イングロリアス・バスターズ (2009)

2009-11-28 04:43:38 | Weblog
イングロリアス・バスターズ (2009)
Inglourious Basterds

U.S. Release Date: 2009

■監督/脚本:クエンティン・タランティーノ
■キャスト:ブラッド・ピット/メラニー・ロラン/クリストフ・ヴァルツ/ダイアン・クルーガー
■音楽:??
■字幕:松浦美奈
■お勧め度:★★(★)

 「「パルプ・フィクション」「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノ監督が復讐劇をテーマに描く痛快アクション・エンタテインメント大作。第二次大戦下のフランスを舞台に、ナチスに家族を殺されたユダヤ人女性と、情け容赦ないナチ狩りで恐れられるユダヤ系アメリカ人部隊“バスターズ”が繰り広げる壮絶かつ壮大な復讐の行方を、タランティーノならではの映画愛あふれる演出でスリリングに綴る。主演はブラッド・ピット、共演にメラニー・ロラン、ダイアン・クルーガー。また、敵役のランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツは、この演技でみごとカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞。
 1944年、ナチス占領下のフランス。かつて、“ユダヤ・ハンター”の異名をとる冷血な男ハンス・ランダ大佐によって家族を皆殺しにされた少女ショシャナは、ただ一人逃げ延び、現在はパリで映画館主に身をやつしながら復讐の機会を窺っていた。同じ頃、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人を中心とした連合軍の極秘部隊“イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)”がナチスを次々と虐殺、その残虐な手口でドイツ軍を震え上がらせていた。そんな中、ショシャナの映画館でナチスのプロパガンダ映画「国民の誇り」のプレミア上映が決まり、ヒトラーはじめナチス高官が一同に集結することに。この千載一遇のチャンスを逃すまいと、ショシャナ、バスターズそれぞれが行動を開始するが…。」(allcinema.net/より。)

疲れる。英語の部分は、ほんの一部。フランス語とドイツ語の英文字幕(長い直訳)を読むのがせいいっぱい。通訳が入って間延びするシーン以外は、ほとんどスクリーンが見れない。それになぜか台詞がやたら多い。タランティーノともあろう者が何考えてんだか。こうなると日本の字幕翻訳家はありがたい。デタラメにしても短いという意味だけでも。これは個人的な事ながら、少しは分かるフランス語と、その長たらしい英訳と、それとは全く関係無い日本語の字幕を読むのは不可能な拷問。

タランティーノ作品の面白さというのは道徳無視の残虐性だろう。それに徹すればいいものを、変に映画っぽい作品にしてしまったかもしれない。主役不向きなブラッド・ピットの起用は意図的にすら感じられ、むしろ目立つのはショシャナ(メラニー・ロラン)の存在と復讐劇。メラニー・ロランは同じフランス人のカトリーヌ・ドヌーヴに似た顔立と雰囲気があって、彼女自身、ユダヤ人で祖父はナチスの迫害を受けたらしい。完全な主役になってしまい、オチャラケ的な作品にしては復讐劇のやり方がまっとう過ぎるかもしれない。ブラッド・ピットたちは、そのオマケ的な存在になってしまった。それはそれでいいにしても、タランティーノの作風とはちょっと違う結果になったような。もっとも「キル・ビル」以外は殆ど観てないか覚えてないが。フランス、パリが主な舞台で、メラニー・ロランを起用し、彼女は映画館のオーナー、という事からすると、タランティーノ監督としてはフランス映画の全盛期、特にカトリーヌ・ドヌーヴ主演作品への憧れを映画化したかったのかもしれない。実際問題としても印象に残るのはブラッド・ピットの「バスターズ」でもなければ、たしかに好演ながらクリストフ・ヴァルツのランダ大佐でもない。ショシャナ、というよりメラニー・ロランの実話というか体験に元づいた復讐劇だけを抜き出して、そのような作品にした方が、月並みではあっても面白い作品になっていたような。もっともそれをやればタランティーノらしさはなくなるが。要するに、おそらくは個人的な願望、憧れと、自分の作風をゴチャ混ぜにしてしまったために、作品としての統一性がなくなってしまったような。もっともそれが良さとも思えたが。ダイアン・クルーガー(ドイツ出身)を二重スパイ役にして、まぬけな死に方をさせたのは、メラニー・ロランの当て馬、引き立て役だろう。内容的にはナチスを扱いながらも、なんらナチズム批判になっていないという所はタランティーノらしくて面白い。なんかこう面白いんだかつまらないんだか分からない作品、というのもタランティーノらしさか。しかしはっきり言って若い頃のカトリーヌ・ドヌーヴに憧れたことの無い場合は、観る部分は殆ど無い作品だろう。


ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

笑う警官 (2009)

2009-11-21 06:16:01 | Weblog
笑う警官 (2009)

U.S. Release Date:

■監督/製作/脚本:角川春樹
■原作:佐々木譲
■キャスト:大森南朋/松雪泰子/宮迫博之/螢雪次朗/大友康平/鹿賀丈史
■音楽:(大島ミチル)劇中歌「Bye Bye Blackbird」(Julie London)
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「北海道警察の汚職事件をヒントに人気作家・佐々木譲が書き下ろした“道警シリーズ”第1作の同名小説を映画化したクライム・サスペンス。角川春樹が1997年の「時をかける少女」以来12年ぶりにメガホンをとり、ある殺人事件で冤罪を被った同僚の無実を証明するため真相を追究する刑事たちによって警察の暗部が浮き彫りになっていくさまを緊迫感溢れるタッチで描き出す。主演は「ハゲタカ」の大森南朋。共演に「余命」の松雪泰子、お笑いコンビ雨上がり決死隊の宮迫博之。
 北海道警察による組織ぐるみの裏金工作疑惑が浮上、その真偽を問うべく現職警官が証言台に立つ“百条委員会”が10月23日、午前10時に開かれることとなった。その2日前。札幌市内のアパートで女性の変死体が発見される。被害者は元ミス道警の水村巡査。そして22日、上層部が異様に迅速な対応を取るという態勢の中、元交際相手の道警・津久井巡査が容疑者に挙がり、異例の射殺命令が下されるのだった。過去にある任務で津久井に協力した第一課の佐伯は、この一連の動きに違和感を覚え、元道警警察官がマスターを務めるバーへ同僚たちを呼び集める。今回の事件と翌日行われる百条委員会の関連性を勘繰る佐伯たち。するとバーの奥から、津久井本人が姿を現わす。また、彼は百条委員会にも呼ばれていた。佐伯たちは無実を主張する津久井を信じ、秘密裡に捜査を開始するのだが…。」(allcinema.net/より。)

これまた「沈まぬ太陽」に引き続き、ド・駄原作の映画化。最大のミステリーは角川春樹ともあろう者がなんでこんな小説を映画化しようとしたか。

水村巡査を殺したのはSM癖のある上司。これが全ての発端。しかしSM癖のどかが悪いわけ?個人の趣味だろうが。特に上司はMの方だから、傷害にもならない。マスコミにバレれば問題になるというだけだろう。なったにしても、個人の趣味で通せばなんにも起らないだろう。むしろプライバシーの侵害だろう。それに上司と部下の情事なんて普通だろう。警察官だから許されないという方が非常識だろう。この問題を一切、無視して、筋書きの複雑さで誤魔化しているようなもの。それも、実話をヒントにしたのだろうから、大ボスやその他、本当に悪いやつらは「無罪放免」というつまらない結末。それに百条委員会というのは地方自治法に元づくもので、構成は地方議会、要するに政治家。警察の上層部と政治家が癒着しているのは周知の事実だろう。そんなもの描いて何の意味があるのか。

