7つの贈り物 Seven Pounds
U.S. Release Date: 2008
■監督:ガブリエレ・ムッチーノ
■キャスト:ウィル・スミス/ロザリオ・ドーソン
■音楽:アンジェロ・ミィリ
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:(★)
「ウィル・スミスが「幸せのちから」のガブリエレ・ムッチーノ監督と再びタッグを組んだ感動のヒューマン・ドラマ。辛い過去を背負い心に傷を抱えた男が、ある計画を実行するために見知らぬ7人を選び、彼らの人生を変える贈り物を捧げようとするミステリアスな動向とその真意が明らかとなっていくさまを綴る。
過去のある事件によって心に傷を抱えながら生きる男ベン・トーマス。彼は7人の名前が記されたリストをもとに、ある計画を実行しようとしていた。それは、7人がある条件に一致すれば、彼らの運命を永遠に変える贈り物を渡そうというもの。その7人は互いに何の関係もない他人同士だが、ベンにとっては彼らでなければならない理由があった。またこの計画の目的や、贈り物の中身が何であるか、ベン以外には彼の親友が唯一知るのみ。こうして、ベンは7人それぞれに近づき、彼らの人生を調べ始める。だがやがて、リストの中の一人で余命幾ばくもない女性エミリーとの出会いが、ベンの計画に大きな影響をもたらせていく…。」(allcinema.net/より。)
ネタ切れヤキ回りの洋画界としては、原作が無いと、まともな筋書きさえも書けなくなったようだ。逆転現象は円ドルレートにとどまらず、洋画が数年前の邦画レベルまで落ち込んだような。ベンの心の傷というのは、交通事故で妻を失った事だろうが、そもそもこの事が彼の落ち度として明確に描かれていない。むしろ運転の邪魔をした妻の方のような描き方。そしてその贖罪のために、赤の他人にプレゼントを贈るという筋書きだが、そのくせまっ先にエミリーに惚れて、自分の命と引き換えに彼女を助ける。筋になってないだろうが。あまりにも下らないので誰も観ないと思うので全てバラしてしまおう。原題の「Seven Pounds」は、7つの臓器の事で、ベンの「計画」というのは、マゾ的な贖罪ごっこの事で、自分の臓器を、自分が勝手に選んだ「いい人」に提供してあげるということで、その事を最後まで観ないと分からなくしただけの作品。単に分からないというだけで、ミステリーにさえなっていない。というような破綻した筋書きに無自覚のまま、ほとんど最初からラブストーリーにしたが、臓器移植というものが普通になっているアメリカでは普通なのだろうが、先天性の心臓病のエミリーに、自分が自殺して心臓を提供するというのは、あまりにも即物的で、ラブストーリーとして観たら、しらけるだけ。医学的な事は分からないが、この点も破綻しているかもしれない。なんせエミリーの場合は、ドナーが見つかる確率が3~5%と医者が言っているにも関わらず、ベンがその3~5%に入っていた。それで彼女を選んだというのなら分かるが、その彼女に惚れるというのは全く無関係だろう。強いて面白い部分といえば、ベンが弟の名を借りて国税局の役人になりすまし、その裁量で何人かを助ける部分だろうが、この事も贖罪ごっこの一環でしかないため、終わってみると、まるで印象に残らない。まあ、みじめな役の巧いウィル・スミスを使ったのは、こういうマゾ男を演じるには最適だっただろうが、それならそれで、そのように描かないと、あるテーマもなくなる。しかしこういうのを見ると、臓器移植に関しては、これと言って意見は無いが、それが普通の事のように行われる社会になると、やはり人間としての尊厳が失われるような気がする。秀作、「感染列島」に比べると、ラブストーリーとしての描き方も、臓器を提供することで自分は生き甲斐、というより自己満足を感じ、提供を受けた方のエミリーにしても、それを受け入れてしまうようなエンディングで、何の感動も無い。なんかアメリカ経済の破綻を映し出しているような殺伐感すら感じる。命を守るために臓器を移植するという事と、人間らしく生きて死ぬという事とは、全く別の次元の事じゃないか。作品ではなんか臓器を移植すること自体が、人間らしい生き方のように描かれている。この二つの事がごっちゃに観念されているとするなら、臓器移植には絶対反対という立場にならざるを得ない。
ヒアリング度:★★★
感動度:
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:★★★
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)
