アイアンマン2 (2010)

2010-06-25 14:43:50 | Weblog
アイアンマン2 (2010)

Iron Man 2

U.S. Release Date: 2010

■監督:ジョン・ファヴロー
■キャスト:ロバート・ダウニー・Jr/グウィネス・パルトロー/ドン・チードル/スカーレット・ヨハンソン/ミッキー・ローク/サミュエル・L・ジャクソン
■音楽:ジョン・デブニー
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:★★★(★)

 「自ら開発した鋼鉄のパワード・スーツを身に纏った男が勧善懲悪に立ち上がる姿をロバート・ダウニー・Jr主演で痛快に描き大ヒットしたアクション・ムービーのシリーズ第2弾。今回は復讐に燃える難敵や謎めいた美女など新たな脅威が登場、主人公トニー・スタークがパワード・スーツの改良を重ねながら次々と迫りくる試練に立ち向かう。共演に「レスラー」のミッキー・ローク、「それでも恋するバルセロナ」のスカーレット・ヨハンソン。監督は引き続き「ザスーラ」のジョン・ファヴロー。
 “アイアンマン”であることを自ら公表し、世間を騒然とさせたトニー・スターク。彼の勝手なヒーロー行為は国家問題にまで発展し、パワード・スーツ没収を命じられるハメに。一方、そんなトニーの報道を憎悪の目で見つめる男。彼はトニーに対し、ある恨みを募らせていた。そして、一撃で金属を真っ二つにできる武器を自在に操る“ウィップラッシュ”へと変身、積年の恨みを晴らすべく、ついにトニーの前へ姿を現わす。また、トニーの新しい秘書としてやって来た美女はレザースーツに身を包んだ“ブラック・ウィドー”という裏の顔を持ち、ライバルの武器商人ジャスティン・ハマーは謎の軍団を組織し暗躍し始めていた。さらに、パワード・スーツのエネルギー源となる胸に埋め込んだリアクターの悪影響を受け、自ずと身体を苦しめるトニー。それでも彼はパワード・スーツの進化に身を注ぎ、究極の戦いに挑むのだが…。」(allcinema.net/より。)

この作品、シリーズ(と言っても今回が最後のようだが)の面白さはキャストだろう。ある意味で「バットマン」のパロディーでもあるし。「1」は忘れたが、今回はこれに加えて内容的にも、まあまあ。パワード・スーツの動力源の元素が合わないらしく病弱していくアイアンマン、それの代替元素を再発見する過程に父子の絆が描かれたりする。ロバート・ダウニー・Jrのアイアンマン以外にも、いいキャストが揃っている。秘書役のグウィネス・パルトローが社長、そして最後には__へと昇格、親友役のドン・チードルも面白いし、組織的には分からないが、上院議院も動かせる組織のボス役のサミュエル・L・ジャクソンが今回はかなり出演場面が多い。レザースーツの美女(スカーレット・ヨハンソン)というのは彼の部下で、これもかなり強烈なアクションと同時に、ラテン語を話すという(あり得ない)面白キャラとして登場する。悪役のミッキー・ロークはあまり目立たないし弱いが、これはキャスト重視の意図的なものだろう。悪く言えば内容的にちょっと変なところがあるが。パワード・スーツを動かすためには体に動力源を埋め込まなければならないはずだが、親友はそれ無しでパワード・スーツを動かしている。ただしこれのおかげでパワード・スーツ2体の対決やらという面白い部分が作れたので、無かった事にしても。原作はどうだったか知らないが、原作を無視してこういう形で作品を面白くするというのも、あっていいかもしれない。このおかげで大人でも、ある程度、楽しめる作品になっている。主人公はロバート・ダウニー・Jrにしても、見所はグウィネス・パルトローだろう。「1」では確か単なる秘書役でつまらなかったが、今回は秘書から社長、そして__という役の変化が面白い。若い頃は確かボーイッシュさが売りだったような気がするが、歳のせいか、いい女になったし、実は本作を観るまで忘れていた注目女優でもある。生まれはアメリカらしいが、過去の作品もあって、英国の舞台女優という感じがする。声がちょうど良い低さで台詞が綺麗だし、個人的な事に走ると、顎の線が特徴的で口元が可愛い。そう目立つタイプではないにしても、こういうちょっと面白い役が似合っているような。そのような事なので本作はグウィネス・パルトローを見るだけでも満足。スカーレット・ヨハンソンがこれに対照的な役で、解説の「ブラック・ウィドー」という名前はどこで出てくるのか知らないが、クールなエージェント役で、これもかなりな見所。そのような事なので、テーマやらアクションは無視しても、十分、観られる作品だろう。


