イングロリアス・バスターズ (2009)
Inglourious Basterds
U.S. Release Date: 2009
■監督/脚本:クエンティン・タランティーノ
■キャスト:ブラッド・ピット/メラニー・ロラン/クリストフ・ヴァルツ/ダイアン・クルーガー
■音楽:??
■字幕:松浦美奈
■お勧め度:★★(★)
「「パルプ・フィクション」「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノ監督が復讐劇をテーマに描く痛快アクション・エンタテインメント大作。第二次大戦下のフランスを舞台に、ナチスに家族を殺されたユダヤ人女性と、情け容赦ないナチ狩りで恐れられるユダヤ系アメリカ人部隊“バスターズ”が繰り広げる壮絶かつ壮大な復讐の行方を、タランティーノならではの映画愛あふれる演出でスリリングに綴る。主演はブラッド・ピット、共演にメラニー・ロラン、ダイアン・クルーガー。また、敵役のランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツは、この演技でみごとカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞。
1944年、ナチス占領下のフランス。かつて、“ユダヤ・ハンター”の異名をとる冷血な男ハンス・ランダ大佐によって家族を皆殺しにされた少女ショシャナは、ただ一人逃げ延び、現在はパリで映画館主に身をやつしながら復讐の機会を窺っていた。同じ頃、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人を中心とした連合軍の極秘部隊“イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)”がナチスを次々と虐殺、その残虐な手口でドイツ軍を震え上がらせていた。そんな中、ショシャナの映画館でナチスのプロパガンダ映画「国民の誇り」のプレミア上映が決まり、ヒトラーはじめナチス高官が一同に集結することに。この千載一遇のチャンスを逃すまいと、ショシャナ、バスターズそれぞれが行動を開始するが…。」(allcinema.net/より。)
疲れる。英語の部分は、ほんの一部。フランス語とドイツ語の英文字幕(長い直訳)を読むのがせいいっぱい。通訳が入って間延びするシーン以外は、ほとんどスクリーンが見れない。それになぜか台詞がやたら多い。タランティーノともあろう者が何考えてんだか。こうなると日本の字幕翻訳家はありがたい。デタラメにしても短いという意味だけでも。これは個人的な事ながら、少しは分かるフランス語と、その長たらしい英訳と、それとは全く関係無い日本語の字幕を読むのは不可能な拷問。
タランティーノ作品の面白さというのは道徳無視の残虐性だろう。それに徹すればいいものを、変に映画っぽい作品にしてしまったかもしれない。主役不向きなブラッド・ピットの起用は意図的にすら感じられ、むしろ目立つのはショシャナ(メラニー・ロラン)の存在と復讐劇。メラニー・ロランは同じフランス人のカトリーヌ・ドヌーヴに似た顔立と雰囲気があって、彼女自身、ユダヤ人で祖父はナチスの迫害を受けたらしい。完全な主役になってしまい、オチャラケ的な作品にしては復讐劇のやり方がまっとう過ぎるかもしれない。ブラッド・ピットたちは、そのオマケ的な存在になってしまった。それはそれでいいにしても、タランティーノの作風とはちょっと違う結果になったような。もっとも「キル・ビル」以外は殆ど観てないか覚えてないが。フランス、パリが主な舞台で、メラニー・ロランを起用し、彼女は映画館のオーナー、という事からすると、タランティーノ監督としてはフランス映画の全盛期、特にカトリーヌ・ドヌーヴ主演作品への憧れを映画化したかったのかもしれない。実際問題としても印象に残るのはブラッド・ピットの「バスターズ」でもなければ、たしかに好演ながらクリストフ・ヴァルツのランダ大佐でもない。ショシャナ、というよりメラニー・ロランの実話というか体験に元づいた復讐劇だけを抜き出して、そのような作品にした方が、月並みではあっても面白い作品になっていたような。もっともそれをやればタランティーノらしさはなくなるが。要するに、おそらくは個人的な願望、憧れと、自分の作風をゴチャ混ぜにしてしまったために、作品としての統一性がなくなってしまったような。もっともそれが良さとも思えたが。ダイアン・クルーガー(ドイツ出身)を二重スパイ役にして、まぬけな死に方をさせたのは、メラニー・ロランの当て馬、引き立て役だろう。内容的にはナチスを扱いながらも、なんらナチズム批判になっていないという所はタランティーノらしくて面白い。なんかこう面白いんだかつまらないんだか分からない作品、というのもタランティーノらしさか。しかしはっきり言って若い頃のカトリーヌ・ドヌーヴに憧れたことの無い場合は、観る部分は殆ど無い作品だろう。
ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
Inglourious Basterds
U.S. Release Date: 2009
■監督/脚本:クエンティン・タランティーノ
■キャスト:ブラッド・ピット/メラニー・ロラン/クリストフ・ヴァルツ/ダイアン・クルーガー
■音楽:??
