のだめカンタービレ 最終楽章 後編 (2010)

2010-04-24 07:20:59 | Weblog
のだめカンタービレ 最終楽章 後編 (2010)

U.S. Release Date:

■総監督:武内英樹
■監督:川村泰祐
■キャスト:上野樹里/玉木宏/他
■音楽:
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「二ノ宮知子の同名コミック原作、上野樹里、玉木宏主演の大ヒットTVドラマの劇場版・後編にしてシリーズ完結編となる音楽恋愛コメディ。挫折を繰り返しながらも音楽的に成長していくのだめの姿とともに、いよいよ正念場を迎えたのだめと千秋の恋の行方が、これまでよりもシリアスな大人のタッチで描かれていく。
 離れ離れに暮らすことになった、のだめと千秋。やがて千秋には孫Ruiとの共演話が持ち上がる。一方、オクレール先生のもとでレッスンに励むのだめは、どんどん先に行ってしまう千秋に焦りを感じてしまう。そんな中、コンクールに出場する清良を応援するため、峰や真澄ら昔の仲間たちと会場へと向かったのだめ。ピアノ部門で聴いた『ラヴェル ピアノ協奏曲』に心奪われ、いつか千秋と共演するときに演奏したいと強く願う。しかし、その曲は奇しくも千秋とRuiが共演する演目に決まっていた。しかも、のだめがやりたいと思い描いていた通りの演奏を完璧な形で披露されてしまう。それを目の当たりにして、ショックを隠しきれないのだめだったが…。」(allcinema.net/より。)

例によって原作は見てない、読んでないながら、「入場者プレゼント」でコミックス版の短いやつを貰ったので読んでみたら、楽曲の解説だらけで、これがどういう理由でヒットしたのか分からない。おそらくは単純なラブストーリーを楽曲の解説で連載に引き伸ばしたのだろうが。というのは悪口で、この「楽曲の解説」というのは、普段はクラシックに馴染みの無い読者を引き付ける効果があるのかもしれない。そう考えると、これの劇場版というのは、音楽入りの、ある意味で「本番」と言えるかもしれない。「前編」を観た時は好きでもない曲を聴かされて苦痛だと書いたが、好き嫌いは別にしてクラシックなら何でもいいという事だろう。特に楽器系の演奏の良し悪しは専門家でないと分からないわけだし。要するに、この作品は二人のラブストーリーをクラシックを絡めて引き伸ばしたり加工したりするのが特徴なのだろう。特に「後編」では「前編」にあった没落オーケストラの再興という筋書きが無いだけに、この点が浮き彫りになる。テーマ的にははっきりしている。綺麗ごとながら、音楽を通じて成長する二人、成長できたからこそ成就する恋。それを助ける様々な人々。特にお化け竹中直人が伸び悩む「のだめ」に成長のための決定的な一撃を加える点は面白い。これは実際のクラシックさんたちもそうで、コンクールに勝てばなんとかなると勘違いしている人が多い。ファンのソプラノもそうなのだが。コンクールにいくら勝っても、それはそれだけの事で、肝腎なのは実戦、つまり本作の「のだめ」のように無名の新人であっても、有名なオーケストラ、指揮者と共演すること、これが無いと成功も成長も無い。そうした経験を通じて段階的に成長して有名になっていくというのが、歴史に名を残した人々の軌跡でもある。原作は分からないが、映画版の製作者は、この事を知っている。ついでに言うと、この映画版の製作者は楽器にもかなり詳しい。最後の方で出てくるが、ピアノというのは打楽器だという事を知っている。そして打楽器は殆ど全ての音楽の原点であり、そのルーツはアフリカ原住民の音楽。話しは少しそれるが、今はどうか知らないが、ジミー・スミスという、過去のオルガニストではなくてドラマーがいて、「歩くジャズの歴史」と言っていたが、彼がやるソロでは、必ずアフリカ調のドラミングを入れる。こうした歴史というのは、それ自体、人を育てる効果があるのかもしれない。その意味では音楽、クラシックにしてもジャズにしても、は素晴らしいのかもしれない。個人的にはオペラなので、ここらへんはちょっと分からないが。クラシックに馴染みがなくても最後のガーシュインぐらいは分かるだろう。と思ってガーシュインにしたのだろう、製作者は。