いい方に解釈してしまう。角川春樹は、あえて駄作小説を選ぶことで映画らしさを強調したかったのじゃないか。ここんとこの邦画がテレビドラマ風なのに比べて、映画らしさというものを、ひしひしと感じた。角川春樹の昔の作品が単にセンセーショナルだけだったのに比べると大違い。これはもう最初のタイトルからして英文にした事からも分かる、というかそういう雰囲気がした。ちょっと違う作品だろうなという。これが最大の見所だろう。テレビドラマ風が悪いというのではなくて、映画らしい作品があってもいいだろうし、良く言えば前者が全盛の邦画界に一喝、入れた作品とも言える。という意味では角川春樹らしい。以下は個人的な趣味なので、興味の無い方はここまで。

作品の筋書きとは関係ない最大のミステリーは劇中歌の「Bye Bye Blackbird」を誰が歌っているのだろうか、必死に考えた。声の質からするとエラ・フィッツジェラルドだろうが、彼女はこういう歌い方はしない。エンドタイトルでジュリー・ロンドン(Julie London)だと分かったが、全盛期の彼女とは声の質からして違う。「Bye Bye Blackbird」はもちろん「ゴールデン・ベスト」にも収録されていない。声の質と、バックがピアノ・トリオである事からして、かなり若い頃の作品だろう。ちょっと探してみたが、全く見つからない。あったらちょっとしたレア物かもしれない。あまりファンでは無いので分からないが。しかしこの曲と歌、作品に見事にマッチしているので、角川春樹が選んだとしたら、作品中では最大のヒットだろう。しかしこんな事、誰が分かるか。邦画が最低だった頃の最大の問題、監督の独り善がりという風にも解釈できる。

松雪泰子が女っぽさを押さえて刑事役。むしろ彼女が主演だろう。かなりいい。顔立がそう目立つ方ではないので、助演的な役でもキラリと光る所を見せてくれる貴重な女優かもしれない。特にファンではないので、これは「客観的」な観想だろう。あとは鹿賀丈史の大ボス役はさすが。「笑う警官」は彼の事で、文字通り笑うシーンはかなり無気味なものがあって面白い。

テレビドラマ風な作品に飽きた場合(のみ)観る価値のある作品だろう。


ヒアリング度:
感動度:★★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

僕の初恋をキミに捧ぐ (2009)

2009-11-14 10:02:54 | Weblog
僕の初恋をキミに捧ぐ (2009)

U.S. Release Date:

■監督:新城毅彦
■原作:青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』(小学館刊)
■キャスト:井上真央/岡田将生/仲村トオル/森口瑤子/杉本哲太/細田よしひこ/山本學
■音楽:池頼広
■字幕:
■お勧め度:★★★★(★)

 「『僕は妹に恋をする』の青木琴美によるベストセラー少女コミックを「花より男子」の井上真央と「ホノカアボーイ」「重力ピエロ」の岡田将生主演で映画化した純愛ストーリー。重い病で20歳までしか生きられない運命の少年と、そんな彼と将来の結婚を誓い合った少女の切ない初恋の行方を描く。監督は「Life 天国で君に逢えたら」「ただ、君を愛してる」の新城毅彦。
 少女・繭(まゆ)は父の勤める病院で入院生活を送る8歳の少年・逞(たくま)と出会い淡い恋心を抱く。やがて2人は“大人になったら、結婚しよう”とまで約束する。しかし、逞は重い心臓の病のために20歳まで生きられない運命にあった。やがて高校生となった逞は、繭への愛ゆえに彼女を遠ざけようとしてしまうのだったが…。」(allcinema.net/より。)