U.S. Release Date: 2008
■監督:ガブリエレ・ムッチーノ
■キャスト:ウィル・スミス/ロザリオ・ドーソン
■音楽:アンジェロ・ミィリ
■字幕:松崎広幸
■お勧め度:(★)
「ウィル・スミスが「幸せのちから」のガブリエレ・ムッチーノ監督と再びタッグを組んだ感動のヒューマン・ドラマ。辛い過去を背負い心に傷を抱えた男が、ある計画を実行するために見知らぬ7人を選び、彼らの人生を変える贈り物を捧げようとするミステリアスな動向とその真意が明らかとなっていくさまを綴る。
過去のある事件によって心に傷を抱えながら生きる男ベン・トーマス。彼は7人の名前が記されたリストをもとに、ある計画を実行しようとしていた。それは、7人がある条件に一致すれば、彼らの運命を永遠に変える贈り物を渡そうというもの。その7人は互いに何の関係もない他人同士だが、ベンにとっては彼らでなければならない理由があった。またこの計画の目的や、贈り物の中身が何であるか、ベン以外には彼の親友が唯一知るのみ。こうして、ベンは7人それぞれに近づき、彼らの人生を調べ始める。だがやがて、リストの中の一人で余命幾ばくもない女性エミリーとの出会いが、ベンの計画に大きな影響をもたらせていく…。」(allcinema.net/より。)
ネタ切れヤキ回りの洋画界としては、原作が無いと、まともな筋書きさえも書けなくなったようだ。逆転現象は円ドルレートにとどまらず、洋画が数年前の邦画レベルまで落ち込んだような。ベンの心の傷というのは、交通事故で妻を失った事だろうが、そもそもこの事が彼の落ち度として明確に描かれていない。むしろ運転の邪魔をした妻の方のような描き方。そしてその贖罪のために、赤の他人にプレゼントを贈るという筋書きだが、そのくせまっ先にエミリーに惚れて、自分の命と引き換えに彼女を助ける。筋になってないだろうが。あまりにも下らないので誰も観ないと思うので全てバラしてしまおう。原題の「Seven Pounds」は、7つの臓器の事で、ベンの「計画」というのは、マゾ的な贖罪ごっこの事で、自分の臓器を、自分が勝手に選んだ「いい人」に提供してあげるということで、その事を最後まで観ないと分からなくしただけの作品。単に分からないというだけで、ミステリーにさえなっていない。というような破綻した筋書きに無自覚のまま、ほとんど最初からラブストーリーにしたが、臓器移植というものが普通になっているアメリカでは普通なのだろうが、先天性の心臓病のエミリーに、自分が自殺して心臓を提供するというのは、あまりにも即物的で、ラブストーリーとして観たら、しらけるだけ。医学的な事は分からないが、この点も破綻しているかもしれない。なんせエミリーの場合は、ドナーが見つかる確率が3~5%と医者が言っているにも関わらず、ベンがその3~5%に入っていた。それで彼女を選んだというのなら分かるが、その彼女に惚れるというのは全く無関係だろう。強いて面白い部分といえば、ベンが弟の名を借りて国税局の役人になりすまし、その裁量で何人かを助ける部分だろうが、この事も贖罪ごっこの一環でしかないため、終わってみると、まるで印象に残らない。まあ、みじめな役の巧いウィル・スミスを使ったのは、こういうマゾ男を演じるには最適だっただろうが、それならそれで、そのように描かないと、あるテーマもなくなる。しかしこういうのを見ると、臓器移植に関しては、これと言って意見は無いが、それが普通の事のように行われる社会になると、やはり人間としての尊厳が失われるような気がする。秀作、「感染列島」に比べると、ラブストーリーとしての描き方も、臓器を提供することで自分は生き甲斐、というより自己満足を感じ、提供を受けた方のエミリーにしても、それを受け入れてしまうようなエンディングで、何の感動も無い。なんかアメリカ経済の破綻を映し出しているような殺伐感すら感じる。命を守るために臓器を移植するという事と、人間らしく生きて死ぬという事とは、全く別の次元の事じゃないか。作品ではなんか臓器を移植すること自体が、人間らしい生き方のように描かれている。この二つの事がごっちゃに観念されているとするなら、臓器移植には絶対反対という立場にならざるを得ない。
ヒアリング度:★★★
感動度:
二度以上見たい度:
劇場で見たい度:
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:
ムカつく度:★★★
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)