ヒアリング度:
感動度:★★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

第9地区 (2009)

2010-04-17 08:34:03 | Weblog
第9地区 (2009)
District 9

U.S. Release Date: 2009

■監督:ニール・ブロンカンプ
■キャスト:(シャールト・コプリー)
■音楽:クリントン・ショーター
■字幕:松浦美奈
■お勧め度:★

 「南アフリカ出身の新鋭ニール・ブロンカンプ監督が、ピーター・ジャクソンの全面バックアップで長編デビューを飾り全米でサプライズ大ヒットを記録するとともに、その独創的なストーリーが絶賛されたSFアクション。巨大な宇宙船が漂着し、異星人を難民として受入れることになった南アフリカを舞台に、異星人と地域住民との軋轢が深刻化する中、当局の新たな対応が思いもかけぬ事件を招いてしまうさまをドキュメンタリー・タッチの語りと大作映画に引けを取らない驚異のヴィジュアルで描き出していく。
 南アフリカ・ヨハネスブルグ上空に正体不明の巨大宇宙船が現われ、そのままとどまってしまう。しかし、エイリアンは襲撃に来たわけではなく、宇宙船の故障で漂着しただけだった。追い返すことも出来ず、やむを得ず彼らを難民として受入れることに。それから20数年後。共同居住区“第9地区”はいまやスラムと化し、地域住民の不満は爆発寸前に。そこで超国家機関MNUは、エイリアンたちを新たな難民キャンプへ強制移住させることを決定。プロジェクトの最高責任者に抜擢されたエイリアン対策課のヴィカスは、さっそく彼らの住居を訪問し、立ち退きの通達をして廻る。ところがその最中に、不注意から謎の液体を浴びてしまうヴィカスだったが…。」(allcinema.net/より。)

「大ヒット」したのは「独創的なストーリー」じゃなくて人道無視の残虐性だろう。飛び散る肉体。

分からない事が多すぎる。確かに異星人の事は人間、人類がその知識と経験からでは想像もできないというのは事実だろうし、その方が自然だろうが、人間が想像できる部分にも分からない事が多々あって、これが致命的。この異星人の武器は強力だが、DNAの関係で人間には操作できない。ある液体を浴びて異星人になってしまう主人公が、これが理由で各国政府や機関に付け狙われる事になるが、彼は民間人。この異星人は言葉を喋るし、知能も十分すぎるほどある。だったら異星人を数名手なずけて兵士として訓練して使った方が早いし効果的だろう。そしてこの点、付け狙われる事が主な筋書きになっている。本末転倒。この液体は人間を異星人に変えると同時に、宇宙船の動力源にもなるらしい。こういう分からない事はあってもいいだろうが、人間が想像できる範囲で分からない事があるというのは問題じゃないか。

残虐性に関しては最後の方で主人公がヒーローになって異星人を救うという筋書きだが、言い訳っぽい。小道具的にはSFっぽい武器とガンダムを付け加えただけとも言える。それに救うといっても目的が分からない。この異星人は、おそらくは母星が壊滅したかで放浪の旅に出て、自分達が住める地球をみつけて侵略するのが目的で、なにかの理由でコマンド崩壊、戦闘艦隊全滅、民間人の乗る母船だけが地球に漂着したのだろうが、そうだったら、この母船の異星人が、この目的を知らないはずはないだろう。これは憶測に過ぎないが、ここらへんの事を描かずに、単に漂着した「難民」の事をドキュメンタリータッチで描いても、なんらドキュメンタリーにはならないだろう。映画にもならない。こういうドキュメンタリータッチの作品はとにかく疲れる。常に何かを探しながらも分からない事だらけ。テーマも何も無し。省ギャラを「ドキュメンタリータッチ」で誤魔化した「血ドバッ」駄作。「血ドバッ」が見たければ、十分、楽しめるだろうが。しかしだったら、わざわざ映画館に行く必要は無いだろう。こういう物を載せてるサイトはいくらでもあるわけだし。久々に「ペーコンレタスバーガー」を食べたが、こっちの方が、数倍、良かった。