難しい。女(の子)は解らない。
8歳の頃の男の子というのは、「恋心」は抱かないだろう。せいぜい「好き」とか。ところが同じ歳の女の子は明らかに恋心を抱いている。これは女(の子)やってみないと分からない。しかし子供も産めない男というか雄から見れば、女は驚異的な存在でもある。そういう女だから、たとえ8歳でも恋心が抱けるという事か。テーマ的にも難しい。今や脳死判定で脳死を人の死としているようだが、この作品はそれに真っ向から対立している。同じ高校に進学した二人、実は彼女に惚れた男の子がいて、彼の父親がやはり心臓病で死亡。彼はドナー登録して「心臓」にだけ丸をつけている。彼氏との勝負に負けた彼は、彼氏と友人になる事を決意し、その矢先に事故。彼は自分の心臓を、惚れた女の彼氏に提供したかったのじゃないだろうか。だが母親と祖父の提供拒否でその想いは叶わなかった。その母親と祖父に心臓を提供してもらうよう泣いて頼む彼女。この時、母親と祖父は、目の前で泣いて頼んでいる女の子が、実は息子、孫が生涯で唯一、惚れた女である事を知らない。もう一人の主人公は、この少年かもしれない。その証拠に祖父役に悪役不向きな山本學を起用している。臓器移植の重要性や必要性は分かるものの、それが目的の脳死判定だとすると、いわゆる手段を選ばずというやつになる。人は脳だけで生きているわけではない。肉親でなくても、脳死状態でも他の部分はちゃんと機能している人を見て「死体」だと思えるか。そういう人から臓器を取り出して移植するのは殺人と同じじゃないか。それも本作の場合のドナーは、かつてのライバルで今は同じ女に惚れた友人。その友人を殺してまで生きようとする方が異常じゃないか。人間というのは生きる事とはどういう事なのか、死とは、両方とも分からない。だから宗教では勝手な理由、へ理屈をつけて誤魔化しているに過ぎない。あるいは問題を横道にそらして、生きる事を生き甲斐と同等視して、さも分かったようなつもりになっている。あるいは逆に脳死を人の死と断定して科学的だと称して誤魔化している。本作では生と死の両方の問題を真っ向から取り扱ったような感じ。これが少女コミック?たしかにそういう部分はあって、それはそれなりに楽しいし笑えるが、やはり少女コミックといえど、それを読む女の凄さを感じる。出産を例に出すまでもなく、生命体としての女というのは男の想像を絶する凄さがあるのだろう。歴史的に見ると女崇拝というのは、ほとんど全ての文化や民族にあるもので、たとえばキリスト教なんていうのは、むしろそれを、魔女とかをでっちあげて否定する男の論理の正当化と権化に過ぎない。あるいは、宗教を悪だとするのは、自分らが劣っている事を知っている男の防衛本能だろう。しかし原作があるにしても製作者(日テレ)がこれほどまでに深いテーマを描きながら、表面的に観ると、ほんとにかわいい恋愛物語りに見せているのも凄いものがある。少女コミックなんてのは全く縁が無いし、はっきり言ってバカにしていたが、今の脳死判定の問題とかをこれほどまでに深く描いているとしたら、他にも映画化して素晴らしい作品があるのかもしれない。「観」の抜けた「沈まぬ太陽」よりは遥かに上の作品だろう。難しい事はこれくらいにして、井上真央はかなり根性ありそうで見ていて楽しい。いちゃつくシーンはそれこそ少女コミックのノリなのだろうが、弓道をやっている時の彼女は惚れ惚れするほど凛々しいし、年齢が分からないのでナンだが、制服姿が似合っていてかわいい。逆に彼氏の母親役の森口瑤子というのはほんと使いにくい女優で、今だに松竹の看板女優ながら、極端な役しか似合わないし出来ないかもしれない。本作では彼氏の優しい母親役かと思えば、彼氏の死から彼女を遠ざける憎まれ役やってみたりと。ロケ地は「湘南」、鎌倉、江ノ島水族館など。二人が進学したのは、あそこだろう(共学の全寮制進学校)。「余命1ヶ月の花嫁」と似ていていい勝負。しかし最後に、これは医学的にもありうるとか聞いた事があるが、彼氏が最後の力を振り絞って彼女を「新婚旅行」に連れていって、最後に「病院に帰ろうか」と言うシーンは感動的。命を掛けた愛。


ヒアリング度:
感動度:★★★★★
二度以上見たい度:★★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

風が強く吹いている (2009)

2009-11-07 23:27:54 | Weblog
風が強く吹いている (2009)

U.S. Release Date:

