NINE (2009)

2010-03-27 07:57:08 | Weblog
NINE (2009)
Nine

U.S. Release Date: 2009

■監督:ロブ・マーシャル
■原作:アーサー・コピット
■キャスト:ダニエル・デイ=ルイス/マリオン・コティヤール/ニコール・キッドマン/ジュディ・デンチ/ペネロペ・クルス/ソフィア・ローレン/ケイト・ハドソン他
■音楽:モーリー・イェストン
■字幕:石田泰子
■お勧め度:★★★★

 「イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督による不朽の名作「8 1/2」を基にしたトニー賞受賞の大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカルを、「シカゴ」のロブ・マーシャル監督が錚々たる俳優陣を起用し映画化。新作の撮影を控えた一人の世界的映画監督が、その構想に行き詰まり精神的に追いつめられていく中、彼を取り巻く女性たちと繰り広げる混乱と混沌の行方が、華麗にして幻想的な歌と踊りで綴られてゆく。主演のダニエル・デイ=ルイスをはじめ、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレンと、オスカー俳優が6人も顔を揃えた豪華キャストが話題に。
 待望の新作「ITALIA」が撮影開始目前の世界的な映画監督グイド。ところが、脚本は未だ完成せず、頭の中も白紙状態。それでも周囲では準備が着々と進み、制作発表の記者会見はどうにか乗り切ったものの、いよいよプレッシャーは限界を超えてしまう。愛する女性たちに慰めを求めるも、罪悪感でさらに追いつめられ、ついには混乱の中で幻想の世界に逃避してしまうグイドだったが…。」(allcinema.net/より。)

「シカゴ」とは似ても似つかない超豪華キャスト。こういうのを観るとさすが洋画。これだけの豪華キャストは舞台では無理だろう(スケジュールが合わない)。歌的にはミュージカル俳優に劣るにしても、このキャストは見応えあり。おそらくは本人が歌っていると思うが、そう下手でもない。マリオン・コティヤールはミュージカル俳優なみだろう。ただし筋書きは消化不良、つまらない。筋書きよりは女優と歌とダンスを観る作品だろう。キャストに幅がある。ソフィア・ローレンは感動的。何歳になるのだろうか。歳を感じさせない。この作品のポスターのニコール・キッドマンがすごくイケてたので、それを見るのが楽しみだったが、本番では、あまり目立たない。聡明な彼女のことなので、こういう作品で他の女優と張り合うのはバカらしいと思ったのだろう。ただし他の女優とはタイプが違うので、出演OKという目算だろう。色々とタイプの違う女優を見て楽しめる作品。音楽的にも、かなりいい。メインテーマはスタンダードとして残るかもしれない。

ミュージカルというと、昔から色々なタイプがあって、昔のはストーリーと筋書きが主だったような印象があるが、こういうタイプは今は流行らないのかもしれない。豪華キャストの物量というのが今風なのかもしれない。昔のは単に出演人数が多いというだけだった。もっともこういう作品を二度と作れるかどうか疑問だが。どちらを観て楽しいか、両方だろう。

悪く言えば筋書きどおりのネタ切れで豪華キャストで誤魔化した作品。それでも見応えは十分。主演のダニエル・デイ=ルイスと筋書きは無視した方が楽しめるだろう。


ヒアリング度:★★★
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

おとうと (2009)

2010-03-20 07:56:22 | Weblog
おとうと (2009)

U.S. Release Date:

■監督:山田洋次
■キャスト:吉永小百合/笑福亭鶴瓶/蒼井優/(小日向文世)/(石田ゆり子)
■音楽:冨田勲!??
■字幕:
■お勧め度:★★★★

 「「男はつらいよ」シリーズ、「たそがれ清兵衛」の名匠・山田洋次監督の10年ぶりの現代劇となる家族の絆の物語。しっかり者の姉と問題ばかりを起こしてきた愚かな弟が繰り広げる再会と別れを、笑いと涙を織り交ぜ切なくも感動的に綴る。主演は「母べえ」に続いての山田監督作品出演となる吉永小百合と「ディア・ドクター」の笑福亭鶴瓶。共演に蒼井優、加瀬亮。
 東京で薬局を営む高野吟子は、夫を早くに亡くし、女手ひとつで一人娘の小春を育ててきた。その小春もエリート医師との結婚が決まり、喜びもひとしお。ところが式の当日、音信不通だった吟子の弟、鉄郎が突然羽織袴姿で現われた。酒癖が悪く、たびたび問題を起こしてきた家族の鼻つまみ者。周囲の心配をよそに、またしても酒をあおって大暴れ、大事な披露宴を台無しにしてしまう。誰もが激怒する中、それでも鉄郎をかばってしまう吟子だったが…。」(allcinema.net/より。)

色々。

一人っ子には分からない兄弟姉妹の絆。かなり感動的に描けていると思うが。たとえば高野吟子(吉永小百合)は小鳥を籠の中で飼うが、弟(笑福亭鶴瓶)は自分の部屋で放し飼いにする。自分は自由に生きたい、その甘えの表現じゃないだろうか。そして格好つけたがり屋の弟は、その甘えをうまく表現できない。姉の方もそれが良く分からない。すれちがい。

「男はつらいよ」シリーズは嫌いなのでほとんど観てないが、問題児という点では同じにしても、内容的には、かなり違うかもしれない。姉と弟の絆にしても、小春の結婚問題にしても、面白いというより、かなりマジに取り扱っている。小春の件でいうと、結婚相手は大学病院だかのエリート医師。世間体的には釣合っているものの、世間体的な結婚だったために破局を迎える。代りに選んだのが同じ商店街の大工さん。世間体より実を取ったという事になる。この点はしかしあまり面白くはないが。

弟はその最後を民間がボランティアでやっているホスピスで過ごす。癌や糖尿やらで、どうしようもない状態に陥った弟の最後がかなり感動的。姉、小春、大工さん、それとホスピスの所長(小日向文世)と助手だか(石田ゆり子)が、最後は医者抜きで弟を死なせてあげる。これはいわゆる安楽死になるのだろうが、今、安楽死が合法なのか分からないが、そうでないとしたらテーマだろう。

吉永小百合という女優は出たがりではないので、ほとんど観る/見る機会が無いので分からないが、歳とったせいか妙に庶民っぽくていい。薬局の店主が似合っている。ドラッグストアだったらミスキャストだっただろう。娘の小春も妙に薬局が似合っている。これに小林稔侍(長兄)、森本レオ(歯医者)、加藤治子(高野吟子の母)などが、そう目立たないもののいいキャスト。

音楽の冨田勲は別人か?冨田勲というと70年代だったかにシンセサイザーを世界で最初だかに開発して、ホルストの壮大な「惑星」をシンセだけで演奏して、LPレコードに入れて、これが革命的だった記憶があるが、本作では殆ど曲らしい曲を書いてないので、別人かもしれない。

色々と見所や考え所があって「寅さん」とは似ても似つかない作品。

しかし松竹も看板シリーズの「寅さん」と「釣りバカ」が終わって、代わりを探しているのかもしれないが、この作品を観る限り、吉永小百合の庶民派ドラマがいけるような気がする。所属が分からないのでなんとも言えないが。綺麗というより可愛い感じがするので、出すだけでもマンネリシリーズなら続くだろう。


ヒアリング度:
感動度:★★★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

インビクタス/負けざる者たち (2009)

2010-03-12 07:51:46 | Weblog
インビクタス/負けざる者たち (2009)
Invictus

U.S. Release Date: 2009

■監督:クリント・イーストウッド
■原作:ジョン・カーリン
■キャスト:モーガン・フリーマン/マット・デイモン
■音楽:カイル・イーストウッド
■字幕:松浦美奈
■お勧め度:★★

