本作でいえば佐藤浩市クラスは必要。作品の構成上は、ある事情で復讐を誓う佐藤浩市と織田裕二の対決となってしまい、織田裕二の格の低さが目立ってしまう。これはミスキャストだろう。ただし「開局50周年記念作品」として観光映画にしたかったのなら、このキャストは分からないでもないが。ただもったいないのは、内容的にかなり緻密なものがあるし、筋書き的にもミステリー性があることで、役者を無視して観れば、かなり楽しめる作品かもしれない。そんな事なので、あまり筋書きには触れず、一見、関係無さそうな事を書くと、日本の海外援助、無償資金協力とも言うらしいが、この資金が間違って軍事政権の方に流れ、その結果として邦人に犠牲者が出た。これはニュースか何かで見たか聞いた記憶があるが、こういう場合というのは、援助や協力先の国や政権を選んだ政府に責任があるのだろうか。軍隊を送らずに金銭や物資、あるいはPKO限定の人員を送ることにしたのは、政府の方針とはいえ、憲法第9条の建て前が方針化したものだろう。「戦力は保持しない」といっても、陸海空軍は存在するわけだし、実動部隊として「沿岸警備隊」(Japan Coast Guard、海上保安庁)も存在する。ただし第9条のせいで、海外で邦人が危険に曝されても、これら、れっきとした軍隊のどれをも送れないことになっている。それで邦人に犠牲者が出た。これを政府の責任と言えるか。結果として妻を殺された佐藤浩市は、外務大臣の責任を問う事になるが、単なる役人に過ぎない外務大臣にその責任があるのだろうか。これが作品では微妙な所で、喧嘩両成敗という事になるが、まさに「国家権力の犬」とも言われるテレビ局作品らしくて面白い(笑えるという意味で)。と思うと、逆にかなりエグい部分もあって、「無駄使いは外交官の特権」とか、ローマの治安の悪さを外務省無視で描いたりと、狼に転じた「犬」(の遠吠え?)的な部分もあって、このチグハグさがまた面白い。ここらへんを見ると、最近の邦画の好調ぶりに加え、なんらかの転機を迎えているような感じもして、この先、どうなるのかといった期待も抱ける。その意味では、作品自体はつまらないにしても、観ておく価値はあるかもしれない。
ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)