■監督:大森寿美男
■原作:三浦しをん
■キャスト:小出恵介/林遣都/その他、寛政大学箱根駅伝部員+津川雅彦
■音楽:千住明
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)

 「直木賞作家・三浦しをんの同名ベストセラーを「僕の彼女はサイボーグ」の小出恵介と「バッテリー」の林遣都主演で映画化したスポーツ青春ドラマ。大学の弱小陸上部を舞台に、一人の天才ランナーと8人の個性溢れる素人ランナーが、挫折を味わったエリート・ランナーに率いられ、<箱根駅伝>出場という無謀な挑戦に心を一つにして立ち向かっていく姿を、臨場感溢れるレースシーン満載でさわやかに綴る。監督は脚本家として活躍し、これが初メガフォンとなる大森寿美男。
 寛政大学の4年生ハイジは、新入生のカケルに声を掛けると半ば強引に自分が寮長を務める竹青荘に入居させる。まかない付きで3万円という破格の家賃の裏には陸上部への入部という条件が付いていた。カケルは、高校時代には将来を嘱望されていた天才ランナーだったのだ。そんなカケルとの出会いが、ハイジに無謀な夢への一歩を決意させる。そして、寮の住人たちを前にして、このメンバーで箱根駅伝に出場する、と宣言するのだった。しかし、ハイジとカケル以外の残りの8人は、ハイジのつくるおいしいまかない料理目当てで入居(=入部)した、陸上とは縁遠い素人集団だったのだが…。」(allcinema.net/より。)

爽やかな青春ドラマでした。本物っぽい部分も多いので「実録・箱根駅伝」か。カケル役の林遣都は陸上部出身か。走る姿がプロのランナーっぽくて最初の感動もの。他は素人だろう。筋書き的には怪我でランナー生命を断たれたハイジ( 小出恵介)が自分の夢を実現しようとして、竹青荘を作り、住人というか部員は知らない間に体力強化食で栄養をつけさせ、入居させた学生も全て箱根駅伝で走る素質のある者だけという企みで、その変な恩に報いるために部員たちが頑張るというもの。作品中でも言っているが、ある意味で詐欺師。ここらへんがなんとなく面白くて、煙草中毒の先輩が禁煙を誓って作る針金人形を「呪いの籠ったお守り」としてスポンサーに配っては変な顔をされるというような面白味もある。しかし謎はなんでこの作品を作ったのか。内容的には、誰でも出れる箱根駅伝ハウツー物。予選会や必要タイムなどが細かに描かれている。箱根駅伝の仕組みが分かるという意味では面白いものの、やはり謎は残る。キャストは面白い。リーダー格のハイジが人間味豊かに描かれ、走ることしか知らず、といってもその目的も知らないプロのランナー、カケルの成長を助けるという筋書きは納得もの。箱根駅伝自体もうまく描かれている。これは全部、作ったのだろうか。テレビで見て知っているだけだが、全コースを忠実に再現、という事は警察の白バイや設備や他のランナーや沿道の観客を総動員。本番の箱根駅伝の解説っぽい部分もある。しかし全員が20キロというとハーフマラソンを走る箱根駅伝というのは競技としては半端じゃない。それも寛政大学は部員10人でぎりぎり。普通の駅伝というと区間によって距離が違うので、長距離、短距離のエキスパートを揃えれば簡単に勝てるのとは大違い。そうした過酷なレースだから挑戦する価値があるという事か。駅伝がこれ以外の意味でも選手のトレーニングに都合が良いというような理由で世界的に流行っているが、その批判もあるかもしれない。それと寮とは言ってもこうした木造2階建ての家屋は今もあるのだろうか。あっても再開発の目玉だろう。なんとなく昔の名前は忘れたが(調べれば分かるが)漫画家が集まって住んでいたアパートの雰囲気がある。「王子」は漫画オタクだし。ここんとこ邦画が大作ばかりなので久々に軽い気持ちで観れた作品。製作は光和インターナショナル。調べてみたら映画、テレビドラマ、結構作ってる。


ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)