雷桜 (2010)
U.S. Release Date:
■監督:廣木隆一
■原作:宇江佐真理『雷桜』(角川書店刊)
■キャスト:蒼井優/岡田将生/小出恵介/時任三郎/柄本明/宮崎美子
■音楽:大橋好規
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)
「宇江佐真理の同名時代小説を「ホノカアボーイ」の岡田将生と「百万円と苦虫女」の蒼井優主演で映画化。江戸時代の山あいの村を舞台に、ある事件が原因で深い山の中で野性的に育てられた奔放な少女と将軍の血を引く孤独な青年が繰り広げる身分を越えた純愛とその顛末を描く。監督は「ヴァイブレータ」「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一。
将軍家に生まれ、重い宿命を背負いながらも心に病を抱えて生きる孤独な若い殿様、清水斉道。家臣・瀬田助次郎が語る“故郷の瀬田村には天狗がいる”という話に興味を持ち、静養のため瀬田村へと向かう。道中、“天狗の棲む山”にさしかかると、家臣の制止を振り切り、ひとり山へと馬を走らせる斉道。そこで出会ったのは雷という山育ちの若い娘だった。天狗の正体が雷と知り、そのことを助次郎に話したところ、助次郎は乳飲み子の頃に藩の政争に巻き込まれ掠われた妹の遊に違いないと確信する。晴れて村に戻り斉道と再会する雷。身分がどういうものかも分からないことで殿様相手にも心の赴くままに接していく雷だったが…。」(allcinema.net/より。)
小説として何日もかけて読んだら、かなり内容があって、先の展開も分からない部分もあって面白いだろうが、2時間ちょっとの映画作品にするのはちょっと無理があったような。テーマが多すぎる。「純愛」といっても果たしてそうだろうか。主人公(?)の「殿様」は母親が精神障害ぎみだったのだろうか、1シーンだけ(幼児)虐待される部分があって、その悪夢に苦しみ、「雷」の母親の台詞だったかで、「愛情は人を育てる」というのがあって、「殿様」が最初に「雷」に合った時は、おそらくは山育ちで自分には無い強さを感じたのじゃないだろうか。その後で、これが愛情に昇華したような。これで「殿様」の病気が治るという展開。それと運命(さだめ)の問題。「殿様」は運命があることを知っていて、「雷」との関係で自分の運命に逆らおうとするが、山育ちの「雷」は、動植物の死は知っていても、人としての運命があるという事が分からなかったのじゃないか。(最後の別れでそれを知ることになる。)「雷」の育ての親(時任三郎)の問題もある。彼は藩の命令で幼い「雷」を誘拐し、殺すことを命じられるが、雷(かみなり)が落ちても笑顔の「雷」を見て、藩士としての身分(=運命)を捨て、「雷」を自分の娘として育てることにし、そのことで人らしい生き方を見い出す。そして多分、3つ目のテーマは、果たして愛は運命を超えられるか、だろうが、これに対する原作者の考えは、どっちとも取れる。短い期間ではあっても愛情で結ばれた二人、しかし運命のために別れることになる。ラストからすると、運命に従うことで愛を失い、悲しい人生を歩むことになった「殿様」、これに対し「殿様」の思い出を生涯、大事にし、子宝にも恵まれた「雷」。強いていえば、愛を捨てて運命に従ったのが過ちだった、というのが原作者の考えのように思われるが、逆らえない運命もあるという事も、テーマになっている。これは批判ではなくて、最初に戻るが、何日もかけて読めば、考える時間と余裕があるだろうが、2時間ちょっとの映画作品で見てしまうと、その時間も余裕も無い。こうして見るとなんだか小説のプレビューみたいな作品になってしまっている。まあ、そういう映画作品があってもいいのだろうが、もうちょっとテーマを絞ることは出来なかったのだろうか。蒼井優の「天狗」はかなりな見所。馬、乗れるのだろうか、本物っぽい。運命オンリーの柄本明(「殿様」の家臣)の切腹シーンもかなり。ロケ地の山野の風景も。
ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
