交渉人 THE MOVIE (2010)

2010-02-27 02:05:52 | Weblog
交渉人 THE MOVIE (2010)

U.S. Release Date:

■監督:松田秀知
■キャスト:米倉涼子/陣内孝則/反町隆史/柳葉敏郎/津川雅彦/橋爪功/伊武雅刀
■音楽:佐藤準
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)

 「米倉涼子主演の人気TVドラマの劇場版。咄嗟の機転でハイジャック機に乗り込んだ敏腕交渉人・宇佐木玲子が、乗客、乗員合わせて159人の命を守るため、高度1万メートルの上空で決死の戦いを繰り広げるさまを、サスペンスとアクションを織り交ぜ描き出す。監督はTV版に引き続き松田秀知。
 ある日、現金輸送車から2億6000万円が強奪される事件が発生、犯人グループはショッピングモールに人質をとって立て籠もる。警視庁捜査一課特殊捜査班(通称SIT)の宇佐木玲子が交渉に乗り出すが、なぜか通話は一方的に打ち切られてしまう。ほどなくモールで爆発が起こり、人質がパニックになる中、混乱に乗じて犯人の一人、中川伸也も逃走してしまう。しかし、主犯と思われる男・御堂啓一郎と手つかずの現金はそのまま残されていた。そんな不可解な事件から数週間後、北海道で休暇を過ごすため羽田空港にやってきた宇佐木は、人質の一人だった青年・木元祐介に気づく。彼の行動に不審を抱いた宇佐木は、咄嗟に彼が乗る北九州行スカイバード201便に潜り込むのだったが…。」(allcinema.net/より。)

立て籠もり事件とその顛末はパクリながら、ハイジャック部分は、まあまあ見所。例によってテレビ版は見てないので分からないが、このシリーズは、ひょうきんさが売り物のような。キャラが面白い。鉄人28号、陣内孝則(誰が知るか!)もさることながら、米倉涼子とその同僚とそのフィアンセは面白キャラ。テレビシリーズがヒットしているのが、なんとなく分かる。だからと言って、わざわざ映画版を観る価値があるかは疑問。問題はキャストが良すぎる。反町隆史がほとんど主役を食ってるし、柳葉敏郎(パイロット)は傍役ながら、はまり役すぎる。これにベテランの橋爪功、津川雅彦、伊武雅刀など。御堂啓一郎(津川雅彦)関係の筋書きが、筋書き上、中途半端になっているせいで、筋書きよりかキャラの面白さが目立ってしまう。劇場版なのでしょうがないか。それとこれ、米倉涼子は交渉人というより捜査官っぽいが、これはテレビシリーズでもそうなのだろうか。交渉人やっているのは、立て籠もり部分だけで、ハイジャック部分は捜査官。アクションが要ることになるが、米倉涼子では無理だろう。結果的にキャラの面白さとギャグでカバーしたような感じがする。つまらなくはないが。後半というか本編の政治がらみのハイジャック部分は、かなりミステリー+サスペンス感があって面白い。日本のハイジャック、テロ対策の問題(人命重視)を上手く筋書きで逃げた感じがして、これもいい筋書き。本来的にはハイジャックされた民間航空機は撃墜して政府の面子を保つ諸外国の傾向、方針にも触れているし、それを上手く筋書きで逃げている。米倉涼子は(FA(フライト・アテンダント?)姿がすごく似合っている、制服フェチ注目)美形を押えて捜査官役に徹した事も、むしろテレビシリーズの面白さかもしれない、テレビシリーズで捜査官役に専念しているとすれば。ラストで旅客機を着陸させるのは嘘っぽいが、テレビシリーズの劇場版として見れば、しょうがないだろう。テレビシリーズの劇場版というと「相棒シリーズ・鑑識」で失敗しているので後回しにしたが、テレビシリーズを見てなくてもキャストの豪華さと面白さで十分、楽しめる作品だろう。上に書いた事とは矛盾するが。テレビシリーズは分からないが米倉涼子の捜査官は人命重視。日本的に見ると、こっちの方が受けるのだろうが、テロ対策との関係で言うと逆になる。ニュースは見ているが、変な時間なのでローカル版だけなので分からないが、実際にハイジャックされた民間航空機を撃墜するというような事はやっているのだろうか。政府の方針批判のような事もテーマかもしれない。テレビ局(朝日)作品としては、かなりな高予算だろう。双発の旅客機を一機、丸ごと借りている。

ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

バレンタインデー (2010)

2010-02-20 07:44:50 | Weblog
バレンタインデー (2010)
Valentine's Day

U.S. Release Date: 2010

■監督:ゲイリー・マーシャル
■キャスト:ジェシカ・ビール/ジェニファー・ガーナー/ジェイミー・フォックス/アン・ハサウェイ/シャーリー・マクレーン/ジェシカ・アルバ
■音楽:(ジョン・デブニー)実際は60~70年代の名曲
■字幕:藤澤睦実
■お勧め度:★★★(★)

 「ジュリア・ロバーツ、ジェイミー・フォックスほかオールスター・キャストの豪華共演で贈るアンサンブル・ラブ・ストーリー。バレンタインデーを迎えたロサンゼルスを舞台に、年齢も職業も異なる男女15人の様々な恋愛模様とその行方を描く。監督は「プリティ・ウーマン」のゲイリー・マーシャル。
 2月14日、バレンタインデーのロサンゼルス。恋人モーリーへ朝一番にプロポーズした花屋のオーナー、リード。彼女は笑顔で婚約指輪を受け取ってくれたのだが…。一方、小学校教師のジュリアは、サンフランシスコへ出張する恋人の医師ハリソンをこっそり追いかけることに。同じ会社で働く秘書のリズと郵便係のジェイソン。初めて一夜を共にした2人だったが、リズはどこか挙動不審。また、老夫婦エドガーとエステルは50年以上も変わらぬ愛で連れ添っていたが、この日に突然エステルが重大なことを告白する。飛行機でたまたま隣り合わせた30代の男性ホールデンと女性将校のケイト。2人は会話をするうち惹かれ合っていくが…。そして、スポーツキャスターのケルビンは有名アメフト選手のパブリシスト、カーラに取材するつもりが、彼女がバレンタインデーを嫌う理由に耳を傾ける。そんな彼らを中心に、甘く切ないバレンタインデーの恋愛群像が繰り広げられていく。」(allcinema.net/より。)

どっちかと言うと見て楽しい、ごちゃ混ぜラブコメディーだろう。オムニバス的に最後に登場人物たちの関係が明らかになるという作品ではない。男には興味ないので女優は見所。ジェシカ・アルバは最初に名前が書いてあるが傍役。シャーリー・マクレーンは老いたと言うとなんだが、他は豪華かつ個性的で楽しい。名前が分からないので相手役で言うとジェイミー・フォックスの彼女になる女優(ジェシカ・ビール)が一番か。バレンタインデー嫌いが理由/きっかけで結ばれる。この筋書きは面白いし、この二人は妙に似合っている。もう一つは「小学校教師のジュリア」(ジェニファー・ガーナー)が「リード」(アシュトン・カッチャー)と結ばれる過程か。彼氏に騙された事を知って、友人っぽく思っていたリードに愛を感じる。これと関係して、花屋のリードと、その親友の「アルフォンソ」(?)夫妻が結ばれた理由/きっかけが男女を越えた親友関係だったという事が、結婚してうまく行く秘伝かもしれないというテーマらしきものがある。相思相愛で結婚するのは危ないものがある。友人関係だったらセーフかもしれない、男女関係を無視できるという意味では。そうした結婚観もテーマか。こうして書いてみると、一見、ごちゃ混ぜながら、テーマ的にも見所がある。バレンタインデーというのは恋人の日。日本で言うとクリスマスが近いか。ただしクリスマスは年末に追われるので十分には楽しめないだろう。チョコあげるだけで満足できるならいいが、バレンタインデーは欧米風に戻した方がもっと楽しめるだろう。しかしなんで日本のバレンタインデーはギリチョコになってしまったのだろうか。メーカーの宣伝だけじゃないだろう。女が男に愛を告白するという意味では、古き伝統をくつがえす意味か。ちょっと時代錯誤。主に女優を見て、少しだけテーマを考えるなら観る価値のある作品。あとはこれは書いても分からないだろうが、これは顔は分かるが名前が分からないが、一番、目立たない男と結ばれることになる女優のテレフォンセックスの副業は聞き所。ロシア語なまりのSMトークは上手いし笑える。こういう豪華キャストで楽しい作品は、さすがハリウッド。


ヒアリング度:★★
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

サヨナライツカ (2009)

