ウルルの森の物語 (2009)
U.S. Release Date:
■監督:長沼誠
■キャスト:桑代貴明/北村沙羅/船越英一郎/深田恭子/桜井幸子/大滝秀治
■音楽:久石譲/東京フィルハーモニー交響楽団
■字幕:
■お勧め度:★★★★
「「マリと子犬の物語」のスタッフ・キャストが再集結、“ウルル”と名付けたオオカミの子との触れ合いや冒険を通して成長していく幼い兄妹の姿と家族の絆を暖かなまなざしで描いた感動ファミリー・ドラマ。主演は船越英一郎。監督はこれまで多くのTV作品で演出を手掛け、本作で劇場映画初メガホンの長沼誠。
母親の入院を機に東京から北海道へとやって来た兄妹、昴としずく。そこには野生動物救命所で獣医を務める父・大慈が暮らしていた。しかし、5年前の離婚以来、久々に顔を合わせる父親との生活はぎこちなく戸惑うばかり。そんな彼らも、美しい大自然や野生動物たちに囲まれ、周りの人々に優しく支えられながら少しずつ新生活に溶け込んでいく。そしてある日、しずくはオオカミに似た一匹の子犬と出会い、“ウルル”と名付けて飼い始めることに。だが、ウルルとの幸せな日々も束の間、野生動物保護協会の分子生態学者から、ウルルは絶滅したはずのエゾオオカミの子供である可能性が高いため、しかるべき機関へ預けるべきとの指摘を受けてしまう。そこで、昴としずくは自分たちの手でウルルを母親のもとへ返そうと、アイヌ語で“オオカミの棲むところ”の意味を持つ伝説のオオカミの国“ホロケシ”を目指す旅に出るのだが…。」(allcinema.net/より。)
エゾオオカミは実際は絶滅したんだろうか。だとすると登場するウルルとその母親オオカミは保護施設から?テーマ的には、野生動物を保護施設で育てるより自然に返した方が理にかなっているというものなので、少しばかり矛盾を感じるが、しょうがないだろう。それにしても一番、感動的なのは母親オオカミが登場する場面で、描き方からして一種の宗教観すら感じる。実際問題としてもそれがテーマだろう。オオカミというのは人間を発見すると、付かず離れず後を追い、他の動物から人間を守る習性があるらしい。保護神みたいなもの。この事に加えてウルルとの交流を通じて幼い兄妹が成長するというテーマ。それを見て父親失格だった船越英一郎が本当の父親に成長する。表面的には北海道の自然を描いただけの作品ながら、色々なテーマがあって考えさせられる。
出番は少ないながら大滝秀治の台詞で、人間が自然に対して出来ることは、いわゆる食物連鎖を尊重して見守るだけだというのがあるが、昨今の人間の環境に対する行いというのは、開発とかの明らかに反自然行為いがいにも、行き過ぎ、やり過ぎがあるのじゃないだろうか。それも人間の都合を環境保全の美名において。ローカルな話しながら横浜近辺では魚が釣れなくなった。これは東京湾大橋のせいもあるが、港湾や河川を綺麗にしすぎて餌がなくなった事がある。釣りなんか興味ないという人々には関係無いことだろうが、実際問題としては東京湾で食餌していた魚から見れば生存の危機という事になる。魚というのは食餌場が決まっていて、なくなると他を探すという事ができない場合がある。それで減少か絶滅に追い込まれた魚がいる。これはローカル名なので分からないだろうが、10年ぐらい前にギンポという魚が絶滅した。釣り人にはヘピっぽいので嫌われていたが、すごい生命力の持ち主で、白身魚としては最高のうちだった。環境改善といいながら、実際は環境破壊で、あれほどの生命力のある魚すら絶滅に追い込んだ。同じ事をオオカミにしたわけで、この事は人類がいる限り、これからも続くだろう。地球環境保全の最も確実な方法は人類根絶だとは言わないまでも、果たして共存すら出来るのだろうか。森林破壊は加速度的だし、今の北海道は自然豊かにしても、いつまで続くか。温暖化の影響もすでに目に見える形で出始めている。他は知らないが関東地方の気候は完全に変わった。環境保全は、どだい無理だろう。だとすると、上の大滝秀治の台詞に反して、自然動植物は施設で管理した方が、少なくとも絶滅だけは避けられるという事になるが、これも人間の勝手な考えだろう。人類とその悪行も地球環境の一部で、結果的に環境破壊が進んだとしても、それも自然の摂理とも言える。全てのものには終わりがある。地球とて例外ではない。だとしたら人間の勝手にしても、好きなように環境を破壊しても、「自然の摂理」として正当化できる。本作の分子生態学者はウルルを引き取って保護しようとするが、果たしてこれが悪なのか。なんとも言えないだろう。
音楽は久々の久石譲+東京フィルハーモニー交響楽団ながら、なんの感動も無いという嬉しい状況。少し前の邦画だったら、これは黄金コンビだっただろう。東京フィルハーモニー(東フィル)は名古屋で設立された日本では最高のオーケストラ。小澤征爾が止めた後のボストン交響楽団と比肩する。しょっちゅうコンサートやっているので、バカ高い洋物、聴きに行くのだったら東フィルの公演で十分だろう。
製作は日テレ。もう言うまでもない事ながら、映画としても十分、見応えある。
ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
