ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009

2009-08-01 22:12:44 | Weblog
ハリー・ポッターと謎のプリンス  Harry Potter and the Half-Blood Prince

U.S. Release Date: 2009

■監督:デヴィッド・イェーツ
■原作:J・K・ローリング
■キャスト:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン他
■音楽:ニコラス・フーパー
■字幕:岸田恵子(吹き替え版も?)
■お勧め度:★★★★

 「数々の冒険や戦いを通して逞しく成長したハリー・ポッターが宿命の対決へ始動し、いよいよ佳境に差しかかっていく人気シリーズの第6弾。思春期を迎えたホグワーツ魔法学校の生徒たちが恋愛ムードに浮き立つ中、ハリーは復活した宿敵ヴォルデモートの知られざる過去に迫りながら最終決戦へ向け新たな冒険に臨む。監督は前作「~不死鳥の騎士団」に引き続きデヴィッド・イェーツ。
 闇の帝王ヴォルデモートがマグル(人間)と魔法使い双方の世界で支配力を強め、その脅威はハリーたちのホグワーツ魔法学校にも及んでいた。校内を警戒し始めるハリー。最終決戦が迫っていることを知っているダンブルドア校長は、そんなハリーに来たるべき戦いにむけての準備を施していく。また、ヴォルデモートの防御を解く手掛かりにと、重要な情報を持つ元同僚の旧友ホラス・スラグホーンを魔法薬学教授として学校に迎え入れるのだった。一方、ギクシャクした関係が続くロンとハーマイオニーらホグワーツの生徒たちには春が訪れ、学校中で恋の騒ぎを繰り広げる。そんな中、決戦の準備を進めるハリーはヴォルデモートの意外な過去を知ることになるのだが…。」(allcinema.net/より。)

前作(と言っても殆ど覚えてない)とはガラッと雰囲気(と音楽)が変わって、主演(ただ出てるだけ)の3人が本格的な主演となり、前作までは盛り上げ役のキャストが奥に引っ込んだキャスト構成。お子様的なチャチいCGも控え目で、大人映画としてもかなり見応えがある。これと次作が本シリーズの実質的なクライマックスなのだろうか。そのような感じがして、次作がかなり期待できる。このシリーズは元々お子様用と知っての上で付合い的に見ていたのが、本作の変わりぶりはかなり印象深い。3人の性格や役割がかなりはっきり描かれ、自分の運命と使命に目覚め対峙するハリー・ポッター、それの盟友っぽい感じに成長し描かれるハーマイオニー、そしてダメ男として二人を盛り立てる役のロン・ウィーズリー、という感じで、3人が疑いない主人公になり、出ずっぱり。そして最終作への橋渡しもはっきりと描かれる。このシリーズは元々ゲームとの相互乗り入れが目に付くものだったが、本作では、かなり映画性に重点を置いた感じで、その意味でも大人でも楽しめる。男の子二人はどうでもいいにしても、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは期待どおりの成長ぶりで、彼女はあと数年したら、あるいは今でも洋画でも邦画でも今では希少か皆無になった美人系女優の最高峰になるような気がする。その彼女が本作ではダメ男のロンが好きだというのが面白くて、この微妙な役を巧くこなしている。単なる美人系女優ではなくて演技もできるタイプかもしれない。こうなると作品はそっちのけで、興味は彼女を誰と、どういう映画で共演させたいかというような事に行ってしまう。ズバリ、トム・クルーズの妹的な恋人役。トム・クルーズが役者としての方向性を見失っている現状と、彼の役者経験、おそらく俳優としては一番、出演作品が多いことからして、彼と共演する事でエマ・ワトソンも飛躍的に成長する可能性がある。そうなったら今ではトップクラスと言っていいニコール・キッドマンをはるかに超える大女優になる可能性がある。次作は2010年らしいので、問題はトム・クルーズがそれまでもつか。一年というのは映画の時間からすると長い。作品自体の良さとしては、特撮をなにげない型で使ったという事だろう。本作品は実質的には英国作品で、そのせいだろうか、特撮をあえて重視せずに、ないし見せ物的に使うのではなくて、作品中のオマケ的に使っている。この事がむしろ少ない特撮シーンを印象深いものにしている。単純なワイアーアクションだろうが、エマ・ワトソンの存在感もあって、彼女が図書館で本を書棚に返すシーンで、本が元の位置に浮き上がっていくシーンなどがかなり印象深いというか見所。こういう風に最新の特撮技術を余裕で使うというのが、本作品の製作者のヒット、センスの良さだろう。金と特撮がメインの中国作品と比べると、この点は意識的だろう。このおかげでアクションが出来ない俳優でも、アクションシーンが見劣りしないという利点がある。これは邦画に見習って欲しい。そうすれば邦画の弱点がカバーできる。本作は元々は古典だったのかもしれないが、こういうファンタジー系の作品とゲームは相互乗り入れ的な部分が必ずあるもので、次作はどうなるか知らないが、エンディングを見る限り、戦士に目覚めたハリー・ポッターとその相棒役のハーマイオニー、それにサポート役(ヒーラー?)のロンの三人構成でラスボスと最終決戦という事になるような気がする。「ファイナル・ファンタジー」。校長が最後に使う魔法は「ファイガ」。原作があるにしても、映画化する上でかなり工夫が見られるし、単なる映画化というより、映画作品としての出来を重視した感じがして、落ち目の洋画の中では、いくつか、離脱の方向性を示した作品とも見れる。


ヒアリング度:★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)