U.S. Release Date:
■監督:廣木隆一
■原作:宇江佐真理『雷桜』(角川書店刊)
■キャスト:蒼井優/岡田将生/小出恵介/時任三郎/柄本明/宮崎美子
■音楽:大橋好規
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)
「宇江佐真理の同名時代小説を「ホノカアボーイ」の岡田将生と「百万円と苦虫女」の蒼井優主演で映画化。江戸時代の山あいの村を舞台に、ある事件が原因で深い山の中で野性的に育てられた奔放な少女と将軍の血を引く孤独な青年が繰り広げる身分を越えた純愛とその顛末を描く。監督は「ヴァイブレータ」「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一。
将軍家に生まれ、重い宿命を背負いながらも心に病を抱えて生きる孤独な若い殿様、清水斉道。家臣・瀬田助次郎が語る“故郷の瀬田村には天狗がいる”という話に興味を持ち、静養のため瀬田村へと向かう。道中、“天狗の棲む山”にさしかかると、家臣の制止を振り切り、ひとり山へと馬を走らせる斉道。そこで出会ったのは雷という山育ちの若い娘だった。天狗の正体が雷と知り、そのことを助次郎に話したところ、助次郎は乳飲み子の頃に藩の政争に巻き込まれ掠われた妹の遊に違いないと確信する。晴れて村に戻り斉道と再会する雷。身分がどういうものかも分からないことで殿様相手にも心の赴くままに接していく雷だったが…。」(allcinema.net/より。)
小説として何日もかけて読んだら、かなり内容があって、先の展開も分からない部分もあって面白いだろうが、2時間ちょっとの映画作品にするのはちょっと無理があったような。テーマが多すぎる。「純愛」といっても果たしてそうだろうか。主人公(?)の「殿様」は母親が精神障害ぎみだったのだろうか、1シーンだけ(幼児)虐待される部分があって、その悪夢に苦しみ、「雷」の母親の台詞だったかで、「愛情は人を育てる」というのがあって、「殿様」が最初に「雷」に合った時は、おそらくは山育ちで自分には無い強さを感じたのじゃないだろうか。その後で、これが愛情に昇華したような。これで「殿様」の病気が治るという展開。それと運命(さだめ)の問題。「殿様」は運命があることを知っていて、「雷」との関係で自分の運命に逆らおうとするが、山育ちの「雷」は、動植物の死は知っていても、人としての運命があるという事が分からなかったのじゃないか。(最後の別れでそれを知ることになる。)「雷」の育ての親(時任三郎)の問題もある。彼は藩の命令で幼い「雷」を誘拐し、殺すことを命じられるが、雷(かみなり)が落ちても笑顔の「雷」を見て、藩士としての身分(=運命)を捨て、「雷」を自分の娘として育てることにし、そのことで人らしい生き方を見い出す。そして多分、3つ目のテーマは、果たして愛は運命を超えられるか、だろうが、これに対する原作者の考えは、どっちとも取れる。短い期間ではあっても愛情で結ばれた二人、しかし運命のために別れることになる。ラストからすると、運命に従うことで愛を失い、悲しい人生を歩むことになった「殿様」、これに対し「殿様」の思い出を生涯、大事にし、子宝にも恵まれた「雷」。強いていえば、愛を捨てて運命に従ったのが過ちだった、というのが原作者の考えのように思われるが、逆らえない運命もあるという事も、テーマになっている。これは批判ではなくて、最初に戻るが、何日もかけて読めば、考える時間と余裕があるだろうが、2時間ちょっとの映画作品で見てしまうと、その時間も余裕も無い。こうして見るとなんだか小説のプレビューみたいな作品になってしまっている。まあ、そういう映画作品があってもいいのだろうが、もうちょっとテーマを絞ることは出来なかったのだろうか。蒼井優の「天狗」はかなりな見所。馬、乗れるのだろうか、本物っぽい。運命オンリーの柄本明(「殿様」の家臣)の切腹シーンもかなり。ロケ地の山野の風景も。
ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)