ヒアリング度:★★
感動度:
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★
ムカつく度:★★★★
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ (2009)

2010-04-10 06:54:31 | Weblog
ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ (2009)

U.S. Release Date:

■監督:松山博昭
■原作:甲斐谷忍
■キャスト:戸田恵梨香/秋山深一/田辺誠一/渡辺いっけい/他
■音楽:中田ヤスタカ
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「欲望にまみれたプレイヤーたちが極限の心理戦を繰り広げる恐ろしいゲームに巻き込まれてしまったバカ正直な女子大生が、元天才詐欺師の助けを借りて難題をクリアしていく過程を描いた甲斐谷忍原作、戸田恵梨香、松田翔太主演の人気TVドラマの劇場版。準決勝までを勝ち上がってきたファイナリスト11名が、いよいよ優勝賞金50億円を懸けたファイナルステージに挑む。
 ライアーゲームの決勝戦は準決勝までを勝ち残った精鋭11名によって争われる。そのゲームの名は“エデンの園ゲーム”。優勝賞金は、50億円。そして、ゲームのテーマは“信じあう心”。プレイヤーは赤、シルバー、ゴールドのリンゴいずれかに投票し、もし全員が赤を選べば全員にプラス1億円が入る。しかし、一人でも違う色を選べば、赤に投票した者はマイナス1億円、赤以外に投票した者はプラス1億円となる。それを13回繰り返し、最終的な獲得賞金の多寡で勝者が決する仕組み。ナオは、全員が13回とも赤に投票すれば一人13億円を手にできると主張、プレイヤーの結束を訴える。しかし、ファイナリストの中には最強の刺客“プレイヤーX”が潜んでおり、百戦錬磨のプレイヤーたちがナオのバカ正直な訴えに素直に従うわけもなく…。」(allcinema.net/より。)

例によって「人気TVドラマ」を見ないで観た劇場版。でも良く分かる。(そりゃこれだけ筋書きが単純なら)。このゲームはしかし面白い。億単位じゃなくて千円単位でやったら、と思ったが、それだと緊張感がないので万単位か。実際はやってるのじゃないだろうか。人の信頼関係とか余計な事を考えるより、漫画の劇場版として単純に観た方が楽しめるような。実際、漫画っぽい。自分は赤に投票したのに、なぜかシルバー、ゴールドに投票していた事になっていた。ここで「続く」になって、13回シリーズ?だったらいっそ作品自体を漫画っぽくして、「続く」の後に適当なお遊びコマーシャルでもニュースでも入れた方が面白かったような。「信頼」というテーマとマジに取り組んだのは製作者、監督の性格か。不真面目に描いた方がインパクトがある場合もあるのじゃないか。

戸田恵梨香がとにかく可愛いし印象に残る。ただのアイドルじゃないだろう、よくも全く分からないが。テーマ的には「バカ正直な女子大生」が良くも悪くもゲームを通じて成長するという事だろうが、この点は、あまりインパクトが無いし、それほど強調したいようなテーマでもないだろう。結果的に中心になるのは13回の投票のたびに変わる参加者の心理か。それほど深く描かれているとも思えないが、基本的に漫画、というか連載ものとして引き付けるのが目的だったのだろうから仕方ないだろう。この点、映画として観た場合、物足りないが。それでもドタバタっぽい心理変化は観てて多少は楽しめる。「プレイヤーX」は誰かというミステリー性もあるし。最後に_リンゴが揃うというのも、筋書きからすれば多少は感動的。しかし参加者を駒にして戦わせて、結果に賭けるというのは、世界的な規模でやっているのじゃないだろうか。むしろそれをベースにした原作のような感じがして、妙に現実観があるのがちょっと恐い。二つの国を戦わせて、勝った方に賭けるというような。