2010-02-13 07:39:22 | Weblog
サヨナライツカ  (2009)

U.S. Release Date:

■監督:イ・ジェハン
■原作:辻仁成
■キャスト:中山美穂/西島秀俊/石田ゆり子/加藤雅也/(黒木瞳)/(松原智恵子)
■音楽:色々
■字幕:
■お勧め度:★★★★(★)

 「辻仁成の同名小説を「私の頭の中の消しゴム」のイ・ジェハン監督が映画化した切ないラブストーリー。主演は12年ぶりのスクリーン復帰となる中山美穂。共演に西島秀俊、石田ゆり子。1975年、バンコク。高級ホテルのスイートルームに暮らし、お金に不自由することなく、欲望のままに奔放に生きる女性、沓子。ある日、バンコクに赴任してきた若きエリートビジネスマンの豊と出会う。結婚を目前に控え、日本に貞淑な婚約者・光子を残してきた豊だったが、謎めいた沓子の魅力に抗えず、2人の愛欲の日々が始まる。やがて、恋愛を遊びのように楽しんできた沓子も、豊への募る想いに戸惑いつつも、それが本当の愛だと気づき始めるのだったが…。」(allcinema.net/より。)

「愛欲」「恋愛」「恋」「欲望」。「サヨナラ イツカ」。「愛欲」「恋愛」「恋」「欲望」はイツカ去るもの。残るのは「愛」か。芸名で言うと中山美穂と西島秀俊は真の愛で結ばれるべき二人だろう。両方ともそれを知っている。ただし中山美穂の方はそれに忠実に生きたのに対して、西島秀俊は自分の夢、というより世間体を選んだ。結果として結ばれなかった。真に結ばれる二人はめったに居ないだろう。それを棒に振った男の悲劇。仕事は大事にしても、人間にとって何が一番、大切なのか、「愛」じゃないかというのが作品のテーマだろう。それも台詞にあるように「愛されたこと」より「愛したこと」。「愛されたこと」というのは要するに「恋愛」だろう。「愛したこと」が人生で一番、大切な事だろう。1970年代当時の西島秀俊には、それがはっきりとは分からなかった。そのために最愛の人を失う。25年後、それに気付く。このテーマが、かなりはっきりと描かれている。西島秀俊の許嫁(石田ゆり子)は世間体の権化。西島秀俊から中山美穂を遠ざける。世間体を選んだ西島秀俊は、事業と生活には成功するものの、一番、大切なものを失う。片思いだとマズいにしても、相思相愛だったら、二度とチャンスは無いと思った方がいいだろう。そのチャンスを逃した男の悲劇。面白いのは辻仁成の原作を韓国の監督さんが映画化したにも係わらず、テーマに一貫性と同一性があることだろう。両国の価値観が同じなのだろうか。欧米風の価値観だと、こういうテーマは成り立たないだろう。せいぜいが単純明解なラブストーリー。

はっきり言って中山美穂には全く期待してなかったが、かなりいい。大人の可愛い女を上手く演じている。R15指定はH度というよりテーマの難しさだろう。かなりな恋愛経験がないと、作品のテーマは分からないかもしれない。それにキャストが隠れチョイ役を使ってテーマを示唆している。黒木瞳が本来であれば中山美穂の代わり。松原智恵子が貞淑な許嫁役の代わり。この監督は、この二人の過去の作品や芸風を知っている。この点でもR15指定にせざるをえなかっただろう。ちょっと観る側の対象を絞り過ぎたきらいがあるが、このテーマを描くなら、これはしょうがなかっただろう。

テーマもさることながら、この監督は上手い。テーマの難しさを、ありふれた音楽で誤魔化して、遠未来のCGで変化を加えたりしている。マジにテーマだけ描きたがる邦画より上だろう。70年代からのタイ、バンコクも良く描かれている。実際はどうだったのか知らないが、日本の高度経済成長期をタイ、バンコクに投射したような感じで描いている。この作品に限っていうと、邦画は、まだ発展途上にあるような印象を受ける。韓国作品はあまり観てないが、この作品を観た限りでは洋画とも邦画ともちょっと違った良さがあるような感じがする。

ヒアリング度:★(一部、英語)
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

ラブリーボーン (2009)

