おっぱいバレー (2008)
U.S. Release Date:
■監督:羽住英一郎
■原作:水野宗徳『おっぱいバレー』(リンダパブリッシャーズ刊)
■キャスト:綾瀬はるか/......./仲村トオル/市毛良枝
■音楽:佐藤直紀 主題歌:Caocao『個人授業』
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)
「実話を基にした水野宗徳の同名青春小説を「ハッピーフライト」の綾瀬はるか主演で映画化。70年代後半の中学校を舞台に、新任女性教師の成長と彼女のおっぱい見たさに見違えるように練習に励む弱小男子バレー部員たちの奮闘をさわやかに綴る。監督は「海猿」シリーズ、「銀色のシーズン」の羽住英一郎。
1979年、北九州。中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任されるが、そこに待っていたのは、バレーボールすらまともに触ったことのないやる気ゼロのダメダメ部員たちだった。彼らのやる気を引き出し、廃部寸前のバレー部を何とか立て直そうとする美香子だったが、ひょんなことから“試合に勝ったら、おっぱいを見せる”というとんでもない約束をさせられるハメに。おっぱいを見せるなんて絶対無理と思いながらも、別人のようにやる気を見せ始めた彼らと、日々の練習を通じて次第に信頼関係を築いていく美香子。そんな矢先、“おっぱいの約束”が学校で大きな問題となってしまう。」(allcinema.net/より。)
最後の「学校で大きな問題となってしまう」というのはラスト付近のことなので、あまり考えない方がいいだろう。むしろテーマとしては中学生、あるいはその年代の子供というのは無限の可能性を秘めていて、本人たちがそれに気付くかどうかは別として、何かの動機ないし理由さえあれば、無限の成長が可能だという事だろう。これはいい事でもあるが、ある意味では恐いことでもある。間違った方向に進めば。作品の性格としては面白系ながら、生徒たちの成長と美香子の教師としてのそれをコントラストする事で、このテーマが良く描かれている。たとえば、最初は確かに「おっぱい見たさ」だけで頑張る生徒たちだが、自分たちが精神的に成長するにつれ、美香子の「おっぱい」を見てあげることが、教師として尊敬するようになった彼女への恩返し(?)になるという風に考えが変わってくる。これも生徒たちの無意識ながらの成長ぶりで、無限の可能性というのがいい方向に働けば、たとえ中学生でも大人なみの考えを抱けるようになるという事だろう。そしてそうした成長を助けるのが特に中学校の教師の役目ではないか、というのが作品ないし原作が問うている事だろう。あえて時代設定を70年代後半にしたのも、今との比較が目的だっただろう。製作は日テレなので、「11PM」の放映シーンがあるが、この頃のエロ系の雑誌やらというのは、いわゆる「お姉さん」系が主流で、純真な子供たちが見たにしても、おそらくはあまり感動はしなかっただろう。ズリネタ以外という意味では。その事への反発もあって、清純派、美香子の「おっぱい」という事になるわけで、時代背景(?)も良く捉えているし、活かしていると言えるだろう。しかし綾瀬はるかっていうのは面白系というよりマジ/シリアス系じゃないだろうか。これで数作観たが、観るたびに「ICHI」での彼女の印象が深まってくる。仲村トオルは殆ど作品を通して出ているのであまり気にならないが、最後の方で出てくる市毛良枝と比べると、面白系の綾瀬はるかとは役者としても女優としても格段の差を感じてしまう。綾瀬はるかはアイドルなのだろうが、マジ/シリアス系の作品に出した方がいいのじゃないか、女優として成長させるという意味でも。むしろ彼女の生徒の一人、名前が分からないが、女生徒の方が、少なくとも本作品では女優として目を引く。その他、色々と思惑も感じられて面白い。日テレの過去の時代物作品というと、「博物館」の域を出ない駄作が多かったが、「おくりびと」(TBS、朝日新聞ほか)が小道具に関してひどい手抜き作品だったにもかかわらず、なんとか賞をもらった事に対抗する意味か、あるいは過去の「博物館」駄作の反省の意味もあってか、セットや小道具にやたら凝っていて楽しめる。特にこの時代のプラモデルとかは、今では殆ど入手不可能だろう。あるとしても箱だけ。この頃のプラモデルは材質のせいで、今では風化しているはずだ。その他、路面電車も復元したのだろうか。ちゃんと走っているし、人も乗っている。セットや小道具が「博物館」になるというのは、復元すること自体が目的になってしまっていて、物語りや筋書きとマッチしていないことが理由。本作では子供たちが見るエロ雑誌やらが、作品の時代設定とマッチしているし、街並にしても、たしかにそこで生活しているというような感じがする。北九州の町を選んだというのも効果的だろう。いくら70年代後半にしても、東京とかが舞台だったら、本作品のテーマは描けなかっただろう。個人的には使用されている音楽が「微笑がえし」(キャンディーズ)以外は知らないとうか興味なかったのでつまらなかったのだが、あくまで個人的な話なので。いずれにしても気楽に観て充分、楽しめる作品だろう。秀作とはいかないまでも。
ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