 「「チェンジリング」「グラン・トリノ」の巨匠クリント・イーストウッド監督が、アパルトヘイト(人種隔離政策)後の南アフリカで開催されたラグビーワールドカップを巡る感動の実話を映画化したヒューマン・ドラマ。アパルトヘイト撤廃後も人種間対立が残る中、国民が一つにまとまる大きな転機となった自国開催のラグビーW杯での奇跡の初優勝までの道のりを、ネルソン・マンデラ大統領と代表チーム・キャプテンを務めたフランソワ・ピナール選手との間に芽生える絆を軸に描き出す。主演はモーガン・フリーマンとマット・デイモン。
 1990年、アパルトヘイトに反対し27年間も投獄されていたネルソン・マンデラがついに釈放される。そして1994年、初めて全国民が参加した総選挙が実施され、ネルソン・マンデラは南アフリカ初の黒人大統領に就任する。しかしアパルトヘイト撤廃後も、白人と黒人の人種対立と経済格差は依然として解消されず、国家はいまだ分断状態にあった。マンデラ大統領にとって国民の統合こそが悲願であり、自ら寛容の精神で範を示し、国民に和解と融和を呼びかける。そして、翌95年に南アフリカで初開催されるラグビーW杯を国民融和の絶好のチャンスと捉える。彼は、長らく国際試合から閉め出され弱小化していた代表チームのキャプテン、フランソワを官邸に招き、国を一つにまとめるためにW杯での優勝が欠かせないと訴えかける。戸惑いつつも、大統領の不屈の信念に心打たれたフランソワは、やがて誰もが不可能と考えた優勝目指してチームを引っ張っていくのだが…。」(allcinema.net/より。)

巨匠が放つ久々の駄作。という目で見れば面白いが。実話の映画化といえばしょうがないのだろうが、だったら作るなと言いたい。テーマが多すぎる。マンデラ大統領を描くのが主だろうが、それにラグビーチーム、主将の家族、特に反マンデラ派の父親、マンデラ大統領のシークレットサービス、南ア国民と国造り。これらが「平等」に描かれている。バイキング式に観るなら面白いだろうが、中途半端。それにアパルトヘイトの実態は描かれないが、10年前までの事を覚えているだろうか。アパルトヘイトがどういうものだったかを調べてから観るなら、それなりの説得力はあっただろうが、そうでない場合はマンデラ大統領の信念にしても、分からないだろう。おそらくはアパルトヘイト時代の南アフリカは英国系の白人が支配していて、それでラグビーになったのだろうが、絶対多数の黒人たちが、そのラグビーやW杯に熱狂する理由が分からない。マンデラ大統領の宣伝活動の産物としてしか描かれない。それに実際の黒人の子供たちはサッカー好き。アメフトは違うにしても、サッカー好きがラグビーに興味持つだろうか。両方とも興味無いので分からないが。でもまあ、ラグビーを国民統合の手段と象徴に選んだのは効果的だが。これから逆算的に国民をラグビー好きにしたような。真実を描くという点では「硫黄島」シリーズでかなりいい線いったし、隠された真実を暴くような所もあったが、本作では単に事実を描いただけ。一番、分からないのは弱小ラグビーチームがどうやってW杯で優勝するまでに至ったか。特に選手を入れ替えた事もないし、極端な特訓もしていない。決勝戦のオールブラックス(ニュージーランド)戦では巨漢のフォワード(と言うのか知らないが)を止めることで成功するが、弱小チームにできた事がなんで実力では上だったイングランドにできなかったのだろうか。ラグビーは計算よりも根性にしても、国民の支持だけで強くなれるのだろうか。「東洋の魔女」は、半端じゃないシゴキで東京五輪で優勝した。一番の見所はシークレットサービスだろう。たいした、というか全く事件らしきものは起きないが、むしろそれだからこそ見所。良く言えば巨匠のバランス感覚の良さ。これはクリント・イーストウッド監督の良さでもある。しかしこれだけだとちょっと。

いわゆる後進国が五輪やらで成長するのはパターンにしても、1990年に釈放で95年にW杯。この5年間に南アで起きた出来事やらを描いた方が面白かったのじゃないだろうか。南アの場合はアパルトヘイトという隔離政策を採っていて、世界中から非難されてマンデラ大統領に託した感じだが、託したのは多数派の黒人だけじゃなくて支配層の白人も同じだったはず。本音的にはアパルトヘイト継続支持だっただろう白人たちが、どういういきさつや心理変化でマンデラ大統領に託すことになったのか、この点がむしろ知りたかった。これが描かれないためにマンデラ大統領の偉大さが分からない。クリント・イーストウッド監督は月並みパターンや流行は嫌う性格だが、むしろマンデラ大統領をヒーロー化して描いた方が面白かったような。監督のミスキャスト。

ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

しあわせの隠れ場所 (2009)

2010-03-06 08:57:47 | Weblog
しあわせの隠れ場所 (2009)
The Blind Side

U.S. Release Date: 2009

■監督:ジョン・リー・ハンコック
■原作:マイケル・ルイス『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』(ランダムハウス講談社刊)
■キャスト:サンドラ・ブロック/クィントン・アーロン/キャシー・ベイツ/ティム・マッグロウ
■音楽:カーター・バーウェル
■字幕:山門珠美
■お勧め度:★★

 「一度はホームレスになるなど過酷な少年時代を過ごしながらも、ある家族との出会いによって自らの才能を開花させ、ドラフト1巡目指名でNFLデビューを飾ったマイケル・オアー選手の感動の実話をサンドラ・ブロック主演で映画化。原作はマイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』。共演はカントリー歌手のティム・マッグロウと「僕らのミライへ逆回転」のクィントン・アーロン。監督は「オールド・ルーキー」のジョン・リー・ハンコック。
 夫と娘、息子の4人で幸せに暮らす裕福な白人家庭の夫人リー・アン。彼女はある凍てつくような真冬の夜、ひとり寂しくTシャツと短パンで歩いている巨漢の黒人少年に目を止め、声をかける。そして、マイケルと名乗るその少年を放っておけなくなり、ひとまず自宅へ彼を招き入れることに。マイケルは父親の顔も知らずに育ち、母親とは引き離され、住む場所や学校も転々とする劣悪な境遇に置かれていた。そんな彼に、はじめは憐れみだけを感じていたリー・アン。しかし、マイケルの瞳の中に輝きを見つけた彼女は後見人になると決心、自分の部屋と教育の場を与え、改めて家族の一員としてマイケルを迎え入れるのだった。またリー・アンはある時、大柄でありながら敏捷な肉体と仲間を危険から守る保護本能に秀でた心を持つマイケルにアメリカン・フットボールの才能を見出す。こうしてアメフトに取り組むマイケルはたちまちその能力を発揮し、一躍注目選手として成長していくのだが…。」
(allcinema.net/より。)

サンドラ・ブロックはミスキャスト。実話の台本どおり。わざわざ金髪なのはなぜかと思ったら、実話のリー・アンが金髪だから。サンドラ・ブロックに金髪はまったく似合ってない。サンドラ・ブロックはこういう役をやるような女優じゃないだろう。主演というより、むしろ実話のアメフト選手の引き立て役。久々のアメフト物なので期待したが、「国技」のせいか細かい部分は分からない。タックルとガードの違いとか。それにタックルにしてもガードにしても、QB(クオーターバック)を守るのが仕事ではあるけれど、その適性検査で(仲間の)保護本能が秀でていることになっているが、こういう適性検査というのはどうやってやるのだろうか。実話の「マイケル・オアー」は保護本能は抜群だがIQは極端に低い。しかし彼はバカじゃないし、単に勉強の仕方が分からない、教えてもらったことが無い。だから成績が悪い。適性検査のIQが低かったら単なるバカだろう。適性検査は当てにならないということか。マイケル・オアーの中学・高校時代の先生たちが親身になって彼を指導してくれた事が、かなり詳しく描かれているが、IQは低くてもなんとかなるということか。

解説の「のだが…。」というのは、同じ大学出身の家族、人々が才能を認めた人材の後見人になって同じ大学に入れるのは問題じゃないかというものだが、風習の違いか、ちょっと分からない。偽善にしても優秀な人材を育てて優秀な大学に入れるというのに何の問題があるのだろうか。日本の高校野球の場合だったら、手段は選ばないだろう。むしろ人材発掘には効果的な方法じゃないか。

テレビドラマ作品。わざわざ映画館で観る作品じゃないだろう。見所があるとすれば家庭教師役のキャシー・ベイツぐらいだろう。

ヒアリング度:★
感動度:★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)