ヒアリング度:★★★
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

FLOWERS フラワーズ (2010)

2010-06-18 17:20:54 | Weblog
FLOWERS フラワーズ (2010)

U.S. Release Date:

■監督:小泉徳宏
■キャスト:蒼井優/鈴木京香/竹内結子/田中麗奈/仲間由紀恵/広末涼子/長門裕之/真野響子
■音楽:朝川朋之/主題歌:Dreams Come True『ねぇ』
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「化粧品のCMで共演した日本を代表する6人の女優を主人公に、昭和初期から現代のそれぞれの時代に生きる三世代6人の日本女性の人生を描いたドラマ。日清カップヌードル『hungry?』はじめ世界的にも評価の高いCMを次々と世に送り出してきたトップ・クリエイター、大貫卓也が企画・製作総指揮を担当。劇中に登場する三世代それぞれの時代を、その時代その時代を代表する日本映画のタッチで再現したこだわりの映像表現にも注目。監督は「タイヨウのうた」「ガチ☆ボーイ」の小泉徳宏。
 昭和11年、春。親同士が決めた、会ったこともない相手との結婚に悩み続ける凜。女学校を出て、進歩的な考えを持つ彼女は、ついに迷いを抱えたまま婚礼当日を迎えてしまう。昭和30年代。凜の長女・薫は、大学卒業と同時に教授の真中と恋愛結婚する。大手出版社で男と張り合い奮闘するキャリアウーマンの次女・翠は、恋人からの突然のプロポーズに、仕事と結婚の間で揺れ始める。昭和52年、秋。凜の三女・慧は、夫と娘と郊外の団地で幸せに暮らしていた。そして、待望の2人目の子どもを授かった慧だったが…。平成21年、冬。慧の長女・奏は、祖母・凜の葬儀のために久々に帰省する。そこで、結婚して幸せな家庭を築いている妹の佳と再会するが…。」(allcinema.net/より。)

はっきり言って映画作品としてはつまらない。ただし本作品は、そもそも映画作品ではないだろう。明らかに6人の女優を描くことが主眼の見るだけの作品。ただしそれをやったために中途半端さが目立つ。これといったテーマは無いし、時代背景を描くといっても、製作者も自覚していたのだろう、単に昭和の時代を描けば「博物館映画」になってしまう。結果的に、古い時代のシーンは白黒で音はモノーラル、現代はドルビー、最後になって博物館っぽいシーンを入れるというような小手先だけの工夫に終わっている。もっとも、この中途半端さがいいともいえるが。6人の女優の格の違いのチグハグさと良くマッチしている。ここらへんが結構いい。美形の竹内結子は出すだけで、実力派の鈴木京香と仲間由紀恵にはかなり重点を置いている。原作がある作品と違って、いわゆる企画物だろう。誰が選んだか知らないが、6人の女優をコントラストさせてみたいという企画が先にあって、その大役を仰せつかったのが監督。監督は監督なりにせいいっぱいやったような印象を受ける。女優に重点を置くために、年号をわざと「昭和」で表記したり、各々の時代の代表的なイベントや事件は一切、入れないというような。もっともこのせいで時代が分からないという結果になるが。今どき「昭和39年」とか言われてピンと来るだろうか。結局のところは「上」(日テレ/読売)の言うとおりに作った作品だろう。というような問題を無視して見れば、息抜き的な作品と言えるし、そのような物としては見る価値はあるだろうが。良く言えば、いくつかのシーンで過去の邦画を彷佛とさせるようなものがある。果たして意図的かどうか分からないが。一番、よかったのは竹内結子と田中麗奈が、お祭りの夜に川辺で見るホタルで、数年前の特攻隊映画っぽい。このシーンは妙にいい。かと思うと竹内結子の天地真理ヘアはジョークっぽい。こういうチグハグさというのも面白いかもしれない。見ようによっては軽さと爽やかさが楽しめる作品。


