白夜行 2010

2011-02-04 14:26:55 | Weblog
白夜行 2010

U.S. Release Date:

■監督:深川栄洋
■キャスト:堀北真希/高良健吾/船越英一郎/姜暢雄/粟田麗/戸田恵子/他
■音楽:平井真美子
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)

 「TVドラマ版も好評を博した東野圭吾の同名ミステリーを「ALWAYS 三丁目の夕日」の堀北真希と「ソラニン」の高良健吾主演で映画化。一つの殺人事件を発端に、決して交わることのない被害者の息子と容疑者の娘が辿る光と影の運命を、事件の真相解明に執念を燃やすベテラン刑事の姿とともに描き出す。共演に船越英一郎。監督は「真木栗ノ穴」「60歳のラブレター」の深川栄洋。
 昭和55年。密室となった廃ビルで質屋の店主が殺される事件が発生する。決定的な証拠のないまま、やがて事件は容疑者の事故死によって一応の決着をみる。しかし担当刑事の笹垣は腑に落ちないものを感じ、単独で捜査を続ける。彼の心を捉えて放さなかったのは、容疑者の娘・雪穂と、被害者の息子・亮司の姿だった。やがて美しく清楚な女性へと成長した雪穂。そんな彼女の周辺では、不可解な事件が次々と起こってゆくのだが…。」(allcinema.net/より。)

前半の捜査部分が複雑で、誰が誰と関係しているのか、よく分からないが、後半になって事件の真相が分かるという展開。前半部分をもうちょっと分かり易くできなっかたのだろうか。物語りの中心は、悲劇的な幼年時代を過ごした少女と少年の、幼友達とか兄妹とかよりひどく深い関係がなぜ出来たのか、その結果として二人の人生はどうなったのかということだろう。少女の方は10歳にして客を取らされ、少年の方は、父親と少女が関係する現場を見てしまい、少女を守ろうとする咄嗟の行動から、父親にもらい、自分の趣味でもある切り絵用の鋏で父親を殺してしまう。というような事から異常なまでに結ばれた二人。少女の方は、いわば表の顔で、少年~青年は裏の顔で、終始、少女を守ろうとする。彼女にとって不利な相手を退けるというような。二人は常に関係していた事は想像できるが、青年の行為は、ほとんどが、彼女の意志で依頼だったような気がする。いってみれば二人の関係は一心同体のようなもので、雪穂の方は、一切、男を受け付けず、亮司の方も、同棲みたいな所までは行くが、その相手を自殺に追い込む。というような二人を最初の事件当時から知っていた刑事(船越英一郎)も、息子の死が事件と前後していたこともあって、亮司を特別な目で見ていたようで、雪穂を彼にとっての諸悪の根源のように見ていたのかもしれない。だが一切の証拠は無いし、真相が明らかになった後で、やっと亮司と向き合う機会に恵まれるが、亮司は飛び下り自殺。それを見た雪穂は平然とした顔で立ち去るが、裏の顔を失った彼女が、結局は破局するような。前半の捜査部分は別にしても、やたら考えさせられる作品。

この日(2月1日)、観たのは「ワーナー・マイカル・シネマズ」といって、「みなとみらい」地区にある。シネコンといっても5階だけで、他は飲食店が多い。ここは前、近くのシネコンでは上映がなかった作品を観に来たことが一度だけあって、二度目になるが、目立ったのは、チラシに割引きデーが羅列してある。ここよりJRその他の「桜木町」駅、徒歩1分のところに「ブルク13」という、おそらくは最新の設備のそろったシネコンができて、そちらに客を取られたせいだろう。しかしどうだろう。単に安いだけで映画を観にくるだろうか。映画というのは、本作品がいい例で、一方的な押し付けであり、非日常の世界だろう。家でテレビで映画を観ている限り、それこそ吹き替えとかコマーシャルというのは、日常性で観る者を守る役目をするのじゃないか。テレビの無かった映画の最盛期というのは、買い物とかのついでに食事をしたり、映画を観て帰るというのが日常で当たり前のことで、その中でスターが育ったのじゃないか。まさか映画館で上映する映画にコマーシャルを入れろとは言わないが、割引きだけじゃなくて他に工夫が要るのじゃないか。もし自分にお金があったら、閉館した近くのシネコンでは、新作の他に、ネットで人気投票でもやって、過去の名(迷/駄)作を何本か上映し、売店は排して映画関係の(中古)グッズを売ったら、結構、話題になるのじゃないか。あるいは舞台付きの劇場では、映画に限らず、コンサートやらをやっても構わないのじゃないか。版権とかの問題もあるだろうが、今の時代にどこでも観られる、数カ月もすればテレビやDVDやらで観られる新作だけ上映していたのでは、どのシネコンも同じことになるだろう。たしかに閉館したシネコンでは、歌舞伎シネマやらオペラを上映していたが、歌舞伎シネマは特別料金、オペラに至っては、需要すらあったのだろうか。


ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)