■字幕:松浦美奈
■お勧め度:★★(★)
「「パルプ・フィクション」「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノ監督が復讐劇をテーマに描く痛快アクション・エンタテインメント大作。第二次大戦下のフランスを舞台に、ナチスに家族を殺されたユダヤ人女性と、情け容赦ないナチ狩りで恐れられるユダヤ系アメリカ人部隊“バスターズ”が繰り広げる壮絶かつ壮大な復讐の行方を、タランティーノならではの映画愛あふれる演出でスリリングに綴る。主演はブラッド・ピット、共演にメラニー・ロラン、ダイアン・クルーガー。また、敵役のランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツは、この演技でみごとカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞。
1944年、ナチス占領下のフランス。かつて、“ユダヤ・ハンター”の異名をとる冷血な男ハンス・ランダ大佐によって家族を皆殺しにされた少女ショシャナは、ただ一人逃げ延び、現在はパリで映画館主に身をやつしながら復讐の機会を窺っていた。同じ頃、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人を中心とした連合軍の極秘部隊“イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)”がナチスを次々と虐殺、その残虐な手口でドイツ軍を震え上がらせていた。そんな中、ショシャナの映画館でナチスのプロパガンダ映画「国民の誇り」のプレミア上映が決まり、ヒトラーはじめナチス高官が一同に集結することに。この千載一遇のチャンスを逃すまいと、ショシャナ、バスターズそれぞれが行動を開始するが…。」(allcinema.net/より。)
疲れる。英語の部分は、ほんの一部。フランス語とドイツ語の英文字幕(長い直訳)を読むのがせいいっぱい。通訳が入って間延びするシーン以外は、ほとんどスクリーンが見れない。それになぜか台詞がやたら多い。タランティーノともあろう者が何考えてんだか。こうなると日本の字幕翻訳家はありがたい。デタラメにしても短いという意味だけでも。これは個人的な事ながら、少しは分かるフランス語と、その長たらしい英訳と、それとは全く関係無い日本語の字幕を読むのは不可能な拷問。
タランティーノ作品の面白さというのは道徳無視の残虐性だろう。それに徹すればいいものを、変に映画っぽい作品にしてしまったかもしれない。主役不向きなブラッド・ピットの起用は意図的にすら感じられ、むしろ目立つのはショシャナ(メラニー・ロラン)の存在と復讐劇。メラニー・ロランは同じフランス人のカトリーヌ・ドヌーヴに似た顔立と雰囲気があって、彼女自身、ユダヤ人で祖父はナチスの迫害を受けたらしい。完全な主役になってしまい、オチャラケ的な作品にしては復讐劇のやり方がまっとう過ぎるかもしれない。ブラッド・ピットたちは、そのオマケ的な存在になってしまった。それはそれでいいにしても、タランティーノの作風とはちょっと違う結果になったような。もっとも「キル・ビル」以外は殆ど観てないか覚えてないが。フランス、パリが主な舞台で、メラニー・ロランを起用し、彼女は映画館のオーナー、という事からすると、タランティーノ監督としてはフランス映画の全盛期、特にカトリーヌ・ドヌーヴ主演作品への憧れを映画化したかったのかもしれない。実際問題としても印象に残るのはブラッド・ピットの「バスターズ」でもなければ、たしかに好演ながらクリストフ・ヴァルツのランダ大佐でもない。ショシャナ、というよりメラニー・ロランの実話というか体験に元づいた復讐劇だけを抜き出して、そのような作品にした方が、月並みではあっても面白い作品になっていたような。もっともそれをやればタランティーノらしさはなくなるが。要するに、おそらくは個人的な願望、憧れと、自分の作風をゴチャ混ぜにしてしまったために、作品としての統一性がなくなってしまったような。もっともそれが良さとも思えたが。ダイアン・クルーガー(ドイツ出身)を二重スパイ役にして、まぬけな死に方をさせたのは、メラニー・ロランの当て馬、引き立て役だろう。内容的にはナチスを扱いながらも、なんらナチズム批判になっていないという所はタランティーノらしくて面白い。なんかこう面白いんだかつまらないんだか分からない作品、というのもタランティーノらしさか。しかしはっきり言って若い頃のカトリーヌ・ドヌーヴに憧れたことの無い場合は、観る部分は殆ど無い作品だろう。
ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)