2010-02-05 22:26:04 | Weblog
ラブリーボーン (2009)
The Lovely Bones

U.S. Release Date: 2009

■監督:ピーター・ジャクソン
■原作:アリス・シーボルド
■キャスト:シアーシャ・ローナン/マーク・ウォールバーグ/レイチェル・ワイズ/スタンリー・トゥッチ/スーザン・サランドン
■音楽:ブライアン・イーノ
■字幕:戸田奈津子
■お勧め度:★★★

 「アリス・シーボルドの同名ベストセラーを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が映画化した異色のファンタジー・ドラマ。わずか14歳で残忍なレイプ殺人犯の犠牲となり天国へと旅立った少女が、崩壊していく家族に魂を寄り添わせ、その再生を見守る中で自らも悲劇を乗り越えていく姿を、優しい眼差しでファンタジックかつサスペンスフルに綴る。出演は、14歳のヒロインに「つぐない」のシアーシャ・ローナン、その両親にマーク・ウォールバーグとレイチェル・ワイズ。また、「ターミナル」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」のスタンリー・トゥッチが憎々しい犯人を好演。
 優しい両親とかわいい妹弟に囲まれ、楽しく幸せな毎日を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。初恋の予感に胸をときめかせていたある冬の日、彼女は近所の男に無慈悲に殺されてしまう。最初は自分が死んだことにも気づかなかったスージーだが、やがて天国の入り口に辿り着く。そんな中、犯人は警察の捜査を切り抜け、平然と日常生活を送っている。一方、愛する娘を失った家族は深い悲しみに暮れていた。やがて、父親は残された家族を顧みず犯人探しに妄執し、自責の念に苛まれていた母親はそんな夫に耐えられずに、ついに家を出てしまう。バラバラになっていく家族を、ただ見守ることしかできないスージーだったが…。」(allcinema.net/より。)

映像美に重点を置いているのは分かるにしても、内容的にちょっと。おそらく問題なのは死後の世界というものに関してキリスト教ではパターンが無い事だろう、三途の川とかの。「天国」といっても、これは死後に行く世界ではなくて、人間が罪を犯して没落した場所/世界。それとキリスト教では人が死ぬと土に戻り、最後の審判まで眠っている事になっている。したがって「死後の世界」というものは、そもそも存在しないだろう。そうした世界は個人的な想像の産物になる。これが良ければいいし、タイプじゃなければ、つまらないという事になる。少女の描く、そうした世界が好ましければ作品は観る価値があるだろうが、そうで無い場合は、つまらない。もう一つの問題は、死んだ少女がどういう存在なのか。現世に思い残した事がありすぎて「成仏」できない。成仏できないから家族やらに取り憑いて、実際は不幸にしている。これはキリスト教的な発想ではなくて、むしろ「お化け」「幽霊」だろう。日本的な宗教観をアレンジして映像美を加えたものとして見れば面白いにしても、ちょっと無理があるだろう。筋書き的にも無理がある。「近所の男」(スタンリー・トゥッチ)は好演ながら、おそらくは母親に虐待された事でなった少女連続殺人犯という事になっている。今までそれがバレなかったのは、当時、1970年代やそれ以前では、少女が失踪するという事件は稀だったという解説が付いているが、単に通報されなかっただけだろう。「神隠し」はどこの世界にでもある。それにわざわざ設定をこの時期にしたのは、昨今頻繁な少年少女の性的虐待から話題をそらす意図だろう。そうまでして「死後の世界」を描く価値や必要性があるだろうか。製作者の勝手なお遊びとも言える。むしろ見所はシアーシャ・ローナンとスーザン・サランドン。スーザン・サランドンの迫力は見所だし、シアーシャ・ローナンは、アイルランド人の両親でアイルランドのテレビシリーズがデビューらしい。スーザン・サランドンが代表すると言ってもいい、いわゆるハリウッド系とはちょっと違った顔立ちで、綺麗とか可愛いとかいうよりも、一種、独特な雰囲気を持っている。この雰囲気は作品にマッチしている。極言すると見所はシアーシャ・ローナンだけだろう。演技力もあるので、ナントカ賞は確実だろう。育ったのはニューヨークらしいので台詞に訛りは無いし。自分でナレーションをやるくらいなので台詞も綺麗。他の作品は観てないので分からないが、ファン(のみ)必見かも。それ以外は、.....。それにわざわざニュージーランドでロケする作品だろうか。言いたかないけど、ネタ切れパクリのヤキ回り作品。

ヒアリング度:★★★
感動度:★
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)