ヒアリング度:
感動度:★★
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

誰かが私にキスをした (2010)

2010-04-03 07:23:46 | Weblog
誰かが私にキスをした (2010)

U.S. Release Date:

■監督:ハンス・カノーザ
■原作:ガブリエル・ゼヴィン『誰かが私にキスをした』(集英社文庫刊)/『失くした記憶の物語』(理論社刊)
■キャスト:堀北真希/松山ケンイチ/手越祐也/アントン・イェルチン/渡部篤郎
■音楽(主題歌): カイリー
■字幕:
■お勧め度:★

 「インターナショナル・スクールを舞台に、突然記憶を失くしたヒロインが、目の前に現われた3人の男子の間で揺れ動くさまを描くラブ・ストーリー。主演は「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の堀北真希、共演に「デトロイト・メタル・シティ」の松山ケンイチ、人気グループNEWSの手越祐也、「ターミネーター4」のアントン・イェルチン。監督は「カンバセーションズ」のハンス・カノーザ。
 東京のインターナショナル・スクールに通う女子高生ナオミは、階段から落ちて頭を打ち、過去4年間の記憶を失くしてしまう。やがて退院したナオミが久々に登校すると、親しげに話しかけてくる誰もが、彼女にとっては初対面の人という事態に直面、改めて混乱してしまう。そんな中、病院まで付き添ってくれたユウジと再会したナオミ。どことなく陰のある彼に、いつしか心惹かれていく。一方、以前から親友だったというミライは、ナオミに優しく接する一方、ユウジに近づくことに抵抗を示す。そして周囲も公認の恋人だったエースは、どんどん変わっていく彼女に苛立ちを募らせ、ますます戸惑ってしまうナオミだったが…。」(allcinema.net/より。)

「インターナショナル・スクール」じゃなくてアメリカン・スクール(ロケ地:ASIJ、たしか三鷹)。卒業生はアメリカの大学に進学志望。というのはどうでもいい事ながら、記憶喪失の少女に焦点を当てたために、たとえば学園ドラマにもなってないし、アメリカン・スクールがどういう物か分からなければ、何がどうなっているのか分からないだろう。それに台詞は日本語、英語ミックス。高校生なので「ヒアリング度」は高いものの、生徒や先生間の関係とかも分からないだろう。その上、結末的には「適当」な彼氏に落ち着く。高校生でこれは無いだろう。何を描きたかったのだろうか。4年間の記憶喪失のおかげで成長する少女?どうやって?記憶が戻った時の葛藤?その結果が適当な彼氏。あまりにもつまらないので早く終わってくれないかと。作品よりも、お昼御飯をどうしようか、考えていた。春休みらしいのでマックは無理だろう。スーパーのメンチカツサンドにした。これが以外と美味しい。唯一の収穫。

記憶喪失を扱うのだったら、記憶喪失とはどういうものかをつっこむべきだろう。よく分からないが、記憶には色々なものがあって、全ての記憶を失うことは無いだろう。それだったら話すことも歩くことも出来ないだろう。この少女は4年間というと中学3年と高校1年間の記憶を失ったことになるが、テニスや写真の技術は保持している。記憶を失っても、こうした技術的な事は残るのかもしれない。だったらこの点をもっと描けばよかっただろう。作品では当然の事のように描いてしまっている。原作はどうだったか知らないが、テーマも内容も支離滅裂。見所無し。

写真を多用している。これは記憶の断片性の表現なのだろうが、記憶というものがどういうものかのツッコミが無かったら無駄だろう。製作:不明。

ヒアリング度:★★★
感動度:
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)