ヒアリング度:
感動度:★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

孤高のメス (2010)

2010-06-11 17:04:43 | Weblog
孤高のメス (2010)

U.S. Release Date:

■監督:成島出
■原作:大鐘稔彦
■キャスト:堤真一/夏川結衣/松重豊/吉沢悠/柄本明/中越典子
■音楽:
■字幕:
■お勧め度:★★★★

 「現職医師・大鐘稔彦によるベストセラー小説を映画化、ひとりの医師の真摯な姿を通して現代医療の問題を投げかけるヒューマン・ドラマ。1980年代を舞台に、ただ患者の命を救うことだけを念頭に法律ではまだ認められていない脳死肝移植にまで挑む一途な外科医と、そんな彼の信念が周囲を変えていく軌跡を重厚なタッチで描き出す。主演は「クライマーズ・ハイ」の堤真一、共演に「歩いても 歩いても」の夏川結衣。監督は「ミッドナイト イーグル」の成島出。
 現役の看護師でありながら病院内で適切な処置を受けられずに急死した浪子。彼女の葬式を終えた息子で新米医師の弘平は、母の遺品の中から一冊の古い日記帳を見つける。そこには、看護師としての様々な日々が綴られていた――。1989年。大学病院に依存し、外科手術ひとつまともに出来ない体たらくの地方病院、さざなみ市民病院。そこへ、ピッツバーグ大学で高度な外科医術を身につけた医師・当麻鉄彦が第二外科医長として赴任する。院内の旧態依然とした慣例に囚われず、患者のことだけを考えて正確かつ鮮やかに処置を行う当麻。彼のひたむきな姿勢は周囲の反発を招く一方、腐敗した病院に風穴を開け、オペ担当のナースとして当麻と一番身近に接していた浪子も仕事への情熱を取り戻していくのだった。そんなある日、市長の大川が末期の肝硬変で搬送されてくる。当麻は、大川を救済する唯一の手段だが日本の法律ではまだ認められていない脳死肝移植を施すことを決断するが…。」(allcinema.net/より。)

「現代医療の問題を投げかける」というのは表向きで、これは本当はラブストーリーだろう。最初の出会いで説教されて、当麻を嫌なヤツだと思う浪子。それが当麻のオペと医師としての姿や信念を見るにつれて尊敬の念を抱き、おそらくは恋心も。同時に看護婦(当時)の真のありかたにも目覚める。これプラス、特に母子の絆。脳死肝移植は確かにテーマにしても、提供者の母親が息子の意志を実現させたいという願い、こっちの方がテーマだろう。原作のせいかもしれないが、ものすごく物語り構成がうまいし、映画作品としてみても、何かものすごくグッとくるものがある。切ない片思い、母親の思いなど。それにちょっとしたコメディー性もある。マジなテーマでこういうのは効く。医師の当麻は、女に興味が無いか、今でいう__かもしれない。そうした当麻に惚れる浪子、当麻のリアクションが妙に面白い。構成的には作品上の主人公が過去を振り返る、知るという、ありがちなものにしても、過去と現在、縦と横の繋がりがある。当麻に惚れた浪子、その息子が作品上の主人公で過去を振り返り、母親と当麻が勤めた病院に、おそらくは二人の意志を継いで赴任するというような。キャストがまたいい。はっきり言って女音痴というか、当麻役に堤真一がぴったりだし、感動物は夏川結衣(という殆ど知らない女優)のナース役は何故か妙に引き付けられる。特にナース服フェチではないので、はまり加減がいいという事じゃないか。いわゆる美形ではないと思うので、演技のうまさか。表情がものすごくいい。美形といったら市長の娘役の中越典子だろう。医療ものは表向きで、描かれているテーマは母子の絆や恋心だろう。この隠し方が妙にうまいのが感動的。原作はおそらく医療ものだったのだろうから、これは映画版(化)の功績だろう。製作:フジTV。


ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★(かなりグロな部分あり)
ムカつく度:
考えさせられる度:★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 (2010)

2010-06-05 14:39:41 | Weblog
RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 (2010)

U.S. Release Date:

■監督:錦織良成
■キャスト:中井貴一/本仮屋ユイカ/高島礼子/奈良岡朋子/宮崎美子
■音楽:吉村龍太/(主題歌:松任谷由実『ダンスのように抱き寄せたい』)
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)

 「次期取締役候補のエリートサラリーマンが、自らの人生を見つめ直し、崩れかけた家族の絆を取り戻すため、50歳を目前に夢だった電車の運転士になる姿を描くハートウォーミング・ドラマ。主演は「壬生義士伝」の中井貴一、共演に高島礼子、本仮屋ユイカとこれがデビューの三浦貴大。監督は、本作の舞台でもある島根県出身の錦織良成。
 一流企業のエリートサラリーマン筒井肇は、50歳を目前に取締役への昇進を告げられる。その一方で、リストラのために親友の川平が工場長を務める工場の閉鎖を進める責任者を任されることに。さらに、家庭を顧みず仕事一筋だったばかりに、妻や娘との間に知らず知らずのうちに溝が深まっていた肇。そんなある日、故郷の島根で一人暮らしをしていた母・絹代が倒れたとの連絡が入る。追い打ちをかけるように、川平の交通事故死の報が届く。そんな時、幼い頃に必死で集めていた電車の切符の束を見つけた肇は、地元ローカル線“一畑電車”の運転士になるという子ども時代の夢を思い出すのだが…。」(allcinema.net/より。)

会社員、サラリーマンって、何だろうか。殆どはいい大学を出て、みんながそうするから就職して、上に言われるままに仕事して、運よく出世して、「エリート」と言われ、時として家族崩壊。自分から会社員、サラリーマンになりたがる人は居るのだろうか。あげくの果ては会社がなくては何も出来ないのを勘違いして、自分に凄い能力やらがあると思い込む。中には楽したくて、地方公務員試験に受かってというパターンもあるが、これ以外は、なりたくてなる仕事じゃないんじゃないだろうか。自分はサラリーマンやった事が無いので想像に過ぎないが。本作の筒井肇は、ある意味では、最初からサラリーマン失格だったのじゃないだろうか。無理しているという妻の言葉にも表れているし、取締役を棒に振って、というのは、本物のサラリーマンのやる事じゃないだろう。作品として見ると、ここらへんがちょっと弱いというか説得力が無い。もっともこれがテーマじゃないだろうから、どうでもいい事だが。家族関係がとても良く描かれている。(例によって)愛しいの高島礼子さまは素敵な妻役で、若いながら本仮屋ユイカが、実質的な共演をうまくこなしている。これに「釣りバカ」から解放された奈良岡朋子さん(とハチ)の、知らないので何だが島根訛りで母親と祖母役が見応えある。祖母の最後を看取る家族というのがテーマだろう。祖母は息子にやりたい事をやって欲しい、それが息子やその家族の幸わせに繋がるから。電車の運転士になるというのは、息子のやりたい事だったにしても、結果的にそれに応えることで親孝行し、家族の絆を取り戻すというような。実は筒井肇ともう一人、「一畑電車」に受かる。彼(三浦貴大?)は甲子園のエースだったが肘を壊し、それこそ適当な就職口として「一畑電車」に入社。ところが好きで入った筒井肇の影響で、本来はやりたかったし十分できる野球より運転士の方が自分に合った仕事だと思うようになる。これも野球、「甲子園」という、出世街道に知らずに乗せられていた事に気づき、筒井肇と同じように好きな仕事をみつけるという、サブ・ストーリーみたいな感じでテーマを強調している。原作とか脚本無しの作品にしては、かなりな物じゃないだろうか。最後の台詞が印象に残る。「終点までちゃんと乗っていってくれよ。」(夫婦間)。派手な作品ではないにしても、ほんと、ハートウォーミングなドラマ。


ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)