U.S. Release Date:
■監督:羽住英一郎
■原作:水野宗徳『おっぱいバレー』(リンダパブリッシャーズ刊)
■キャスト:綾瀬はるか/......./仲村トオル/市毛良枝
■音楽:佐藤直紀 主題歌:Caocao『個人授業』
■字幕:
■お勧め度:★★★(★)
「実話を基にした水野宗徳の同名青春小説を「ハッピーフライト」の綾瀬はるか主演で映画化。70年代後半の中学校を舞台に、新任女性教師の成長と彼女のおっぱい見たさに見違えるように練習に励む弱小男子バレー部員たちの奮闘をさわやかに綴る。監督は「海猿」シリーズ、「銀色のシーズン」の羽住英一郎。
1979年、北九州。中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任されるが、そこに待っていたのは、バレーボールすらまともに触ったことのないやる気ゼロのダメダメ部員たちだった。彼らのやる気を引き出し、廃部寸前のバレー部を何とか立て直そうとする美香子だったが、ひょんなことから“試合に勝ったら、おっぱいを見せる”というとんでもない約束をさせられるハメに。おっぱいを見せるなんて絶対無理と思いながらも、別人のようにやる気を見せ始めた彼らと、日々の練習を通じて次第に信頼関係を築いていく美香子。そんな矢先、“おっぱいの約束”が学校で大きな問題となってしまう。」(allcinema.net/より。)
最後の「学校で大きな問題となってしまう」というのはラスト付近のことなので、あまり考えない方がいいだろう。むしろテーマとしては中学生、あるいはその年代の子供というのは無限の可能性を秘めていて、本人たちがそれに気付くかどうかは別として、何かの動機ないし理由さえあれば、無限の成長が可能だという事だろう。これはいい事でもあるが、ある意味では恐いことでもある。間違った方向に進めば。作品の性格としては面白系ながら、生徒たちの成長と美香子の教師としてのそれをコントラストする事で、このテーマが良く描かれている。たとえば、最初は確かに「おっぱい見たさ」だけで頑張る生徒たちだが、自分たちが精神的に成長するにつれ、美香子の「おっぱい」を見てあげることが、教師として尊敬するようになった彼女への恩返し(?)になるという風に考えが変わってくる。これも生徒たちの無意識ながらの成長ぶりで、無限の可能性というのがいい方向に働けば、たとえ中学生でも大人なみの考えを抱けるようになるという事だろう。そしてそうした成長を助けるのが特に中学校の教師の役目ではないか、というのが作品ないし原作が問うている事だろう。あえて時代設定を70年代後半にしたのも、今との比較が目的だっただろう。製作は日テレなので、「11PM」の放映シーンがあるが、この頃のエロ系の雑誌やらというのは、いわゆる「お姉さん」系が主流で、純真な子供たちが見たにしても、おそらくはあまり感動はしなかっただろう。ズリネタ以外という意味では。その事への反発もあって、清純派、美香子の「おっぱい」という事になるわけで、時代背景(?)も良く捉えているし、活かしていると言えるだろう。しかし綾瀬はるかっていうのは面白系というよりマジ/シリアス系じゃないだろうか。これで数作観たが、観るたびに「ICHI」での彼女の印象が深まってくる。仲村トオルは殆ど作品を通して出ているのであまり気にならないが、最後の方で出てくる市毛良枝と比べると、面白系の綾瀬はるかとは役者としても女優としても格段の差を感じてしまう。綾瀬はるかはアイドルなのだろうが、マジ/シリアス系の作品に出した方がいいのじゃないか、女優として成長させるという意味でも。むしろ彼女の生徒の一人、名前が分からないが、女生徒の方が、少なくとも本作品では女優として目を引く。その他、色々と思惑も感じられて面白い。日テレの過去の時代物作品というと、「博物館」の域を出ない駄作が多かったが、「おくりびと」(TBS、朝日新聞ほか)が小道具に関してひどい手抜き作品だったにもかかわらず、なんとか賞をもらった事に対抗する意味か、あるいは過去の「博物館」駄作の反省の意味もあってか、セットや小道具にやたら凝っていて楽しめる。特にこの時代のプラモデルとかは、今では殆ど入手不可能だろう。あるとしても箱だけ。この頃のプラモデルは材質のせいで、今では風化しているはずだ。その他、路面電車も復元したのだろうか。ちゃんと走っているし、人も乗っている。セットや小道具が「博物館」になるというのは、復元すること自体が目的になってしまっていて、物語りや筋書きとマッチしていないことが理由。本作では子供たちが見るエロ雑誌やらが、作品の時代設定とマッチしているし、街並にしても、たしかにそこで生活しているというような感じがする。北九州の町を選んだというのも効果的だろう。いくら70年代後半にしても、東京とかが舞台だったら、本作品のテーマは描けなかっただろう。個人的には使用されている音楽が「微笑がえし」(キャンディーズ)以外は知らないとうか興味なかったのでつまらなかったのだが、あくまで個人的な話なので。いずれにしても気楽に観て充分、楽しめる作品だろう。秀作とはいかないまでも。
ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)