U.S. Release Date:
■監督:長沼誠
■キャスト:桑代貴明/北村沙羅/船越英一郎/深田恭子/桜井幸子/大滝秀治
■音楽:久石譲/東京フィルハーモニー交響楽団
■字幕:
■お勧め度:★★★★
「「マリと子犬の物語」のスタッフ・キャストが再集結、“ウルル”と名付けたオオカミの子との触れ合いや冒険を通して成長していく幼い兄妹の姿と家族の絆を暖かなまなざしで描いた感動ファミリー・ドラマ。主演は船越英一郎。監督はこれまで多くのTV作品で演出を手掛け、本作で劇場映画初メガホンの長沼誠。
母親の入院を機に東京から北海道へとやって来た兄妹、昴としずく。そこには野生動物救命所で獣医を務める父・大慈が暮らしていた。しかし、5年前の離婚以来、久々に顔を合わせる父親との生活はぎこちなく戸惑うばかり。そんな彼らも、美しい大自然や野生動物たちに囲まれ、周りの人々に優しく支えられながら少しずつ新生活に溶け込んでいく。そしてある日、しずくはオオカミに似た一匹の子犬と出会い、“ウルル”と名付けて飼い始めることに。だが、ウルルとの幸せな日々も束の間、野生動物保護協会の分子生態学者から、ウルルは絶滅したはずのエゾオオカミの子供である可能性が高いため、しかるべき機関へ預けるべきとの指摘を受けてしまう。そこで、昴としずくは自分たちの手でウルルを母親のもとへ返そうと、アイヌ語で“オオカミの棲むところ”の意味を持つ伝説のオオカミの国“ホロケシ”を目指す旅に出るのだが…。」(allcinema.net/より。)
エゾオオカミは実際は絶滅したんだろうか。だとすると登場するウルルとその母親オオカミは保護施設から?テーマ的には、野生動物を保護施設で育てるより自然に返した方が理にかなっているというものなので、少しばかり矛盾を感じるが、しょうがないだろう。それにしても一番、感動的なのは母親オオカミが登場する場面で、描き方からして一種の宗教観すら感じる。実際問題としてもそれがテーマだろう。オオカミというのは人間を発見すると、付かず離れず後を追い、他の動物から人間を守る習性があるらしい。保護神みたいなもの。この事に加えてウルルとの交流を通じて幼い兄妹が成長するというテーマ。それを見て父親失格だった船越英一郎が本当の父親に成長する。表面的には北海道の自然を描いただけの作品ながら、色々なテーマがあって考えさせられる。
出番は少ないながら大滝秀治の台詞で、人間が自然に対して出来ることは、いわゆる食物連鎖を尊重して見守るだけだというのがあるが、昨今の人間の環境に対する行いというのは、開発とかの明らかに反自然行為いがいにも、行き過ぎ、やり過ぎがあるのじゃないだろうか。それも人間の都合を環境保全の美名において。ローカルな話しながら横浜近辺では魚が釣れなくなった。これは東京湾大橋のせいもあるが、港湾や河川を綺麗にしすぎて餌がなくなった事がある。釣りなんか興味ないという人々には関係無いことだろうが、実際問題としては東京湾で食餌していた魚から見れば生存の危機という事になる。魚というのは食餌場が決まっていて、なくなると他を探すという事ができない場合がある。それで減少か絶滅に追い込まれた魚がいる。これはローカル名なので分からないだろうが、10年ぐらい前にギンポという魚が絶滅した。釣り人にはヘピっぽいので嫌われていたが、すごい生命力の持ち主で、白身魚としては最高のうちだった。環境改善といいながら、実際は環境破壊で、あれほどの生命力のある魚すら絶滅に追い込んだ。同じ事をオオカミにしたわけで、この事は人類がいる限り、これからも続くだろう。地球環境保全の最も確実な方法は人類根絶だとは言わないまでも、果たして共存すら出来るのだろうか。森林破壊は加速度的だし、今の北海道は自然豊かにしても、いつまで続くか。温暖化の影響もすでに目に見える形で出始めている。他は知らないが関東地方の気候は完全に変わった。環境保全は、どだい無理だろう。だとすると、上の大滝秀治の台詞に反して、自然動植物は施設で管理した方が、少なくとも絶滅だけは避けられるという事になるが、これも人間の勝手な考えだろう。人類とその悪行も地球環境の一部で、結果的に環境破壊が進んだとしても、それも自然の摂理とも言える。全てのものには終わりがある。地球とて例外ではない。だとしたら人間の勝手にしても、好きなように環境を破壊しても、「自然の摂理」として正当化できる。本作の分子生態学者はウルルを引き取って保護しようとするが、果たしてこれが悪なのか。なんとも言えないだろう。
音楽は久々の久石譲+東京フィルハーモニー交響楽団ながら、なんの感動も無いという嬉しい状況。少し前の邦画だったら、これは黄金コンビだっただろう。東京フィルハーモニー(東フィル)は名古屋で設立された日本では最高のオーケストラ。小澤征爾が止めた後のボストン交響楽団と比肩する。しょっちゅうコンサートやっているので、バカ高い洋物、聴きに行くのだったら東フィルの公演で十分だろう。
製作は日テレ。もう言うまでもない事ながら、映画としても十分、見応えある。
ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)